むっちゃんの幸せ〜福島の被災犬がたどった数奇な運命〜 2014.09.23

(むっちゃん)人間でいえば還暦ってとこかな。
ふと振り返ると僕はかなり幸せ者…な〜んてね。
はじめまして。
僕むっちゃんです。
僕の家はお年寄りとペットが一緒に暮らす老人ホーム。
共同生活のこの形日本ではまだ相当珍しいみたい。
ウーって言わないのよ。
かわいいわんわんだね。
あどけない顔して。
かわいいかわいいっててれるよ〜おじさんなのに。
(畠)むっちゃん。
はいじゃあむっちゃん。
あとむっちゃんは…食べる事に関してはすごかったですね。
最近はもう楽しいです。
何て穏やかな日々。
でもここにたどりつくまでときたら…。
福島で生まれて被災してそれからは波乱万丈。
たくさんの恩人のおかげで僕は生き延びた。
今日は僕のとっておきの話を聞いてもらうね。
(犬の鳴き声)むっちゃんが生まれたのは福島県の楢葉町。
緑豊かな田園地帯です。
ここが僕のうち。
いちご農家で広い庭のある大きな家だった。
のどかな町での〜んびり育った。
いちご農園に来るお客さんたちにもかわいがってもらった。
生まれて10年。
何の苦労もなかった。
あの日までは…。
震災の2日後福島第一原発から20キロ圏内にある楢葉町は避難指示区域に指定され住民のほぼ全員が町を離れました。
着の身着のまま避難所へ向かう人たちが犬を連れていく事など不可能でした。
ある日突然人間の姿が消えた。
その時初めてその存在の大きさに気付いた。
餌もない。
水もない。
僕らは食べ物を求めてさまよい中には空腹で命を落とす者もいた。
そんな時久しぶりに人間の姿を見たんだ。

(中谷)おいで怖くないよ。
おいで御飯だ。
食べ物よ!御飯だぞ。
(鳴き声)その人たちはおなかを空かせた僕らに食べ物をくれた。
助かった。
この出会いが第2の人生の始まりだった。
むっちゃんを救ったのは広島で15年動物の保護活動を続けている田原さんでした。
(田原)すごかったです…。
かわいそうだった。
その日から一気にストップじゃないですか。
何も通告もなしにで何の説明もないわけですから。
もう爆発したから要は今日から御飯がないんよって言われとるわけじゃないんですから…。
広島から福島へ。
いち早く被災地に入った犬猫みなしご救援隊。
田原さんと中谷さんは「ペットを助け出してほしい。
せめて様子を見てきてほしい」という飼い主たちの願いに必死で応えました。
(中谷)置き去りにされて苦しいけん。
十分…十分待っとったと思うよみんな。
寒い。
寒かったけんね。
あの寒い中。
だってかわいいんだもん。
そんな目に遭っているのに純粋なんだもんやつらは。
文句言うわけじゃないし。
ずっと来るのを待っとるし。
(中谷)おいで。
はいおいで。
中谷さんたちは車で寝泊まりしながら餌を配り病気やけがをした動物の保護を続け3月下旬楢葉町に入りました。
(中谷)う〜よいしょ。
はいおいで。
(鳴き声)田原さんたちは毎日ごちそうを届けてくれた。
僕らは2匹一緒にいたから親子と思われた。
リーダー格で気の強い方が父ちゃん。
おっとりした僕が息子のむっちゃん。
新しい名前が付いた。
それから僕はむっちゃんとして第2の人生を生きる事になる。
中谷さんたちは栃木県に福島で被災した動物のための避難所を作りました。
保護活動に賛同する人が土地を提供してくれたのです。
おお…。
今日からここで暮らすのか…。
僕は圧倒された。
とにかく広い。
それにこんなにたくさんの犬からいっぺんにほえられるなんて。
(鳴き声)
(田原)むっちゃん…。
びびる僕に田原さんは言った。
「大丈夫。
みんな福島の仲間だよ」。
そうか。
みんな田原さんたちが助け出したんだ。
中には楢葉町で顔見知りだった親子もいた。
ここには猫たちもいて犬猫全部合わせたら400匹以上。
それにしても猫ってやつらは…。
もうすっかりまったり。
あの…非難浴びる事はもう重々承知でまあこんな時に動物かって言われるのはもう分かっていたんだけど。
だから災害が起きるとできる事をできる人がやるべきだという観念があるので私たちはたまたま動物ができたと。
でも犬とか猫とかまあ小動物だったら何となく人よりもできるかなと思ったのでそれを助けにいこうと思って。
そうする事によって結局飼い主さんだとか地域の人だとか結局人の心を助ける事にもなるんですね。
人の命は助けてないかもしれないけれど。
おいで。
僕らの部屋を案内するね。
縦長になっていて行ったり来たりで運動不足を解消できる。
奥が寝室。
暑さに弱い僕らのために何とエアコン完備。
体調を崩して病気がはやらないようにするためだって。
6棟分。
エアコンですね。
犬同士仲良くできればこんな自由も。
広いシェルターで追いかけっこ。
僕も早速仲間入りした。
中にはちょっと心配なやつもいる。
例えばこのチビ。
(うなり声)チビはおじいちゃん子だった。
大好きなおじいちゃんは今避難所にいて一緒に暮らせない。
(うなり声)寂しいからなのか自分のお尻を追いかける。
お尻の毛はもうぼろぼろだ。
(田原)ここ大丈夫だよって。
チビ寂しがるなよ。
ここには仲間がいる。
それに中谷さんと田原さんっていう新しい飼い主ができたんだ。
さあ何はさておき御飯だ御飯だ!栃木シェルターに空腹の文字はない。
僕らの事を心配する全国の人が寄付して下さるそうでホントにありがとうございます。
震災から2か月半。
シェルターに落ち着いて僕は久しぶりにの〜んびり散歩を楽しんだ。
そんなある日運命の女神は大きな荷物を抱えてやってきた。
この人が新しい家族をプレゼントしてくれるんだけどその話はまたあとで。
扇田さんは千葉県を中心に行き場のない犬や猫の保護活動を行うちばわんの代表。
震災をきっかけにみなしご救援隊とタッグを組みました。
この日は長く活動を共にしている獣医師の山口先生を栃木シェルターに案内。
あっという間にプレハブ小屋が動物病院に変わりました。
シェルターに入ると必ず受ける手術がある。
トップバッターは新入りのミナ。
まずは注射をブチュ!
(中谷)ミナいい子だな。
(田原)ちくっとした…?ミナ心配いらないよ。
僕も経験済みだけど眠っているうちに終わっちゃうから。
病気でもけがでもありません。
山口先生が施すのは不妊去勢手術。
繁殖に必要な器官を摘出して子供が生まれないようにします。
シェルターに保護されている犬や猫が子供を産めば飼い主のいない子がいたずらに増える。
それを避けるための手術ですがその重要性は被災地に限らないといいます。
(山口)飼い主のいない犬とか飼い主がもう飼育をできないという場合は行政の方でそれを処分しなきゃいけないっていう法律があるんですよ。
要するに今の法律の場合は犬が増えても殺せばいい事になってますからね。
猫が増えても殺せばいい事になってるから。
今日本では一年間に16万匹以上の犬や猫が飼い主が見つからないという理由で命を奪われています。
そのおよそ8割が赤ちゃん。
生まれるとすぐに捨てられてしまうのです。
(中谷)誰も好き好んでやっているわけではなく…じゃあ生まれてくる子を日本中が子猫を育てられますかっていう問題。
ホントにそこなんですよ。
基本に考えてもらえると違う方法もいくつもあるんじゃないかと。
僕は驚いた。
僕らは震災で飼い主と離れ離れになったけどそのまま飼い主が見つからなければ殺されていたかもしれないんだ。
犬や猫は周りに世話をする人が見当たらないと動物愛護センターっていうところに保護される。
僕らのシェルターと同じように思うけど違うんだ。
日本の社会には犬や猫のペットは必ず飼い主が責任を持って面倒をみなければならないという法律があり飼い主がいない犬や猫はその処分が行政に義務づけられています。
そのため野良犬や野良猫迷子や捨て子はセンターに収容され一定期間内に飼い主か引き取りを希望する人が名乗り出なければ殺されてしまうのです。
生まれたばかりの命には猶予がありません。
まだ目も開かない赤ちゃんが母親と引き離されたら自力で生きていく事は不可能。
その多くが処分となります。
飼い主がいない犬は生きていく資格がない。
それが日本の社会の決まりです。
(鳴き声)何の罪もない犬たちがあすを奪われようとしています。
(鳴き声)そんなセンターから一匹でも多くの命を救おうと頑張ってる人がいる。
それが扇田さんと一緒にちばわんを作った吉田さん。
これまで12年の活動で救った命は4,000を超える。
すごい。
僕ら犬にとってはスーパーマン…いやスーパーウーマンだ。
吉田さんは週に1回センターに来ると一匹ずつ犬をチェックしていく。

(鳴き声)年齢性格健康状態人間とうまくやっていけるかどうか。
時間をかけてゆっくり調べるんだ。
ああごめんごめん。
怖かった?あれ歯白いね。
こうして助けると決まった犬は新しい飼い主が見つかるまでちばわんのメンバーが家で預かる。
でもその数には限りがあるからここへ来るたび吉田さんはつらい気持ちになる。
この日も収容期限が切れ処分の決まった犬たちを前に悩んでいました。
一匹の犬がそばを離れません。
その犬は自分から外に飛び出してきました。
人懐っこい姿に心が揺れます。
預かり先はすでに満杯。
空きはありません。
本来はとっても性格が良くて…う〜ん…。
どうしましょう?吉田さんの家にも常時4〜5匹の犬がいて預かる余裕がありません。
でも助けたい。
葛藤が続きます。
処分の延期を頼み込む事にしました。
(吉田)全然あてないんですけど…。
(吉田)お願いします。
はい。
(吉田)この子を処分にするには忍びないから。
一つの命がつながりました。
現在ちばわんのボランティアはおよそ200人。
センターから犬を引き出す人その犬を預かる人新しい飼い主を探す人。
それぞれの役目は違っても命を守る。
思いは一つです。
僕が栃木シェルターにやってきて1年。
近頃は「むっちゃん貫禄出てきたねえ」なんて声をかけられる事もしばしば。
僕に限らずみんなここの暮らしにすっかりなじんで落ち着いている。
あのチビでさえ。
これが自分のお尻を追いかけていたチビ。
そうなると問題は僕の心臓か…。
実はここに来る前から持病があってそれがなかなか治らない。
まあ普通に暮らしている分には問題ないんだけどね。
(中谷)行くよ。
行こう。
行こう。
ある日ちばわんの扇田さんがむっちゃんの運命を変える知らせを持ってやってきました。
新しくできた老人ホームで福島の被災犬を引き取りたいというのです。
しかも持病のある犬でも問題ないとの事。
中谷さんは迷わずむっちゃんを選びました。
(中谷)むっちゃんが穏やかだっていうのと万が一お年寄りが不測の動きをしたとしても例えば車椅子がガラガラとかそういうになってもむっちゃんだったら驚かないしいいかなと。
本当は僕ここを離れたくない。
でもシェルターは避難所。
いつまでもいるわけにはいかないんだよね。
けど中谷さんと別れるのはつらい。
分かった僕行くよ。
中谷さん田原さんそれに扇田さん僕の事を考えてくれるみんなが決めた事だもん…ね。
ゆっくり行きますね。
(桂代)中谷さん老人ホームで待ってるよって。
行くよ。
さあ出発!田原さん中谷さんこれまでホントにありがとう!見た事のない景色が続き250kmの長いドライブを僕は楽しんだ。
僕の新しい家は想像以上に大きな建物だった。
迎えに来てくれたのが畠さん。
「病気があっても大丈夫。
私に任せて」。
そう言ってくれたのがこの人だ。
(畠)よろしくね。
よしよし…そっかそっか。
じゃあ行きましょう。
お願いします。
畠さんの案内でリビングへ向かった。
おお〜なるほど。
これが老人ホームか。
おじいちゃんおばあちゃんがたくさんいる。
おっとそうだ。
ここには犬もいるんだった。
介護が必要になっても大好きな犬や猫と暮らしたい。
ここでは入居者のペットや行き場のない犬や猫を受け入れ高齢者とペットの共同生活を実現しています。
・お名前何ていうんですか?
(桂代)むっちゃんです。
・むっちゃん。
女の子?
(桂代)男の子です。
・むっちゃん。
はじめましてむっちゃんです。
もうおじさんなんですけど一つよろしく。
他の皆さんもよろしくお願いします。
でもホントに僕で良かったんでしょうか。
・むっちゃんがお名前のわんちゃんです。
今日からここで一緒に生活される。
今回福島の被災地からわんちゃんを何ていうのかな…ここで飼うという事に決まりまして。
なかなか病気の子ってもらい手が決まらないじゃないですか。
ですからだったらうちで一匹でもそういう子を保護したいっていうか飼いたいという事だったんですね。
あえて病気の僕を…かたじけない。
かわいいわんわんだね。
あどけない顔して。
ねね仲良くしてね。
君が千葉のセンターから来た文福?相当な食いしん坊らしいじゃないか。
・おとなしいでしょ。
え〜と君はプーニャン。
若く見えるけど8歳か。
よろしくね。
おちっちゃいのが来た。
ジローは独り暮らしのおじいさんが亡くなってここに引き取られた…。
ああいろんな事情があるんだな。
この僕だってずいぶん遠くへ来たもんだ。
でもきっとここがついの住みかになる。
何ともいえない安心感を僕は感じていた。
ここでの暮らしは朝からなかなか充実している。
(畠)森さん起きますか?わんちゃんがねお迎えに来ましたよほら見て。
(森)ありがとう。
ありがとね。
(畠)森さん起きてってお迎えに来ました。
あんがとね。
(畠)じゃあ森さん起きましょう。
森さん起こしてくれたのね。
ありがとね。
(畠)じゃあここつかまって。
森さんは入居したばかりのころ家に帰りたいとふさぎ込み一日のほとんどをベッドで過ごしていました。
しかしむっちゃんたちが毎朝起こすようになって変わりました。
(畠)はい起きた。
車椅子に乗って部屋を出てリビングで過ごすようになったのです。
森さん前に飼っていた犬が僕にそっくりなんだって。
(森)真っ白なねわんちゃんで…。
・真っ白いわんちゃん。
やっぱりねわんちゃんかわいいわ。
・かわいいでしょ。
よ!待ってました!お年寄りをみんな起こしたら僕らの朝御飯。
(畠)はい。
文ちゃんもお座り。
むっちゃんはいじゃむっちゃん。
いただきま〜す。
ヘヘー油断してるやつのを先に食べちゃえ。
(畠)あら人のまで食べちゃった。
僕らが食べ終わってから今度はお年寄りの朝御飯。
っていうのも順番が反対だと僕らがうるさくおねだりするのが心配なんだって。
それでも忍び寄る者が…。
食いしん坊の文福。
かわいい顔して猛烈アピール。
黙っていても心は通じる。
おやったな文福。
よ〜し僕も。
頂戴頂戴。
お行儀が悪いとか食べすぎは犬の体にも悪いとかいろいろご意見はおありでしょうがこうやって僕らと遊ぶ事が何よりお年寄りのリハビリになるそうです。
(出田)小原さん腰のマッサージしてくれるって。
文ちゃんが。
腰のマッサージ。
文福の得意技。
本当に効き目あるのかなあ。
いいじゃない。
いいじゃないいいじゃない。
脳梗塞で倒れた小原さんは以来2年間ほとんど寝たきり。
手も動かなかったといいます。
何だよ何だよ〜。
ところが入居して1か月。
犬に触れようとここまで動くようになったのです。
その意欲的なところですとかそこもやっぱりこの犬たちの影響が大きいなっていうのは私たちも感じました。
多分私たちだけではもしかしたら手をね動かしては下さらなかったかなっていうふうにも思ったりもしまして。
かわいがってくれる人がいて一緒に遊ぶ仲間がいてホントここの暮らしは最高。
僕ちょっと若返った気分。
僕の恩人ちばわんの扇田さんはその日も犬たちのピンチに駆けつける。
到着したのは神奈川県にあるブリーダーの店。
高級犬種キャバリアを販売目的で繁殖させていたブリーダーが資金繰りに困り40匹近くの犬たちが放置状態になっていました。
(鳴き声)ブリーダーやペットショップで商品として売り買いされる犬たち。
流行に左右され売れ残れば行き場はありません。
(鳴き声)ちばわんに引き取りの相談があったため犬たちは全頭保護されました。
これから新しい飼い主探しが始まります。
保護しても保護しても終わらない問題。
責任の一端は私たち消費者にもあるのでは…。
吉田さんは言います。
人気の犬種かわいい犬種を子犬から飼いたい。
犬飼うんだ。
犬飼うんだったらもうペットショップへ行こうが普通だと思うんですけどね日本では。
でもその一つ一つがやっぱりこういうブリーダーさんを育てているので。
時の過ぎるのは早いもの。
ここで暮らしてもうすぐ1年。
ちょっと太ったかな。
幸せ太りか…。
でも油断大敵。
心臓が急に暴れた。
突然息ができなくなった僕はすぐに病院に担ぎ込まれた。
(石毛)ちょっとむっちゃん難しい病気…すぐにICUに入ってもらった。
一命を取り留めた僕を畠さんは酸素室を用意して待っていてくれた。
リビングの隅っこに置かれた酸素室が僕の個室になった。
いつもみんなの姿が見えて声をかけてもらって僕はみるみる元気になった。
いつまでも放ってはおけない人がいた。
僕と散歩をするのが大好きな森さん。
僕じゃなきゃ駄目なんだ。
だってほら若い連中は歩くのが速すぎてペースが合わない。
その点僕は年の功。
心得たもんさ。
森さんは何度もありがとうって言ってくれる。
光や風の気持ち良さを僕が思い出させてくれたって。
春吉田さんが通う千葉県動物愛護センターにも変化が訪れました。
新しい飼い主を探す事に力を入れて不妊去勢手術が始まりドッグランもオープン。
みんなの努力が少しずつ実を結んでいます。
おお懐かしい景色。
みなしご救援隊のバスが行くのは僕のふるさと福島だ。
田原さんと中谷さんは震災から3年がたっても広島と福島を何度も往復している。
今もまだ預かっている犬たちを飼い主に会わせるためだ。
(鳴き声)栃木シェルター時代の僕の弟分くるくる回っていたチビを覚えてる?おじいちゃん子のチビは大好きなおじいちゃんと離れたのがつらくて苦しんでた。
だから今日おじいちゃんに会えるのをとってもとっても楽しみにしてるはずだ。
あ!チビ見える?ほらおじいちゃんだよ。
(鳴き声)
(中谷)チビ!チビ君!
(中谷)大喜びじゃけチビ君が。
チビ君良かったねえ。
良かったなあはいはい…。
はいはいチビ君。
もう一度チビと暮らしたい。
菅野さんは避難所を出てこの家を建てました。
ところが体調を崩して入退院を繰り返す日々。
夢はなかなかかないません。
(中谷)夢見た?2人で歩いてる夢見たんだって。
(菅野)チビチビチビ。
どんなに離れていてもチビとおじいちゃんお互いがお互いの支えです。
福島を行くみなしご救援隊のもとへ思いがけない情報が届きました。
むっちゃんの家に一時帰宅で人が戻っているというのです。
あ!僕が生まれたうち。
むっちゃんの飼い主さんにようやく報告ができます。
(中谷)みなしご救援隊といって3月の終わりからずっとこの辺りの犬のお世話を通ってたんです。
でここに…。
(田原)震災後ですね。
(中谷)2頭いてこれぐらいの白い犬が。
雄。
兄弟だったんですか。
(中谷)すいません。
兄弟なんですか。
この子なんですけどね。
こっちの子ね。
これが若い方。
中谷さん親子でも兄弟でもそんな事もうどっちでもいいよ。
それより僕らが無事だったって事を報告できて良かった。
僕は今老人ホームでみんなにかわいがってもらっているから安心してね。
お兄ちゃんも長野のうちにもらわれていってとっても大切にされてんだよ。
佐藤さんはむっちゃんがチビお兄ちゃんがチョビと呼ばれていた事を教えてくれました。
(佐藤)ここへ立ってこうやって来るともう…音するとここで…。
そうそうこのくぎ。
懐かしいなあ。
まだ残ってたんだあ。
あ子供たちが書いた名前も残ってる。
みんなどうしてるんだろう。
このうちの家族。
息子も震災後結婚して孫も生まれたので…。
だからアパートなんでそんなに住めないんで3か所に今住んでます。
さよならはあまりに突然でした。
5月22日午後10時。
心不全を起こしたむっちゃんはそのまま眠るように旅立ちました。
夜が明けるとむっちゃんのたくさんの家族が代わる代わるお別れを告げました。
かわいそうね…。
森さん泣かないで。
よく一緒に笑った事思い出して。
むっちゃん幸せだったのかなあ。
そう思いたいですね。
幸せだったと思いますええ。
とにかくみんな可愛がってくれて…はい。
畠さんありがとう。
畠さんやみんなのおかげで僕はとっても幸せだったよ。
犬の幸せはどんな人間と出会うかで決まる。
僕はホントにラッキーだった。
たくさんの人と出会ってたくさんの人に助けられて守られて一緒に楽しい時を過ごした。
だからこそ最期に伝えたい事がある。
犬は一人では生きていけない。
飼い主に捨てられたらそれは死を意味するんだ。
そして今この時も新しい飼い主を探している仲間がいる。
誰かの助けを待っている犬たちがいる。
どうかそれを忘れないで。
さあそろそろ行かなくっちゃ。
文福プーニャンジロー大喜嵐。
おじいちゃんおばあちゃんをよろしくね!頼んだよ。
2014/09/23(火) 13:05〜13:50
NHK総合1・神戸
むっちゃんの幸せ〜福島の被災犬がたどった数奇な運命〜[字]

東日本大震災で飼い主と離れ離れになった福島の被災犬「むっちゃん」。多くの人たちの小さな善意の積み重ねによって生き延びることができた。その数奇な物語を紹介する。

詳細情報
番組内容
2011年3月の東日本大震災で福島県楢葉町の飼い主と離れ離れになってしまった「むっちゃん」という犬。ボランティアの手で被災地から助け出され、栃木県那須塩原市の被災動物の保護施設で1年を過ごした後、神奈川県横須賀市の老人ホームに引き取られた。いつ命を落としても不思議ではなかった「むっちゃん」は多くの人たちの小さな善意の積み重ねによって生き延びることができた。「むっちゃん」の波乱万丈の物語を紹介する。
出演者
【語り】滝川クリステル,【声】小林聡美

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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