ハートネットTV シリーズ 20代の自殺「反響編 寄せられた7000の声から」 2014.09.24

生字幕放送でお伝えしますとにかく逃げたい…生きてることから。
「死にたい」という思いを誰にも打ち明けられず追い詰められる20代。
今月「ハートネットTV」では20代の自殺について4回のシリーズで放送。
最終日には死にたい気持ちを抱える人たちをスタジオに招きその思いを語ってもらいました。
すごく自分が嫌いになって自分をいじめてしまうというか責めて、責めて。
周りの視線みたいなのを気にして、気にしながら働いてて。
これはもう消えてしまいたいっていうような感じになって。
番組に届いた感想や意見は7000件を超えました。
「シリーズ20代の自殺反響編」。
今夜は皆さんから寄せられた声に耳を傾けます。
こんばんは。
「ハートネットTV」です。
今月、番組では20代の自殺について考えるシリーズをEテレと総合テレビで4回にわたってにお伝えしました。
シリーズを通じて7000件を超える声が寄せられました。
きょうは、こうした声に耳を傾けながら20代の自殺についてさらに考えていきます。
きょうは生放送です。
番組では皆さんから寄せられたツイッターもご紹介していきます。
こちらのハッシュタグを付けてお送りください。
スタジオには評論家の荻上チキさん。
そして4本のシリーズにわたってご出演いただきました小島慶子さんにお越しいただいています。
よろしくお願いします。
まず、こちらをご覧ください。
これは、年齢別の自殺率の推移を表したグラフです。
今回シリーズに取り組んできた背景には20代の自殺を取り巻くより深刻な現状があります。
この赤が20代です。
1998年を100とした推移です。
これ1998年から見てみますと見てみますと、ほかの世代で自殺率が減る一方で20代につきましては依然として厳しい状況が続いているんですね。
日本では死亡率の1位は自殺。
その半数近くがみずから命を絶っているというのが現状なんです。
番組に届いた7000件を超える声の中で小島さんは、どんな声が印象に残りましたか。
ツイッターでいただいたんじゃないかと思うんですけど番組をご覧になった方。
それはきっと、かつての自分を思い出して、腹が立っているのか自分もそういう気持ちになったり調子がよくなったりっていったりきたりしているいらだちなのかとっても率直なご意見だなと思って拝見しました。
チキさんどんなことを感じましたか?
7000件を超える感想すべて目を通したんですけど思ったのは、例えば反応の中には頭ごなしに否定するのは極めて少なかったんですよね。
まずは死にたいというふうにいる前提でどうすればいいのか、それぞれ思ったことを、つぶやいたり書き込んだりしてくれた方が多かった気がします。
例えば、僕がやってるラジオとか自殺を取り上げたり語ったりすると、そもそも頭ごなしにそう思う人をそこからっていうところから議論をしなきゃいけない人もいるわけなんですね。
そうした反応がますますこの問題を語りづらくしてる面もあったりする中で貴重な意見がきたなと思っています。
ネガティブな感情を許してほしいということもありました。
番組を通して、さまざまな受け止め方ありましたが死にたいと思いを抱える20代は今回のシリーズ、どのように受け止めたのでしょうか。
番組に出演してくれたはなさんを取材しました。
先月、東京・渋谷のNHKに番組収録のためはなさんが、やってきました。
10代のころから「死にたい」という思いを抱き続けてきた、はなさん。
同じ苦しみを抱える人たちと話がしたいと番組への出演を決めました。
はなさんから届いたメールです。
「いつも周りからは『人当たりがよい』『悩み事がなさそう』と言われ人間関係も困ることなく生きてきた。
けれど、本当の私は違う」。
現在は、親元を離れアパレル関連の会社で働いているはなさん。
子どものころに刻まれた「自分には生きる価値がない」という思いに今も苦しめられています。
この日、スタジオには「死にたい」と訴えるメールをくれた男女7人が集まりました。
はなさんにとって同じ思いを抱える20代と直接、向き合うのは今回が初めてです。
どんなとき、死にたくなるのかそれぞれが語り始めました。
実際に面接で落ちたときには社会に居場所ってないのかなっていうのがすごく感じるところですね。
10社、20社って重なっていったら本当に居場所あるのかなとか必要とされていないのかなとかそういったときに死にたいなというところまでいくこともありますね。
私は精神的な病気を抱えていて3〜4年前から、ずっとその症状が続いていて病気が原因でいじめに遭うとか病気が原因で就職できないとかそういうことがあったりするとやっぱり先が見えなくて死にたくなる。
私の場合はリストカットをずっとしていたんですけどそういうことをしないと、もうそれ以上、前に進めなくなってもう限界だよっていうのを自分にも分からせたくてやっているところもあってその瞬間に、もう自分の存在を消してしまいたいみたいな感じになる。
一人で抱えてきた苦しみを吐き出す20代。
その言葉に、はなさんはこれまでの自分を重ねていました。
はなさんも、これまで人前では口にすることができなかった胸の内を語り始めました。
ちょっと失敗したことでも「やっぱり、あんただね」っていう声が聞こえてくる。
母の声が、すごい聞こえてきて。
すごく死にたくなる…なりますね。
自分を責めちゃうことって結構あります?そうですね責めるのが日常なので責めない人を見るとこの人は、すごいなって思ったりとか。
いいことがあってもこれは運がよかったとかこれは偶然だって思ってしまって。
番組の終盤「生きていてよかったと思えたとき」について話すことになりました。
やっぱり自殺未遂したときに病院に運ばれて最初の手術を終えたあとに食べたたぶん、煮込みうどんか何かだったと思うんですけどうどんが体に染み渡っていくっていうかそういうような感覚がすごいあったのを覚えてますね。
うまいなあっていう。
病気だからおまえはだめだとかいって否定され続けてきたんですけどでもある日、ある人からそれを個性にしちゃえばいいんだって言われて病気であることを初めて否定しない人がいてくれてすごく救われましたね。
そして、はなさんにとっての生きていてよかったと思えた瞬間は…。
生きててよかったなって今も思っててやっぱり悩みを共有する人たちがいるそういう場っていうのは私はもう26年、生きてて数回しかない。
今、こういうふうに悩みを分かち合える人がいて本当に生きててよかったなって思います。
番組の収録が終わりました。
控え室に戻ってきたメンバーにはなさんは、つぶやきました。
ありがとうございました。
お疲れさまでした。
私も、この番組の中に輪の中にいたんですけども皆さん、自分自身としっかり向き合って、一つ一つことばをつむいでいたのが印象的でした。
チキさん、今の映像どうご覧になりました?
ツイッターの反応とかいただいた反響でも指摘があったんですけど番組が始まる前の緊張の表情がそのあとだんだん緩んでいったりとか語ることで変わっていくことに多く感銘を受けたという人の反応もあってそういうのを見てると素朴に語ること語り合うことって大事だと思いました。
こういうふうなNHKの番組を通じて出会うっていうのはかなり偶発的なことでなかなか貴重なことでもあって逆に言えば実際じゃあ、場所を作ろうといっても人為的にそれができるかというと非常に難しかったりするわけですよね。
ご意見でも相談できないとか誰にも言えないのがつらいっていうのが多いですよね。
語ることの重要さを認識すると同時にそれをどう作ればいいのかという課題を思い知らされる気がしますね。
小島さんは、やはりスタジオに一緒にいらっしゃって…。
私は、スタジオのあとの皆さんの控え室に集まったのを生で拝見してないのでスタジオにいらしたときと表情が違ったので集まって帰ってらしたんだなっていうのを初めて知って、ただはなさんもおっしゃってましたけど本当にああやってきょうはよかったなって気持ちで帰っても、例えばそこからまた一人で部屋に行って誰かから何か言われたりとか自分で、ちょっとしたきっかけで死にたくなることってあると思うんです。
あの一つ一つの背中の中に暗いふちを見て行って戻ってきてって行ったり来たりがあるんだってことを思うとそんなに簡単にそういう場がもてたからよかったね。
これから楽になるよという話ではない。
すんなり解消するものでもないですからね。
はなさんも言ってましたよね。
ささいなことかもしれないけど
そこで揺れるっていう。
実は放送後には、こんな声も寄せられました。
さらにですね死にたいという気持ちを受け入れてくれる人や居場所の大切さについてメールを寄せてくれた女性もいます。
メールを寄せてくれた希望さんです。
10代のころから生きることに希望を見いだせずにいました。
そのきっかけは小学3年生のとき大好きな母親が突然いなくなったこと。
心の病を患う父親の暴力に耐えきれず家から逃げ出したといいます。
やっぱ一番好きだった人だから。
それが突然、前の日まで一緒にお風呂も入って一緒に、ごはんも食べていたのに突然、朝起きたらいないっていう状態だったんで。
捜しましたよね、家じゅうを。
で、いないよって言って。
見捨てられたっていうんですかね。
その後、死にたいという衝動にたびたび襲われるようになった希望さん。
そんな自分を踏みとどまらせてくれたのが祖母でした。
「だめよ、そんなこと考えたら」とかそういう否定的なことではなくて「分かるよ」っていうふうに一緒にうなずいてくれたことがすごく安心して。
去年から、産婦人科病院で調理師として働き始めた希望さん。
小さな命に励まされながら毎日を生きています。
子どもに恥じないように頑張っていこうかなと思います。
どんなことを感じました?
おばあちゃんは黙って、うんうんって言ってそばにいてくれて頑張んなさいとか気にしちゃだめよとか言わなかったけどだからこそ、きっと苦しい自分と希望さんは一緒に生きることができてそれで、きっと希望ってたまたまお名前希望って書きますけど誰かが見つけるものだと思うんです。
誰かが励ましのことばとして与えるものじゃなくて苦しい自分が認められたあとなんかの中から自分でここに希望があったって発見するものじゃないかと思うので、周りの人ってつい励ましたりいいこと言ってあげようとか思うけど。
解決しようみたいな感じになる人いますよね。
気遣いたいって人には痛いのかっていてくれる人が必要だと思うんですね。
私が自殺願望を持ってたときもそういう人がいてくれたから…夫とかカウンセラーがいてくれたからっていう経験があったのですごく考え深かったですね。
死にたいという気持ちを受け止めてくれる人や居場所が必要だというような共感する声がある一方で実は、こんな声もたくさん寄せられました。
実はですね、スタジオに出演したはなさんからも放送の5日後にこんな感想が届きました。
はなさんは収録を終えたあとに改めて番組の放送を見て友達と語り合う中でこういう感想を抱いたということです。
チキさんどんなことを感じました?
居場所はもちろん大事だと思うしあったほうがいい。
作るべきだとも思いますが作れといわれても作れるものじゃないしない人に作れってアドバイスしても作れるわけじゃないですよね。
そうしたときにこういった例えば20代の自殺などの問題を個人の心の問題に還元してしまうとなぜ作ろうと思えないかという説教に簡単にいってしまうのでそれは注意すべき点だと思います。
心の問題ではなくてどうしたら、例えばそうしたことを話しやすい環境にそもそも社会を変えていくことができるのかとか話し合える環境とそうでない環境はどう違うのかで、話しにくい環境をどういうふうに話しやすい環境に変えるのか話し合う必要があるんですね。
自殺に関する研究では、例えば自殺を踏みとどまったりとかあるいは自殺っていうものに対してしないっていうような選択をできる社会ってどういう社会かということを比べたときに困ったときとか何か困難があったときにそれを聞いてくれる人がいるあるいは聞いてもいい言ってもいいという雰囲気がある環境というのは自殺に対して踏みとどまる人が高くなりがちだというそういった調査もあったりするわけです。
つまり、人はスタンダードに普通に死にたいと考える人は一定数いるんだけどもある環境では、それについて踏みとどまったりとかそれに対して寄り添ったりする環境もある一方でそうじゃない環境もいる。
そういった中で言いやすいように言ってごらんって言うんじゃなくて周り自体が聞きやすい環境に変えていく。
聞いたときに最初にぶつけることばがそんなこと思わなくてもいいじゃんじゃなくてもうちょっと、そうなんだねそういった気持ち分かるよそういう人いるよねって出発するモードに変えていくことは大事なんだなというふうにVTRというかメールを見て改めて思いましたね。
そうしたら死にたいとか消えたいっていうような声がたくさんいるかもしれない。
個人の心っていうか受け止める環境の側あるいは周りの人も死にたいという気持ちと折り合いをつけながらだましだましやってる人が実はたくさんいるんだという事実を認めたうえで進めていくってことが大事だと思います。
ほとんど言えない環境ですよね。
大発見だったのは自分がカウンセリングを受けたときに苦しいです死んじゃいたいと思いますって言ったときに苦しんでいいんですってカウンセラーの先生言ってくれたんです。
あれ?今まで苦しんでいいよあなたが苦しんでいることは言ってくれた人は初めてだと思ってものすごく楽になったんですね。
苦しむこともだめ。
楽しく、うれしく、前向きに生きようねっていうふうに言われ続けたらしんどいですよね。
苦しんだり死んじゃいたいって思ったりする自分もいて私、居場所ってチキさんがおっしゃったような環境もそうだと思うけどもう一つ自分もそうなんですけど死にたい自分と同居するっていうことも居場所ができるってことのような気がするんですよ。
私、自殺したかったときに死にたがる自分を殺したかった。
死にたがる、だめな自分死にたがる弱い自分を殺したかったんですけど死にたがる自分はいていいんだなっていうかしょうがないやっていうふうに思えたときにほんのちょっとですけど楽になったんですね。
視聴者の皆さんからも声が届いていましす。
こんな声も届いています。
つらいって言えないのもしんどいよね。
そのつらさが具体的な経済とかほかの要因に関しては個人だけで解決できないこともあるから環境とか、政治とかいろいろな要因が出てきたりするわけですよ。
一方で、育んでしまった自己否定の感情って他人に否定されてもなくなるわけじゃないですか。
君はいいよねって言われてもね。
多くの人たちは死にたいとか自己否定は抱えつつも仕事とかほかの部分で自己の肯定感とか有用感っていうものを調達することに成功してるから実は死にたいって感じは多くの人が抱えていない現状を認めるというのをどうにかしないと。
自分は好きになりましょうっていろんなところで言われるじゃない。
そんな簡単に好きになれない…。
別に自分を嫌いでもほかの人も好きになってくれることがあったりとか自分のことを本当にだめなやつと思っても意外とほかの人はそうでもないって言ってくる場合もあるのでなんか無理やり自分を肯定しなくても生きてっていいんだよってメッセージにもっと出会えるといいなと思いますね。
自己肯定感が低くても例えば自己有力感自己抗力感といって自分はつまらない人間だけど誰かに必要とされてるという感情があったりしてバランスが変わったりすることもあるわけですよね。
そうしたような形でだましだましやっていく。
ここ10年間、死にたいって思うネガティブな人間だったりするけどこの仕事はやらなきゃとかこの人の前では忘れられるとかそういったものを重ねていくということはみんなやっているんだという。
小さいことでいいんですね。
2014/09/24(水) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV シリーズ 20代の自殺「反響編 寄せられた7000の声から」[字]

今月放送した「20代の自殺キャンペーン」。NHKに寄せられた視聴者の反響を元に「死にたい」気持ちを「生きたい」に変えるためにどうしたらいいか生放送で考えていく。

詳細情報
番組内容
20代の死因の半数を自殺が占め、世界でも類を見ない異常事態が続く日本。なぜ「死にたい」若者が増えているのか?ハートネットTVでは、番組に寄せられた600通もの「死にたい」と訴える若者たちの声を徹底分析。9月初めに3回に渡って放送。さらには、総合テレビの特集番組でも伝えた。その番組に、たくさん寄せられた反響を元に「死にたい」気持ちを「生きたい」に変えるためにどうしたらいいのか生放送で議論を深めていく
出演者
【出演】久保純子,荻上チキ,小島慶子,【司会】山田賢治

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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