フランス・セーヌ川の河口イギリス海峡に面したノルマンディー地方。
陽光あふれる砂浜。
フランス有数の避暑地です。
この地に古くから多くの画家が魅了されてきました。
特に印象派の画家たちは競うようにその光を描いています。
多彩な表情を見せるノルマンディー。
近代風景画に重要な役割を担いました。
かつてイギリス領だったこの地をイギリスの風景画家ターナーが描いています。
イギリスとの航路が開かれて観光客が次々とこの地を訪れます。
イギリス風景画の画法を学んだイザベイ。
フランス人による近代風景画の始まりです。
茜色に染まる漁村。
印象派に先駆け表現された光です。
ノルマンディーとパリ間の鉄道開通により画家たちもこの地に多く集まりました。
ルイ・ムーランが描いた砂浜です。
当時の男女の姿を記録画家らしい目で描いています。
岸に打ち寄せる荒々しい波。
その力強い筆の運び。
レアリスムの画家クールベが描いた海です。
夕焼けの光に包まれた港。
ノルマンディーを描き続け印象派の先駆者の一人となったブーダン。
モネに屋外での制作を勧めます。
モネはノルマンディーの海岸線に魅せられ幾度も足を運んでいます。
海からの光が印象派モネの絵を育みました。
20世紀に入ると新しい画家たちもこの地を描きます。
どこか奇妙な形の木々。
ヴァロットンが描いたノルマンディーです。
20年にわたってこの地に通い続け幻想的な光景が生まれました。
ノルマンディーに生まれ育ったのがデュフィです。
所狭しと行き交う満艦飾の船。
なんとも楽しげな海の祭りです。
デュフィの浮き立つ心が画面いっぱいに広がります。
最晩年南フランスのアトリエを自ら描いています。
遠く離れ思うのはノルマンディー。
アトリエにはふるさとの風景が残されていました。
生きるものの生命力を表現した展覧会。
ドイツ出身のクリスティアーネ・レーア。
植物を素材に作品をつくり続けています。
注目しているのはその形。
丁寧に組み合わせる事で建築物のような独特な美が現れるといいます。
会場の片隅にある椿。
須田悦弘の新作です。
素材は木。
日本人の理想の花の姿を椿に見いだしどこまでも薄く彫り出します。
染色作家志村ふくみと長女洋子は布に仕立てる前の糸の美しさに魅せられました。
インド茜で染められています。
円山応挙にまつわる展覧会です。
動きだしそうな孔雀。
卓越した応挙の描写力です。
荒れ狂う火事場の炎。
リアリティーに満ちています。
応挙の表現は四条派の祖と言われる呉春に大きな影響を与えました。
広島県のふくやま美術館では安井曾太郎の展覧会が開かれています。
留学先のパリで高い評価を受けた描写力。
帰国後模索の果てにたどりついた表現で快活な人物像を捉えます。
素早く走らせる大胆な筆遣いでその性格までも描ききり人々を圧倒しました。
その後ご覧の会場で開催されます。
京都・野村美術館で大名たちが愛蔵した品々を紹介しています。
足利義政や秀吉が愛用したと伝わる茶入。
将軍家ゆかりの名品です。
2mを超える大きな軸の絵。
広間での茶会で用いられました。
こちらは城の窯で焼いた茶碗。
大名たちの好みがうかがえる品々。
六曲一双の大作。
みずみずしい朝顔。
若妻の緩やかな姿。
明治から昭和にかけて日本画を代表する美人画の第一人者として名をはせた鏑木清方。
その晩年には懐かしい江戸明治の風情を描く事に心を注ぎました。
鏑木清方の画業を一望できる展覧会が開かれています。
幼少より絵心のあった清方は20代で挿絵画家として活躍します。
そして明治を代表する文学者泉鏡花などの信頼を得ます。
一世を風靡した「金色夜叉」。
作者尾崎紅葉からも指名を受けます。
更なる飛躍を思う清方は浮世絵の美の研究を重ね中でも鈴木春信に惹かれます。
その姿を彷彿とさせる絵を描き高い評価を得ます。
そして自分ならではの女性美を模索していきます。
やがて文展でも無審査で通るまでになりました。
清方は美人画を追求する一方更に画業を広めていきます。
その一つが…それは机の上に広げて楽しむ芸術。
文学作品など多くは続きものとして表現されています。
清方芸術の柱となりました。
また子供時代に目にした思い出も清方の大切な絵のモチーフでした。
木陰に涼んだ夏の日。
甘酒売りのあった路地。
しかし清方の周辺から江戸明治の庶民たちのけなげな姿が消えていきます。
克明に記録された懐かしい面影。
清方は美人画の名声とともに自分が過ごした理想郷にも光を当てようとしたのです。
2014/09/21(日) 20:45〜21:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽印象派のふるさとノルマンディー展 ほか[字]
「印象派のふるさと ノルマンディー展−近代風景画のはじまり−」(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 9月6日〜11月9日)ほか、展覧会情報
詳細情報
番組内容
「印象派のふるさと ノルマンディー展−近代風景画のはじまり−」(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 9月6日〜11月9日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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