NHK高校講座 芸術「美術 あなたのまわりの世界(2)〜使うもの〜」 2014.09.25

自信を持って発表しよう。
こんにちはKIKIです。
私たちがふだん何気なく使っているものにもさまざまなデザインがあふれています。
例えばかばんや携帯電話筆記用具など。
みんな使いやすさや美しさを考えてデザインされているんです。
今回のテーマは「使うもの」。
今日は身近にあるデザインに触れてみましょう。
こんにちは。
(寺田)こんにちは。
今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回の講師は建築家でデザイナーの…建築からインテリア家具や日用品まで幅広い分野のデザインを手がけています。
これは全部模型ですか?そうですね。
紙で出来てるんですけども。
えっこれ紙なんですか?うん。
プラスチックに見えるんですけど。
実際はこういう感じです。
どうぞ触ってみて。
あっ軟らかい。
切れちゃいそう。
へぇ〜。
これは……と名付けられた寺田さんの作品。
街にあるものや人が全て100分の1の大きさで出来ているんです。
もともと建築の模型に入れるという事が目的で作ったもので。
例えばこういう形で。
これは住宅の模型なんですけどもね。
添景を置く事で建物の大きさを把握しやすくなるんです。
紙って平らな平面的なものなんですけど立ち上がらせると急に立体の世界になりますね。
そうですね。
平らなのに折り曲げるといろんな事が表現できるなと思ってそれで新しいものを考えたんですけど。
それがこういうものでグリーティングカードなんですけどね。
これも平面に男の子と女の子が付いてるんですけどもこれを折り曲げるといろんなメッセージとか気持ちに変化する。
例えば今作ったんですけども同じもので。
これ同じカードですか?そうですね同じカードですけどもこの人を折り曲げると男の子がひざまずいて。
これプロポーズしてる感じですか?ええ彼女にプロポーズしてるとか…。
かわいい〜。
全然違う世界になりますね平らになってるのと立体的になってるのと。
ええ。
寺田さんの創作ワークショップ。
東京・立川市にある紙製品を製造する会社で行います。
この会社では寺田さんと共同で企画した「1/100建築模型用添景セット」をはじめ多くのデザイナーの紙を使った作品を作っています。
ワークショップに参加するのは…初めて来た工場に興味津々です。
さあどんなワークショップが始まるんでしょうか。
こんにちは。
寺田と申します。
今日はよろしくお願いします。
(生徒たち)よろしくお願いします。
お願いします。
まず寺田さんが建築模型に使われる添景について説明。
皆さん小さな紙の模型に驚いていますね。
そしてワークショップで使う紙がこちら。
建築模型で使われる紙と同じものです。
これね白い紙なんですけどもちょっと厚紙です。
こういう紙が模型作るのにはすごく便利な紙なんです。
っていうのは薄い紙だとなかなかまっすぐできなかったりする。
ぺらぺらしちゃって。
あんまり厚すぎると切るのが大変。
なので程よい厚さ。
今日ね何をやってもらおうかっていうと…。
最終的なものをお話ししますと今日はみんなにカードを作ってもらおうと思うんです。
寺田さんから出された課題はグリーティングカード作り。
自分がデザインする世界で一つだけのカードを作ってみようという訳です。
まず誰に贈るかを考えましょう。
それからどういうメッセージを贈るかという事を考えてそれで絵を描いてみて下さい。
誰かにメッセージを贈るって急に言われてもちょっと困っちゃいますよね。
家族や友達など身近にいる人を思い浮かべながらアイデアスケッチを始めましょう。
一番分かりやすいのは自分と相手…誰々とかね。
…というふうに2人ぐらい登場させると話が作りやすいかもしれないね。
もらった人がどんな顔をするか想像しながら作ってみよう。
それ風船持ってるの?
(松浦)はい風船を。
風船持ってて犬がいる訳?はい犬。
犬もちょっと形変えるだけで尻尾がくりんとなってるとああ柴犬だとかね。
(重村)一緒に走る友達がいて結構一緒に走ってるんですけどそれがすごくありがたいんですが日頃言えないんで伝えるといいかなぁと。
じゃあ自分とその友達が一緒に自転車で走ってる姿ですね。
花束?花束です。
お〜すごい。
花束だと分かるよね伝わるよね。
こんな愛を受け止められませんぐらいのでかさがいいよね。
そのぐらいの方が気持ち伝わるよ。
あっいいねいいね。
木陰で本を読んでる感じ?それいいじゃん。
駄目よ!アーティストなんて生活安定しないでしょ。
えっ?売れれば億単位の収入?え〜そうねぇ。
お父さんに相談してみるわ。
えっ?あ…痛っ!あ〜…。
もう年かしらね?首ひねっちゃったわ。
病院行ってこようかしら。
何よこれ。
これレントゲンよね?何でこんな所に。
それにしてもすごいの飲み込んだわねぇ。
これ一大事よ。
大丈夫なのかしら?この人。
大丈夫ですよ。
は?レントゲンじゃありません。
変なもの飲み込んでるでしょ?いえアートなんです。
アート?アートですって〜!?これはマン・レイというアーティストによるアート作品。
カメラを使わず印画紙の上に直接ものを置いて感光させるレイヨグラフという手法を用いています。
マン・レイは斬新な技法を使って多くの作品を作り出したんですよ。
どうです?ふ〜ん。
ねっ。
レントゲンとは全く…。
もういいかしら?はい?病院閉まっちゃうのよ。
でもレイヨグラフ面白いでしょ?レイヨ何とかじゃ治らないのよ!もう!は…はい。
行ってらっしゃい。
大体絵が出来てきたね。
今は絵は「ありがとう」とか「は〜い」とかなってるでしょ。
それを折り曲げる前の平らな形を考えてもう一回描いてもらって。
それをハサミとかカッターがあるので自分で切ってみて折り曲げたりしてできるかどうか。
皆さんスケッチした絵を基にカードになるようデザインしていきます。
といってもこれはまだ試作段階。
最終的には100分の1の大きさのものを作るのですが手作業では難しいのでまずは大きさを気にせずに作っていきます。
人形を作る時にすごく重要な事があって。
これ100分の1なので普通の人間の形とちょっと違う形に作ってあるんですね。
1分の1の人間をそのまま100分の1にちっちゃくするのはすごく細かくなっちゃうし。
細かく作ってもどうせ目に見えないし。
という事があるので形を省略したりします。
デフォルメっていいます。
デフォルメって形を壊すっていう意味があるんですけども。
形を省略したり強調したりしてます。
デフォルメつまり形の抽象化を意識しながらデザインを完成させたら切り抜いてみます。
お〜いい感じじゃない。
リスが読書に参加しに来てる感じが。
皆さんの作品がひとまず完成しました。
これを基に100分の1の大きさにしてカードが出来るまでおよそ1週間。
楽しみですねぇ。
岩絵具とは天然の石を砕いて作られる顔料で日本画には欠かせないもの。
今作っているのは金茶という色。
まず鉄石英と呼ばれる石を鉄の臼で砕きます。
砕いた石はたくさんの硬い玉が入った壺に入れてより細かくなめらかにしていきます。
粉末状になった材料に水を加えてかき混ぜしばらく置きます。
大きな粒子は早く沈むので細かな粒子を含んだ水を別の鉢に移してまたかき混ぜます。
最低3か月の間これを繰り返して粒子の大きさごとに分けていきます。
自分の作った絵具であろうというものがその後文化財とかそういったとこで見かけたりしたらその時はうれしいなと。
乾燥させて出来上がった鮮やかな岩絵具。
粒子の大きいものは色が濃く小さなものは明るい色になります。
1つの天然石からこれだけさまざまな色が生まれるのです。
創作ワークショップの後半は寺田さんの事務所で行います。
今回は前回皆さんが作ってくれたカードのデザインを僕の方で100分の1のカードに作りましたので今日はまずそれを見てもらおうと思います。
自分がデザインしたグリーティングカードといよいよご対面!みんなうれしそうだね〜。
これすごい細かいよ。
はい。
まずはちゃんと出来ているかどうか試しに組み立ててみましょう。
元の自分がイメージしてたのと…。
うん…もっと良くなった。
良くなった。
イメージに近づいた?
(野中)はいそうですね。
それは花束?もしかして。
(粟屋)はい。
花束をプレゼントみたいな。
へぇ〜。
そのちっちゃいの何?
(島内)リスですね。
よく見ないと…。
あっかわいい。
へぇ〜。
皆さん想像以上の出来栄えに大満足。
さあカードの仕上がりまであと一息です。
参加してくれるのは…。
せ〜の。
(生徒たち)帝京高等学校!今日の名作はこちら。
一本の道が描いてありますね。
道って分かる?どんな道でしょう。
この絵の中に入ったつもりでいろいろと想像してみて下さい。
たった一本の道が描いてあるだけだけどどんな事を感じるでしょうか。
(上野)近くに川がありそう。
それはどうして?
(上野)土手!?はぁ〜。
では作者はどんな気持ちでこの絵を描いたのでしょうか。
(上野)果てしなくう〜んとう〜んと長く長く続いてる感じがするって事だよな。
(上野)どの事ですか?ここら辺の。
あっこれね。
(上野)見えます?道なんだけれども道の向こうに希望があるんじゃないかとか描かれているものの現実的な意味だけじゃなくてそこにもう一つ比喩的な意味を考えて重ねて見てみる。
それも楽しい見方ですよね。
この絵は実は青森県八戸市種差海岸の風景なんです。
海岸沿いの風景からいろいろなものを捨て去って一本の道だけを作品に仕上げました。
日本画家東山魁夷が戦中戦後の困難を乗り越えて描いた一本の道。
日本の再出発を背景に描かれた東山の代表作です。
旗ちゃんと立った?立ちました。
じゃあ本番のカードに…誰に贈るのかとかどういうメッセージの内容にするのかとか。
あと文字の量によってもフキダシの大きさとか形変わるよね。
それを考えて書きましょう。
すごい一生懸命考えて書きますねメッセージって。
おっKIKIさんも寺田さんにカードをもらってメッセージを書いていますよ。
みんな気持ちを込めてメッセージを書きました。
じゃあみんな出来たかな?完成ですか?
(生徒たち)はい。
じゃあ完成!お疲れさまでした。
野中君が作ったカードのデザインは小惑星探査機はやぶさ。
感動を与えてくれたJAXAのスタッフへの感謝の気持ちを表しました。
粟屋さんは大きな花束をプレゼントしている場面をカードにしました。
いつも親切にしてくれる友達へのメッセージカードです。
重村君は一緒に自転車で走っている友達と自分をデザイン。
「これからもよろしく!」という気持ちを込めました。
島内君も友達へのメッセージカードを作りました。
木陰で読書する人で「のんびりやろうよ」と呼びかけています。
松浦さんはお母さんへの感謝の気持ちを作品に。
こんなカードをもらったらお母さんはきっと大喜びするでしょうね。
結構みんなすごく一生懸命考えて作ってる感じがしたよね。
真剣でしたね。
気持ちを伝える方法っていろいろあるなぁって今回皆さんの作ってるのを見て改めて僕も勉強になりました。
ありがとうございます。
どうでしたか?真剣に誰かを思って何かをするってそれがまたこういうデザインの中で出来るっていうのが面白いなって思いました。
そうですね。
今日はどうもありがとうございました。
(生徒たち)ありがとうございました。
グリーティングカードは相手に贈る事で意味を持つもの。
直接手渡しするのもいいけれどちょっと気恥ずかしいから今回は郵送します。
みんなが心を込めて作ったカード。
その気持ちがうまく伝わるといいね。
さあ楽しみ。
(拍手)ふだん言葉では伝えにくい気持ちも効果的に伝わるグリーティングカードをデザイン。
夢があってすてき。
カードって平べったい紙だけど切り抜いて折り曲げるだけで立体的な世界が広がるのよ。
奥深いわ。
作るものによって適した素材を選ぶ事が大切。
紙にもいろいろあるからよ〜く考えて選んでね。
人やものを小さくデザインする時は細かい部分を省略して単純な形にする方が分りやすくなるんですって。
私も立体になりたいわ。
2014/09/25(木) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 芸術「美術 あなたのまわりの世界(2)〜使うもの〜」[字]

美術と書道の2本柱で芸術に親しみます。第一線の作家とともに楽しむ創作ワークショップや鑑賞のヒントを満載したアニメなどを通して、美術や書道の魅力を伝えます。

詳細情報
番組内容
建築から日用品のデザインまで幅広く手がける寺田尚樹さんのワークショップで、立体デザインを楽しく学ぶ。今回は「紙」という素材で、立体をデザイン。グリーティングカードのデザインを通じ、身近な素材が立体として立ち上がる感動を体験しよう。相手の顔を思い浮かべ、その人がカードを受け取ったときの気持ちを考えながら、伝えたいメッセージをどう効果的に伝えるか。デザインに思いをのせて作ってみよう。
出演者
【ゲスト】建築家、デザイナー…寺田尚樹,【司会】KIKI

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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