あのヒット番組、作ったのは私です。

プロデューサーが語る「徹子の部屋」の秘密

『徹子の部屋』プロデューサー 田原敦子氏に聞く

そこで、黒柳さんに「お笑い芸人の方も呼びましょう」とお願いしたのですが、黒柳さんからは「いろいろな人のVTRを見たけど、面白くない。笑えない」と(笑)。黒柳さんにとっては、お笑いの面白さは落語とか漫談。どこが面白いのかわからない人は呼びたくないとおっしゃっていたのですが、「じゃあ、笑えないということを、ゲストに直接言ってください」と。

黒柳さんは「何が面白いのか見てやろう」という気持ちだったのだと思います。だから、間寛平さんの「かい~~の」というギャグに「どこがかゆいんですか?」と真顔で聞いたり、アンガールズさんに「どこで拍手すればいいんですか?」と聞いてしまう(笑)。こうした「何が芸なのかわからないわ」という徹子さんの「素直な」トークが面白くて、視聴率が伸びたのです。

徹子さんお手製の「ゲストメモ」とは?

――黒柳さんは番組中、メモを机の上に置きながら進行されていますが、制作側が作っているのですか。

いいえ。黒柳さんご自身が作っています。担当ディレクターがゲストに話を聞いてきて、その話をだいたい1時間かけて黒柳さんに話します。そこから黒柳さんが「その話、面白い」というネタを自分でノートにメモをするのです。本当に受験勉強するみたいに。

それを本番の日に、エピソードごとに書かれた紙を「この話はこっちかな」「これはこっちかな」と切って張った、机に載るくらいの大きさの画用紙のメモを作ってきます。そのメモを見ながら、最終的な打ち合わせをディレクターと一緒に「この話はこっちにもってきたいけど大丈夫か」などと綿密にやる。切り張りのメモは前日とか前々日に作っているみたいです。本当にまじめですね。

――平日は毎日放送されていますが、撮影はどのようなペースでしているのですか。

1週間分を2日間で撮ります。1日で3人分を撮影するわけですから、本当に大変だと思います。

事前打ち合わせで3人分の話を聞いて、それを全部メモして、切り張りの本番用のメモを作る。そして、3人分×30分のトークを、台本なし、編集なしでやる。本人は早口ですから、トーク量も多い(笑)。黒柳さんはテレビがまだ、録画技術がない生放送時代の人なので、たくさん撮影して、いいところだけを放送することについては、「ゲストの方に失礼だ」として、“編集なし”にこだわっているのです。

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