(門倉)こんなに面白い物語を何で僕は今まで出版しなかったんだ!
(門倉の笑い声)さあ小泉君。
すぐ出版の準備に取りかかるんだよ。
(小泉)社長!すみません。
すみません…。
(花子)つまり…出版できるという事?
(英治)そうだよ。
(美里)お母様よかったわね。
ついに本になるのね。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」花子は大急ぎで「ANNEofGREENGABLES」の推敲に取りかかりました。
「カモメになりたくない?日の出と一緒に起きて水の上にサッと下りてきて…」。
水の上にサッと…。
う〜ん何か違うわね。
はい。
ああありがとう。
ねえ英治さん。
カモメってどんなふうに飛ぶと思う?カモメ?海岸でカモメを見たアンがマリラにカモメはすてきだって言うところなんだけど…。
ああ…。
原文ではカモメが急降下して舞い降りるって意味合いの単語が使われているんだけど…。
う〜ん…飛んでるカモメって漂ってるように見えるよね。
こう…海の上をス〜ッと。
それだわ!ス〜ッと。
水の上にス〜ッと下りてきて。
うんいいわ。
ありがとう英治さん!どういたしまして。
「『神は天にあり世は全てよし』とアンはそっとささやいた」。
残すは本の題名です。
ではこれで最終入稿致します。
よろしくお願いします。
それでこの作品の題名なんですが「ANNEofGREENGABLES」を直訳すれば「緑の切り妻屋根のアン」でしたね。
ええ。
切り妻屋根という言葉は日本人にはあまりなじみがありませんよね。
そこでいくつか考えてみました。
拝見致します。
(小泉)「夢見る少女」「窓辺の少女」「窓辺に倚る少女」。
う〜ん…なるほど。
あっでもアンという主人公の名前は残した方がいいんじゃないでしょうか?例えば「夢見るアン」とか「窓辺のアン」とか。
う〜ん…アンという名前が入ると急に想像の幅が狭められてしまうような気がしますけど…。
それで村岡先生は「少女」になさりたいんですね。
ええ。
これはアンだけの物語ではなく自分の物語でもあるのだと受け取ってほしいんです。
それじゃ「想像の翼を持つ少女」はどうです?う〜ん…。
「グリン・ゲイブルスの少女」は?「島の少女」は?「曲がり角の先の少女」は?それでしたらやっぱり「窓辺に倚る少女」がいいと思うんです。
でしたら「窓辺に倚るアン」というのは…。
こんな調子で決まるのでしょうか?そう。
「窓辺に倚る少女」に決まったのか。
ええ。
随分とおとなしやかな題名になったのね。
えっ?いやロマンチックでなかなかいいよ。
そうでしょう?・あ…はいはい。
・はいもしもし。
村岡でございます。
・もしもし?小鳩書房の門倉ですけど。
門倉社長。
どうなさったんですか?・あの…題名なんですがね。
はい。
・小泉が「赤毛のアン」はどうだろうと言うんですがいかがでしょう?はあ?「赤毛のアン」?あれだけさんざん話し合って「窓辺に倚る少女」に決まったじゃないですか。
まあそうなんですけどね。
「赤毛のアン」と聞いてなかなかいいじゃないかと僕も思いましてね。
・はあ…でも…。
村岡先生。
小泉です。
どうも。
アンは赤毛を自分の最大の欠点だと思っていますよね。
でもその欠点こそがアンを魅力的な人物像に仕立て上げていると僕は思うんです。
つまりアンのすばらしい個性です!私は反対です。
・村岡先生…。
だって「赤毛のアン」だなんてあまりにも直接的でそれこそ想像の余地がないじゃないですか。
そう言わずに考えて頂けませんか?・嫌です。
失礼します。
ごきげんよう。
小泉さんったら「赤毛のアン」ですって。
「赤毛のアン」…。
そうなのよ。
つまらない題でしょう?「赤毛のアン」?「赤毛のアン」…。
「窓辺に倚る少女」の方がずっといいわよね?そうかしら?「赤毛のアン」…。
いいじゃない!すばらしいわ。
断然「赤毛のアン」になさいよお母様。
えっ…でも…。
「赤毛のアン」っていい題よ。
「窓辺に倚る少女」なんておかしくって。
そうだな…。
「アン」を読むのは若い人たちだからね。
美里の感覚の方が案外正しいのかもしれないよ。
う〜ん…そうかもしれないけど…。
「赤毛のアン」にすべきよ。
あっもしもし門倉社長ですか?村岡です。
先ほどは大変失礼致しました。
ええ。
ああいえ…あの…。
実は…あの…娘が「赤毛のアン」がいいと言って譲りませんの。
若い人の感覚に任せる事にしました。
やはり「赤毛のアン」にします。
そうですか!ありがとうございます!どうぞよろしくお願い致します。
はい。
ええ。
こうして「赤毛のアン」が誕生致しました。
出来ました。
はい。
とうとう出来たね。
ええ。
はい。
これは美里へ。
英治さん。
美里。
諦めずに今日までやってこられたのは2人の支えがあったからよ。
本当にありがとう。
おめでとうお母様。
おめでとう。
この女の子本当に君みたいで面白いよ。
スコット先生との約束を果たすのに13年もかかってしまったわ。
先生にもお見せしたかった。
スコット先生は花子に原書を手渡した数年後祖国カナダで亡くなったのです。
回想
(スコット)Ihaveabooktogiveyou.「ANNEofGREENGABLES」。
「曲がり角を曲がった先に何があるのかは分からないの。
でもそれはきっと…。
きっと一番よいものに違いないと思うの」。
(空襲警報)
(爆撃音)明日書店に並ぶのが楽しみだね。
どうしたの?あ…。
この本日本の少女たちも面白いと思ってくれるかしら?曲がり角の先は曲がってみなきゃ分からないよ。
そうね。
「赤毛のアン」がついに出版されました。
(戸をたたく音)はい。
(戸をたたく音)どちら様ですか?てっ…。
お…お久しぶりです。
どうなさったんですか?
(宇田川)何なのよこれは。
ごきげんよう。
さようなら。
2014/09/26(金) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(155)「曲り角の先に」[解][字][デ][再]
門倉(茂木健一郎)は『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の出版に取りかかるため急いで帰ってゆく。花子(吉高由里子)は英治(鈴木亮平)から祝福されるも早々に推こうへ
詳細情報
番組内容
『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』を読んだ門倉(茂木健一郎)は、これほど面白い話をなぜ今まで出版しなかったのかと言うなり、出版に取りかかるため小泉(白石隼也)と共に急いで帰ってゆく。英治(鈴木亮平)と美里(金井美樹)から祝福された花子(吉高由里子)は、出版に向けて推こうに取りかかり、残るは本の題名を決めるだけとなる。ある日、門倉と小泉と共に長時間話し合った結果、題名は『窓辺に倚る少女』に決まるが…
出演者
【出演】吉高由里子,鈴木亮平,山田真歩,金井美樹,白石隼也,茂木健一郎,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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