(高橋澄代)座敷わらしがいるんです。
バカな事言わないでくれよ。
この不思議な出会いがバラバラだった家族を大きく変えていく
今夜座敷わらしがあなたに幸せを運びます
(おもちゃで遊ぶ音)
(子どもの笑い声)
(高橋澄代)智也はい。
ちょっと…ちょっと智也。
(高橋晃一)ここだよ!
(高橋史子)ログハウスって言わなかった?俺は和風ログハウスって…。
これでなんと市内のマンションの3分の1の家賃!…でしょうね。
(高橋智也)ここに住むの?ああそうだ。
うわあ…。
(戸が閉まる音)
(智也)おぉ〜すごい!どう?すごいだろう?なんだか長年の風雪に耐えた力強さがあるねえ。
なんたってほら築100年だか200年らしいからね。
改装してあるのねえ。
言ったじゃないか。
前に住んでたのが外国人でさその人が随分お金をかけて手を入れたらしいよ。
史子こんな調理台憧れだって言ってなかった?囲炉裏があるねえ。
そうなんだよ〜!うわあ…何?これ。
釣った魚串刺しにして焼いたり…出来るぞ!智也。
うわあ…!みんなこっち来て。
広いねえ〜。
(智也)広〜い!ここねふすまでシャッ!仕切って奥がおばあちゃんの部屋。
うん。
そしてこっちがお母さんとお父さんの部屋。
それでね…ついて来て。
ここをねみんなが集うリビングにしたらどうかと思うんだ。
(高橋梓美)私の部屋は?子どもたちは2階!子ども子どもって…。
(風の音)2階はロフトって言ってなかった?だから和風の。
ロフト?これがロフト…。
おぉ〜!何?このお仏壇。
ああこれね。
元々のこのうちの持ち主のものらしいんだ。
けど中見て〜。
ほら!空っぽだから。
ハハハハ…。
これもらう。
アズ!史子東京の狭さに比べたら夢のような広さだと思わないか?ねえこれ見て。
いい景色だろう。
(足音)智也階段駆け下りないのよ。
え?何?え?え?おっ剣玉持ってきたのか?ううんそこにあった。
元にあったとこ置いときなさい。
ねえここ誰か住んでるの?変な事言うなよ…。
これから住むんだよ高橋家のみんながさ。
ちょっとー何!?これ!どうした?何?これ。
私落ちる。
ねえ…!水洗の工事っていくらぐらいするの!?50〜60万ぐらいかな…。
もうあっち行って!史子お前ガーデニングやりたいって言ってたろう。
これ見て〜。
ここなら存分に出来ると思うよ。
私は別に農業やりたいわけじゃないのよ。
でも農業もいいんじゃないの?長野じゃ昔母さんも畑仕事の経験あるし。
ねえ懐かしいだろう?そうねえ…。
自然農法でとれた野菜なんて智也の喘息にもよさそうだし。
僕喘息は治ったって!今年の冬ぶり返したじゃないの。
油断しちゃいけないのよ。
いけないいけない!
(車の走行音)トラック来た。
ああ。
お待たせ致しました。
どうもー。
よろしくお願い致します。
はいよろしくねー。
はいお願いしまーす。
はいっ!
(カラスの鳴き声)片付いた片付いた。
え?そうめんだけ。
明日からちゃんと作るから。
2人ともこれで我慢しろ。
いただきます。
(3人)いただきます。
(携帯電話の振動音)おう。
うん昼過ぎにこっちに着いて…。
うん東京のマンションと違って広いしみんな大喜びで…。
うん…おふくろにも部屋出来たしさ。
おう。
春子が。
もしもし春子さんご無沙汰しちゃって。
はい…お義母さんには東京に来て半年で引っ越しさせる事になってしまって…。
いえそんな…お世話なんてなんにも出来ないんですよ。
はい。
あっはーい。
ちょっとお待ちください。
代わってくださいって。
もしもし!お義母さん今ちょうどお風呂に…。
はい。
じゃあ失礼します。
はーい。
(咳)煙ばっかりだね…おい。
ああああ…煙だらけ。
(咳)ああ…。
(咳)ああ…ちょっとちょっと入れ過ぎよ。
んー?ああ…。
(咳)
(息を吹きかける音)
(晃一・智也)おぉ〜!ばぁばすごーい!それで燃えたらねこれをはい…。
お父さんここ下見来た時にデジカメで1枚も写真撮ってこなかった訳がわかったわ。
いやあれはカメラがさあ…。
ここの写真を見せたら反対されるからよね。
いやあ…もう驚かそうと思ってさ。
騙したのよ。
変な事言うなよ。
広々として手頃な家賃ってここぐらいしかなくてさ。
(智也)僕は気に入ったよ。
あんたには聞いてない。
ああ…いいからほらアズ!やめなさい。
コラッ!
(フクロウの鳴き声)
(物音)うわー!!
(智也)うわー!そ…外になんかいた!タヌキか?変なもん…。
こんなとこだもんお化けくらいいるんじゃないの?そうよねえ。
(泣き声)あっ…。
あぁ…!!
(フクロウの鳴き声)
(鳥の鳴き声)
(川田)まあめげずに頑張ってほしいな。
左遷だなんて思わずにね。
はあ…。
盛岡いいとこだよ。
(川田)おはよう。
(一同)おはようございます。
今度本社から営業課長として赴任した高橋君。
高橋です。
営業部長の丸亀君。
(丸亀)ああ…どうもどうも。
よろしく。
皆さんよろしくお願いします。
(安藤)はい席着いてー!はい席着く。
えー今日から…転校してきた高橋梓美君だ。
(由紀)どこから来たんですか?東京からだ。
えっ東京だって…!
(安藤)これからみんなの友達になります。
仲よくするように!それではひと言挨拶してもらおうかな。
あっ…はい。
高橋梓美です。
タイムは遅いですが水泳はわりと得意です。
趣味は音楽を聴く事。
で…えっと…よろしくお願いします。
(生徒たちの笑い声)おいおい何がおかしいんだ?座敷わらみたい。
(生徒たちの笑い声)
(智也)おぉー!智也!ほら馬!うわあ…。
あっこんにちは。
あの茅葺きの家に引っ越してきました高橋と申します。
(菊池聡子)あぁ…。
こちらが一番のご近所みたいですしよろしくお願いします。
これつまらないものですけど。
そりゃどうも。
小学生?5年です。
じゃあうちの娘と同じ小学校だね。
あっでもこの子学校は2学期から行く事になってるんです。
ああ…。
どうですか?あの家。
なんだか…。
あの…前に住んでらした外国の方ってどのぐらい住んでらしたんですか?うーん話だと…1年経つか経たないかで急に出たとかで。
せっかく手を入れたのにどうしてでしょう?さあ?いい人だったけどねえ。
(揺れる音)
(風の音)よいしょ。
あっ痛っ!大丈夫?やっちゃった…トゲ!ああ…。
ばぁば何見てるの?ううん…。
んっ取れた。
もう…。
あっ学校どうだった?買い物行くけど智也も行く?行かない。
(智也)あぁ…!
(カッコウの鳴き声)
(丸亀)なんだなんだ…高橋さん足崩して。
楽にして。
じゃあちょっと失礼します。
これひっくり返して。
焦げてしまいやんすからお上げてくなんせ。
よいしょよいしょ…。
(溝口)だば高橋課長は商品開発にいらしたんですか?ええ。
(斎藤)でこれまでどういった事を?「かけたら美味いもう一杯」とか「豆腐プリンわさび風味」なんか。
ああ!豆腐プリン?あれさっぱり売れねえんだよな!すいません…。
けどこれからは営業の新人として頑張るつもりですので皆さん色々教えてください。
んだらばあれだな。
最初は外回りだべな。
はい。
ジョイスさんなんかどうかな?いやね以前取引あったんだけどもこれ途切れてしまってね。
そこと修復出来っとねうちの会社としてこれおっきいんだよなあ。
ぜひやらせてください。
うん。
いや本店の店長さえ口説けばね市内に11軒郊外を合わすと数十軒のチェーン店がねこれがハッとこう右へならえだから…。
(真知子)どうぞ。
グッとグッと!あっすいません。
ちょっとトイレ。
(溝口)出て左の方ですから。
あっはい。
早速気合入れんのかな?おっかねえおっかねえ!
(笑い声)けどいきなりジョイスですか。
何語ってんの。
最初からねえ高い壁があった方がいいんだよ。
「教えてください!」って彼も言ってんだから。
けどそういう開発の人がどうしてこっちさ来たんですかね。
どうやらねあの柿カレーの試作に2年以上かかったらしいんだな。
カキ?うん海のカキじゃねえぞ。
木になる柿。
それにほれ全く売れねえ豆腐プリンの件もあって…。
つまり…とばされたと。
そういうこったべな。
(ウシガエルの鳴き声)
(荒い息遣い)あぁ…おぉ…。
(荒い息遣い)
(深呼吸)ただいまー。
(史子・智也)おかえりなさい。
やだよこんなヘルメット!ダメよ!自転車通学するなら被らなきゃいけないのよ。
それにこんなジャージーまで。
へえ〜ジャージーなんか着るんだ?部活やる気だな。
ソフトボールか?ううんこっちではね制服みたいなもんなんだって。
これで通学もするし。
ああ便利でいいな。
ただいま。
おかえり。
ねえねえ僕サッカーやっちゃダメ?ダメって言ってるでしょう?あっそうだ。
お金どうするの?だって銀行行けば?その銀行がこっちにはないの。
ゆうちょしかないのよ。
じゃあ郵便局に口座作るしかないな。
とにかく俺風呂に。
お風呂沸いてない。
ん?お母さん焚いたけどぬるいの。
風呂ならおばあちゃんに焚いてもらえばよかったのに。
うまいんだから。
私はちゃんと薪をくべたの。
ぬるいから焚き口を見に行ったら燃えかけの薪が外に放り出されてたのよ。
どうして?わかんないわよ。
私知りませんよ。
いえ私は何も…。
バッカじゃないの?そんなのお化けのせいでしょ!そうそうそうだよ。
うまい事言うじゃん。
(鳴き声)梓美が心配。
ん…何?もらった寄せ書きゴミ箱に破り捨てられてた。
今思ったらあの子東京の学校でなんかあったのかも…。
なんかって?なんか悩み。
大丈夫かしら?梓美?私たち。
え?東京のあんな狭いマンションでもなんだかみんなすれ違ってたのにこんな広い家でなんか余計バラバラになりそうで。
あんまり心配しない方がいいんじゃないのかな…。
(掃除機の音)
(掃除機の音)岩井店長さんでいらっしゃいますね?いや俺じゃねえ。
こっち。
失礼致しました。
わっわっわたくし日栄フーズ盛岡支社の高橋と申します。
つい最近赴任して参りましてご挨拶を兼ねましてお近づき願えればと。
(岩井)転勤して何日目?はあ1週間くらい。
挨拶遅いんじゃねえの?はっ申し訳ございません。
あのー!もしもし!あのー!
(菊池米子)ええ天気だなっす。
ああ…あの何か?ねぎ。
はっ?ねぎ根っこおがっておがって。
ここはうちの庭なんですけど。
どうぞ。
遠慮なすに。
あっ一緒にいかがですか?誰だ?ああ…。
ホスタさん…忘れてったんだべな。
ん?ホスタさんは前にここに住んでたアメリカだか外国の人。
はあ…。
西洋だば魔よけだとかで…。
魔よけ!?ゴストゴストって何べんもしゃべってらったけどゴストってなんだべな?ああ…。
(栃尾粂太郎)ごめんくなんしょ。
(篠崎筆子)ごめんくなんしょ。
はい。
(栃尾)ああ菊池のばあちゃん!なんごとだ?わだすは地区長の栃尾でがんす。
はじめまして篠崎筆子です。
ええがらええがらお茶っこ飲め。
うめえぞ。
お茶っこ?はい…今すぐ。
(米子)座れ。
(米子)さっきおらここの庭さねぎ植えたんだ。
(栃尾)そうかぁ。
(ため息)
(荒い息遣い)ただいま。
あっ今日は早いのね。
いや〜東京の本社に比べりゃこっちは。
あっ智也おかえり。
晃一。
そう言いましたよ。
はい。
ただいま。
ねえ見て。
ん?今日地区長さんがみえて地区の事色々手伝ってほしいなんて。
おおすごいねぇ。
もう…!家がねこんなに散らばってるわけ。
けどね役員もお年寄りばかりで大変だったらしくて若い私にだからぜひにって。
お寺の行事に神社の行事に小中学校の行事に盆踊り。
そのあとはもうおばあさんと3人で話が盛り上がって…。
ん?おばあさんって?だから地区長さんの前に菊池さんがねぎ植えにきたの。
お義母さんもいかがですかって誘ったのに…。
ええ?お義母さんに誘いましたよね?そうでした?私お茶誘いましたよね?でそのねぎばあさんって?だから最初に引っ越しの時に挨拶に行ったあの菊池さんのおばあさん。
あっ…。
そしたらその時会った人が長女らしいんだけどもどうも出戻りらしくって。
同居してる長男の嫁との仲がどうだとかこうもう色々話すんだけども方言きつくて何言ってるかわかんないから聞き直すから時間かかっちゃってもう…。
何?ビール。
(ため息)あっ梓美にお風呂声かけて。
姉ちゃん風呂ー!もうねそしたらねしゃべる事しゃべる事…。
東京の事とか色々…。
もう…。
ねえ聞いてるの?聞いてるよ〜。
けどお前もよくしゃべるね。
そのおばあさんと気が合うんじゃない?ん?ここじゃ話し相手そういう人しかいないって事じゃないの。
ほう…。
ねえ僕サッカーやりたいよ。
おうやりなさい。
まだダメよ。
でも…。
ねえ転勤って断る事出来なかったの?ん?お母さんだって本当はそう思ってるんでしょ?我慢してるんでしょ?今さらそんな…。
晃一はそんな事出来ない子だから。
言いなり?おい!小さい頃から聞き分けがいいっていうか。
私たちその犠牲?おい!私の事だって春子に押し付けられたんですよきっと。
お義母さんもしかして春子さんのところの方がいいっておっしゃってるんですか?いや私は別にどこだって…。
これでも私一生懸命やってるのに…。
家の事だけど市内に本当になかったの?言ったろう?この人数でこんな広いとこなんか…。
広すぎるのよ!おい…。
東京以外に住んだ事ない私としては色んな事が不安で近所付き合いにも戸惑ったりして…。
正直身も心もへとへと。
史子…。
もうこんなところ嫌だ!梓美…。
学校だってね私藁って言われたんだよ。
藁だよ藁!藁?どこに行っても居場所なんかないんだ!ちょっと待て!お父さんここで楽しく暮らすって言って楽しんでるのお父さんだけじゃない!僕も楽しいけど。
うるさい!お父さんはいつも自分にとっていい事が家族にとってもいい事だって勝手に思い込んでるんだよ!岩手に来たのも本当は会社左遷されたんじゃないの?梓美!
(泣き声)梓美…。
(ため息)
(物音)智也悪ふざけはやめな!キャーッ!!嫌ーっ!嫌ーっ!キャー!助けてー!嫌ーっ!キャー!梓美!ああー!おう…どうした?嫌ーっ!うおっ…。
なんかいた!え?なんかってネズミか?違う!
(智也)どうしたの?何もいないぞ。
いないけどいたのー!はっ?どうしたの?見たー!何を?なんか映ってた。
なんかって?人の顔みたいなのが鏡に…。
えっ?映ってたの!市内に家探せない?家賃高いようだったら私パートでもするし。
うーん…。
亡き妻が残した2枚の絵手紙
その本当の思いとは?
(倉島)あいつと俺で旅をしようって言ってるんですよ。
ありがとう。
あのこちらからゆうちょ銀行に振り込みする事は出来ますか?はい出来ますよ。
こちらの用紙にご記入お願いします。
はい。
(女性たちの笑い声)嘘?大きくなった?へえ〜。
あっ…。
(岩井)早ぐやってね。
お邪魔致します。
すいませーん!上がれー!
(楠本健吾)何?一緒にやりたいんだ。
いいけど…一応カッちゃんに聞かないと。
誰?カッちゃん!
(菊池桂)何?続けて。
一緒にやりたいんだって。
あの…。
もしかしてフォスターさんのとこに引っ越してきた子?あっはい。
でもこれ遊びじゃないんだ。
試合の練習なんだ地区大会の。
ぼ…僕サッカーやってました。
(桂)ポジションは?えっとバックだったりフォワード…あとキーパーとか。
まあじゃあ様子見るからとりあえずやってみな。
はい!よろしくお願いします!
(智也)ヘイ!
(一同)あ〜あ…。
上がれー!
(桂)サッカーやってたっていうのあれ嘘だろ?
(智也)いえプレステでいつも…。
(桂)おいおい…。
(智也)ダメですか?
(桂)練習ついてこれるか?
(智也)はい頑張りますので。
(桂)あの家さなんか変わった事ない?
(智也)いやぁもう変わった事ばっかりですよ。
トイレはポットンだし風呂は薪で焚くし。
なんか出ないか?なんかと言いますと?変な敬語使うな。
出るっていうと?座敷わらし。
座敷わら…?何者ですか?座敷わらしは座敷わらしだよ。
年寄りなんかは座敷ぼっことも言うけど。
「ぼっこ」ですか?うちのばあちゃん…ほら智也んちにねぎ植えに行った。
そのばあちゃんがフォスターさんちには出るって言ってたからさ。
出る…。
妖怪?幽霊って事?いや幽霊じゃない。
妖怪とも違うんだよね。
神様ともちょっと違うかな…。
まあフォスターさんは魔よけの蹄鉄とか下げてたみたいだけど。
魔よけの蹄鉄?あんまし気にすんな。
いや気になります!座敷わらしは悪さしねえってばあちゃん言ってたよ。
ただいるだけなんだって。
何?僕ここに来てからすぐ風呂場で変なもの見た。
もわもわしたものがふわふわ動いてて…。
髪の毛こんな?そこまではちょっと…。
髪の毛がこんなんだったら座敷わらしだよ。
うわ…。
でもさ…。
はい。
もし見たとしても大人には言わない方がいいよ。
大人は自分の見たものしか信じないから。
(荒い息遣い)梓美。
入らないでよ。
あっ…うん。
明かりついてたから。
何?うん…。
いや学校とかどうなのかなって。
最悪。
ああ…。
けどあのさ…。
寝るから。
あっ…うん。
おやすみ。
ん?
転勤により東京から岩手へ引っ越す事になった高橋一家
ログハウスって言わなかった?俺は和風ログハウス…。
東京育ちの妻をはじめなかなか田舎暮らしに馴染めない家族
転勤って断る事出来なかったの?
すれ違いが大きくなり次第に家族の心は離れていく
一方で高橋家には奇妙な出来事が…
そしてこのあと不思議な出会いが家族を変えていく
(安藤)えー高校受験は3年の夏休みが勝負!という事なのでみんな体に気をつけて頑張るように。
(生徒たち)はい。
(安藤)うん。
じゃあバイバイ!
(生徒たち)さようなら。
(恵美子)高橋さんお願いがあるんだ。
水泳大会に出てくれない?
(由紀)2学期の最初の金曜日。
(千春)中学対抗水泳大会!えっ?転校の挨拶の時水泳は出来るって言ったでしょ?いや…まあ平泳ぎだけど…。
女の子泳ぎの得意な子が少ないんだ。
(豊子)とにかく出てくれるだけで点数にはなるわけ。
お願い!高橋さんならきっとうちの学校の座敷わらになってくれるよ。
ざ…ざ…座敷わらって?座敷わらしは家の守り神とか福の神って言われてる存在。
転校してきた日高橋さんの髪こんなんでさ!
(豊子)だからみんな笑った。
藁じゃなく?ワラって?藁くず…。
何?それ。
何?いやなんでもない。
とにかくお願い。
お願いします!
(由紀)よろしく!
(恵美子)お願い!うん…。
(4人)やったー!
(息を吹きかける音)
(息を吹きかける音)えっ…?わあ…!あの…すいません。
うわ〜!ぼ…僕は高橋智也です。
どうも…。
やる?
(においを嗅ぐ音)そうだお菓子食べる?
(智也)あれ?ない…。
ちょっと待ってて。
すぐに取ってくるから。
(荒い息遣い)
(荒い息遣い)
(秋江)はい。
ありがとうございます。
はーい。
原口富江さんのお宅は…?うーんと…あっちだ。
えっと…道は…?あの橋渡ってぐるーっと奥の方。
あの農道使えますかね?ああ行ける行ける。
ありがとうございます。
ご苦労さま。
あっ…あっ…ああーっ!大丈夫ですかー?はい!ばぁば。
何を見てるの?ばぁばもあの子の事見えるの?僕今見ちゃった。
あれは六助だよきっと。
六助?
(澄代)この子だよ。
六助。
ばぁばの弟。
子どもの時死んだの。
でもこんな子じゃなかったよ。
あれはね座敷わらしなの。
座敷…?でもこの事はまだ誰にも内緒だよ。
ん?なんか通った?
(物音)
(足音)座敷わらしか…。
(フクロウの鳴き声)
(フクロウの鳴き声)あっ!ちょっと…。
(携帯電話)もしもし。
(高部恭子)史子。
ああ恭子。
どう?そっちはもう慣れた?ちっとも連絡くれないからさ。
しようと思ったんだけど大変なのよ色々。
「すごい田舎でね。
なんだか体調もよくないし…」私もそう。
肩こり腰痛手足のしびれまで。
で病院行ったらもう更年期障害っていうじゃない。
更年期障害?史子は?あっうん…どうだろ?顔がほてって赤くなりだしたら赤信号。
ふーん。
ねえ更年期障害って幻聴とかもあるの?何?それ。
うーん…なんかほら変な気配とか。
はっ?ううんなんでもない。
それと白髪としわがどっと増える。
それに便秘は要注意。
ふーん。
(恭子)「史子?どうしたの?」史子さんどうしたの?私なんだか…ここのところなんだか…。
(雨音)いえ…大丈夫です。
(雨音)あら!お湿りだわ。
(真知子)はい。
いつもお世話になっております。
はい?豆腐プリンわさび風味ですか?はい。
ありがとうございます。
かしこまりました。
課長豆腐プリンわさび風味丸松屋さん至急欲しいそうです。
在庫はありますよね?はい。
もちろんあります。
(携帯電話の振動音)何?お願いがあるの。
お…おう。
何?今日早く帰ってきてくれる?どうしたの?もしもし?悪いけど帰りに何か食べてきてくれる?体の具合でも悪いのか?ううん別に…。
おいなんか変だぞ。
なんかあったのか?怖いの…。
うん?何か映るの…。
映るって…?
(物音)
(携帯電話)
(呼び出し音)もしもし。
何?梓美今どこ?盛岡だけど。
盛岡にいるのか?それで?ああ…うん。
お母さんの様子なんか気にならないかと思って。
なんか言ってないか?さあ?うちを出るとか東京に帰るとか…。
ふーん。
そんなふうになってるわけ?そんなふうって?離婚とか。
なってないよ!何言ってるんだよ。
お母さんからさっき変な電話きた。
別れたいって?バカ。
まあここのとこおかしいっていえばおかしいよね。
本当か?私に付きまとってる。
「一人にしないで」みたいに。
お風呂も一緒に入ろうって言うし台所にも呼ぶわけよ。
今のうちから料理を覚えておかないと…なんて。
これってもしかして別れても母親の思い出を娘に残そうっていうあれ?梓美頼む。
何?買い物やめて真っすぐうちに帰ってお母さんを…。
アズしか頼めないんだ。
頼む。
大丈夫か?帰りはお願いね。
ああもちろん。
はい。
史子。
ハハハ…。
(雅美)いらっしゃいませ。
こちらのお席へどうぞ。
(雅美)失礼します。
5名様ですね?はい。
こちらメニューになります。
失礼します。
お決まりになりましたらお呼びください。
はい。
ごめんね。
えっ?何?ご飯作れなくて。
いいいい!何言うの。
たまにはこういうのもいいもんだよ。
なっ?うん。
たまにはいいよ。
ねえ?えっ?う…うん!実は私ね…。
とりあえず何を頼むか決めようじゃないか。
みんなにね…。
あっほらお母さんの好きなカルボナーラがあるよ。
これにしたら?お前たちどうかしたのかい?えっ?
(梓美・晃一)別に。
あのね…。
今度の日曜日牧場にでも行かないか?行きたい!うん!土曜から八戸だけどそれを済ませて朝一の電車に乗れば午前中には戻れる。
そうしたら今日みたいに合流してさ…。
(智也・梓美)うん!あのねこんなとこで話すのもどうかと思うんだけど…。
あとにしよう。
聞いてほしいの!私ちょっとダメみたい…。
もうあの家にはいられないかも。
その話は2人でさ…。
あなただけに先に話そうと思ったんだけど…。
待ってくれ。
笑わないでね?私今なんか変なのよ。
やっぱり…。
もう見たくないの。
そんなに…。
怖いの。
鏡とか…。
ん?鏡?妙なものが見えるのよ。
子どもの顔みたいな…。
子ども?
(笑い声)笑い事じゃありませんよ。
はい…。
最初はね目の錯覚かと思ったんだけどでも違うの。
ぼんやり見えるの。
着物姿の小さな子ども。
私病院に行った方がいいのかもしれない。
それは座敷わらしですよ。
検査の結果によっては…。
えっ?あのうちには座敷わらしがいるんです。
バカな事言わないでくれよ。
ばぁばの言ってる事は本当だよ。
僕一昨日会ったもん。
おいおい智也。
つまらない嘘はよせ!嘘じゃないよ!その座敷わらしって…。
誰か紙と書くもの…。
髪がこんなふう?
(智也)うんそう!やっぱり…。
みんな聞いてくれる?私が見たのも子どもだったし…。
こんな感じ。
それで…ちょっといい?こういうふうでこんな感じのこういう着物を着てる…。
こんな感じ?みんなの言ってる事は確かに興味深い。
けどな心理学かなんかに集団妄想というのがあって…。
つまりだよみんなほら東京から突然こういうところに来てしまったから…。
ん?ねえ他に誰か見た人知ってる?うちのクラスにはいない。
けどこの辺りじゃ座敷わらしの事は常識らしいよ。
他にはこっちでは座敷ぼっこって。
調べたけど座敷わらしの居つく家は繁栄して去られた家は家運が傾くって。
(雅美)あの…。
あっ…。
ご注文はお決まりですか?すみません。
すぐ決めますので。
どこがいいかな?冷蔵庫…。
ちょっと高いか。
ここはどうだ?お母さん。
お父さんが変な事してる。
何してるの?あっあの子を撮ろうと思って?みんなは見えてるのに俺だけ全然あれだからどんなもんか記録を。
そんな事したら戸惑って出てきませんよ。
普通にしようよ普通に。
カッちゃんが言ってた。
見える人と見えない人の違い。
なんだって?心がきれいな人や信じてる人には見えるって。
あなた信じて!うん…。
心もそんなに汚れてないと思うんだけどなあ。
そうね。
うん。
(ため息)
(馬のいななき)
(梓美・智也)うわっ!
(聡子)どうぞ。
わだすの姉でございます。
(千葉はる)ほんでまんず。
ああ…。
むかす俺が小せえわらすだったごろ…。
(米子)通訳すますとむかすわだすがわらすだった頃…。
(はる)あさぬまんえでわらしゃんどばりではにゃぐるって…。
(米子)浅沼さんちでわらしゃんどばりではにゃぐるってたんだと。
(聡子)お母さん私がやっから。
昔小さな子どもだった頃の事ですと言ってます。
今高橋さんが住んでおいでの浅沼さんの家で子どもだけでわいわい騒いでいた時…。
座敷ぼっこはずぶんさねえふぐたなだ。
つまり座敷わらしは自分にない福を運ぶそうです。
自分にない福…。
(はる)座敷ぼっこは潰すたわらすだす。
(聡子)座敷わらしは潰した子ども…。
潰すというのはつまり間引きの事ですね。
座敷わらしは間引きされた子どもの化身…。
この辺りじゃそう言われてますから。
(聡子)おばあちゃんの話聞きづらかったでしょう?ハハッ。
ああいえいえ…。
(智也)ねえねえ間引きって何?間引きっていうのはね生まれてきた子どもの命を親が奪ってしまう事なんだ。
(聡子)昔は今みたいに生活は豊かじゃないでしょう?特に農村だと作物がとれない事もあって…。
そうなると家族全員が食べ物に困る事も珍しくなかったから。
だから仕方なく子どもを…。
嘘…。
(澄代)私の末の弟も親戚にもらわれたの。
ああ東京に行ったっていう六助さん?空襲で死んで…。
座敷わらしがねお菓子やおもちゃが好きなのはそれがこの世では手に入らなかったものだからよ。
何しろ赤ん坊の時に命を絶たれたんですから食べ方も遊び方もわからないですよね。
それじゃあここで。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。
お願いします。
こちらこそ。
(智也)今度会ったら食べ方や遊び方を教えてやらなくちゃ。
(澄代)智也がそう言ってますよ六ちゃん!六ちゃんっていうの?いいよ六ちゃんで。
そうね。
(物音)聞こえた。
(智也)君にいい報告があるんだ。
(智也)もううちのみんなは君の事知ってるから怖がらなくていいって事。
っていうか待ってるんだよ君の事。
だから安心して遊びに来ていいんだ。
剣玉だけじゃなく積み木もジャンケンもサッカーもボール投げもトランプも…。
最初は難しいけどゲームも僕が教えてあげる。
食べ物もここにも家の中にもいつでもあるから君はいつでも勝手に食べていい事になってるから。
手が空いた方から召し上がってください。
豆腐プリンわさび風味です。
暑さしのぎにはよろしいかと…。
そちらの方も手が空いたら召し上がってください。
あっどうも。
あんたまた来たのか。
すいません。
うまいねえ。
うめえや。
何食ってら。
(戸の開く音)おはようございます。
(真知子)おはようございます。
(斎藤)おはようございます。
高橋君。
君なんかミスした?はい?君に本社から呼び出しだよ。
(石田)高橋君君に来てもらったのはね再度柿カレーの製品化を進めてもらいたいからだよ。
(志村)おい。
(石田)高橋君にはいずれ本社に戻ってもらう事になるが当分支社勤務のままプロジェクトに参加って感じだな。
前のチーム全員揃ってるから。
いやぁあれ以来気になっててね俺がやっと上を説得してさ。
内容はね以前高橋君が試作したものに準ずるがカレーに入れる柿ねあれ他の柿に変えるから。
そ…それはあの…。
いやほらなんとかさんっていう人の柿は高くって…。
久保田さんです。
そうそうそうそうそう。
外国の安い柿もあるしひとつそれで。
ね?今後のスケジュールはおいおい知らせるから高橋君今日はもう帰っていいよ。
うんご苦労さん。
はいはいご苦労さん。
何?ハハハ…。
ハハハ…。
部長お言葉ですが…。
うん。
柿農家の久保田さんとはカレーに合う柿を作るところから何年も付き合っていまして…。
柿の事はね決定事項なの。
それはね上も了解済み。
でしたら私はこのプロジェクトには参加出来ません。
(石田)高橋いいのか?これはね社長のお声掛かりでもあるんだよ。
人の命を育むという食べ物を作る…そういう大事な役割を担っている者は儲け以外にも何か他の何か別のものが必要なんじゃないかと…。
なんだよ。
なんなんだそれ。
作り手の真心というか…。
何青臭え事言ってんだよお前。
ですけど昔と比べても今食品は数段美味しくなってます。
栄養もあります。
けど他にも大事なものがあるんじゃないかって…。
なんなんだよ。
ですからその…その…その…。
愛です!愛なんてものは見えませんけど見えないけどあるわけでお客さんには見えない我々の中にも愛情や思いやり尊敬があるべきで…。
だからなんだよ。
ですから…。
なんなんだよ!ですから製品開発に向けて苦労した仲間への愛情思いやり…ですから私はその…久保田さんを切り捨てるというのはやっぱり…私承知出来ません。
(石田)お前会社に残れると思うなよ!不愉快だ!
(戸の開閉音)
(佐川)実はさあ調理部で残してた試作の柿カレーをさこの前別の試食の時に社長が見つけてなんだこれって事になったのよ。
(理恵)社長食べたんですか?社長気に入ってなんで中止にしたんだって言い出したわけよ。
(津田)独断で中止させた石田部長それで慌てて…?
(志村)けど高橋課長あれじゃ本当まずいよなぁ。
お父さんもしかすると会社クビになるかもしれない。
反抗の詳しい理由は言わない。
けど今なんだかお父さんすがすがしいんだ。
俺は今まで人間として社会人として父親としてちゃんと生きてきたのか自信なかったよ。
ただひたすら波風を避け我を抑え…ねえ。
そんな事で生きてるといえるのかどうかってフッと…。
それでつい…。
反抗?けどクビになってもお父さんはお前たちを守るから。
なんとしてもお前たちは守るつもりだ。
例えば囲炉裏で燃えるこの火みたいに…。
寒い時は温めさお湯も沸かしご飯や芋を煮炊きする…そんな囲炉裏の火にお父さんなるよ。
畑を耕したりなんでもねするつもりだったんだお父さんここに来る前から…。
俺53で課長だろ?それが転勤になったという事は梓美お父さん左遷だよ。
ごめん…。
もう本社に戻る事なく多分定年まで支社勤めという事なんだ。
そう考えたらさいつまでみんなと暮らせるのかなんて…。
だってほら梓美はいつかは結婚してうちを出ていく。
智也だっていずれ独り立ちだ。
もうみんなと暮らせる時間ってあんまりないんだよ。
だからこの広いうちなら誰かが出ていくまではみんなで過ごせるし定年のあとはねお母さんと俺で畑耕しながらさ…。
田舎出てから離ればなれだったおばあちゃんとも一緒に暮らせる。
そうだね。
梓美や智也が出て行っても帰ってこれるうち用意しとこうってそう思ってここを…。
そう…。
うん。
終の住み家かぁ。
そう思ってここを…。
(健吾)智也!
(智也)ん?ああ健吾!ねえ一緒に行ってもいい?ああいいよ。
(智也)よし行こう!フフフ…。
シャボン玉。
うん。
梓美似合うね。
似合うねえ。
似合う。
ウフフッ。
(健吾)ああ何食べよっか。
(智也)かき氷は?かき氷。
(健吾)ああ〜いいね。
(2人)あっ…。
あっカッちゃんだ。
よっ。
(桂)行こう。
あっねえあれ。
あれ行こう。
(神楽)お義母さん捜しましたよ。
(神楽)私駅に行かなきゃ。
駅って?お義母さん?母さんどうしたの?今日六助が帰ってくるんだよ。
東京から帰ってくるの。
けどあの六助さんなら…。
だから駅に迎えに行ってやらないと。
母さん!何しろほらねえ…六助は小さいから迎えに行かないと道に迷うから。
(智也)どうしたの?ばぁば。
おばあちゃん。
しっかりしてよ。
六助さんはとうの昔に空襲で死んでるじゃないか。
何言ってんの!?お父さん!何言ってんだよ!誰も戻ってきやしないよ。
しっかりしてよ母さん。
頼むよねえ。
お義母さん。
お義母さん六助さんは何時の電車で戻ってくるんですか?電車?汽車ですよ。
汽車で帰ってくるの。
夜行に乗って。
着くのは朝の7時。
そうですか。
それじゃあみんなで一緒に駅に迎えに行きましょう。
えっでもまだ夜になったばっかりだよ。
智也…!ねえお父さん。
(すすり泣き)
(泣き声)
(澄代)ああ六助とも久しぶり。
もう東京弁しゃべれるんだろうねえ。
ハハハ…。
わかんなかったらどうしよう。
でもねあの子が東京行くまで一緒に遊んだから。
お手玉したりシャボン玉したり…。
(澄代)ほら!駅よ。
「シャボンだまとんだやねまでとんだ」「やねまでとんでこわれてきえた」
(泣き声)あっ着きましたよ汽車。
着きましたねえ。
でも…六助がいない。
どうしたんだろう…。
お義母さんもしかしたら明日になったのかもしれませんよ。
明日?ああそうだね。
そうだねきっと。
明日また迎えに来ましょう。
はい。
(澄代)「シャボンだまとんだやねまでとんだ」「やねまでとんでこわれて…」
(歓声)
(歓声)
(晃一・史子)ああ〜!ハハハハハ!智也!
(一同)頑張れ〜!上がれ!あいつ元気になったね。
ねえ楽しそう!
(ホイッスル)まだ2点だ。
みんな頑張ろう!
(一同)お〜っ!よし水分とってこい。
(一同)はい!おい桂。
さっきのところもうちょっと戻りの指示を早く出せ。
はい。
あっ智也来た。
智也。
はい飲んで飲んで。
(智也)はい。
楽しいか?うん。
よかったな。
お〜みんな集まってる!あっいた〜!お疲れ!アズ!水泳大会どうした?うちの学校優勝!アズは2着!お〜本当?えっ!今智也はどうなってんの?今ハーフタイムであと2点差!マジか頑張れ!あと2点じゃん。
いけるよ!今ねこっちハーフタイム。
聞いた。
マジ頑張れ!イエーイ!イエーイ!「シャボンだまとんだやねまでとんだ」「やねまでとんでこわれてきえた」
(咳)
(健吾)智也のとこ今時こんなんで風呂沸かすのか?えっ!この辺はみんなそうじゃないの?
(桂)田舎バカにすんな。
ほとんどガスだよ。
ええっ!?智也のとこさ親仲よくていいよな。
いえ実はうちでも色々ありまして…。
無理して慰めんな。
ついた!おっすげえ!篠田中優勝おめでとう!
(一同)乾杯!アズ本当にお疲れさま。
アズのおかげだよね。
超きれいだった。
3人ぐらい抜かした?まあ一応頑張った。
ってか隣の北中のさ…。
見た!黄色い帽子のさ…。
そうそうそう!真似出来るよ真似出来るよ!息継ぎがきもい。
(一同の笑い声)超似てる!しかもさアズがすごいうまかったから…。
(梓美たちのはしゃぎ声)よかった…。
ん?ここに来て。
家すっかりにぎやかになって。
子どもたちの笑い声だってしばらく聞いてなかった気がする。
母さんどうなのかな?時々話通じなくなってる。
ありがとね。
ん?悪いけど頼むよおふくろ。
大丈夫。
私お義母さんと寄り添っていけるわ。
こう見えても私いざとなったら腰据わるのよ。
(梓美たちのはしゃぎ声)
(米子)ここさ持って…。
こう?えいっ!えいっ!あ〜うめえうめえ。
おはようございます。
おはようございます。
お呼びだそうで。
あんたさ一体なんなの?は?あんだけ取引しないって言ってるのにしつこいっていうかさ。
すいません。
揚げ句には嫌がらせまで。
この間来た時置いていったろ?豆腐プリンわさび風味。
差し入れのつもりで…。
俺わさび嫌いでね。
うわ〜すいません!二度と差し入れなんかしないでくれ。
はい。
「豆腐プリンわさび風味チンしてあったかチーズケーキピリ辛…」これ我が社の商品リストですが…。
うちの奴らがうまかったってよ。
その4点明日までに納入してよ。
無理ならいいよ。
はい!はい!ありがとうございます!ありがとうございます!
(掃除機の音)あっまた六ちゃんやったな!
(掃除機の音)
(松本)これ一遍食べてみたい。
(小川)そうですね。
付き合ってよ。
はいはい。
あっかけて。
かけて。
はっ社長。
(松本)君岩手の方で豆腐プリンの売り上げ伸ばしてるそうじゃないか。
ああいや…。
(小川)早速だが高橋君君には本社に戻ってもらう事にしたよ。
は?石田君の後任の阿部君だ。
阿部です。
(小川)今後は阿部部長のもと柿カレーに限らず製品開発に関わってもらいたい。
石田部長は?
(小川)まあ関連会社にねハハハ…。
(松本)君この前調理室で愛について演説したそうじゃないの。
ん?ひとつその意気で頼むよ。
(小川)期待してるよ。
(松本と小川の笑い声)
パリ歴代の皇帝芸術家たちが愛した伝説のホテル
今壮大な物語が幕を開ける
(倉島)女房にとって自分はなんだったんだろうって…。
豪華キャストで送る感動作
(杉野)放浪と旅の違いわかりますか?本社に戻るかここに残るか二つに一つでね。
僕は…戻りたくない。
私もここがいい。
来年の地区サッカーにはフォワードで出られるかもしれないしそれにその…冬になったらみんなにスキー教えてもらえるので…。
やっとなじんだのに…。
まだ先の話よね?来年?いや来月。
あっなんなら俺だけ東京行ってもいいんだ。
その方が嬉しい。
ああ…。
囲炉裏はいいねえ。
やっぱり一緒に行こう。
お父さんこの間囲炉裏の火になるって言ったわ。
家族の真ん中で料理温めたり寒さ凌いだり。
その周りに家族は集まるのよ。
一つの場所に囲炉裏があるからみんなこうやって集まれるんだもん。
その囲炉裏が動くんだったらやっぱりみんな一緒についていくべきよ。
私たちここで暮らした事でもうどこへ行ったってちゃんとやっていけるってそう思わない?東京かぁ。
うん…。
だけど僕本当はここに残りたいんだ。
そうか。
なぜかっていうとね…。
好きになったんだろ?違うの?いや…そ…そうです。
わかるよ。
私もここ好きだもん。
あ…ああ。
何?いや…べ…別に。
寂しくなるな。
やっと来てくれたね。
ずっと待ってたんだよ。
やってみる?まず手本ね。
これを液につけてこの青いボタンを長く押すといっぱい出るんだよ。
はい。
わあすごい!よし。
はいもう1回。
あのね六ちゃん…僕たちこの家からいなくなるんだ。
君はまた一人になるんだ。
どこか他に行くところないの?人が大勢いて寂しくないところ。
いるの?きっとね。
結局俺だけ見えないままか…。
でもなんだか可哀想。
あんな小さいのに福の神なんて。
けどおかげでなんか変わったぞ我が家。
お父さんのおかげよ。
この家を選んでくれたから。
ありがとう。
ん?ついてきてくれて。
あっ白髪。
うるさい!フフッ…。
『STANDBYMEドラえもん』をみんなで見まーす。
智也これ忘れてるシャボン玉。
ああうん。
それだけあれば六ちゃん寂しくないわね。
よし行こうか。
六ちゃーん!
(智也)六ちゃーん!
(智也)さようなら!
(おもちゃで遊ぶ音)短い間でしたけれども皆さんには感謝してます。
(米子)こちらこそありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
(聡子)お気をつけて。
(筆子)元気でね。
遊びに来てね。
またね。
(澄代)いいお日和だこと。
さいなら。
さようなら。
また来てくんさいや。
はい。
さようなら。
さようなら!アズ〜!アズ〜!梓美!梓美!梓美。
あっ!
(吹奏楽)『ふるさと』
(一同)アズ!
(恵美子)これみんなから。
みんなで書いたからね!
(由紀)私たちの事忘れないで。
(千春)絶対メールしてね!
(泣き声)風邪ひかないでね。
寂しくなったら戻ってきていいんだよ。
(恵美子)頑張ってね東京でも。
(豊子)メールしてよ待ってるから。
先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとう。
(安藤)高橋元気でな。
じゃあね。
またね!
(安藤)いつでも戻ってこい!
(一同)バイバイ!バイバイバイバイ!
(一同)バイバイ!
(安藤)いつでも戻ってこい!いつでも戻ってこ〜い!バイバーイ!バイバーイ!
(吹奏楽)『ふるさと』
(フクロウの鳴き声)
(澄代)あら?ほらこれ…。
ん?
(智也)あっ!あっそれ六ちゃんのじゃない?
(智也)キッチンに置いといたのにね。
どうすんのよ智也。
どうしよう…えっなんで?
(珠美)いらっしゃいませ。
6名様ですね?いえ…。
お父さん。
お父さん!あっ…。
はい。
(4人)6名です。
こちらへどうぞ。
いらっしゃいませ。
こちらメニューです。
またあとでお伺いします。
(おもちゃで遊ぶ音)
(座敷わらしの笑い声)
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