Inc.：企業のCEOはタフな仕事です。しかし、これから紹介する5人のスーパーヒーローCEOは、実にうまくやってのけています。彼らの成功から何が学べるでしょうか？

ビジネスにおける成功の鍵は、人々が共感できるCEOを持つことです。私たちは企業が顧客と従業員をないがしろにするのを何度も見てきました。もはや、人間味のない企業が品質の高い製品やサービスを提供してくれるとは思えなくなっています。

現在成功しつつある企業の多くは、顧客が共感する素晴らしいCEOに率いられています。あなたも新しくビジネスを始めるつもりなら、こうしたスーパーヒーローCEOから学ぶべきことがたくさんあります。彼らは自らがブランドとなり、うそっぽい宣伝などしなくても、ポジティブで思いやりのある企業イメージを構築しています。顧客が最も重視するのも、このブランドイメージです。ポジティブなイメージのCEOを持つことが、ブランド構築への大きな一歩となります。顧客はブランドイメージによって買うものを決め、その後も忠誠心を持ち続けるのです。

ポール・ポルマン（Paul Polman）

ネスレ時代、ポール・ポルマン氏は、顧客のブランド・ロイヤルティを高め、競争力のない製品に労力を割くのをやめることで、同社の利益を維持しました。そのおかげで、ネスレは過去数年の間に世界を襲った経済危機をなんとかくぐり抜けました。ポルマン氏は、マーケティングのかわりに製品開発に重点を置き（自身は優秀なマーケッターでしたが）、ブランドの最も重要な部分の改善にフォーカスしつづけることで、顧客を呼び戻したのです。

リード・ヘイスティングス（Reed Hastings）

エンターテイメント業界なら、ネットフリックス（Netflix）は外せません。リード・ヘイスティングス氏は、映像ストリーミング配信に重点を置いたこと、また、エンターテイメント業界で生き抜く方法を熟知していたことで、スーパーヒーローCEOであることを証明しました。今や米国では、誰もがネットフリックスを使っています。購読者は指数関数的に増えており、勢いが弱まる様子はありません。ネットフリックスはエンターテイメント民間部門トップの地位を固めつつあります。

アラン・ムラーリー（Alan Mulally）

CEOにとって最も困難なチャレンジのひとつは、経営難に陥った企業を復活させることでしょう。周囲の予想に反して、アラン・ムラーリー氏は、フォード社を見事に復興しました。米国の3大自動車メーカーのなかで、政府の助成金を受けずに再生したのは同社だけです。ポール・ポールマン氏がネスレ社で行ったのと同じく、ムラーリー氏は製造過程の無駄を省き、利益を出している製品に注力、また、顧客のブランド・ロイヤルティに重点を置くことで収益を伸ばしました。

イーロン・マスク（Elon Musk）

テクノロジーを熟知し、最大限に活用しているCEOといえば、なんといってもイーロン・マスクです。1999年、マスク氏は最初の会社をコンパック社に2200万ドルで売却。その後、Paypalを共同創設、決済サービスをユビキタスにしました。彼はまた、eBay株を保持していたこともあります。現在では、民間の宇宙開発企業であるスペースX社のCEOとして、NASAのロケット開発を助けるとともに、100％電気で走る自動車を製造するテスラモーターズ社を経営しています。イノベーションにフォーカスし、テクノロジーで生活をより良いものにすることが、イーロン・マスク氏の真骨頂であり、その勢いはとどまる所を知りません。

ハワード・シュルツ（Howard Schultz）

スターバックスはどこにでもあります。すべてはハワード・シュルツ氏の手腕によるもの。シュルツ氏がスターバックスを買収してから、利益も株価も大幅に上昇し、同チェーンは米国中、さらには世界中に広がりました。シュルツ氏は、製品と同様、店舗の雰囲気を洗練させていきました。顧客たちは、高品質なコーヒーともに、スターバックスの居心地のよさを愛しているのです（雰囲気も製品と同様に重要な理由は、それもブランド体験の一部だからです）。シュルツ氏はスターバックスに高い収益をもたらすとともに、急拡大によるイメージの悪化から同チェーンを守りました。

5 Superhero CEOs You Can Steal From Like an Artist｜Inc.

Murray Newlands（訳：伊藤貴之）
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