NHKスペシャル 巨大災害 第4集「火山大噴火 迫りくる地球規模の異変」 2014.09.21

8月末から噴火が始まったアイスランドの火山。
大地から真っ赤な溶岩が噴き出します。
世界で相次ぐ火山の噴火。
110の火山が集中する日本列島。
小笠原諸島の西之島では溶岩で島が急速に拡大しています。
今大規模な噴火が懸念されている九州の桜島。
地下に大量のマグマがたまっている事が明らかになりました。
大気と水そして大地が絶えず循環し続ける星地球。
秘められたエネルギーは時として暴走し私たちに襲いかかります。
荒ぶる地球。
私たちはその本当の脅威をまだ知らずにいます。
太古から幾度となく人類を襲ってきた火山大噴火。
人々を翻弄し多くの命を奪ってきました。
今世界の科学者たちは最新の技術で迫りくる巨大噴火の脅威を読み解こうとしています。
更に巨大噴火が地球全体の気候を大きく変える事が分かってきました。
火山の冬と呼ばれる寒冷化で気温が最大10℃も下がるのです。
高度に発達した現代社会を巨大噴火が襲った時何が起きるのか。
人類を待ち受ける火山大噴火の脅威に迫ります。
「巨大災害MEGADISASTER」。
今回のテーマは「火山大噴火」です。
タモリさん火山に興味をお持ちなんですよね。
火山に興味ありますね。
私は生まれも育ちも九州なんですけども阿蘇っていう所ありますよね。
はい熊本の。
あそこ好きで若い時分によく用もないのにブラブラ行ったんですけどもこの地形が火山によって出来たと思うとその計り知れないエネルギーというのはちょっと恐ろしいものがあります。
一たび噴火すると…。
相当甚大な被害を及ぼしますので。
影響大きいですよね。
大きいです。
本当のMEGADISASTERと言えるんじゃないかと思います。
地下のマグマが引き起こす火山の噴火。
世界には1,500もの活火山があります。
次の大噴火はいつどこで起きるのか。
科学者たちは読み解こうとしています。
アメリカ北西部のイエローストーン国立公園。
ここに地球最大規模の火山があります。
地下のマグマの影響で数百か所から熱水が噴き出しています。
この広大な地熱地帯ではかつて何度も巨大噴火が起きています。
最後の噴火が起きたのは64万年前。
火口は直径およそ60km。
東京23区がすっぽり入る大きさです。
火山灰はアメリカ全土の半分近くに積もり1,500km離れた地域でも厚さ3mに達しました。
そのイエローストーンで近年異変が捉えられています。
アメリカ地質調査所のジェイク・ロウアンスターンさん。
地盤の急激な上昇を観測しています。
等高線のように見えるしま模様は地面が隆起している事を示しています。
僅か2年で最大12cmも上昇。
それまで見られなかった急激な変化です。
その範囲は東西80km南北30km。
今も変化は続いています。
イエローストーンの噴火は近づいているのか。
その可能性を探る研究が進められています。
ユタ大学のジェイミー・ファレルさん。
イエローストーンで起きる地震を分析し地下のマグマを捉えようとしています。
地震の揺れ地震波は地下の硬い所で速く伝わり軟らかい所では遅くなります。
多くの地震波を分析する事で硬い所とマグマがある軟らかい所が立体的に浮かび上がります。
最新のデータで明らかになったイエローストーンのマグマの姿です。
東西80km南北40kmの巨大なマグマの塊マグマだまりが見つかりました。
世界で確認されている中で最大の大きさです。
なぜ巨大なマグマだまりが出来たのか。
その理由は地球内部にあります。
地球の内部には中心部に高温の核。
その外側にマントルがあります。
核の近くからホットプルームと呼ばれる高温のマントルがイエローストーンに上がってきています。
ホットプルームは地下60km付近まで上昇。
温度は1,500℃近くに達しています。
この熱が上にある岩石を溶かし大量のマグマを生み出します。
その結果巨大なマグマだまりが出来るのです。
大量のマグマが上昇を始めた時大地は大きく隆起し次々と火口が開きます。
こうして巨大噴火に至ると考えられています。
噴火の兆候はいつ現れるのか。
科学者たちはその変化を見逃すまいと観測を続けています。
ここからは長年火山の研究をしていらっしゃいます東京大学名誉教授そして火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣さんと見ていきます。
よろしくお願いします。
ホットプルームが上がってくる事によって岩石が少し溶かされる。
ホットプルームもマントルの一部なんです。
マントルの中の温かい部分がホットプルームなんですね。
気球が空の上へ上がっていくのと同じなんですけど部分的に温かい部分があると周りより軽いのでそれは浅い所に向かって浮き上がってこれるんですね。
どんどん浮き上がってきて浅い所まで来るとついにマグマが作られる。
日本の火山の場合はこれはどうなんですか?日本はちょっと違うマグマの出来方をするんですね。
日本の活火山をまとめてみました。
日本には全部で110あるんですよね。
日本の国土の広さっていうのは地球全体の0.25%しかないんですけれどもそこに7%の火山が集中しているという事になります。
だからすごい事ですよね。
いかに集まっているかという事ですね。
ちょうどプレートが沈み込む辺りにやっぱり集中してるんですね。
日本の火山の場合には海のプレートが日本列島の下に沈み込む事によって出来るんですがねその沈み込んだプレートというのがマグマを作る最大の要因になるんです。
そのプレートが鍵になってくるという事なんですがその秘密も地下を探る研究から見えてきます。
火山噴火が続く日本。
去年11月に噴火が始まった小笠原諸島の西之島です。
海底から噴き出す溶岩で島は拡大を続けています。
九州南部…3年前に噴火し多くの火山灰を降らせました。
日本に火山が集中しているのは地下の独特な構造に秘密があります。
今科学者たちはその地下の姿を捉え始めています。
東北大学の…中島さんは地震波を使って東北の地下の構造を詳細に分析しました。
下に見える濃い青い部分は地下に沈み込んでいる太平洋プレートです。
プレートの上から赤い部分が地表に向かって延びています。
ここにマグマがあると考えられます。
赤い帯の先には火山が並んでいます。
マグマが出来る場所には共通点があります。
福島県の吾妻山。
赤い部分は地下100km付近から延びています。
岩手山でもやはり地下100km付近から延びていました。
マグマが生まれているのは沈み込んだプレートの上地下100km付近。
周りにはイエローストーンのような高温のホットプルームはありません。
なぜここにマグマが出来るのか。
愛媛大学の井上徹さん。
マグマの発生に水が関わっていると考えています。
実験で地下100km付近の状態を再現しマグマが出来るかどうか調べます。
マントルと同じ成分の岩を粉末にしました。
ここに水を加えます。
水を加えないものも用意し比較します。
地下100kmと同じ条件温度は1,200℃3万気圧の状態に置いてみました。
6時間後。
水を加えなかった方には変化は見られません。
一方水を加えた方は岩の一部がマグマに変化していました。
よく見ますと…ここは岩が溶けてマグマになり固まった部分です。
水が加わる事でなぜマグマが出来るのか。
地下100kmの高温高圧の世界。
ここでは水の分子が活発に動いています。
その激しい動きで岩の分子がバラバラにされます。
これによって岩が溶けマグマになるのです。
日本の地下で水がマグマを生み出す仕組みです。
海底から沈み込むプレートは大量の水を含んでいます。
地下100km付近に達すると高い圧力と温度によって水がしみ出します。
この水がマントルの岩石を溶かしマグマが生まれます。
日本ではプレートの動きによってマグマが作られ火山の下に上昇しているのです。
日本の地下で作られるマグマは毎年11億tに上ると推定されています。
日本で次々と噴火する火山。
プレートが動き続ける限り噴火は続いていくのです。
日本の地下深くはマグマ生成工場みたいになってる訳ですね。
そうですね。
プレートから水が供給される。
その水を使ってマグマが作られている。
通常溶けない温度なのに水がある事によって岩石が溶けてマグマが生成されるという事なんですか?そうなんですね。
水というのは非常に大きな働きをするんですね。
水が高温高圧下であると岩石の中の分子構造をバラバラにする。
それが溶けるという事になる訳ですね。
それでマグマが作られるという事になります。
これ水は地震の時も水がやっぱり影響してるんですけども噴火のしかたにも影響を与えてる訳ですか?日本のような沈み込み帯ではですね水ってものが非常に大きな役割をしててマグマを作る時とそれから噴火が起こる時の爆発的になるのは水があるせいなんですね。
そうなんですか。
日本の火山が比較的爆発的なのは作られる時に水が加わってますからマグマそのものの中に水が入っている訳ですね。
それが今度浅い所までやって来ると水が一気に膨れ上がろうとする。
気体になりますから。
水蒸気になると体積が一挙に1,000倍以上に大きくなりますね。
そのせいで爆発的になる。
火山の被害は本当にいざ起こると甚大なものなんですよ。
一番近い例で言うと島原のね。
雲仙普賢岳。
普賢岳ありましたね火砕流。
火砕流というのは非常に恐ろしい現象なんですね。
温度がものすごく高い岩石とそれから火山灰とそれから熱風ですね。
そういうものがいっしょくたになって山の斜面を駆け下るんですね。
1991年の普賢岳の噴火の時には6月に43名の方が亡くなるか行方不明になったんですね。
噴火の現象の中でも特に危険性の高い火砕流。
研究の進む海外の事例から詳しく見ていきます。
世界で火砕流の脅威に最もさらされている国があります。
インドネシアです。
インドネシアでは日本と同じようにプレートが沈み込んでいます。
130もの活火山が連なる世界屈指の火山の国です。
去年から噴火が相次いでいるスマトラ島のシナブン山。
火砕流が度々発生し今年2月には16人が亡くなりました。
多くの命を奪った火砕流はどのように起きたのか。
火口から噴き出したマグマが高温の溶岩の塊となります。
マグマが上昇する度に溶岩は大きくなっていきます。
そして熱い溶岩が崩れた時火砕流が発生します。
火砕流の中では砕けた溶岩から高温のガスや水蒸気が噴き出します。
温度は500℃以上。
火砕流は膨張しながら斜面を駆け下ります。
赤く見える高温の溶岩。
火砕流の速さは…人は逃げきる事ができません。
シナブン山の火砕流は山頂から5km近く流れ下り大きな被害を及ぼしています。
麓の人々は半年以上にわたって避難生活を強いられています。
火砕流がより広い範囲に及ぶと危惧されている火山があります。
イタリアのナポリ近郊にそびえるベスビオ山です。
火山学者の…火口に変化がないか毎月調査を続けています。
パッパラルドさんが危惧しているのは2,000年近く前に起きた大噴火の再来です。
この時の噴火では噴煙が高さ数万mに達したと考えられています。
噴煙に含まれる高温の岩石や火山灰がその重みで崩れ落ち巨大な火砕流が発生しました。
噴煙柱崩壊型と呼ばれる火砕流です。
火口から5km離れた街。
建物に逃げ込んだ人々が一瞬のうちに命を落としていました。
火砕流は10km先にも達していました。
犠牲者は2,000人以上。
街そのものが消滅したのです。
この火砕流は山頂から全ての方向に流れ被害は広範囲に及んでいました。
シナブン山の火砕流と比べて30倍以上の広さです。
ベスビオ山が再び大噴火するおそれはないのか。
パッパラルドさんたちは火山活動の監視を続けています。
科学者たちが分析した地下のマグマです。
地下5km付近に過去の大噴火に匹敵する大量のマグマがたまっている事が分かりました。
イタリア政府は火砕流のおそれがある範囲を公表しています。
赤色が最も危険性が高いエリアです。
この地域に広がる住宅街。
60万もの人々が暮らしています。
もし今火砕流が襲ったらどうなるのか。
科学者たちの研究に基づいた最新のシミュレーションです。
(噴火音)噴火直後山麓では人の拳大の軽石が降ります。
噴煙は数時間かけて高さ2万mまで到達。
突然噴煙が崩壊し火砕流が発生します。
火砕流は山の全ての方向に広がり時速100kmを超えます。
発生からおよそ5分。
10km離れた住宅街に到達します。
細い路地にも流れ込み辺りを焼き尽くしていきます。
熱風はドアや窓を一瞬で破ります。
火砕流の発生から15分後山からおよそ10kmの範囲は壊滅状態となります。
現代の都市が経験していない大火砕流。
最新の研究によってその脅威が明らかになってきたのです。
う〜ん…この噴煙柱崩壊型火砕流というのは初めて聞いたんですけどもすごいですね。
噴煙柱崩壊型だと山の…噴き上げた噴煙の途中から崩れる訳ですから非常に高い山から火砕流が落ちてくるのと同じですね。
ですからそのために非常に遠くまでひどい速さで走る事になりますね。
この形噴煙柱崩壊型火砕流というのは日本でも起こりうる可能性ってあるんですか?あります。
1977年の有珠山が噴火した時ですねあの時も噴煙柱崩壊型の火砕流が起こるんじゃないかといって心配したんですけれども幸いにして大きなものが起こらなかったですね。
ですから噴煙が何万mも上がるような時にはそういう崩壊型の火砕流が起こる事の方がむしろ普通ですね。
こうなるとやっぱりいつ噴火するのかと。
それが予測できるかどうかというのが問題になってきますけどもどうなんでしょう?いくつかの火山では非常に正確に予測する事ができるんですね。
マグマの動きを捉えていつごろ噴火するかという事を予測する事はできます。
まずはマグマの動きを捉えるという事です。
地下でどういう位置にマグマが来ているのかマグマがどこにたまっているのかという事とそれが動き始めたかどうかですね。
そのポイントとなるマグマの動きを捉える研究が世界で最も進んでいる日本の桜島について見ていきます。
2006年から活発な噴火活動が続いています。
去年8月には噴煙が火口から5,000mの高さまで上がりました。
10km離れた市の中心部でもしばしば大量の火山灰が降り市民の生活に大きな影響が出ています。
大正3年桜島で大噴火が起きました。
国内では過去100年で最大の噴火です。
噴煙の高さは8,000m。
火口からは大量の溶岩が流れ麓の集落をのみ込みました。
地震も発生し58人が亡くなりました。
桜島の火山活動を研究している…再び大噴火が起きるのではないかと危惧しています。
その理由は桜島の周辺で捉えられている地盤の変化です。
大正の大噴火の直後鹿児島湾の北部では地盤が最大で1m近く沈下しました。
地下のマグマだまりからマグマが大量に噴き出したために地盤が沈下したと考えられています。
鹿児島湾の地盤の変化です。
大正大噴火で1m近く沈下した地盤。
その後毎年1cmほどのペースで上昇。
現在は大正大噴火の直前の高さに迫っています。
地下には既に大量のマグマがたまっていると推定されています。
井口さんは地下のマグマを探る調査を6年前から続けています。
3210。
(爆発音)ダイナマイトで人工的な地震を起こしマグマがどこにあるのか詳細に調べてきました。
地震波はマグマなどの軟らかい物質がある所で反射したり曲がったりします。
この性質を利用する事でマグマだまりの位置が分かるのです。
一緒に調査を行った…地震波のデータから地下の様子を分析しました。
初めて明らかになった桜島の地下の構造です。
地下10kmまでの分析結果。
赤く見えているのがマグマがある軟らかい部分です。
地下5km付近に幅1km厚さ10mほどのマグマだまりが見つかりました。
更に地下8km付近にも大きなマグマだまりが確認されました。
幅は少なくとも5km以上あると見られます。
大きなマグマだまりがあるのは鹿児島湾の真下。
大正大噴火で大量のマグマを噴き出した所と考えられます。
火山活動がどういうふうな…大筋でどういうふうにこれから変わっていきそうかというような事を予測する手がかりをつかめるようになるのではないかと考えます。
大噴火を予測する上で注目すべきデータも見つかりました。
それは温度の変化です。
4年前2010年のデータです。
注目したのは深さ5kmのマグマだまり。
前の年と比べて赤くなっていました。
温度が上昇したと見られます。
温度が上がっていた2010年は噴火の回数も増加していました。
地下5kmのマグマだまりには下から高温のマグマが上昇していたと見られます。
大噴火の直前には大量のマグマが上昇して更に大きな変化が現れると考えられるのです。
井口さんたちは迫りくる大噴火に備えて桜島のマグマの動きを探り続けています。
これは最新の技術といいますかそういう観察で分かってきたという事は大きな成果ですね。
そうですね。
地下では次々とマグマがまだたまっている状態。
そういう意味では将来大きな噴火が起こる事も考えておかないといかんでしょうね。
こちらに江戸時代以降の主な噴火をまとめてみました。
横軸が年代。
そして縦軸は噴火によって出た火山灰や溶岩などの量つまり噴火の規模を表しています。
先ほどの100年前の桜島がこれですね。
桜島以降はほとんど起きてないですね。
大規模なものは。
ある意味では異様に静かだという事を意味しているのでこれがいつまで続くかですね。
この静かな時期が。
更に時代を遡ってみますと10万年余り前まで見ていきます。
縦軸の単位も変わりました。
規模で言いますと100倍以上の巨大噴火が繰り返し起きているという事になります。
何と言ってもやっぱり阿蘇だね。
火口行ってみると大きさがすごいですよ。
直径20kmぐらいあるんですよね。
その阿蘇の噴火について詳しく見ていきたいんですが9万年前と同じ規模の噴火をシミュレーションした結果です。
噴火が20時間続いて3日後までに火山灰がどれぐらい広がっていくかを見ていきます。
もう北海道まで行ってますよ。
日本列島ほとんどですよね。
これぐらいです。
あ〜もう全国行ってますね。
3日間でどれぐらい火山灰が積もるかというと大阪では30cm東京5cmそして北海道でも数cmから10cm程度火山灰が積もるという結果になっています。
これだけの厚さの火山灰が降り積もると通常の交通機関はとても使えないですね。
鉄道も動かない。
当然の事ですけど飛行機は絶対に飛べないです。
電線に積もった火山灰のために電線が次々と切れてしまうので大規模な停電が起こるという事になります。
農作物は全部火山灰の中に入ってしまいますから食べるものが無くなってしまうという…。
日本列島全体が…。
日本列島全体です。
ただし地球の長い歴史からするとこれよりもはるかに大きな規模の噴火が起こっているんです。
今科学者たちが考える地球最大規模の噴火。
これが起きたら一体どんな影響が出るのかこちらをご覧下さい。
巨大噴火の可能性が指摘されているアメリカイエローストーン。
科学者たちは噴火の兆候を見逃すまいと監視を続けています。
巨大噴火が起きた時どのような事態が想定されるのか。
その手がかりとなるのが1991年のフィリピンピナツボ山の大噴火です。
噴煙は上空4万mに到達。
20世紀最大の噴火でした。
大量の火山灰が上空を覆い昼間でも夜のように暗くなりました。
1年後宇宙から噴火の影響が確認されました。
上空2万mに現れた青白い層。
ピナツボ山から噴き出した細かい噴出物が漂い続けていたのです。
日光が遮られ地球の平均気温は0.5℃低くなりました。
2年後日本も記録的な冷夏となって米が不作となりました。
噴火が影響していたと見られています。
イエローストーンの噴火の規模は最悪ピナツボ山の100倍以上。
より深刻な事態が懸念されます。
アメリカやヨーロッパの科学者が共同で作成した巨大噴火のシミュレーションです。
膨大な量の火山灰や火山ガスが上空5万m付近まで到達。
風に流されて拡散していきます。
噴出物はおよそ2週間で地球を1周。
長期間にわたって上空にとどまります。
大量の噴出物で日光が遮られ世界中で気温が下がります。
巨大噴火の1年半後地域によっては気温が10℃も低くなると予測されています。
火山の冬と呼ばれる急激な寒冷化が起きるのです。
広い範囲が雪や氷に閉ざされ各地で食糧問題が発生。
地球規模の影響が危惧されています。
このような火山の爆発で劇的に地球上の気候が変化してしまうという事は過去に何度も起こってはいるんですよね。
そうですね。
今から7万4,000年前になりますけれどもインドネシアのスマトラ島でトバという火山で噴火を起こした事があるんですね。
非常に巨大な噴火なんですけどその時には人類が随分少なくなったといわれています。
巨大噴火を防ぎようがないですからね。
確実にこういう大きな噴火は地球上では起こるんですね。
起こる時にはあらかじめその時期を知れるようになりたいと思いますね。
なるべく早く予測ができるようになるのとその少しの平穏の間にいろんな火山性の観光地へ行って楽しむしかないんじゃないですかね。
恩恵の部分もありますね。
温泉もありますしね。
火山噴火というのはいつも連続して噴火している訳じゃなくて多くの場合休んでる期間の方が長いんですね。
それから火山灰というのはしばらくたつとミネラル成分になって作物を育てるのに役に立つんですね。
うまくつきあっていくという事が大事ですね。
本当に安定したいい時期を過ごしてたんですよ我々はね。
日本列島と火山って本当に切り離せない存在ですから噴火に備えて火山の事をよく知っていくって事が一番重要だと思いますね。
それしかないですよね。
噴火が相次いでいるインドネシア。
科学者たちは噴火のメカニズムの解明に挑んでいます。
インドネシアの科学者と20年以上共同研究を続けています。
研究の成果は住民の避難にも役立てられています。
お互いに学び合う事ができるというふうに考えています。
マグマがどのように上昇し噴火に至るのか。
新たな発見がありました。
4,500年前に噴火したアイスランドの火山。
世界で唯一地下のマグマの通り道を観察する事ができます。
かつて1,000℃以上のマグマで満たされていた深さ120mの空間。
マグマは意外にも幅50cmほどの小さな穴を通り抜けていた事が分かりました。
巨大噴火に対する見方を一変させる発見もありました。
3,600年前に巨大噴火が起きたギリシャのサントリーニ島。
火山学者のティム・ドルイットさんは溶岩の分析からマグマの急激な動きを突き止めました。
数千年以上かけて徐々にたまっていくと考えられていた地下のマグマ。
ところが僅か数十年ほどでたまり巨大噴火に至っていました。
静かだった火山の活動が急変し巨大噴火が起きる可能性が浮かび上がってきたのです。
地球の壮大な営みが生み出す火山の大噴火。
私たちはその脅威から逃れる事はできません。
大噴火の兆候を捉えどう命をつないでいくのか。
まだ見ぬ巨大災害に向き合わなければならないのです。
2014/09/21(日) 21:00〜21:50
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル 巨大災害 第4集「火山大噴火 迫りくる地球規模の異変」[字]

繰り返されてきた火山大噴火。地下を探る最新研究からマグマの姿が捉えられ、噴火の謎が急速に解明されている。迫りくる火山大噴火の時代をどう乗り越えるのか。司会タモリ

詳細情報
番組内容
110の活火山が集中する日本列島。鹿児島の桜島では、地下のマグマの解析から大規模噴火のおそれがあることがわかってきた。アメリカのイエローストーンでは、地下深くからホットプルームと呼ばれる高温のマントル物質が上昇、その熱によって生まれた膨大なマグマが、地上に迫っていることが確認されている。現代の私たちが経験していない大噴火は、地球環境や人類にどれほどの影響をもたらすのか。火山の脅威の姿を解き明かす。
出演者
【司会】タモリ,上條倫子,【出演】火山噴火予知連絡会会長…藤井敏嗣,【語り】武内陶子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ニュース/報道 – 報道特番

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