ほんとにあった怖い話 2014年傑作選 2014.09.26

と話していました。
これは私が高校生のとき彼の通っていた男子校で実際に体験した出来事です

(足音)・
(足音)
(直樹)よし。
行ったな。
(麻里)いいじゃん。
別に隠れなくても。
(直樹)だって女がいたらまずいっしょ。
(麻里)もういいから。
早くしてよ。
(直樹)それがさないんだよね。
ノート。
(麻里)嘘でしょ。
まさかかばんの中にはないよね?
(直樹)あれ?あった。
ノート。
何のためにここまで来たのよ?
(直樹)ごめん。
マジごめん。
もう帰る。

(足音)・
(足音)よし。
帰ろう。
(直樹)ちょっと待ってよ。
まだ見回ってるかもしんないじゃん。
(麻里)えーっ?
(麻里)大丈夫だよ。
(直樹)おい!
(麻里)ほら。
誰もいないよ。

(足音)
(直樹)ああ!?・
(足音)・
(足音)何?今の。
(直樹)分かんない。
帰ろうもう。
(直樹)うん。
(麻里の悲鳴)
(利恵)
そこはずっと使用禁止になっている旧校舎のいちばん奥にあるトイレでした
当時わたしたちの間ではあるゲームがはやっていました
それはよくある肝試しみたいなもので
グループの一人ずつが順番で幽霊が出るといわれているトイレまで行きそのドアに手を触れて帰ってくるというものでした
わたしの周りには実際に幽霊を見た子はいなかったのですがそのトイレがまだ使われていたころには個室の中から女の人の泣き叫ぶ声や男の人の聞くだけでもぞっとするようなうめき声がしたなどと嘘か本当か分からないような噂が学校中に広まっていたのです

(利恵)《触るだけ。
ただ触ってそしたら走って帰ればいいんだから》
(利恵)触るだけ。

(利恵の悲鳴)
(町田)ようやく現場を押さえたわ。
(利恵)先生。
(町田)さてとじゃあ早速案内してもらおっかなぁ。
共犯者がいるんでしょ?
担任の町田先生はわたしたちが肝試しをしていることを知っていたようでした
(町田)おかしな遊びがはやってるとは聞いてたけど。
(一同)ごめんなさい。
(町田)まあでもすっかり遅くなっちゃったしお説教はまたにするとして今日はもう帰りなさい。
(一同)はい。
(太郎)あの先生。
(町田)うん?
(太郎)何であのトイレ誰も入れないようにしてあるんですか?じゃあみんな約束して。
これからは絶対にあんな遊びをしないこと。
もっともこれから話しすること聞いたら二度とあんなことしようとは思わなくなるでしょうけど。
昔…。
そう言って先生は例のトイレが使われなくなった理由を話してくれたのです
幽霊が出ると言われ始めたのは今から35年くらい前のこと
当時あのトイレはまだ普通に使われていたといいます
でもそんなある日

(児童の悲鳴)
(町田)それ以来あのトイレに入ると老婆とその殺された少女の霊が姿を現すようになったそうよ。
学校でも問題になるぐらいの騒ぎになってねえ。
それからなの。
あの場所が使用禁止になってしまったのは。
(太郎)嘘に決まってんだろあんな話。
(児童)どうして?
(太郎)もし本当だったら女の子が老婆に殺されたってとこ誰が見たんだよ?
(利恵)えっ?
(児童)なるほど。
その話を伝える人がいないことになるんだ。
(一同)そっか。
あっそっか。
(児童)でもさだったら何であのトイレ閉まってるわけ?
(太郎)水道管か何かが壊れてるんだよ。
だってあのトイレめちゃめちゃ古いじゃん。
(一同)そっか。
そうだよね。
よかったー!
(児童)あーよかった。
この話はわたしたちが変な遊びをしないようにと先生が考えた作り話だったのかもしれません
でも全くの嘘だったという証拠もないのです
どちらにしてもその校舎が取り壊された今となってはそれを確かめることはできません
(千賀)
私は現役の看護師です
以前勤めていた大学病院での体験を聞いてください

(駆ける足音)
(澪)先輩!
(千賀)急変?何号室?
(澪)いや…。
(千賀)何?
(澪)怖かったんでつい。
(千賀)えっ?備品室から変な音が聞こえたんです。
変な音?
(澪)何ていうか金属に何かが当たるような音なんです。
(澪)さっきは絶対聞こえてたんですよ。
(澪)今村さん。

(作動音)消し忘れね。
でも扇風機の音じゃなかったんです。
さっき聞こえたのは。
何ていうか「カチャン」っていう。
(千賀)それより戸川さん。
(澪)はい。
看護師があんまり走るもんじゃないって教えたでしょ。
(澪)だって…。
(村上)今村さんの言うとおりですよ。
(澪)主任。
(村上)特に夜間の足音は患者さんの不安をあおるから十分に配慮してください。
いつまでも新人気分じゃ困りますよ。
(澪)はい。
(村上)それに…。
そのときまで私はそれが後輩の勘違いだと思っていました
でもその数時間後…
ひととおりの仕事が終わり休憩室で一休みしようとしたときのことでした
(千賀)主任まで…。

(金属に当たる音)・
(金属に当たる音)・
(金属に当たる音)・
(金属に当たる音)・
(金属に当たる音)・
(金属に当たる音)・
(金属に当たる音)・
(作動音)さっき消したのに。

(金属に当たる音)
(金属に当たる音)
(千賀)あのう。

制服がうちの病院のものと明らかに違っていました
それは昔の看護婦が着ていたような制服で…

(倒れる音)
(看護師)邪魔しないでよ。
(千賀)ひい!?
(村上)急変!?何号室?今村さん?
(村上)どうしたの?何があったの!?今村さん?
そのあと私は主任からこの病院が戦前結核病院だったことを聞いたのです
当時結核は不治の病でした
患者からの感染で亡くなった看護婦もたくさんいたそうです
私が見たのは死んだあとも勤務に打ちこむ看護婦の姿だったのかもしれません

(作動音)また消し忘れてる。

(千賀)戸川さん。
あっ先輩。
もうびっくりさせないでくださいよ。
(千賀)いいの。
(澪)えっ?
(千賀)そのまんまで。
成仏させることが本当によいことなのか私には分かりません
ただ同じ看護師としてこのまま仕事を続けさせてあげたほうがいいのかもしれないとそんなふうに思ったのです

(真利江)ドライブ?あした?行く行く。

(チャイム)
(真利江)はーい。
(男性)毎度。
宅配便です。
(真利江)はーい。
(真利江)
東京で一人暮らしを始めてあっという間に6年がたっていました
もしもし?お待たせ。
実家には母がいましたがわたしは故郷を思い出すこともなくなっていました
たばこ?誰かたばこ吸ってる?
(女性)ここ禁煙でしょ?
(真利江)そうだけど。
たばこ臭い。
何にもしないけど。
(真利江)するよ。
彼じゃない?
(真利江)えっ?彼のたばこのにおいが忘れられなくてー。
彼はたばこなんか吸いません。
はいはい。
気のせい。
そのときはそう思いました
でもたばこのにおいは死んだ父を思い出させました
(萩原)へぇ。
それでお父さんのこと恋しくなったんだ。
ううん。
そんなんじゃなくって。
(萩原)何?昔ねうちの門限は9時だったの。
で…1分でも過ぎたら正座させられてお説教。
ハハハ。
いいお父さんじゃない。
(真利江)うん。
でもね一度塾の帰りが遅くなって9時を過ぎたことがあったの。
(萩原)うん。
(真利江)で…同じクラスの親切な男の子が送ってくれることになったんだけど。
歩いてたら家はまだ先なのに父が怒ってんのが分かったんだ。
たばこのにおいがしたから。
(萩原)えっ!?気のせいでしょ?
(真利江)ううん。
父はね家の外でたばこを吸いながらずっとわたしの帰り待ってた。
それで帰ってきたわたしを見てわたしじゃなくて送ってくれた男の子を怒鳴りつけたの。
(萩原)やるじゃん。
次の日クラス中の話題になってた。
おかげで遊びにもすっかり誘われなくなっちゃった。
(萩原)まあそれだけ一人娘はカワイイってことだよ。
こんなとこ父に見られたら大変かも。
そうだよ。
知り合って間もない男の車なんかに乗っちゃって。
(笑い声)
(真利江)怒られんのは萩原さんね。
それはヤダな。
(笑い声)
(真利江)あっ…。
(萩原)うん?どうかした?頭痛い。
(萩原)えっ!?ごめんなさい。
せっかく誘ってくれたのに。
(萩原)ううん。
大丈夫?寄ってこうか?
(萩原)どした?今日はここでいい。
おやすみなさい。
(萩原)うん。
おやすみ。
まさか偶然よ。

(アナウンス)「1件です」・
(母のメッセージ)「もしもし?母さんです。
真利江元気でやってるの?もうすぐお父さんの命日だからきっと帰ってきてくれると…」・
(電子音)・
(ライターをつける音)・
(ライターをつける音)夢?
父の夢を見ただけ。
そうに決まってます
(電源の落ちる音)
(真利江)あら!?どうしたの?
(真利江)何でもない。
朝からぼんやりしちゃって。
昨日も彼とお泊まり?
(真利江)昨日は早く帰ったわ。
たばこ臭いよ。
(真利江)えっ!?朝帰りバレバレ。
(真利江)真利江です。
今夜会える?昨日と同じ場所で。

(ブザー音)・
(小銭の落ちる音)・
(不通音)あっ。
もしもし真利江です。

(ブザー音)・
(小銭の落ちる音)・
(不通音)・
(不通音)
(真利江)《父が見ている。
まさかそんなこと…》・
(割れる音)
(呼び出し音)
(萩原)もしもし?
(真利江)お願い。
来て。
今すぐ来て!
(真利江)父がやったの。
(萩原)はっ?最初は気のせいかと思った。
でも父が来てるのよ。
ホントなの。
怒ってるのよ。
わたしとあなたが付き合ってること。
ちょっちょっと待ってよ。
えっ?お父さんはもう亡くなってんだよね?死んでもわたしのこと縛ろうとしてるの。
そういうことか。
(真利江)ええ。
素直に言ってくれないかな。
(真利江)えっ?もう俺と付き合う気ないんでしょ。
(真利江)違う!
(萩原)だったら何でそんな話すんの?そうとしか思えないでしょ。
そんなバカな話。
ごめんなさい。
そんなつもりじゃなかったの。
うん。
じゃあ考え過ぎだよ。

(鈴の音)
わたしは父のたばこのにおいが嫌いだったのです
父にたばこを供え続ける母も嫌いだったのです
父が生きていたら東京での一人暮らしなど猛反対したことでしょう
わたしはずっと父の束縛から逃れたいと思っていました
わたしは自由になりたかったのです

(ライターをつける音)・
(ライターをつける音)父さんなんでしょ?昔もそうだった。
命令するばっかりでわたしが何か言おうとしたら黙ってたばこ吸ってるだけだった。
もうやめてよ。
わたしもう大人なの。
26なの。
好きな人だっている。
仕事だって恋人だって自分で選んで何が悪いの?わたしの人生なの!どうしてお父さんに怒られなくちゃいけないの?わたし父さんが死んで清々したのよ。
死んだくせにどうして出てくるの?父さんなんか大嫌い。
父さんなんか消えて!
父の気配はなくなりました
もしかしたら全部気のせいだったのかもしれない
(真利江)お待たせ。
とにかく終わったわ
そうかな?俺には終わったとは思えないんだけど。
どういうこと?俺たばこ臭いだろ。
(真利江)ううん。
どうして?たばこの煙がしょっちゅう漂ってくるんだよ。
周りで誰も吸ってないのに。
それにいつも誰かに見られてるような気がする。
たぶんお父さんに。
そんな。
別れよう。
(真利江)どうして?考え過ぎだってあなたが言ってくれたんじゃない。
俺だけじゃないんだよ!妻と娘も怖がってる。
(真利江)妻と娘?
彼にとってはただの遊びだったのです
何で…。
何で!何で!何で!もう何でよ!
(母)「お元気ですか?先日真利江の部屋を整理していたらこんな写真が出てきました。
真利江とお父さんが仲良く遊んでいる写真です。
たまには連絡下さい。
母より」
それはかつてわたしが大事にしていた写真でした
でもいつの間にかこの写真のことも忘れていたのです
(真利江)《ねえ?お父さん。
自転車の乗り方教えて》
(父)《よし分かった。
やるか?》
(父)《ハンドル真っすぐにして。
足でこぐんだ。
そうそう。
おいいいか?離すぞ》
(真利江)《うん!》
(父)《いいか?離すぞ》
(真利江)《うん!いいよ》
(父)《大丈夫か?おお!乗れた乗れた!あいよ!》《いい写真撮ってな》
(シャッター音)ただいま。
(女性)真利江ちゃん。
(真利江)おばさん久しぶりです。
お母さんは?ずっと真利江ちゃんが帰ってくるの待ってたのよ。
お母さん。
(母)真利江?
(真利江)ただいま。
おかえり。
(真利江)母さんごめんなさい。
わたし間違ってた。
ごめんなさい。
お父さん。

父の姿を見たのはそれが最後でした

父はわたしを縛っていたのではありませんでした
いつだってわたしを愛してくれていたのです
今思えば父は教えに来てくれたのです
わたしが不幸な恋愛をしないようにと
そして残された大事な時を母と過ごすようにと
父は今もわたしを見守ってくれている
そう思うのです
2014/09/26(金) 14:57〜15:53
関西テレビ1
ほんとにあった怖い話 2014年傑作選[字]

『近づく足音』香椎由宇 『何かがそこにいる』志田未来 『死者のゆく場所』真木よう子 『父の想い』井川遥

詳細情報
番組内容
『近づく足音』麻里(香椎由宇)は、ノートを忘れたという直樹(藤間宇宙)に付き合って、彼の通っている男子校にもぐり込んだ。なんとなく後ろめたかった麻里は、壁の下部にある戸をあけて顔を出し、見回りの用務員が通り過ぎたのを確認すると、教室を出ようとした。すると、廊下を赤いハイヒールを履いた女性が通り過ぎるのが見えた。不審に思ったふたりが下の戸から様子をうかがうと、ハイヒールを履いた下半身だけの女性の姿が
番組内容2
・・・。『死者のゆく場所』大学病院に勤務する看護師・千賀(真木よう子)が深夜のナースセンターで看護日誌をつけていると、新人看護師が慌てた様子で駆け込んできた。カンファレンスルームから、金属が当たるような奇妙な音が聞こえてきたのだという。が、カンファレンスルームに向かった千賀が部屋のドアを開けると、誰もいなく、扇風機が回っているだけで・・・。『父の想い』東京で一人暮らしを始めて6年になるOLの真利江
番組内容3
(井川遥)は萩原(八嶋智人)という恋人もいて楽しい毎日を過ごしていた。ある日会社でパソコンに向かっていると、誰も吸っていないのに一筋の煙草の煙が漂ってきた。特に気にはしなかったものの、煙草の匂いは真利江にとって死んだ父(地井武男)を思い出させるものだった。それからもまるで真利江と萩原の仲を裂こうとするかのように漂う煙やつきまとう男の影が・・・。ほか、志田未来主演『何かがそこにいる』をお送りします。
出演者
『近づく足音』
香椎由宇 
藤間宇宙 
ほか
『何かがそこにいる』
志田未来 
ほか
『死者のゆく場所』
真木よう子 
ほか
『父の想い』
井川遥 
八嶋智人 
ほか
スタッフ
【原作】
「ほんとにあった怖い話」朝日ソノラマ刊
【プロデューサー】
後藤博幸

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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