人生デザイン U−29「幸せのワークライフバランスを描きたい」 2014.09.22

みんなは「ワークライフバランス」って言葉を知ってる?これは「仕事と生活の調和」。
仕事はもちろん家庭やプライベートも充実させて人生を豊かにしようって事だ。
街のU29世代はこの「ワークライフバランス」をどう考えているのか聞いてみた。
さて今日の主人公はまさに今ワークとライフのバランスに悩んでいる女性。
ウエディングプランナーの山田加奈恵さん。
実は結婚半年の新婚さんで仕事も家庭も両立させたいと努力してるけどそのハードルは高いようだ。
「仕事もプライベートも充実!」って最高だけどどうやったらできるのか?山田さんの挑戦を追った。
大阪駅に程近いビジネス街。
(取材者)おはようございます。
(山田)おはようございます。
山田さんが勤めるのはその一角にあるウエディング専門店だ。
格安の結婚式を売りに全国展開している会社でこの支店には8人のウエディングプランナーが働いている。
(一同)ありがとうございました。
結婚式といえば人生の一大イベント。
教会式か神前式かなど基本の形態に始まり出席者や引き出物更にドレスやさまざまな演出まで。
決めなくてはならない事がたくさんある。
そんな時一つ一つの疑問や心配に答え相談にのってくれるのがウエディングプランナーだ。
山田さんはこの仕事に憧れて専門学校へ行き就職して3年。
最近ようやく一人前と認められるようになってきた。
この日は2か月後に式を控えたカップルが演出の打ち合わせのためにやって来た。
2人は共に保育士で職場の同僚だという。
歌います?めっちゃいいじゃないですか。
どうやら歌を取り入れた演出が希望のようだ。
それを具体的な形にしていくのがウエディングプランナーの腕の見せどころ。
(女性)え〜!結婚する2人の個性を式に生かしたい山田さん。
誰が何の曲をどうやって歌うのか一つ一つが演出の大切な要素だ。
(2人の笑い声)横で。
うん。
2番とか…。
(女性)クルクルクルクルこうやって。
うんうん。
山田さんの提案で式の最後に新郎新婦と参列者全員で合唱する事になった。
お先です。
(一同)お疲れさまです。
午後5時半。
山田さんの勤務が終了。
3組のカップルの打ち合わせと週末の式の準備であっという間に1日が過ぎた。
会社を出て向かったのは自宅近くのスーパーマーケット。
ボリュームですね。
山田さんは去年11月に結婚したばかり。
どんなに忙しくてもおいし〜い手料理を作るのが日課なんだって。
目標は夫が帰るまでに夕食を準備万端整える事。
時間との勝負だ。
ところが!はっ!なんとエレベーターホールで夫と鉢合わせ…。
今日は間に合わなかった。
気を取り直して夕食の準備を開始。
着替える間もない。
ちなみにこの日のメニューはほうれんそうのおひたしと豚の冷しゃぶ。
なかなか手際がいいね。
そんなめちゃくちゃ6時とかに早く帰ってくる人ではない。
7時半から8時やのにそれを帰ってきてごはんが無いっていうのは。
ごはんも作らへん奥さんってどんなやろうなって。
仕事に家庭に全力投球の山田さん。
ここで一週間のスケジュールを見てみよう。
勤務時間は朝8時半から午後5時半。
結婚式が多い土日は必ず出勤で休みは平日に2日。
一見普通の勤務のようだけど実はこれ山田さんだけの特別なシフトなんだって。
契約者の都合に合わせるため残業も多いウエディングプランナー。
女性の割合が多いんだけど山田さんの会社では結婚をした先輩の多くは家庭と両立できないと仕事を辞めていったそうだ。
山田さん自身も結婚を機に退職を決意していた。
ところが上司から「新しい勤務体制で働いてみないか」と提案があった。
うちの会社的にも…今はすごく山田に…提案されたのは勤務の2時間前倒しと残業を極力しないという働き方だった。
山田さんは新しい試みに賭けてみる事にした。
仕事の内容も少し変わった。
例えば毎朝の掃除。
以前はみんなの交代制だったけど山田さんが主に受け持つ事になった。
更に貸衣装の管理や事務処理が増加。
負担が少ない少人数の式を担当する代わりに同僚よりも店の共通の業務が多くなった。
新しい勤務になって夫が帰る前に夕食の準備ができるなど家庭の問題は改善した。
でも一方で山田さんは夜遅くまで働いている同僚に負い目を感じるようになったという。
やっぱり…「一番しんどい」かぁ…。
こうなるとパートナーの協力は不可欠だよね。
1歳年上の夫正浩さんは電気関連の営業マン。
3年の交際を経て結婚した。
別に「亭主関白」って訳じゃないんだけど定位置はソファ。
うん。
こんな感じ。
基本的に家事は妻の仕事だ。
夫の協力があれば少しは山田さんも楽になると思うんだけど…ねぇ。
どんな感じ?
(正浩)うん。
(正浩)うん。
楽って思う?ふ〜ん。
毎日の苦労ゆえ思わず愚痴っぽくなってしまう山田さん。
夫の正浩さんは今の妻の状況についてどう考えているんだろう?ん〜感謝はしてるようだけど…手伝う気はあまりないのかな?ちなみに山田さんの月収と支出はこちら。
共働きの強みで家賃や光熱費は夫が負担してくれている。
貯蓄は5万円以上。
家計の面では山田さんが働く事はとてもプラスになっているようだ。
ウエディングプランナーになって3年。
これまで山田さんは100組以上の式を担当してきた。
私山田加奈恵と申しますのでよろしくお願いします。
お願いします。
この日打ち合わせにやって来たのは20代のカップル。
既に結婚して3年になるのだが妻の郁子さんが退職したのを機に忙しくて諦めていた結婚式を挙げる事にしたそうだ。
う〜ん!「女手一つで育ててくれた母親に花嫁姿を見せて喜ばせたい」という郁子さん。
この思いを聞いた山田さんが反応した。
(郁子)絶対泣く。
う〜ん…。
うん。
あ〜。
どうしよう。
絶対泣くわ…。
なかなかふんぎりがつかない郁子さん。
しかし山田さんは諦めない。
お母様にお手紙とか書いた事ありますか?
(郁子)手紙は置き手紙ぐらいですかね。
置き手紙?
(郁子)ハハハ…。
「今日帰らないから」とか?「冷蔵庫のどこそこ食べんといてな」とか。
ハハハ…!こういう時しか手紙も読めないとは思いますけどね。
「読みたいかな」っていうちょっと気持ちはあります?う〜ん…そうした方が喜ぶやろなとは思いますけど。
1回じゃあ検討にしときましょっか。
(郁子)もう1回ちょっとよく考えます。
よく考えてみて下さい。
(郁子)はい。
手紙を書くかどうか。
結論は式までに出す事になった。
それにしても山田さん母親への手紙の件で随分と粘っていたよね。
実は参列する…これこそ山田さんのこだわりなんだ。
山田さんがまだ2歳の時両親が離婚した。
父と母は離ればなれになったけど愛情を注がれ大切に育てられてきた。
でもいつも何か物足りなさを感じていたそうだ。
やっぱり…ウエディングプランナーという職業を選んだのも温かい家庭への憧れからだった。
だからこそ家族みんなが喜べる結婚式を目指しているんだ。
私は…でも家族を幸せにする仕事を目指しながら自分が家庭とのバランスに悩むなんてなんだか皮肉だよね。
金曜日久しぶりに休日が重なった山田さん夫婦は近所に住む友人と飲みに出かけた。
お疲れ。
(川端)お疲れ。
山田さんとは20年来のつきあいの「しーちゃん」こと川端静香さん。
山田さんを誰よりも知る親友なんだけど最近気になる事があるらしい。
(正浩)全然遣ってない。
ほんま?うん。
うん。
で…遠慮のない川端さんの言葉に思わずたじろぐ夫正浩さん。
別に「全部やれ」って言っとるんじゃなくてマサキチに。
多分単純だからちょっとでも手伝ったらすごく喜ぶと思うからちょっと手伝ってあげたらいいと思う。
マサキチが全然手伝ってないんじゃなくて手伝っとる事もあるやん今までで。
そん時の加奈恵の報告。
フフフ!うれしそうに「マサキチがな今日洗い物してくれてな」。
「今日こんなん作ってくれてな」って言ってるで。
ほんまに?ほんま。
(川端)ほんまにそんだけで喜ぶと思う加奈恵。
思わへん?それはめっちゃ思う。
うん。
この話の展開にずっと仕事と家庭の両立で悩んでいた山田さんは…?マサキチ帰った時に「ごはんもしてます。
ごはんもすぐ食べれる状態です。
お風呂も入れます。
完璧です」。
みたいなのがほんまはいいやん。
ほんまはな。
「加奈恵が全部それをしてます」っていうのが。
別にやってくれてるからとかじゃなくってそういう家庭みたいなのがうらやましくってさ。
お母さんが何かず〜っとちゃんとしててみたいな。
そんなんにもなりたいしでも仕事もしないといけないしっていう感じで。
手伝ってくれたらうれしいし多分そうしないと加奈恵は働かれへんのにでも両方したいみたいな気持ちが強すぎて。
何か…何やろ…分かる?程よく?程よくはいかれへんの。
それやからどっちも何か100%ぶつけてしまうんや。
無理なのに。
無理なのは分かっとるのに…みたいな。
いや。
やってくれるで。
絶対やってくれるのはマサキチ。
(笑い声)正浩さん成り行きで家事を分担する事に…。
大丈夫かな?母親に手紙を書くか悩んでいた郁子さんの結婚式当日。
山田さんは朝から落ち着かない。
手紙は読んでもらえるのか気がかりでしかたないようだ。
寝れました?もう…。
結婚式の3時間前。
郁子さん夫婦がやって来た。
早速最後の打ち合わせを行う。
(郁子)これあれなんですけどあの一応…
(郁子)2枚で収めたんですけど。
はい。
郁子さん母親に感謝の思いを伝える手紙を書いてきていた!そして迎えた本番。
母親と一緒に入場する郁子さん。
(拍手)親族と友人たちに見守られ式はクライマックスへ。
(拍手)いよいよ母への手紙を朗読する時がやってきた。
(拍手)「家族を喜ばせる式にしたい」と頑張ってきた山田さん。
その思い今回もちゃんと実現できたようだ。
できそうかな?親友のしーちゃんから辛口の指摘を受けた山田さん夫婦。
その後変化があった。
正浩さんは定位置のソファ。
まこれはこれまでどおり。
でも…。
ごはんは…「なんと!」って言ったら大げさだけどこの日ご飯を炊いたのは正浩さんだった。
家事の分担一歩前進みたいだね。
仕事と生活のバランス。
なかなか正解の出ない方程式だけど2人で支え合えばきっと答えが見つかるはずだ。
私野田ともうします。
2014/09/22(月) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「幸せのワークライフバランスを描きたい」[字][再]

山田加奈恵さんは幼い頃から幸せな結婚に憧れ、ウエディングプランナーに転職。昨年、山田さん自身も結婚したが新婚生活は楽でない。仕事と家庭のバランスを模索している。

詳細情報
番組内容
山田加奈恵さんは幼い頃から幸せな結婚と家庭生活に憧れ、ウエディングプランナーの仕事に転職。昨年、山田さん自身も結婚した。しかし新婚生活は正直しんどい。家事は全て妻の山田さんが担当。しかし仕事をしっかりこなすためには家庭のありようが大事。家事の分担について夫に向き合い対話をしなくてはならないが、話し合いをできずにいる。自分自身の幸せな結婚生活を建て直すためワークライフバランスを見つめる姿を見つめる。
出演者
【出演】ウエディングプランナー…山田加奈恵,【語り】Mummy−D

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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