個人番号カードに保険証の機能付加は反対−日医
医療介護CBニュース 10月1日(水)18時58分配信
日医の石川常任理事(1日、日医会館)
日本医師会(日医)の石川広己常任理事は1日に記者会見し、2016年1月以降に交付が始まる予定の個人番号カードに、健康保険証の機能を加えることについて、日医として反対する方針を示した。【佐藤貴彦】
同カードには、マイナンバー制度で国民一人ひとりに与えられる個人番号や氏名、住所などが記載される。自民党のIT戦略特命委員会がこれまでに、同カードの普及策の一つとして、健康保険証の機能を与えるよう提案している。
日医は、そうした機能が個人番号カードに加わったと想定し、患者や医療関係者への影響を検討。その結果、患者のプライバシーの保護や安心の観点から単純に容認できないとの結論に至ったという。
石川常任理事はその理由について、医療機関が外来患者などの健康保険証を預かる場合、現状では、診療を終えた支払い時などに返すといった手順が想定されるとし、預かっている間に盗難や個人番号の転記などを防ぐことが「現場ではなかなか難しい」などと説明した。
さらに、個人番号で管理される情報の中には、患者の診療情報などを含めるべきでないとの考えを改めて強調。個人番号カードに健康保険証の機能が加えられれば、診療情報を個人番号で管理する方向で制度の検討が進む懸念もあるとして、「個人番号が医療に入ってくること自体が非常に危険だ」と訴えた。
最終更新:10月1日(水)18時58分
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