この世の中を…。
不正な支出を繰り返していた兵庫県議会の元議員。
ネットで女子中学生を威圧するようなメッセージを送った大阪府議会議員。
本当に申し訳ございませんでした。
今、地方議会の議員に厳しい視線が注がれています。
行政を監視し、地域に根ざした政策を実現するべき地方議会。
しかし、その担い手である議員の資質に疑問が投げかけられています。
本来、政策立案に役立てるための政務活動費。
その、不透明な支出が広がっている実態が明らかになってきました。
さらに議会そのものの存在意義が問われる事態に直面しています。
議員のなり手が不足。
投票が行われないケースが相次いでいるのです。
私たちにとって身近な民主主義の現場である地方議会。
本来の機能を果たしていくために何が必要か、考えます。
こんばんは。
「クローズアップ現代」です。
地方のことは地方が決める。
地方分権の流れが出来2000年に国から地方に大きく権限が移譲されました。
人口減少に直面する中で充実が求められている子育ての環境、介護の問題さらに地域活性化に向けた雇用や産業政策など、山積する課題にどう向き合っていくのか。
住民の代表として選ばれた議員からなる地方議会の重要性はかつてないほど高まっています。
重い責任を担うことになった地方議会。
その役割は、地域の人々の意思と利益を代表し、強い権限を持つ行政を監視、民意を反映した政策を実現させていくことです。
ところが、不祥事が相次ぎ議員の資質が問題視される中で議員の数が多いなど、さまざまな批判にさらされています。
議員のなり手がいない事態も相次ぎ議会は不要だという声まで聞かれ地方政治のいわば主役であるはずの議会は今、存在意義が問われる状況となっています。
地方議会に注がれる厳しいまなざし。
その大きな要因が公金の不透明な支出です。
自治体の予算を審議したり条例を作ったり、政策提言をする。
こうした議会の本来の役割を高めてもらうために設けられたのが、政務活動費です。
議員報酬とは別に支払われるもので、その額は都道府県議会だけで年間120億円です。
当初、その使いみちは政策の立案のための調査・研究に限られていましたが地方議会側の要請でおととし法律が改正され、要望・陳情などそのほかの活動にも使えるようになりました。
使いみちが広がった政務活動費。
何が不適切な支出かあいまいになっている実態からご覧ください。
兵庫県の市民オンブズマンです。
県議会の政務活動費に関する実態調査を進めています。
年度ごとに、前払いで支払われ余った分は返還が義務づけられている政務活動費。
兵庫県議会では昨年度議員1人当たり年間600万円が支払われました。
しかし、一部の議員は不透明な支出を繰り返しその全額を使い切っている実態が明らかになっています。
これは切手を購入した際の領収書。
年度末に160万円分を購入しています。
異なる日付が書かれた2枚の領収書。
重ねると、金額やただし書きの部分が全く同じ。
領収書をコピーして使い回ししていた疑いがあります。
こちらは調査・研究の名目で熊本や長崎の観光地を訪れた領収書。
この議員は、妻を同伴して観光施設を訪れ、偶然400万人目の入場者となり記念品を受け取っていました。
広報誌にはいい思い出になったとコメントしています。
法改正でその他の活動にまで広がった政務活動費の使いみち。
政治資金の問題に詳しい専門家が不適切な支出につながりかねないと指摘しているのが、会議費です。
それまで、議員主催の会合に限られていたものが多くの議会で各種団体が主催する会合にも支出できるようになったのです。
この会議費の支出が法改正後、3倍近くに増えた議会があります。
香川県議会です。
領収書を調べると、県政に関する住民との意見交換会として多くの支出がなされていました。
海水浴場の海開きで1万円。
年末のカラオケ喫茶での会合に支出していた議員もいました。
意見交換会での支出の回数が最も多かった議員は1年でおよそ180件。
去年4月7日には1日で19件回り、そのつど5000円を支払っていました。
その詳細を見るとカラオケ同好会の発表会。
神社の催しが2つ。
さらに16の自治会が開いた花見や会合に出席したとしています。
どのような意見交換が行われたのか、取材しました。
ごめんください。
カラオケ同好会の発表会に参加していた女性です。
この議員が、発表会のたびに持ってきたのし袋を見せてくれました。
特に県政に関する意見交換はなかったといいます。
さらに別の参加者は意見交換会ではなく一種の選挙対策だと受け止めていました。
この議員は、そのあと訪れたという神社での催しでも5000円を支払っていました。
その間、住民との意見交換の機会はなく終わるとすぐに、次の場所に移動したといいます。
こうした支出は適切だったと考えているのか。
議員に取材したところ文書で回答がありました。
議員は僅かな時間でも県民の意見と地元の問題を聞くことができ政策に反映・実現するきっかけとなると判断したと答えています。
今夜は三重県議会議員とそして三重県知事をお務めになられた経験を持っていらっしゃいます、早稲田大学大学院教授の、北川正恭さんをお迎えしています。
この政務活動費、適正な使い方は何か。
こうやって見ますと、議員の方々が持っている使い方、そして、住民サイドから見た適正な使い方のギャップが相当大きいように見えるんですけれども。
今のビデオを見ても、相当大きいというので、あれは現実だと思います。
したがってそういう部分を、公人たる、いわゆる議員さんは、3つの責任があると思うんですね。
その1つは、まず法律的に説明できなきゃいけない、法律的責任。
その次に、道義的責任と、もう1つは議会活動費として、説明責任が、堂々と果たせるということにしないと、今、市民の方は、あれは選挙目当てでしょということが、圧倒的に多かったということは、そちらの目線に合わせて、議会活動費を、本気になって、説明責任を果たせるものにしないと、この問題は解消しないと思います。
それは政務活動費は公金であるという意識が低いんでしょうか?
そうですね。
相当、以前、いわゆる分権推進法の以前は、それが当たり前の政治行動があったんですね。
これが分権になって、議会よ、しっかりしろよと、大切だねというときに、まだそれを引きずっているという問題が解決されていませんから、議会の皆さんの意識改革が必要だと思います。
不適切な支出をなくすうえで、どうすればいいんですか?
まず1つは、情報公開で、1円から情報公開をして、説明責任が果たせるという会計上の処理の問題と、もう1つは内容ですね。
すなわち、どこどこへ視察に行ったと。
それは何の目的で行ったか、そして目的を達成して、それを、どのような成果を県政や市政に与えることができたかという成果、アウトカムは、きちっと出せる、その2つの2面で情報公開をしなければいけないというのが1つ。
もう1つは、紙だけで情報公開ということではなしに、ネットに載せて、いつでもどこでも、誰でもが見られるような、そういう緊張感がないといけない、そういうシステムを早く、今回、この問題を契機に、作り上げられるべきだと思います。
領収書ですけれども、1円まで公開すべきですか?
はい、そうです。
1円からですね、公金ですから、公金の意識が、昔の習慣で薄かったと思います。
だからここは1円からきちっと出すという習慣、そういう制度、システムがいると思います。
こちら、ご覧いただきたいんですけれども、これは政務活動費が多い自治体を上から示したものなんですけれども、こうやって額の大きい自治体もあれば、ゼロ、政務活動費がない自治体も、かなりあるんですね。
そうです。
500以上の自治体、議会がゼロなんです。
これは集権時代に執行さえしておればいいから、君たちは政治的な活動はいらないよというような扱いがあって、それで、まだゼロの所がありますから、多すぎて不適切使用があるということと、もう1つは全くゼロならば、議会はなくてよろしいという文化を、ここは、やっぱり変えないといけないという両面が政務活動費にはあると思いますね。
本来はきちっと執行する、執行をチェックする、あるいは新たな提案を行うという意味では、対等になるための、これは手段ですよね?
どうもですね、だから二元代表ですから、執行する機関と、決定する機関が、二元が代表して、機関競争をしなければいけないのに、本当に調査して、現地で調べてという、そういうための活動費があって、それを十分活用するということが、説明責任が果たせれば、有権者の方も、そらそうだと、もっと出そうと、こういう好循環に変えていく必要があると思います。
さて、今度はこちら、ご覧ください。
これは全国の市町村の議会選挙で、立候補者が定数以下で無投票となった割合です。
平成の大合併以降、統一地方選挙が行われた平成19年と平成23年を比べると、無投票の割合、およそ2倍に増え、今もその傾向が続いています。
投票によって代表者を選ぶという、民主主義として最も大切な機能がなぜ失われているのか。
その背景を取材しました。
今月16日、村議会議員の補欠選挙が告示された東京都神津島村です。
定員は10人。
欠員1人を補う選挙です。
結局、立候補者は現れず選挙は行われませんでした。
議員のなり手を探した清水勝彦さん。
議員としての1か月の報酬は17万円。
政務活動費もないため出張費などはその中から捻出しています。
この条件では議員になりたいという人も現れず議会そのものの存続が危ぶまれるといいます。
人口10万の町も議員のなり手不足に悩まされています。
北海道千歳市です。
去年の市議会議員選挙で25人の定員を超える立候補者が集まらず初めて、無投票となりました。
質問者がこれで確定ね。
順番がどうなるんだ。
社会福祉施設を経営しながら議員を務める、五十嵐桂一さん。
無投票当選に複雑な思いを抱いています。
五十嵐さんの議員報酬は月38万円。
政務活動費は3000円足らずです。
自分のように兼業が成り立つ職業でなければ立候補するのは難しいと考えています。
今後、議員の報酬などをどうしていけばいいのか。
五十嵐さんたちは住民にアンケートを行いました。
すると、議会そのものの存在を否定するような厳しい意見が寄せられました。
「行政のチェックなら町内会長で十分」「何をしているか全く分からない」「議員はいらない」
自分たちの問題意識と市民の声とのギャップをどう埋めていくのか。
五十嵐さんたちは模索を続けています。
新たな議会の担い手を生み出していくにはどうすればよいのか。
その課題に取り組んできた自治体があります。
人口およそ1万3000の北海道栗山町です。
議員たちは住民との距離を縮めるために町内にポスターを貼って議会でどのようなテーマを議論するのか知らせています。
さらに議会閉会後は審議した内容を住民に報告する議会報告会を開くことも条例で義務づけています。
こうした取り組みの中から新たに議員となる住民が現れました。
3年前、最年少で初当選した三田源幸さん、47歳です。
農業と兼業で議員活動をしています。
議員になったきっかけは5年前の議会報告会。
当時、近隣の町との合併が大きなテーマとなっていました。
ふるさとの将来を方向づける議員の仕事を初めて目にして意識が変わったといいます。
議員になって住民にメッセージを発信する立場になった三田さん。
こんにちは。
自分が議員になるきっかけとなった議会報告会への参加を呼びかけています。
選挙が成り立たない、立候補者が不足しているというのは、これ、本当、危機的状況ですね。
大変危機的な状況だと思います。
おもしろくないんですよね、何してるか分かんないということから、まず見せるところから今の栗山町もそうですけども、議会全体で報告会して、ああ、そうかと、じゃあ、私も立候補しようかとか、そういうことになる。
だからまず、議員になるリスクが多すぎるということになれば。
職を失うということですよね?
そうです。
回転ドアで、ある銀行の部長を務めていたけれども、こういう問題意識を持って立候補したいと。
それで、通ればそのまま議会、議員に。
そして、もし運悪く落選したら、もう一回戻れるというようなシステムを作るとか、いろんな方法論がまだ民主主義を成熟させるための手段が不足しているから、こういう状態も起こる。
あるいは、女性議員の数が多い議会は、全国で2つぐらいしかないんですよ。
そうすると、本当の民意の代弁してないから、なんか中年以上の男性が圧倒的に多いということで、若い人もいない、女性も少ないということになると、セクハラ…がそのまま認知されるとか、そういう問題も、これから議会は、この問題を契機に、徹底的に解明をして、市民が納得する議会改革までいかないといけないと思いますね。
データとしてこちらがあるんですけれども、原案どおり可決される割合が、約90%、そして議員が提出した議案が非常に少なくて、全体の5%。
こうした数字を見ますと、活発な議論というのは、果たして議会で行われているのだろうか。
ただ追認してるだけの議会が、広がっているように見えるんですけれども。
私、ずっとそういうことを追及してきてましたから、やっと5%きたという思いがあるんで。
議員提案が?
そうです。
今までゼロだったんです。
だから議会は、これを5%、10%、20%にしていくと、民意の代表として、民意の、皆さんに、住民に代わって、代弁して、議会はおもしろいねと、じゃあ、われわれも代表を出そうと、そういうことが求められていくと思います。
地方分権というのは、本当に実行されて、もう10年余りたちましたけれども、その状況は本当変わってないのではないかというふうにも見えるんですけれども、ただ、地方としては地方はこれからどう生きていくのか、みずから考えて政策を立案して実行しなければいけない、本当にもう、今、ぎりぎりのタイミングではありませんか?
この国が地方創生で政府が動き始めましたけれども、地方が、議会こそが改革のチャンピオンなんだと。
自分たちが、いわゆる新しいお宝を探して作り上げていくという、そういう努力がいるからこそ、住民の方も分かってます、マスコミも分かってるからこそ、今度の議会のさまざまな不祥事はなんだというふうに大きくなったんですから、これをピンチをチャンスで切り替える機会だと、私は議会の皆さんに捉えていただけたらいいなと思ってみさせていただきました。
でも、議会不要論が6割。
を超えてるんです。
だからそこに対してどう答えを出すかという、そういう努力は、今こそ議会に求められているといえると思います。
2014/09/24(水) 19:30〜19:56
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代「揺れる地方議会 いま何が起きているのか」[字]
相次ぐ不祥事で厳しい視線が注がれている地方議会。本来の役割を果たしていないという声が高まっている。身近な議会のあるべき姿を考える。
詳細情報
番組内容
【ゲスト】早稲田大学大学院教授…北川正恭,【キャスター】国谷裕子
出演者
【ゲスト】早稲田大学大学院教授…北川正恭,【キャスター】国谷裕子
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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