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政治
【日曜講座 少子高齢時代】毎年20万人の移民、やがて日本人が少数派に 論説委員・河合雅司
避けられる人口減少
今のままならば、日本の21世紀は、未来の歴史学者たちから「人口激減の世紀」と呼ばれるだろう。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、現在約1億2750万人の総人口が、2060年に8674万人、2110年には4286万人まで減ると推計している。
こうした未来図を変える方策はないのか。2月に内閣府が「移民の大量受け入れ」という選択肢を示した。受け入れ規模は2015年から毎年20万人。2030年以降の合計特殊出生率が「2・07」に回復するのが前提である。
この2条件を達成すれば、2060年は1億989万人、2110年には1億1404万人となり、ほぼ1億1千万人水準を維持できるというのが結論だ。
20~74歳の「新生産年齢人口」も試算しているが、2012年の8973万人が、それぞれ6699万人、7227万人となる。
こうして数字を示されると、移民も「有力な選択肢」に見えてくる。だが、実現へのハードルは低くはない。
まず整理しておきたいのが、「移民」と「外国人労働者」の違いだ。移民は日本国籍を付与し永住が前提だ。一方、外国人労働者は企業が一時的な戦力として雇用する人たちで、景気動向によって帰国するし、よりよい条件を求めて他国に移ることもある。外国人の受け入れではこれらを混同した議論が多い。
これまで企業が想定したのは低賃金で働く20~30代の外国人労働者だ。不況になれば解雇すればよいとの発想である。だが、若い労働者を次々と入れ替えたのでは人口減少には対応できない。
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