京都地検の女6 2014.09.22

(鶴丸あや)でもさやっぱりこうやってたまには思いっきりオシャレをしていいもの見るっていいわよね〜。
(桜井麗子)ほんと気分がスカーッとする!最高!
(漆原さやか)また来月来ようよ。
(吉川香織)そうやんなぁ!1か月に1回ぐらい自分にご褒美あげたってバチ当たらへんやんなぁ!
(柿野たまこ)それでは今日のシメは豪勢な和食といきますか?いいわね!いこう〜!美味しいもの食べると気持ち明るくなる。
(麗子)ほんと嫌な事全部忘れちゃう!あっ私今ダイエット中なんや。
まあええか今日ぐらい。
なあ?ええええ。
明日からまた頑張って!あっ松茸!キャー!美味しーい!みんなで食べると倍美味しい!
(倉元翔子)いただきます。

(パトカーのサイレン)
(池内弘二)逃げて行った男の特徴を教えて頂きたいんですが。
(坂上崇之)背広やのに帽子つばのある野球帽みたいなのかぶってた。
歳は五十前後。
(池内)間違いありませんか?あんたわしの言う事信じられへんのか?人をな年寄りやと思ってな…!
(成増清剛)いやいやいやいや…年寄りなんかとんでもない!バカ野郎!今時の草食系の若者よりねよっぽど威勢がいいですから!すみませんね。
成増さん!ちょっと来てください!うん?どうした?
(鑑識員)遺体のあった場所がつい最近掘り起こされてます。
止まれ!おい待て!止まれー!待て!止まれ!
(大西祐二)放せ!おとなしくしろ!放せー!おいちょっと待て。

(太田勇一)うーん遺体の下からもう一つの遺体か。
前代未聞だな。
(斉藤加奈子)あっ!結局これどういう事件なんですか?説明してほしいか?はい。
よし。
斉藤ちょっとこれ寄せろこっちに。
これをこっちに寄せろ。
そしてお前この下に潜れ。
はい?説明してやるから潜れ。
ああ…はい。
これはつまりな…。
あれ?あれ?
(太田)どうした?
(加奈子)すみませんダメです!俺が悪かったよ。
戻れ。
戻れ戻れ。
よしじゃあお前は上の遺体をやれ。
このように地面の下に埋められていたのが倉元和樹35歳無職。
後頭部を石で殴られ頭蓋内出血で死亡。
調書…調書取って。
それでだ倉元が埋められていたまさにその上に…。
刺殺体やんないとお前が。
近いよ。
仰向け仰向けだろう。
まさにその上に刺殺体となって発見されたのがマルチ商法疑惑の林田光男50歳だ。
そして今日送致されてくるのはこの林田への殺人容疑がかかっている不動産業の大西祐二52歳こいつだ。
でもな大西はなもともとこの下の遺体である倉元の誘いにのっかって林田のマルチ商法に加担をし莫大な借金を抱えて店まで取られて窮地に追い詰められてしまったんだな。
金銭トラブルの上の犯行という事ですか?間違いないだろう。
いいか?しかも同じ場所から2つの遺体って事なんだぞ。
倉元の殺害も大西の犯行と見ていいでしょう。
あれ?即行解決じゃないかこれ。
(加奈子)あっ検事!おはようございます!おはよう。
さあ仕事するわよ。
(加奈子)はい。
危ねえバレるとこだった。
斉藤?大西祐二さんあなたは兼ねてより林田光男さんからうまい金儲けがあるとマルチ商法に誘われ結果多額の借金を重ねその厳しい取り立てに追われ10月16日熊原町の小庵寺の裏手の丘へ向かった林田さんを凶器の包丁を携え殺害するつもりで尾行。
背後から襲い掛かり振り返った林田さんの胸部を包丁で刺し殺害した。
これに間違いありませんか?間違いありません。
決まりだな。
大西さん林田さん殺害とは別に土の中から発見された倉元さん殺害に関して…。
倉元は殺してない!おいおい…。
しかしあなたは2人を恨んでいたし倉元さん殺害時刻のアリバイはない。
それに…事件の前々日あなたは倉元さんと激しくやり合っていたそう…。
言い争いはしましたよ。
でも倉元を殺したのは私じゃない!そういえばあの時…。
(大西)林田とグルだったのか!
(倉元和樹)離せよ!欲をかいたテメエを恨むんだな!
(携帯電話)
(倉元)もしもし。
うん明日小庵寺の裏の丘だな。
林田が倉元を呼び出して殺したんだ。
仲間割れです。
林田さんが遺体で発見された時携帯を所持していませんでした。
あなた林田さんを殺害したあと携帯取りませんでした?いえ知りません。
林田を殺したのは私ですが倉元は殺してません!この期に及んで言い逃れかよ。
大西祐二さんあなたを林田光男に対する殺人で起訴します。
検事倉元殺害も大西の犯行と見ていいんじゃないでしょうかね?林田光男の殺害は供述どおり大西で間違いないわ。
でも倉元の事件はねぇ…。
斉藤現場の詳しい資料を。
こちらです。
ありがとう。
いいですか?もし倉元殺害が大西の犯行じゃないとしたらですよ2つの遺体はどうして重なってたんですか?こんな偶然あり得ないでしょう!2件とも大西の犯行なんですよ。
きっと倉元と一緒に林田も埋めて全てを隠蔽するつもりだったんだな。
大西嘘ついてるようには見えなかったなぁ。
それにね林田の携帯がなくなってたっていうのがどうもね引っ掛かるのよ。
検事ご承知のように仕事は山積みなんですよ。
両案件とも…。
あらっ?
(太田)どうしたんですか?これ何これ?どうぞ。
えっ?まあ気が利くわね斉藤。
なんかこの白くて三日月形の…。
そんなのハイキングの客が残した生ゴミですよきっと。
検事!そんなゴミなんかにこだわってないで迅速に処理してください!これがゴミかどうか調べもしないでただ闇雲に急かすあなたのそのみみっちい性格!なんとかしないと彼女はおろか茶飲み友達もペンフレンドもゲートボール仲間も出来ないわよ。
斉藤行くわよ。
はい!背骨が曲がってきた。
ちょっと検事速い…。
待ってくださいよ。
ご苦労さまです。
いい眺めね。
(加奈子)ああすごい!あっあっちは墓地になってるんですね。
現場は…あっちね。
ええと頭がこっちだから…このあたりかな。
この下が穴ですね。
あった!これ…かまぼこ?かまぼこですか?形変ですけど。
間違いないこれかまぼこ。
ああっ!痛い…。
ちょっと…。
わっ嫌だ虫!これ…。
椎茸?なんか含め煮みたい。
なんでこんなものが…。
成増さん!何よ?土の中から発見された倉元さんの件どうなってるの?今からね奥さんに話聞きに行くところ。
倉元翔子済生会病院に勤めてるんだよ。
さあ行くわよ!行くわよってあんた…。
遅い!はい…はい!お大事に。
佐野さんお入りください。
あっ危ない坂上さん!気をつけてね。
余計な事せんでええ!まだ耄碌してへんで!まったく。
あれ?第一発見者の坂上さんだよ。
あのじいさんいつもあの調子なんだよ。
もう家族に愛想尽かされて一人暮らしだ。
俺ああいうじいさんだけにはなりたくねえな。
なるわね。
(浅見)翔子さん。
ああこんにちは。
相変わらず張り切ってるね。
元気が取りえ!浅見さん顔色いいですよ。
あらそう?うん。
そろそろ退院じゃないですか?信じらんねえよな。
亭主だけじゃなく3か月前子供も亡くしてる。
子供も?心臓病で入退院繰り返して…。
まだ5歳だったそうだ。
倉元翔子さんですよね?京都府警の成増です。
ちょっとお話を伺いたいんですけど。
地検の鶴丸と申します。
今仕事中なのであとにしてもらってもいいですか。
10分ほどでいいんですけどね。
じゃあ仕事しながらでもいいですか?ご主人の倉元和樹さんの事なんですけど。
よしてくださいご主人なんて。
離婚届はまだですけど私たちもう随分前から別居してるんです。
しかしご主人…いえ倉元さんは最近まであなたのアパートに来てお金をせびってたとか。
賭け事大好きで。
いつも今度こそは心を入れ替えるからって言うんでついつい許してた私がバカだったんです。
倉元さんの交友関係なんですけど大西林田の他に恨まれるような事は?さあわかりません。
翔子さん。
ああ洋子さん!明日外泊許可出たよ。
うわ〜よかったじゃないですか!もうすぐ退院ですね。
(洋子)いつもありがとう。
倉元さんは何か食べ物にこだわりがあったんですか?特に和食がお好きとか。
別に。
和食ってなんだよ?現場からかまぼこと椎茸が見つかったのよ。
かまぼこと椎茸?私最近のあの人の事を訊かれてもよくわからないんです。
あっもういいですか?お子さんの事…おつらかったですね。
ええ。
でも仕方がなかった。
寿命だと思ってあきらめてます。
発作が起きると苦しがってたからあの子もやっと楽になったんだと思います。
それじゃあ。
ああ田中さん!いかがですか?なんとかぼちぼち…。
うん顔色いいですよ。
冷えてきたんで気をつけてくださいね。
大したもんだなぁ。
普通あんだけ明るく元気でいられるか?
(高原純之介)倉元に対する殺人は他の者の犯行だと思ってるのかね?いえそれはまだ…。
目下のところ一番の疑問はかまぼこと椎茸です。
かまぼこと椎茸?遺体を掘り起こした付近から見つかりました。
あやちゃんまさかそれいつもの「主婦の勘!」だけでこだわってるわけじゃないよな?はい今のところ「主婦の勘!」ですが…。
やっぱり!斉藤若いのに運動不足!これが現場百遍ですか?そう行き詰まったら現場に戻る。
これが鉄則!あれ?成増さん?ちょっと!成増さん!またかよもう…。
なんで私の行く先々に現れるのよ!それはねこっちのセリフだからね。
もうつけ回さないでくれる?俺のストーカーなの?ちょっと。
何それ…。
あっすみません。
住職それで?大西家も林田家も倉元家もうちの檀家さんにはおられませんね。
ただこの度倉元翔子さんという方がお子さんの…確か亮君を亡くされたそうでお墓を作りたいと言われまして。
翔子さんが息子さんのお墓を?ここですが。
あの丘は春桜がきれいでしてね。
亡くなったお子さんと来た思い出の場所やそうでぜひこの区画をと希望されましてね。
数日後にはお墓も完成します。
翔子さんと亮君あの丘の上で…。
(翔子)いい景色だねぇ。
(倉元亮)きれいだね。
倉元翔子半年前息子の病状が悪化した時少しでも一緒にいてやりたいとあの病院へ転職したそうだ。
せっかく老舗料亭の松乃井に勤めたのにもったいないって同僚が言ってた。
でもこの間はえらくドライに割り切ってたけどやっぱり母親だな。
あなたが倉元翔子さんと親しくされていた…?ええ。
翔子さんにはようしてもうて。
あらっ?同じかまぼこ。
それ鬼焼かまぼこいうんです。
どうしてこんな形に切ってあるのかしら?椎茸。
いただきます。
どうぞ。
美味しい!翔子さんといつかこんな料理出せるお店開きたいねって夢見てたんです。
そやけど翔子さんのご主人コツコツ貯めた翔子さんの貯金全部使うてしまわはって。
翔子さんとは随分親しかったんですね。
同じ施設で育ったもんで。
施設?つくしの学園っていう児童養護施設です。
その頃の事少し聞かせて頂けますか?こんにちはお散歩ですか?
(父親)ちょっとそこまで。
わあ大きくなられましたね。
この間しゃべったんですよ。
ほんとに!?じゃあお大事に。
今日は何か?亮君のご仏前にお参りさせて頂きたくて。
(鈴)ありがとうございました。
小庵寺の亮君のお墓もうすぐ出来上がるんだそうですね。
ええ。
亮君ワンちゃんが大好きだったんですね。
(翔子)亮生まれてからずっと入退院を繰り返してきて…。
退院するとペットショップに行って子犬たちに会えるのを楽しみにしてたんです。
半年前一時退院した時ケースの中で寂しそうにしている1匹の子犬を体が弱くて友達と遊べない自分と重ねているのかと不憫で…。
なんとしてもその子犬を買ってやりたかった。
血統書付きなんで17万円。
やっと都合したのにそのお金も倉元に取り上げられてしまって。
とうとう亮に子犬を買ってやれなかった。
それはお店の人に頼んで抱かせてもらった時の写真なんです。
今お茶いれますね。
どうぞお構いなく。
今日料亭松乃井さんに行ってきました。
松乃井。
翔子さん以前あそこで働いてらしたとか。
ええ。
亮君と会う時間を作るために今の病院に転職なさったと聞きました。
私今日奮発してランチ頂いたんですけどさすが老舗料亭。
とっても美味しかった。
翔子さんも松乃井のお料理召し上がった事あるんですよね?ええお店に入って一度だけ。
でもとてもとても普段は私の口になど入りません。
でもあそこでは本物の美味しい味をたくさん教わりました。
つくしの学園の事も伺いました。
7歳の時お母さんとお別れになったそうですね。
やめてください妙な詮索。
検事さんには関係ありません。
私も母親です。
娘がいます。
どんな理由があっても親と子が別れる時のつらさは…。
やめてください。
あなたなんかに何もわかりっこない。
帰ってください。
帰ってください!
(成増清一)珍しい事や。
明日雨になるかもしれんなぁ。
母親の話になった途端にいきなり興奮して…。
あの怒り方は尋常じゃなかったわ。
女ってやつはどうもわからないな。
やたら笑ったり冷たく割り切ったり。
かと思えば怒って興奮したり。
子供を亡くすってそういう事なんじゃないの?親にとって子供に死なれるほどつらい事はないもの。
確かに子供の墓を建てるのはつらいな。
16歳未満の場合本来の墓の脇に地蔵尊墓っていう地蔵の浮き彫りをした墓を建てたりするんだけど倉元翔子の墓は違う。
恐らく自己供養だな。
自己供養?死んでから迷惑がかからないよう生前に自分の墓を建てる事だ。
自分も入るつもりのお墓…。

(鶴丸りん)おはよう。
やだぁ脅かさないでよ。
どうしたの?急に。
この間のね教育心理学の講義がお弁当についてだったの。
みんなでお弁当作ったんだけど自分でお弁当作ると優しくなれるんだって。
なんか人への感謝とか思いやりが生まれて。
はぁ…そんな勉強してるんだ。
あらなかなかやるじゃない。
お母さんのマネ。
子供の頃この一手間がものすごくうれしかった。
お母さん私ね自分でお弁当作って初めてわかった。
お母さん仕事忙しいのに毎日早くから起きて私のために作ってくれたんだなって。
感謝してます。
りん…。
一手間か…。
お弁当なのよ!ねえお願いお願い。
もう一度現場調べて。
勘弁してくださいよ。
もう一回鑑識入れるなんてね到底無理ですよ。
じゃあこれは?雑木林にゴミでも捨てた輩でもいるんじゃないですか?大体他の食材探して弁当だとわかったとしてそれが一体なんになるんですか?そりゃあ…まだわかんないけどでも主婦の勘にビンビンくるの!ビンビン!主婦の勘にビンビンは結構ですから。
わかりましたもう結構です!今後一切なんにも頼みません!絶対頼みません!死んでも頼みません!絶対ある!絶対見つかる!あっ虫…。
なんにもありませんでしたね。
お弁当…広げるなら…ベンチの辺り。
ん…?あった!かまぼこ!これと同じ形のもの…。
同じ形が2つ?
(加奈子)あーっ!こっちにもありました!あっ大丈夫?ああ…色ご飯ね。
カレー?あとひと踏ん張り!はい。
トレーに入れて。
はい。
(池内)2人ともなんだなんだよ。
そんなへっぴり腰で。
池内さん…。
どうして?検事の独断と暴走にいくらなんでも今更鑑識を付き合わせるわけにいかないんでね。
このひもで囲った範囲を徹底的に探しましょう。
はい。
さすがね。
弁当っていえば昔学生時代におふくろが毎日2つ用意してくれてさ。
2つ?1つは早弁用。
もう1つは昼飯用。
1升炊いても間に合わないってこぼしながら。
1升!?コラッ食べちゃダメだ!ダメだよ食べちゃ。
どうかしました?この子が拾い食いを。
あらまあ〜どの辺りで?この辺り。
ここ…ちょっとダメよダメよ。
ダメダメ…ダメよダメよ。
あっこれ…。
これ黒豆!ああワンちゃんありがとねありがと。
あっこれはダメこれダメ。
なんだこれ?バランよバラン!やっぱりお弁当だったんだわ!
(池内)これで何かわかるんですか?亮これでゆっくり眠れるねやっと。
お母さん…。
(足音)完成したんですね亮君のお墓。
待ってください。
見て頂きたいものがあるんです。
あの丘から亮君のお墓よく見えるんですよね。
これは…。
あなたが亮君のために作ってあげたんじゃないかと想像して犬のお弁当作ってみました。
どうしてわかったんですか?私が亮に犬のお弁当作ってあげた事。
主婦の勘。
倉元さんのせいで亮君に子犬を買ってあげられなかったあなたはせめて子犬のお弁当で亮君を喜ばせたかったんじゃないかなと思って。
検事さん私…施設に入れられる前母に言われたんです。
あんたなんか産むんじゃなかった。
だからずっと思ってました。
私なんか生まれてこなきゃよかった。
私母親に愛された記憶がないからだから亮が生まれてからもどうやって愛せばいいのかわからなかった。
でも1年前私が何気なく作ったお弁当に亮が大喜びしてくれたんです。
あの時亮の笑顔見たら心の底からいとおしく思えて…。
あの時私初めて母親になれた気がしたんです。
だから子犬を買ってやれなかった時せめてもの償いにって犬のお弁当を作ってあげたんです。
(亮)わあ〜ワンちゃん。
(翔子の声)亮ったらもったいないってなかなか食べられなくて。
また作るからって指切りしてようやく食べてくれたんです。
でもやっと愛せるようになったら亮は逝ってしまった。
これ亮が大喜びしたお弁当に似てます。
鬼焼かまぼこの耳に椎茸の含め煮の目。
カレーの色ご飯の顔に黒豆の鼻。
殺人現場。
すなわちここで見つけた食材をもとに作りました。
翔子さんあなたこの丘で倉元さんと会いましたね。
あなたと倉元さんがなぜこの丘で会ったのか?そこで一体何があったのか?どうして犬のお弁当が散らばったのか?全て警察で話してくれますね。
検事さんその前に一つだけお願いがあります。
1日…いいえ半日でもいいんです。
時間をください。
身の回りの整理をしたいんです。
猶予は差し上げられません。
少しでいいんです。
1時間でも。
行きましょう。
(翔子)亮が死んだ時倉元は泣いて謝ったんです。
子犬の事すまなかった。
亮のお墓の事で自分に出来る事があればなんでも言ってほしい。
そう言って…。
私もう一度だけ信じようと思って電話をしました。
ああ明日。
わかった。
小庵寺の裏の丘だな。
(翔子)亮との思い出の場所で亮が大喜びした子犬のお弁当を一緒に食べよう。
そう思ってあの人を呼んだのにお寺に支払うお金を持っていると知った途端…。
なあ金貸してくれよ。
な!ちょっとやめてよ!すぐに返すから。
これ亮のお金!すぐに返すからよ!
(翔子の声)亮のお墓のお金まで…許せなかった。
うっ!
(翔子の声)殺した事を隠すために倉元を埋めました。
無理ですよ。
遺体は重い。
女一人じゃとても無理だ。
私一人で埋めたんです。
必死で埋めました。
(池内)あれだけの距離を運んで穴を掘って埋めて…無理でしょう。
かばってるんだわ。
誰を?2つの遺体が重なっていたのは偶然じゃないわ。
2つの事件は何か関係があるはずよ。
そういえば林田の携帯がまだ見つかってないが大西は林田殺しを認めてるから携帯を盗む必要はない。
誰か携帯の通話履歴を見られては困るやつの仕業だ。
警察は通報直後に急行してる。
現場から逃げた大西以外の目撃情報もない。
とすれば林田の携帯を盗む事が出来たのは…。
坂上さん。
林田光男が殺された日あなたが第一発見者として通報したのは偶然じゃないですよね。
たまたま通りかかったと言うたはずや。
じゃあなぜ遺体から携帯電話を盗んだんですか?…知らん!倉元翔子さん犯行を認めました。
でも遺体を埋めた共犯者については絶対に話そうとしない。
必死でかばってるんだと思います。
坂上さん。
翔子さん初めてあなたに会った時から私は違和感を持っていました。
あなた明るすぎた。
あまりに明るすぎた。
あなた死ぬつもりですね。
坂上さんが全て話してくれました。
坂上さん亮君と約束したんだそうです。
元気になったらあの丘に登ってお母さんが作ってくれたお弁当を一緒に食べようね。
あの日その約束に誘われるように丘に登ってあなたを見つけたそうです。
どないしたんや?あなたが倉元さんの遺体を埋めようとしたのは亮君のお墓が完成するまでは捕まるわけにはいかなかったから。
その事を知って坂上さんは助けてくれた。
でも遺体を遺棄する2人の姿を林田に見られていた。
あなたは林田から電話で倉元さんを埋めた場所に呼び出された。
林田があの丘に登ったのは翔子さんあなたからお金をゆするためだったんですね。
その事を知った坂上さんは代わりに話をつけようとした。
ところが林田は既に大西に殺されていた。
倉元さんを埋めたその上で。
坂上さんは必死で林田の遺体から携帯を抜き取った。
翔子さんへの発信記録が残ってる。
そうとっさに気付いたからです。
坂上さんは関係ありません。
あの人は何もしていない。
遺体を遺棄すれば罪になります。
どうして赤の他人のあなたのためにそこまでしたのか…。
翔子さんあなた亮君をかわいがってくれているお礼にと坂上さんにお弁当を作って届けた事があったそうですね。
せっかく作ったんで食べてください。
ね。
翔子さんの弁当うまかった。
手作りの弁当何十年ぶりやったかなぁ…。
坂上さんこうもおっしゃってました。
大事な人の役に立てるという事が生きてるという事や。
あなたの心のこもったお弁当が坂上さんの孤独で頑なな人生に優しさを思い出させたんです。
翔子さん死んではいけない。
死んではいけない!亮はもういない!私なんか生きててもしょうがないんです。
亮のそばに行ってやりたい。
あの子天国できっと独りぼっち。
私が行ってやらないとあの子あの子犬みたいに一人で震えてる。
あなたが死んだら誰が亮君にお弁当を作ってあげるの?命日に亮君の大好きだった子犬のお弁当を作ってあげる。
亮君の笑顔を忘れないでいてあげる。
亮君に話しかけてあげる。
そんな事が出来るのは翔子さんあなたしかいないの。
あなたが死んだら誰もいなくなるの。
さあ…。
準備は出来ています。
刑に服する前にもう一度亮君のためにお弁当を作ってあげて。

(翔子)亮大丈夫?よいしょ。
(翔子)大丈夫?大丈夫!おお〜えらいなぁ。

(翔子)ほ〜ら亮!ぬれてるよ。
ほら〜!本当にいいんですよね。
私生きてていいんですよね。
ええ。
副部長勝手な事をして申し訳ありませんでした。
(高原)あれは実況見分だったんだろ?まあちょっと長すぎたかな。
副部長…。
2014/09/22(月) 15:05〜16:00
ABCテレビ1
京都地検の女6[再][字]

「食材のパズル!重なる2つの遺体の謎!!」

詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演▽“主婦の勘”を武器に難事件に立ち向かう女性検事・鶴丸あやの活躍を描く検察ミステリー第6弾!心に響く深い人間ドラマを京都情緒たっぷりにお届けします!
◇出演者
名取裕子、寺島進、益岡徹、渡辺いっけい、蟹江敬三 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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