法医学教室の事件ファイル 2014.09.23

(二宮早紀)同窓会?
(七海)そう中学校のね。
若い頃の写真集めるっていうからさ持ってきたのよ小田原から。
それはわかりますけどねでもど…どうして私にまでアルバムを持ってこいなんて…。
だからついでだからね「若い頃じゃんけん」しようと思って。
若い頃じゃんけん?そう。
とっておきの写真を決めて見せ合うのよ。
私はもうこれ。
ああっちょっと待って…。
じゃあね私…私じゃあこれ。
これ?
(2人)じゃーんけーんほい!じゃあ失礼しま〜す。
どうぞ。
きれーい!えーこれほんとに叔母様ですか?違う人でしょ?正真正銘の私。
じゃあ今度は早紀さんよ。
これかしら?はいどうぞ。
はい!あらすっごいきれい。
あらどっかのプリンセスみたい。
プリンセスはちょっとオーバーなんじゃないです…?ねぇ〜。
これ逆さまだし。
これ後ろ姿だし。
(七海)はははは…。
細かい事は気にしない。
どうせお世辞なんだから。
お世辞?あらまあこれ愛介?そうですよ。
(七海)あら!あーかわいい!あっ「愛介2歳」。
かわいいでしょ〜?もう食べちゃいたいぐらい…。
(二宮愛介)おはよう。
あーむさい!こっちの方が…。
(早紀・七海)全然かわいい!はぁ?
(朱美)いたっ…。
アアッ!
(相沢澄江)いい?私が出所したあとこの子いじめたら娑婆に出た時容赦しないからね!わかった…。
あんたもうすぐ仮出所だろ?出所したらわかってるね?
(女)来た来た!46番相沢澄江。
出なさい。
はい。

(クラシック音楽)
(クラシック音楽)
(クラシック音楽)
(谷崎貢)いいよなぁ兄さんは。
そうやって気楽に絵を描いてりゃいいんだから。
(谷崎孝仁)ん?
(クラシック音楽)なんか言った?別に。
じゃ…今月分ここに置いとくから。
すまないないつも。
銀行振り込みにしてくれてもいいんだけど。
いいんだよ。
兄さんの顔見たくて来てるんだから。
うれしいな。
やっぱりいいな兄弟って。
バカが。
恩を着せたいから届けに来てるんだ。

(澄江)すいません。
こちら谷崎孝仁さんのお宅でしょうか?そうですけどあなたは?おい止めてくれ!
(携帯電話)
(澄江)何?ちょっと何すんのよ!アッ!離して!ちょっと…!あいつ…!返して!
(愛介)やめろ!顔見せろ!
(愛介)わっ!
(澄江)誰か!誰か来て!
(足音)
(二宮一馬)愛介。
バカ!もう!どうしてひったくり犯に立ち向かったりするの…。
まあ…。
助け呼べばよかったでしょ!?大したケガじゃないんだ。
少し縫っただけだから。
(小池勇樹)ちょっと待ってください!いいでしょ?もう。
何もとられたわけじゃないんだから。
いやそうじゃなくて…。
どうした?小池。
あ主任。
こちらの方がひったくりに遭われた方なんです。
ですが被害届は出さないし名前も言いたくないと。
二宮と申します。
うちの息子に病院まで付き添って頂いたそうでありがとうございます。
そう。
あの子の父親警察の人間なの。
じゃあ言っときなさい息子に。
格好つけてひったくり犯に立ち向かったりするんじゃないって!そういう言い方はないんじゃないですか?この子はあなたを助けるためにケガまでしたんですよ?それをそういう…。
この案件は傷害事件として捜査する事になります。
協力して頂けませんか?わかった。
相沢澄江49歳。
娑婆に復帰するための1週間の訓練を終えて昨日関東女子刑務所を仮出所。
罪名は殺人。
ちなみに私は一人息子をこの手で殺して服役したの。
じゃあ…。

(七海)息子を手にかけた?
(七海)愛介なんでそんな女助けたの?叔母様そんなふうに言わない方がいいですよ。
ちゃんと服役して罪を償ったんですから。
でもさどんな事情があったにしても自分の息子を…おおこわ…。
あっ愛介おはよう。
おはよう。
あの相沢さんっていう人そんなに悪い人じゃないような気がする。
そうかわかった。
愛介あんな人間助けたからって警察から感謝状が来ないと思ってんじゃない?大丈夫よちゃんともらえるから。
僕はそんな…。
でもすごく感心してるのよ。
やっぱり蛙の子は蛙だって。
もうすごく勇気ある行動だって!関係ないよ!勇気なんて。
勇気なんて関係ないから。
愛介ごはんは?
(愛介)いらない!
(ドアの開閉音)
(澄江)ありがとう助けてくれて。
でも今みたいな時あんなふうに突っかかっていっちゃダメよ。
あなたにもしもの事があったらお父さんとお母さんが悲しむでしょ?
(パトカーのサイレン)
(大石貴一)工場が閉鎖されてからはこの収納庫には近隣住民が相当量の粗大ゴミを不法投棄していたようです。
ああ。
あれは?近くの住人があの窓を突き破って逃げ出してくる女性を目撃してまして。
その女性に関しては?今のところ何もつかめてません。
検視始めるけど。
ああ頼む。
頭蓋骨が相当たたかれて陥没してる。
鈍器のようなものでたたかれた…。
(殴る音)アアッ!やけど…。
(未奈)発見された時はあの入り口のシャッターにもたれかかるように死んでいたのをシャッターを開けるために消防隊が遺体をここに運んだそうです。
シャッターにもたれている時やけどした…。
うん?あら一重まぶたを二重に整形手術してるわね。
(桑田)今男でもプチ整形をするっていいますからね。
あら?噛み傷?人間の噛み傷じゃないわねぇ。
それに赤く腫れてる。
パスツレラ症かもしれない。
未奈ちゃんこの部分の組織を採取して永岡君に。
(未奈)はい。
じゃあ黙祷。
始めます。
胃袋270。
牛肉?消化されてないわね。
うん?パスツレラ症?この赤く腫れた手の傷は猫に噛まれて炎症を起こしたもので猫の口の中にはパスツレラ菌という細菌が100パーセントいるの。
うん…。
うん?それと死因の脳挫傷とは…?直接関係はないけど被害者の行動ラインはつかめるんじゃない?パスツレラ症の発症は平均すると30分から6時間の間。
そして被害者の胃の中からは未消化のステーキの肉片が発見されたわ。
つまり被害者は殺される1時間前にはステーキを食べた。
なるほど。
プチ整形も含めて一応頭の片隅には置いておこう。
随分つれないじゃない。
もう犯人の目星はついたの?実はなあの廃工場の収納庫の窓から相沢澄江の指紋が検出された。
あっ相沢澄江…。
それってまさか愛介が助けた人!?ああ。
殺された被害者の持っていた免許証から樋口学31歳とわかったんだがこの樋口の容姿がひったくり犯に似てるんだ。
それで愛介には写真で確認してもらった。
で愛介はなんて?間違いないと。
じゃあゆうべのひったくり事件は単なるひったくり事件じゃない…。
その可能性が高い。

(大石)相沢さん。
何?なんの用?あなたがなぜあの火災のあった廃工場にいたのかその理由を知りたいと思いまして。
なんの話?廃工場?
(大石)やめましょう。
その服の焼け焦げが何よりの証拠だ。
街を歩いてたら誰かにつけられてるような気がしてで昨日のひったくりだって気づいて慌ててあの廃工場に逃げ込んだんです。
そして収納庫に隠れてたらシャッターを閉められガソリンを流し込まれ火を…。
(有田光志)尾行していた樋口学がどうしてあんたがあの廃工場に逃げ込む事を予想してガソリンを用意出来るんだ?知らないよ私は。
本人に聞けば?ふざけるな!あんたは何かで樋口学ともめあの収納庫にあんたは閉じ込められガソリンを流し込まれ火をつけられそのあと2階の窓から脱出したあんたはすぐに取って返し樋口学を殺害した。
冗談じゃない。
殺したのは私じゃ…。
私が戻った時にはもう死んでた。
(有田)じゃあこれを見てもらおうか。
ここに写っているのは樋口学だ。
そして並んで写ってる人間。
これはあんたが5年前に殺害した息子の相沢佑一だ。
あんたの息子と樋口学は中学校の同級生だった。
あなたと樋口学がもめていた理由はなんですか?そのわけを話してほしい。
それは亡くなったあなたの息子さんと関係が?関係ないよ息子は!毎日ブラブラして働かないんで頭にきて殺しただけさ。
第一私が樋口学を殺したっていう証拠があんの?あるんだったらそれ見せなよ!そう…彼女犯行を否定してるの。
ああ。
だが相沢澄江が火災が起きている収納庫の2階の窓から脱出し樋口学のいるところに取って返した事は間違いないんだ。
目撃者がいる。
消防車のサイレンが近づく中彼女は逃げないで収納庫の入り口の方に向かっていったとな。
なんですって?ん?その事が何か…?
(愛介)お父さん。
うん?ああどうした?あの人を犯人にしたいから僕にあのひったくり犯の写真見せたのかよ。
あ…いやそうじゃない。
まこれは捜査の事だ。
お前に詳しくは話せない。
みんな色眼鏡で見てるからあの人を犯人扱いするんだ。
あの人は犯人なんかじゃない!愛介…。
おい!なんなんだあいつ。
なんで彼女にあんなに肩入れするんだ?法医学で彼女の犯行じゃないと証明出来るかも。
はぁ?あなたが火災を見つけて通報した時の様子を詳しく聞かせてもらえますか?
(光子)ここから…あの収納庫の窓から赤い炎が見えて火事だと思ったんですぐ携帯から119番したんです。
通報時刻は?消防署によると14時27分です。
それであなたはここで消防車が来るのを待ってたんですね?ええ。
それでサイレンが遠くから聞こえてきてもう来るなって思った時あそこの窓から人が出てきたんです。
永岡君お願い。
了解。
(光子)そうあんな感じでした。
(消防車のサイレン)
(光子)ええあんなふうにその女の人も収納庫の方へ戻ったんです。
(永岡)エイッ!ヤアッ!
(桑田)アアッ!アーッ!はい!はい永岡君がここに到着するまでにかかった時間は?27秒です。
約30秒ね。
消防隊がここに到着した時刻は?14時33分です。
通報を受けてから6分後。
6分後…。
ほら逃げて逃げて!消防隊が来るわよ。
ほら逃げて。
で消防隊がここに到着し消火活動の妨げになるのでこの遺体を向こうに移動した。
(桑田)はい。
そして…問題はこれなの。
この3度のやけどは消防署からのデータを含めて計算すると中からの炎で熱せられたこのシャッターに少なくとも5分以上は接触してないと出来ないやけどなの。
でもあの目撃者は相沢澄江が2階の窓から逃げ出した時消防車はすぐそこまで来てたって言ってる。
つまり相沢澄江には樋口学を殺し3度のやけどを負わせる時間はなかった。
ねえこうは考えられない?相沢澄江さんはなんらかの理由でこの収納庫に閉じ込められ…。
(澄江)ちょっと!樋口学はシャッターを閉めロックをかけガソリンを流し込み火をつけた。
あっ!誰か!開けて!で彼女が脱出する前にその樋口学を誰かがスパナのような鈍器で殺害した。
(澄江)誰か!ねえこれなら成り立たない?なるほど。
だがそれは俺たちが考える事なんだ。
お前の仕事じゃない。
あ…そうよねぇ。
でもあと1つだけ!樋口学は殺される30分から6時間前に猫に噛まれ1時間前には…ステーキを食べていた。
そうそれよ!それだって捜査の何かの手がかりになるんじゃないかなって。
うんうん。
言われなくてもね調べるよ。
お前は黙ってろ!すいません…。
いいか樋口学の交友関係殺されるまでの行動徹底的に洗うぞ。
(刑事たち)了解!
(有田)この男見た事ありませんかね?見た事ありませんね。

(ドアベル)ダメか…。
(水原好美)そりゃあ学が部屋に転がり込んできたから一緒には暮らしてましたけど…。
最近何か変わった様子はありませんでしたか?このところなんか変な電話に呼び出されて動いてたみたいで昨日も…。
(樋口学)すいません失敗しました。
(好美の声)私が風邪で休んで寝ている時に…。
昼ですか?わかりました行きます。
(小池)電話の相手は誰だか…?私たちこの頃うまくいってなかったから学が何してたのか全然。
樋口学さんは猫を飼っていたり…?猫?そんなもん飼ってません。
第一学は猫が好きじゃなかったから。
(大石)ダメでした。
樋口学は猫嫌いで行きつけのステーキハウスもありませんでした。
樋口学の交友関係猫とのかかわりからは何も浮かんでこなかった。
だがキャッシュカードから金の動きがわかった。
樋口学は5年前どこからか5千万の大金を手に入れ入金しそれを食いつぶす形で生活してたようだ。
5千万ですか!?ああ。
それと樋口学はひったくり事件を起こす前と昨日の午前中…この携帯電話で2度公衆電話から着信を受けている。
自分の電話番号を着信履歴に残さないためにな。
その相手が樋口学を殺害した犯人…?その可能性は十分にある。
引き続き捜査をしてくれ。
(刑事たち)はい!すいません。

(澄江)何してんの?そんなとこで。
あんたのお母さんが法医学とかで私の無実を証明してくれたそうだね。
今釈放された。
でも礼は言わないよ。
(澄江)さあ入んな。
(愛介)違うんです。
あなたに話したい事が…。
わかった?私はあんたのように正義感が強くて優しい人間が近づいていい相手じゃないの。
僕は正義感が強いわけでも優しい人間でもない。
大学の友達が外国語教材のマルチ商法に手を染めていてそれはよくないと止めて。
でもやめなくて…。
他の友達も巻き込もうとしてたからたまらず大学の学事課に相談したらそしたら裏切り者だって…。
それで面白くなくてムシャクシャしている時に襲われてる私を見た。
(愛介)だからあなたを助けようと思ったんじゃなくて誰でもいいからぶん殴りたかった。
それで飛びかかった…。
わかった。
どう?話したら少しは楽になったでしょ?帰んなさい。
ほんとにここはあんたのような人間が来るところじゃ…。
だからあなたも話してください。
あのひったくり犯とどういう関係なのかなぜ襲われたのか。
はぁ…やっぱり親に頼まれた。
違います。
あなたが色眼鏡で見られるのが嫌なんです。
母は他にも法医学で犯人に結びつく手がかりをつかんだと言ってました。
なんなの?そのお母さんが見つけた手がかりって。
いやそこまでは…。
犯人に結びつく手がかり…。
(永岡)これが樋口学の整形後の二重まぶたの顔です。
でこちらが整形前の一重まぶたの顔です。
もちろん推測ですけども。
結構これでもイケメンじゃないですか。
だよね。
でもなんで整形なんかしたんだろう?確かにその理由は謎よね。
でも役に立つと思うわ。
うちの人樋口学の整形前の写真が手に入りにくいって言ってたから。
(携帯電話)愛介?はいなぁに?あの相沢澄江さんが私に会いたい?どういう事?それ。
(汽笛)お母さん。
来たわね。
あんたは帰んな。
いや僕も…。
帰れっつってんの!聞こえなかったの?帰りなさい。
この人はお母さんと2人で話がしたいの。
帰りなさい。
なんですか?私に話って。
樋口学を殺した犯人についてあんたの法医学で何をつかんだのか教えてほしい。
それは捜査に関する秘密です。
私の口からはとても…。
でも…あなたが殺された樋口学とどういう関係で何をしようとしてるのか話してもらえるのなら…。
だんなに頼まれたのね。
違います!刑務所で金になる情報をつかんだの。
それで犯人に揺さぶりをかけたらたまたま息子の同級生で私の顔を知っている樋口学がその一味だった。
それで私を襲ってきた。
あんたの番よ。
法医学で何をつかんだの?ステーキと猫に噛まれた傷。
猫に噛まれた傷…。

(ため息)聞いたか?ええあなたに言われたとおりステーキと猫に噛まれた傷の話はした。
顔色が変わった。
(村中葉子)で彼女はなんと?そう…刑務所で情報を…。
ええ。
(安東篤)しかし息子さんまでこの捜査にかかわるとはね。
こういうのを捜査の私物化っていうんですかね。
ちょっとちょっとちょっとな〜んて言い方するの?私も愛介も好きで事件にかかわってるわけじゃないわよ!たまたまね…。
よせ。
あなたもやめなさい。
すみません。
いいえ。
ご苦労さん。
ちょっとちょっとねえ…。
イタッ!イタタタ…。
帰り際にね彼女に変な事言われたのよ。
愛介は大きな悩みを抱えてる。
2人そろってそんな事にも気づかない呆れたバカ親だ。
愛介私たちじゃなくて彼女に悩みを打ち明けたのよ。
愛介が?
(有田)へぇ〜。
仮出所が決まると社会復帰の訓練のためにこういうところに移るんですか。
すいません刑事なのに何も知らなくて…。
それで私に話って…?先だって仮出所なさった相沢澄江さんの事なんですがあなたが一番親しくなさってたみたいですね。
そんな特に親しかったわけでは。
相沢さんはこの刑務所内である情報を得て動いてるみたいなんです。
その情報を渡した人間に心当たりは…?知りません私は何も。
お役に立てなくてすみません。
うまい!いやぁほんとここのステーキはうまいな。
ほーんとこの社長のプロフィールどおりね。
谷崎貢さん。
なんだ?君は。
(澄江)大の猫好きでステーキも大好物。
なんの用だ?私に用などないだろう。
5年前の宅配便を装った爆弾事件はあなたの差し金なんでしょ?バカな事を言うな。
誰なんだ?君は。
1億用意しない?そしたら証拠も全部捨ててあげるから。
何を言ってるんだ。
私には関係ない。
ははははっ!いいの?そんな強がり言って。
あの連中が誰だかわかる?
(澄江)刑事よ。
1億なら安いと思うんだけどなぁ。
じゃまたあとで電話します。
(運転手)社長。
いやなんでもない。
5年前の爆弾事件?5年前谷崎物産の社長谷崎重松氏に宅配を装った小包が届けられ爆発した。
(爆発音)そして同じ時間帯に専務の谷崎孝仁氏の家にも宅配便を装った爆弾が届けられ奥さんの和恵さんが死亡した。
(爆発音)覚えてるわあの事件。
南横浜署の管轄で私が検視と解剖を担当したから。
でも確かあの事件誰か指名手配…。
谷崎物産の元社員で会社を不当に辞めさせられたといって脅迫状を送りつけてきたこれが玉木耕輔だ。
これが脅迫状のコピーだ。
「谷崎物産の全てを滅ぼす」…。
谷崎家もそれなりに警戒していたんだろうが高をくくっていたところがある。
警察にその脅迫状を届けたのも事件が起きてからだ。
それからな爆弾を宅配便に見せかけて送り届けた男の似顔絵だ。
この男…。
これは永岡君が作った樋口学の整形前の推測写真よ。
ほくろがあるのね。
似てる。
そうか…谷崎重松氏のところへ爆弾を運んだのがこの樋口学。
だから整形を…。
これは南横浜署に連絡を入れた方がよさそうだな。
ええ…。
ああでもちょっと待って。
その谷崎重松氏のところへ宅配便を装った爆弾を届けたのがこの樋口学だったとしてよ専務の谷崎孝仁さんのところに爆弾を届けたのは誰だったの?ほぼ同じ時間帯だったんでしょ?そちらの実行犯は女だったんだ。
女?その女の目撃証言はない。
ただ殺された谷崎和恵さんの夫孝仁さんは2階で女性の声と宅配便を受け取る奥さんのやり取りを聞いている。
その時電話があって父親が爆弾で殺されたと知り…。
開けるな和恵!開けるな!一瞬遅れて奥さんは爆弾で命を落とした。
あああの人…。
覚えてる谷崎孝仁さんって人の事。
ご遺体が安置されてる部屋にCDラジカセを持ち込んで奥様が一番好きだったっていうワグナーをずーっと聴かせてた。

(クラシック音楽)つまりもう1人の宅配業者を装った人間が女だとすると服役中に相沢澄江がその女と接触した可能性が出てくる。
つまり南横浜署が追っている玉木耕輔が犯人ではないという情報を刑務所でつかんでで相沢澄江さんは動いている…。
その可能性もある。
そして樋口学はその人間から5千万円手に入れた。
(ため息)先生。
お久しぶりです。
あっ!ああ確か…。
谷崎孝仁さんだ。
ポリープ除去手術のために今日から入院なさってる。
ああ…。
先ほどは申し訳ありません。
病室まで来て頂いたのに手術前の検査の時でバタバタしてしまって。
それでどんなお話でしょう?私に聞きたい事っていうのは。
あ…この女性に見覚えは?ご存じなんですね?ええ。
なんなんですか?この人は。
いきなりうちに来て「5年前の爆弾事件の犯人は別にいる。
かたきを取りたいから話を聞かせてくれ」って。
かたき?言ってる意味がよくわかりませんでした。
それでお引き取り願ったんです。
せっかく心の傷も癒えてきたというのにまたあの事件の話を持ち出すなんて…。
そうでしたか。
谷崎さんひょっとして今でもワグナーを?ええ。
これを聴いていると心が落ち着くんです。
仕事を辞めましたしね今では絵を描く事だけが生きがいです。
ただ…。
ただ?もし本当に私の家内や父を爆弾で殺した犯人が…警察が捜してる玉木ではなく別にいてのうのうと暮らしているのなら私はその人間を捜し出して必ずこの手で…!谷崎さん…。
南横浜署は引き続き5年前の宅配便爆弾事件に関してこの玉木耕輔を追う事になった。
俺たちは相沢澄江の動きそして今度の樋口学殺しから5年前の事件には別の犯人がいるという観点で捜査を進めます。
わかった。
始めて。
まず5年前の宅配便爆弾事件で一番利益を得たと思われるのがこの亡くなった谷崎物産社長谷崎重松氏の次男谷崎貢です。
奥さんの和恵さんを亡くされた谷崎孝仁さんの弟です。
(大石)谷崎貢は谷崎重松氏が殺害されたあとそれまでの常務から一気に社長の座に就きました。
つまり総資産100億とも200億ともいわれている谷崎物産の総帥になったわけです。
社長に就いた谷崎貢ですが無類の猫好きでして…。
(葉子)その猫に樋口学は噛まれた…。
でも二宮先生のその情報を得てから相沢澄江が谷崎貢と接触したところを見ると相沢澄江もこの人間が爆弾事件の首謀者だという決定的な証拠は持っていないみたいね。
だと思います。
我々が谷崎貢に目をつけたのにはもう1つ理由があります。
それが樋口学の同棲相手水原好美です。
水原好美は5年前は谷崎物産に秘書として派遣されていて谷崎貢とも接点があります。
(葉子)つまり樋口学と谷崎貢を結びつけたのは水原好美って線ね。
という事はもう1人の実行犯が水原好美って線もあるわね。
それともう1人身辺を洗い出そうと思っている人間がいます。
それがこの倉島留美です。
倉島留美は4年前妊娠中におなかの子を守ろうとしてDVの夫を殺害し先日まで関東女子刑務所に服役していました。
そこで一番相沢澄江と親しかったのがこの倉島留美なんです。
その倉島留美から情報を得て相沢澄江が動いているという事ね。
いずれにせよ今後の捜査は谷崎貢水原好美倉島留美そして相沢澄江の動きに注目して進めたいと思います。
わかった。
いい報告を待ってます。
はい。
そうか…友達のマルチ商法の事でむかついて…。
だから勇気とか正義とかそういうんじゃないんだ。
父さんがな警察官になって初めて犯人を逮捕した時犯人が凶器を持っている事を知っていたけど父さんは犯人に向かっていって逮捕した。
そしたら先輩たちが大した奴だ勇気がある奴だって褒めてくれた。
お前もそう思うか?実はなぁ勇気なんか全然なかったんだよ。
もう怖くて怖くて気がついたら父さんちびってた。
ちびったの?ああちびった。
(2人の笑い声)情けなかったなぁ…。
それで父さん考えたんだ。
今日は情けない男だったけど明日から少しずつでいい本当に勇気を持つ男になりたいって。
どうだ愛介ちょっとだけ勇気を出して友達と話してみないか?友達だってきっとわかってくれると思うよ。
うんそうする。
そうか。
よし今夜は男同士飲もう。
ああそれからなちびった事母さんには内緒だ。
これは男と男の約束。
わかった。
そうか。
よし乾杯だ。
乾杯。
そう…。
あなたに話してすっきりしたのね。
うん。
よかった。
はぁ…大丈夫だろうもう。
愛介ね小学校の時私の仕事絡みで体中に死んだ人の霊がついてるっていじめられたの。
中学の時はあなたの仕事絡み。
刑事の息子だから何かあったらすぐ親に告げ口されそうだって友達に敬遠された。
そんな事があったのか。
どっちの時も仕事の忙しさにかまけて見守る以外なんにもしてやれなかったけどあの子ねけんかをしたり友達に助けられたりして自分で解決して自分で乗り越えてったの。
今考えるとほんとに運がよかったわよね。
運か…。
子育てを運に頼るなんてダメな親よね。
情けない。
情けないのは俺の方だ。
ぜ〜んぶお前に任せっきりですまなかったな。
あそれと…ありがとう。
あ…酔っ払ってる?ふふっ。
でも相沢澄江さんにはこんなふうに子供の事を話せる相手いなかったのね。
だろうな。
早くに夫に病気で先立たれたらしいしあのとおりの気の強さだ。
色々子供とぶつかったんじゃないのか。
でも自分の子供を手にかけるって大変な事よ。
何かよっぽど追い詰められていたのかも…。
どこに電話してるんだ?
(電話)はい。
ああ回してくれ。
もしもし?早く1億出しなさいよ。
宅配便事件の主犯があんただって事言わないでいてあげるから。
バカバカしい。
お前に金なんか払う必要はない。
随分強気ね。
そう…そういう事。
あんたの考えがよーくわかったわ。

(三浦)ああっ!
(小池)車だ!車持って来い!
(三浦)はい!わかりませんどこへ行ったか。
でも大丈夫。
警察よりも先に必ず私が見つけ出し…。
でもその代わり…ええ。
(澄江)やっぱり思ったとおり。
うちの周りをうろちょろしてる。
あなた樋口学と同棲してた女だよね。
なんの事です?何をおっしゃってるのか…。
谷崎貢に私を始末するよう命令されたんだろ?やめてください変な言いがかりつけるのは。
待ちなさいよまだ話が終わってない…!
(澄江)アッ!
(好美)悪いけど死んでもらう。
(澄江)アアッ!こらっ!何してる!うっ…!どうしました?あ…大丈夫です。
なんでもありません。
ちょっと絡まれただけですから。
何言ってるんです!血が…!
(サイレン)主任。
すいません我々がマークしていながら…。
そんな事より相沢澄江は?腕を5針縫いましたが命に別条は。
ただ医師によるとひどい過労で脱水症状を起こしているので1日は点滴をして様子を見ると。
話せるのか?ええ。
医師の承諾は取ってあります。
どうですか?痛みは。
別に…。
誰があなたを?あのおまわりはなんつってるの?女性だったと。
そうそれだけ?それになぜかあなたは腕の傷を隠そうとしていたと。
忘れた。
もう一度聞きます。
誰があなたを?知らない女よ。
悪いけど疲れた。
傷が痛むの。
眠らせて。
わかりました。
ああ…。
何?まだ。
息子の話聞いてくれたそうで。
礼を言います。
それも忘れた。
(桑田)切られた?刑務所で手に入れた情報を持って犯人と接触したのかも。
あっで先生はそのクッキーを持ってお見舞いに?そうよ容体も気になるし。
とかなんとか言ってまたでしゃばって事件の事探りたいんでしょ。
でしゃばるって何?お見舞いよ?純粋なお見舞い。
(澄江)でこれを…。
今度はつぶさないようにね。
ふふっ。
ほら出来た!はい。
気をつけて!何見てんのよ!見せもんじゃないよ。
ここのクッキーとってもおいしいんですよ。
召し上がってください。
(ノック)澄江さん。
留美!先生出ていってくれない?悪いけど。
(澄江)昨日?
(留美)ええ昨日出所しました。
出所…?でお宅に行ったらいないし保護司さんに連絡してここへ。
でも腕を切られたって?ああなんでもないよ。
大した事ないの。
それより行ったの?娘のとこ。
なんで?怖いの。
服役中に産んだから半年しか一緒じゃなかったしもう3歳だもの。
私なんかに会いたくないんじゃないかって。
バカじゃないの!?お願い澄江さんのそばにいさせて!息子さんの復讐するんでしょ?息子さんの復讐?
(留美)私にも手伝わせて。
な…何言ってんの!なんの話?
(愛介)お母さん。
(愛介)どうしたの?お母さんこんなとこで。
あお見舞い?相沢さん一番奥よ。
じゃ…。
どういう事なんだろう息子さんの復讐って…。
すみません!ちょっといいですか?ほんとに来た。
ええ?澄江さんの予想どおりね。
ああ…。
でも復讐というのは私の勘違いだったみたい。
考えれば自分の手で息子さんを殺したんだもの復讐も何もないよね…。
相沢澄江さんが息子さんを殺害したのは5年前の4月19日。
4月…?その3日前に爆弾事件が起きてる…。
どういう事?これ。
こんなに日にちが近いなんて…。
柳川さん!
(柳川)ああ…。
いやしかしびっくりしました。
まさか二宮先生からお電話を頂くとは思ってもみなかったものですから。
南横浜署に電話したら柳川さん刑事を退職なさってこちらにって伺ったもんですから。
すいませんお忙しい時に。
いえいえ構いません。
確かに5年前相沢澄江の事件を担当したのはこの私です。
しかしあれはなんとも後味の悪い事件でした。
というと?取り調べの間中相沢澄江はテープレコーダーみたいに同じ事しか繰り返さないんです。
私は息子を殺しました。
母一人子一人で育てせっかくいい大学にも入れ大会社にも就職出来たのに仕事も辞め毎日ブラブラしている息子に愛想を尽かしたからです。
大会社って…。
新藤和化学の研究室に勤めたんです。
しかし会社の異動で全然不向きな営業に回されてしかもひどいいじめにもあったらしくて会社を辞めてしまったんです。
それでもそんな息子を支えて一生懸命お店を続けてたんですよ。
なのになぜ自分の息子に手をかけたのか何がきっかけだったのか何度聞いても同じ事を繰り返すばっかりで…。
彼女の抱えた心の闇は結局解明出来なかった。
ただ…。
ただ?「あんたの息子さんは小さな時から手先が器用でなんでも上手に作れる子供だったんだね」ってその話をした時だけは…。
知りませんそんな話!息子は不器用です。
そんな話何かの間違いです!息子は不器用…。

(澄江)息子は不器用です。
そんな話何かの間違いです!あのちょっとすみません。
えっ?お隣の事でちょっとお伺いしたいんですけど…。
ここにいたのね。
(澄江)何よ。
話なんてないでしょ私にはもう。
あなたの息子さんとっても手先が器用だったんですってね。
小学校の時全国工作コンクールで入賞したって。
大学では応用化学専攻。
その気になれば爆弾だって作れるくらい…。
なんの話?悪いけど私退院の時間だから。
ひょっとしたらあなたの息子さん谷崎物産の人間に送られた宅配便爆弾を作ったんじゃないの?はあ?何それ?なんの話?すごい想像力ね。
(相沢佑一)自首?何寝ぼけた事言ってんだよ。
あとはなこの爆弾で谷崎物産のビルをぶっ飛ばしさえすれば5千万が手に入るんだ。
ねえ自首して。
ねえお母さんも警察に一緒に行くから。
いいからどけよ!
(澄江)ねえ…行かせない!行かせないったら!私はね毎日ブラブラしてる息子に愛想尽かせただけよ。
私思い出したのよ。
あの脅迫状には谷崎物産の全てを滅ぼすと書かれていた。
恐らくあなたの息子さんは次の爆弾でもっと多くの人の命を…。
いい加減にして!私はねそんな話に付き合ってる暇ないの!私…。
あなたを死なせない!あなた自分の息子をそんな犯罪に巻き込んだ人間を見つけ出し自分の命と引き換えに復讐しようとしてる。
バカバカしい…。
相沢澄江の息子が爆弾を?ええ。
お願い。
すぐに彼女を保護して。
彼女死ぬつもりよ。
愛介が言ってた。
彼女家の中を5年前の事件のままにしてあるんですって。
きっとそれを見ながら息子さんの復讐を誓ってるんだと思う。
だから一刻も早く…。
出来ないっていうの?まさか彼女の行動を黙認すれば爆弾事件の黒幕に行き着くから泳がせておこうっていうんじゃ…。
バカな事言うな!どういう理由で保護しろって言うんだ。
今の段階では全て推測でしかない。
だが南横浜署にはお前の推測はそのまま伝える。
推測ってでもね…。
とにかく!保護は出来ない。
俺たちが出来る事は相沢澄江の行動を監視する事。
二重三重の張り込み体制を敷いてなんとしても彼女の復讐を阻止する。
絶対に彼女は死なせない。

(愛介)お母さん。
愛介。
あら…。
さっき相沢さんの店の近くで偶然この人に会ったんだ。
お店の権利証と鍵?澄江さんに渡されたんです。
自分に何かあったらこれを役立ててほしいって。
澄江さんやっぱり復讐をして死ぬつもりかもしれません。
うちの人がそれを止めるために澄江さんの行動を監視してるわ。
きっと止めてくれる。
お母さん僕にも何か出来る事がないか考えるよ。
きっとあの人自分には明日がないような気がしてるんだ。
愛介…。

(澄江の声)バカな真似はやめて!あなたそんな事する子じゃなかったじゃない!あんたのかわいい佑一はもう死んだんだよ。
俺は昔の俺じゃないんだ。
私のせい?私がなんかいけない事を…。
関係ない。
あんたは俺に気を使いすぎただけさ。
あんたが俺の部屋に入らなければよかったんだ。
(佑一)見ちまったんならしょうがねえよな。
ごめんな。
もう引き返せないんだ。
キャー!!うっ…うっ…!やめて!やめて!
(刺す音)アアッ!うっ…。
えっ?佑一?佑一!佑一!!相沢澄江が出かけます。
了解。
有田三浦。
相沢澄江が必ず尾行をまこうとするだろう。
フォローしてくれ。
(有田)了解。
(小池)しまった!おい!
(芝山)はい!待て!待て!
(小池)待て!
(芝山)待ちなさい!行くぞ。
はい。
相沢澄江は16号線を北上中。
了解。
パチンコ店に入りました。
恐らく裏から抜けるつもりだと思います。
了解。
(小池)了解。
環状2号線を保土ヶ谷方面に向かっている前車を追ってくれ。
(小池)了解。
(有田)了解!この道は樋口学の同棲相手だった水原好美のマンションに向かう道です。
何?何かあったら向かうぞ。
小池到着しました。
もう5分経ちましたけど…。
行ってみるか。
変ですね様子が。
小池相沢澄江を頼む。
行くぞ。
はい!
(大石)主任!死後硬直が始まってるな。
小池念のために相沢澄江を確保してくれ。
(猫の鳴き声)今猫の鳴き声がしませんでした?
(車の走行音)それと車の音…。
待ちなさい!何すんの!私じゃない!私が行った時には死んでた!
(カメラのシャッター音)主任。
二宮先生が…。
あなた…。
相沢澄江は連行した。
だが彼女はこの殺人に関係ないだろう。
発見時すでに死後硬直が始まっていた。
頼む。
ええ。
これ…。
このシャンプーブラシだと思います。
発見した時は頬の下にありました。
確かに死後硬直がきついわね。
死亡推定時刻は17〜18時間前…。
これ…。
何か?直腸内温度は?
(未奈)35度5分です。
瞳孔に混濁がないからそうじゃないかと思った。
(桑田)じゃあ電撃性死体硬直?電撃性死体硬直?そう。
頭部に打撃を受けた時に体が硬直する事があるの。
例えば弁慶の仁王立ちみたいなものね。
死亡推定時刻は?恐らくあなたたちが到着する30分ぐらい前。
じゃあ相沢澄江が犯人?いや彼女には無理だ。
彼女が水原好美の部屋にいたのはわずか5分ほどだ。
それにこの傷。
樋口学と同じような鈍器で殴られたものなの。
同一犯人の仕業だと思うわ。
それにねちょっとこれ見て。
ほらこの後頭部鈍器で殴られて頭蓋骨にヒビが入ってる。
顔面も相当強く殴られてる。
レントゲンで見ると歯の根が何本か折られてる。
ただわからないのは口の中にほとんど血液がなかった。
バスルームで洗い流したんだと思う。
でもなぜそんな事をしたのか?何か証拠を消した…。
とにかく今法医学でわかるのはそれぐらい。
そうか。
実はな死体を発見した時裏で猫の鳴き声と走り去る車の音を聞いたんだ。
死亡推定時刻が俺たちが到着する少し前ならあれは犯人が逃げ去る時の車の音かもしれん。
それにあの猫の鳴き声といえば…。
その時間はここにいました。
変ですね。
秘書の方はその1時間前にあなたはお帰りになったと。
そうだったかなぁ?じゃあ車の中だ。
この女性をご存じですね?いや知らない。
5年前あなたの会社の秘書課にいた女性です。
ああそういえばいたかもしれない。
でもそんな事いちいち覚えちゃいないですよ。
この女性が5年前の爆弾事件の実行犯の一人の可能性があるんです。
またその話か。
いい加減にしてくれ!疑うんだったら私が犯人だという証拠を持ってきたらどうなんだ?
(有田)相沢澄江を釈放?ちょっと待ってくださいよ!相沢澄江は何もしゃべってないんですよ。
水原好美の部屋になぜ行ったのかも。
あなたたちは殺人の疑いで彼女を二度取り調べている。
彼女が依頼した弁護士から人権問題だと激しく抗議してきたの。
彼女に前科があるというだけで予断を持った捜査をしていると…。
しかし彼女は果物ナイフを隠し持ってたんですよ。
それだけで拘留するってわけにもいきませんよ。
別件逮捕といわれる可能性もある。
しかし相沢澄江は復讐を考えているんです。
わかってる。
でも弁護士からの正等な要求よ。
残念だけど飲まざるを得ないの。
釈放ですか。
ダメでした。
水原好美のマンションで聞いた猫の鳴き声と去っていく車の音は近所の住人が自分の猫を動物病院へ運んでいったそうで…。
教えて。
誰があなたを…。
これ…。
確かにシャンプーブラシでへこんだ痕はある。
でも他にも何か浮き上がったような痕が…。
これ何かしら?相沢さん…。
なんか見つけた?また法医学で。
だったら教えてくれないかな私に。
復讐なんてもうやめてください。
やっぱり無理か。
あんたから何か聞こうとしても。
だんな様が亡くなって途方にくれてる時息子さん調理師だったあなたに言ったそうですね。
お母さんのオムライスが食べたい。
お母さんのオムライスは最高だって。
それがお店を開くきっかけになったとか?
(佑一)お母さんのオムライスおいしい!毎日食べたい。
最高!その時の息子さんの顔覚えてるでしょ?オムライスを食べて嬉しそうにしてる息子の顔。
母親なら忘れない。
忘れたくても忘れられない。
だから苦しいんでしょ?息子さんまだあなたの心の中で生きてるから。
はいはい。
じゃあね。
ただいま。

(七海)「おさななじみの想い出は」「青いレモンの味がする」「閉じるまぶたのそのうらにおさない姿の君と僕」叔母様…何なさってるんですか?あはは!ほらこの間話したさ中学校の同窓会。
明日に決まったのよ。
だからさちょっとシミ隠そうと思ってね。
パックでお肌のお手入れ。
ほんとにいいですね。
叔母様はいつものんきで。
あっそうだあんた医者でしょ。
えっ?ちょっとさほっぺにねこんな感じの色のシミが出来ちゃったのよ。
治るかしら?まあ叔母様色白ですからね。
シミ目立ちますよね。
ふふふ…まあねぇ。
あっじゃあこういうのどうですか?いっその事このシミと同じような色に顔全体を黒く塗っちゃうの。
そしたらシミ全然目立ちませんから。
ああそうね。
って事は私の顔真っ黒じゃん!ちょっと!そういうんじゃなくてねっそういう安易なほら…傷で傷を隠すような方法じゃなくてもっと根本的な…。
傷で傷を隠す…?そうよ!傷で傷を隠したのよ!叔母様最高!色白最高!はあ?
(携帯電話の操作音)あっ永岡君?私。
明日朝一で実験するわよ。
準備して!出来ました。
じゃあ始めて。
はい。
ではまず角度ですね角度が…。
こうだな。
いきますよ。
エイッ!どう?ついた?
(未奈)写真とほぼ同じです。
となるとブラシの痕の間にあるこの盛り上がったブツブツが気になるわよね。
永岡君パソコンでこのブラシの痕消してみて。
了解。
じゃあやってみます。
どんどんいきますよ。
(桑田)なんか丸っぽいものですね。
《なんだろう…?》
(桑田)なんか丸っぽいものですね。
これが気になったから犯人はシャンプーブラシで圧迫痕をつけて隠そうとした。
それほど犯人にとっては気づかれてはまずいものだった…。
なんだろう?丸くてツブツブの痕が浮き出るようなものって一体…。
あっ…。
(永岡)ああ〜!あっごめん。
僕のヘッドホンが…。
ごめんごめん。
これ結構いいやつなんですからね。
ヘッドホン?ちょっとこれ…。
あーっちょっと…!大丈夫。
桑田君が拭いてくれるから!拭きゃあいいってもんじゃないよ。
大丈夫弁償するから。
未奈ちゃん写真!
(未奈)あ…はい。
こう。
(未奈)ほぼ同じです。
水原好美さんはまず後頭部を殴られ…。
倒れた拍子に犯人のヘッドホンに手がかかりそのまま倒れてヘッドホンの上に頬をぶつけた。
当然犯人はそれが自分のものならそのヘッドホンを回収しようとする。
その時水原好美さんにはまだ意識があってヘッドホンを取ろうとする犯人の手に必死で噛みついたのかもしれない。
噛みつかれた手を外せない犯人は鈍器で彼女の口のあたりを殴打した。
噛みつかれた時残ったかもしれない自分の血痕や皮膚組織を洗い流すために…。
バスルームへ運び…。
そしてヘッドホンで出来た圧迫痕が気になりそばにあったシャンプーブラシで別の傷を作った。
傷で傷を隠した。
ヘッドホンといえばあの人しかいない!私行ってくる!
(桑田)先生どこへ?ダメですよ鉄砲玉みたいに飛び出す…。
大丈夫!うちの人にはちゃんと連絡取るから!乗って!ああ?早く!なるほどな。
だがヘッドホンはすでに処分してるかもしれんぞ。
でも消せない証拠もあるはずよ。
噛み傷という。
だからあなたに来てもらったの。
この近くよ。
止めろ!どこへ行くのかしら?よしつけるぞ。
ええ。
わかった。
ここは谷崎物産の持ち物で許可は取った。
行くぞ。
あそこでベッドホンを処分したのかしら?見てくる。
ここにいろよ。
ここにいろよ!オッケー。
やっぱり…バカ。
ステーキ?
(鳴き声)来たな。
はいあげる。
よーし。
ほんとにお前は優雅だねぇ。
猫?じゃあここで…。
わかりました。
あの母親を殺せばいいんですね。
でも礼金の方は大丈夫なんでしょうね?心配しなくてもいい。
前にも5千万渡しただろ。
しかしあんたも変わってますよね。
こんなところで捨て猫とステーキでランチなんて。
(鳴き声)イタッ!この野郎!そうか…そういう事だったのね…。
うっ…。
ああっ…!二宮先生?どうしたんですか?そんなところで。
私に何か?いえあのその…。
谷崎さん。
見つけましたよ。
始末したヘッドホンと凶器のスパナ。
あっそういう事ですか。
ご自由にどうぞ。
なんの事かよくわからないが証拠物でもなんでも探してくださいな。
自信があるんですね。
でもいくら証拠のヘッドホンを燃やしたりスパナをきれいに洗い流しても消せない証拠もあるんですよ。
あなたの手です。
そこには水原好美さんの噛み傷があるはず。
その手を見せて!待て!うわーっ!早紀!3人とも動かないで!相沢さん…。
動かないで!!これがなんだかわかる?うちの息子がその男に命じられるままに谷崎物産を爆破しようと用意していた爆弾よ。
それを止めようとして息子を刺したあと私はこれを必死で隠した。
息子と爆弾事件を結びつける証拠と一緒にね。
それはこの日のためだった。
その男をこの爆弾で殺して私も一緒に死ぬ!バカな真似はやめろ。
やめて相沢さん!言いなさい。
なぜうちの佑一を爆弾事件に巻き込んだの?言えと言ってるの!話してたんだよ。
あんたのバカ息子とあの樋口学がバーで…。
爆弾?ああ。
爆弾なんて作るのは簡単だ。
(佑一)いつかそいつで俺をコケにした連中みんなぶっ飛ばしてやろうと思ってる。
(孝仁の声)私はそれを聞いた時これだと思った。
ちょうどうちの会社をクビになった玉木がホームレスとして身元不明のまま死んだ事を知った直後だったからね。
あなたの名刺を持っていたので。
ご存じないですか?いいえ知りません。
見た事もない顔です。
そしてあんたの息子に持ちかけた。
5千万やるからうちの親父と女房をその爆弾でぶっ飛ばしてくれってな。
そしたら引き受けてくれるって言うんで急いで玉木の仕業に見せかけるために脅迫状を作った。
どうして自分のお父さんや奥さんを?うちの親父はワンマンで会社など継ぎたくないのに無理やり私を専務にしそのうえ南米で事業を始めるからそっちへ4年ばかり行けって言った。
冗談じゃない!私は好きな音楽を聴き好きな絵を描ければそれでいいんだ。
うちの女房もそうだ。
私がかわいがっていた猫は捨てるし私の絵をバカにして仕事に打ち込めと…。
たくさんなんだ!人に指図されるのは!私は自由に生きたかったんだ。
この女が刑務所を出て爆弾事件の首謀者を探してると知った時まずいと思った。
あんたの息子が私に結びつくどんな証拠を残してるかわからないしな。
(孝仁の声)だから樋口学にその証拠を奪わせようとした。
だがあのバカはそれに失敗して顔まで見られたという。
仕方ないから殺そうと思った。
アアッ!アア…!うわっ!ああ…!あの水原好美もそうだ。
樋口学から私が猫と一緒にランチをする事を聞いていたんだろう。
金をゆすってきた。
黙っててあげるから5千万で手を打たない?1億あげよう。
その代わり相沢澄江という女を殺してほしい。
1億…?でもあの女も失敗し…。
こらっ!何してる!だから始末した。
うっ!ああ…。
何すんのよ!うっ…。
(孝仁)ううっ…!
(殴る音)もういい。
それだけわかれば十分よ。
いやもう1つだけ聞いてほしいんだ。
うちの女房に宅配便を渡した時の事を。
(孝仁)これは君へのプレゼントだ。
君に一番似合うと思うよ。
開けてごらん。
(谷崎和恵)気味悪いわね。
(爆発音)あれはあの女にふさわしい最高のプレゼントだった。
なんて人なの…。
相沢さん!こんな人のためにあなたが死ぬ事はないわ!いいから!あなたたちはその男をそこに置いて離れなさい!ダメだ。
それは出来ない。
本気よ!本気で私はこのスイッチを押す。
そしたらあなたたちも一緒に死ぬのよ!さあ逃げて!
(ため息)あなた!命を奪われそうな人間をここに置いて逃げ出すわけにはいかない。
それ以上にあなたに死んでほしくない。
同じよ私も。
あなたをみすみす死なせない!つらいでしょうけどでも生きるの。
生きて…心に生きてる息子さんに語りかけるの。
息子さんがお母さんごめんねありがとうって言ってくれるまで語りかけるの!生き残った者は亡くなってしまった人の分まで亡くなった人が浮かべたいと思っていた笑顔を浮かべて生きるの!相沢さん生きよう!生きてこう!バカ!どうして…。
なんでよ!
(泣き声)ありがとう。
どういう事?これ…。
あなたが作るオムライスがすごく食べたくなったんです。
お願い澄江さん。
私をここで働かせてください。
私とこの子はどこへも行くとこないんです。
(真央)私もおばちゃんのオムライス食べたーい!そう…引き取ったの。
この子が真央ちゃんね。
どうする?澄江さん。
みんなあなたを必要としてる。
みんな待ってる。
あなたが笑顔で決断してくれるのを。
そこだけは掃除しづらくて…。
バカね!中途半端じゃない!これじゃお客さん入ってこれない。
澄江さんのオムライスほんとにおいしかった!そうか〜俺も食いたかったな。
でもさ澄江さんにお店を再開してもらおうって考えるなんて愛介もなかなかやるわよね!ははは…。
さすが俺の息子だ。
えっ?いいとこは全部自分のDNAだっていうの?当たり前だろ。
お前のDNAを色濃く受け継いでみろ。
口うるさい男になっちまうよ。
口うるさいって言ったでしょ今口うるさいって。
口うるさいっていうのはこういう事言うのよ。
歯磨き粉のキャップは毎回ちゃんと締めてちょうだい。
それからねお酒を飲んだあとにラーメン食べるのやめて。
それでラーメンの汁をピッピピッピピッピピッピ…汁飛ばしてくるのやめてちょうだい!洗うの大変なんだからね。
それからねお風呂に入る前に洋服脱いだらパッパパッパ脱ぎ散らかさないで!でお風呂から出た時裸でブラブラブラブラ…歩かないでちょうだい。
ちょっと待てよ!何?風呂のあとブラブラ歩くのお前もじゃないかよ。
私はいいのよ色っぽいんだから。
それからこれが一番大事!なんだよ。
ちびったパンツは自分で洗って。
あはは…!ちびっ…。
いや…。
あいつとは男と男の約束をしたはずだ。
そんなはずはないぞ!誰と?誰と?母の愛は海よりも深し!男と男の約束なんて屁のつっぱりにもならないのよ。
…って事はあいつ裏切ったのか?もちろん!あははは!ああ〜!ちびっても好き!2014/09/23(火) 13:05〜14:56
ABCテレビ1
法医学教室の事件ファイル[再][字]

自分に復讐する女!?猫の咬み痕とステーキの謎…犯人が傷の中に傷を隠した理由!

詳細情報
◇番組内容
名取裕子が監察医・二宮早紀を演じる人気シリーズの第33弾!早紀の息子・愛介が巻き込まれたひったくり事件を発端に、謎に満ちた殺人事件が展開していく。
◇出演者
名取裕子、宅麻伸、由紀さおり、床嶋佳子、榎木孝明、大浦龍宇一、映美くらら、三津谷葉子、載寧龍二、五十嵐めぐみ、佐野和真

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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