真相報道 バンキシャ! 2014.09.21

皆さん、こんばんは。
真相報道バンキシャ!です。
さて、回避された独立。
スコットランドは、イギリスにとどまることが決まりました。
世界が注目した、スコットランドの独立問題。
世論調査では一時、独立賛成派が反対派を上回るも、投票結果は独立反対が賛成を上回りました。
結果を受けて、スコットランド、そしてイギリスに変化はあるのか。
なりふり構わない引き止め作戦を展開した、イギリスのキャメロン政権が新たに抱えた火種とは。
木曜日、バンキシャは、東京・六本木のとあるバーへ。
ふるさとのビールが飲めるとあって、多くのスコットランド人が集まっていた。
着ているのは、これ、なんですか?
スコットランドの衣装、キルトです。
まさにこの時間、スコットランドでは、独立を問う住民投票が行われていた。
仕事のために日本に来たというグループは、全員不在者投票を済ませたという。
半々に分かれました。
こちらの観光で来ていたグループは。
意見が分かれてますね。
その中にいたこの夫婦は、夫が反対で、妻は賛成。
意見が違っても、彼のこと、好きよ。
日本時間おととい午後に結果が出た。
結果を受け、最大都市、グラスゴーでは。
興奮した賛成派と反対派の間で、小競り合いが。
地元メディアによると、6人が逮捕されたという。
独立しないよう訴え続けてきたイギリスのキャメロン首相は。
数百万の人と同じく、私もうれしい。
だが、こんな声も。
スコットランドの、基本的には大きな勝利だった印象もあります。
独立を選択しなかったスコットランドが大きな勝利。
その訳とは。
きのう、バンキシャはエディンバラから車で1時間ほど離れた街へ。
訪れたのは小さな蒸留所。
うわっ、すごい。
所狭しと木のたるが並べられています。
そこで造っていたのは、スコッチウイスキー。
スコットランドの主要な産業の一つで、年間およそ7500億円を輸出している。
独立した場合、EU・ヨーロッパ連合に加盟できなければ、スムーズな物流が失われる可能性がある。
業界内では不安視されていた。
独立はリスクが高く、反対だった。
何も変わってほしくない。
このままがいいよ。
注目された住民投票。
結果は賛成およそ45%、反対およそ55%となり、独立は回避された。
独立賛成派を率いてきた自治政府のサモンド首相。
悔しさをにじませた敗北宣言になるかと思われたが。
民主的プロセスと、政治参加という点で、大勝利です。
なぜ敗北したサモンド首相が、大勝利と語ったのか。
実は、投票直前になり、キャメロン首相は独立を食い止めようと、スコットランドにある約束をしたのだ。
ノーを選択した場合、主要な権限がスコットランド議会に新たに与えられる。
それは、税金、年金制度や福祉予算に関することです。
これはスコットランドの新聞に掲載されている、キャメロン首相らによる誓約書。
イギリスにとどまれば、医療サービスの予算や、税金の徴収などについて、スコットランド議会に、さらにけんげんを与えるというものだ。
キャメロン首相のなりふり構わぬ懐柔策だった。
EUの政治経済に詳しい専門家は。
大幅な財政移転の拡大、権限の譲渡というのが期待されますので、独立しようがしまいが、スコットランドの基本的には、大きな勝利だった印象すらあります。
キャメロン首相の約束について、独立賛成派は。
うそだと思うよ。
そんなことは起きないと思う。
まあ、見てみるしかないけど。
彼の約束は、漠然としすぎていると思います。
さらに、身内である政権与党の一部からもキャメロン首相への批判の声が。
投票を認めた見通しの甘さに加え、投票日直前まで対応に追われたことも追及されている。
EU全般に詳しい専門家は。
今のところ口約束なので、実際にキャメロンとの交渉で、何が得られるのかはまだ未知数だということですね。
キャメロンが約束したことが、着実に実行されて、かつスコットランドの人々が、それを受け入れられる範囲のものであるかどうかということになると思いますね。
さらに、別の専門家は。
同じ立場にあるスコットランド、それから北アイルランド、ウェールズ、これらの人々はそろって今以上の権限移譲、3つの地域においても、より多くの利益を還元するようにという動きに出ることが考えられます。
イングランドはある意味、逆差別ではないかと。
もっとイングランド自体の利益も守ってくれというような要求を突きつける、突き上げるという可能性があると思います。
ではここでこよいのご意見番をご紹介いたします。
まずはバンキシャ初登場、弁護士で元財務官僚の山口真由さんです。
こんばんは。
よろしくお願いします。
そして、作家の石田衣良さんです。
よろしくお願い申し上げます。
よろしくお願いします。
さて、今回のスコットランドをきっかけに、独立を求める機運は、広がりを見せています。
同じヨーロッパのスペインでは、北東部のカタルーニャ州で19日、独立の是非を問う住民投票の実施に関する法案が州議会で可決されました。
ことし11月9日に、住民投票を行うとしていますが、中央政府は、憲法違反として反対しており、実現するかどうかはまだ不透明です。
投票の直前には、独立はお試しの別居ではなく、痛みを伴う離婚だというふうに、キャメロン首相は訴えておりましたが、今回のこの住民投票、石田さんはどうご覧になりましたか?
これね、日本のことわざでありますよね、負けるが勝ちって。
イギリスでも全く同じでしたね。
スコットランドの人たちは、これから、ゆっくりごねてごねて、ネゴシエーションで、自分の実益をとっていけばいいんじゃないですか。
あともう一つね、これ16歳から投票できましたよね。
自分のふるさとと国の関係とか、自分の住んでる地域が、世界の中でどうやって生きていくのかということを、16歳で真剣に考えられたっていうのは、すごくいい経験ができたんじゃないですかね、若者が。
山口さんは、どのあたりに注目されましたか?
私、今回初めてイギリスっていうのは、ユナイテッド・キングダムなんだって思ったんですね。
ずっとイギリスイコールイングランドって、私、習って、そういうふうに思ってきたんですけれども、スコットランドもあれば、ウェールズも北アイルランドもあるんだって、そういう存在意義を示せたっていうのは、やっぱりスコットランドにとっては大きな勝利だったんでしょうね。
確かにね、あのユニオンジャックっていう国旗もね、各地域の旗が組み合わさって、出来たんだっていうことも改めて知ったという方も多かったかもしれませんね。
さあ、それでは続けてまいりましょう。
水曜日、東京・世田谷区の路上で、幼い命が奪われました。
友達と下校中、突っ込んできた軽トラックと電柱の間に挟まれ、小学3年生の少女が死亡しました。
現場の道路は、通学路となっていた一方で、いわゆる抜け道として利用されていました。
通学路や生活道路に入り込む車。
事故はどうしたら減らせるのでしょうか。
水曜日、東京・世田谷区の事故現場から運び出される軽トラック。
前方部分は大きくへこみ、その衝撃の強さがうかがえる。
事故が起きたのは、午後1時30分ごろ、小学校から3人の女の子が下校中、軽トラックが突っ込んできたという。
縁石に乗り上げ、電柱の手前に止まる軽トラック。
被害に遭った女の子3人は、路側帯を歩き、電柱付近を歩いていたところで突然、軽トラックが突っ込み、1人が電柱との間に挟まれた。
救助を手伝った人は。
挟まれた、完全に挟まれてた。
車が全然動かないから、みんなが動かせ!とやってる。
それで私も慌てて降りていって、後ろから引っ張るのを手伝った。
翌日、病院で亡くなったのは、小学3年生の遠藤愛依菜さん9歳。
人見知りなんだけど、仲よくなると活発で、駅でお母さんと愛依菜ちゃんに会って、気付いて手を振ってくれて。
愛依菜さんと一緒に事故に遭った女の子の祖母は。
うちの孫と仲よくしていただいてね、いろいろありがとうっていう気持ちで。
孫も、もうね、言えないんですよ、きょうは言ってません。
軽トラックを運転していたのは、松村肇容疑者61歳。
大変なことをしてしまったと話しているという。
安全でなければならない通学路で起きた悲惨な事故。
現場はどんな場所なのか。
同じ時間帯を定点カメラで撮影すると。
下校する子どもたち。
すれ違うため、路側帯にはみ出る車。
さらには、道路が車で埋め尽くされるほどの状態も。
午後1時半から2時半までの1時間だけでも、およそ150台が通過した。
なぜこれほど交通量が多いのか。
渋谷なんかに出る、ちょうど抜け道になってるんで。
狭いです。
とても狭いです。
うわ、危ない。
東京・世田谷区で起きた小学校3年生の女の子が下校中、突っ込んだ軽トラックと電柱に挟まれ死亡した事故。
現場は住宅密集地を通る狭い道だが、時には、道路が車で埋め尽くされるほどの状態にもなる。
なぜこの道路は混雑するのか。
新宿とか、渋谷なんかに出る、ちょうど抜け道になってるんで。
事故現場は、幹線道路に囲まれている。
信号もなく、混雑を避けるための抜け道になっている。
警視庁によると、松村容疑者は配送の仕事で、週に3、4回、この道を使っていたという。
事故当時は新宿駅の近くに荷物を届ける途中だった。
松村容疑者も抜け道に使っていた可能性が高い。
幹線道路からの入り口では。
あっ、今、抜け道にトラックが入ってきました。
続々と車が入っていきます。
事故現場の近くに住む人は。
子どもがいても、結構今の運転手の方って、がんがん飛ばすんですよね。
すれすれですね。
大きい車だとなかなかすれ違えないほどの道幅です。
白線と白線の間、いわゆる車道は3.2メートルと、かなり狭い。
車がすれ違う際は、路側帯にはみ出るため、歩行者は危険にさらされている。
交通事故の専門家は。
非常に怖い。
考えようによっては、環境が事故を作ってるというふうにも、正直、言えてしまうのかなと。
車がすれ違いできる一方通行ではないっていうのは、ちょっと見直しが必要な所なのかもしれない。
では、道幅の狭い通学路のある地域は、どうやって子どもたちの安全を守っているのか。
バンキシャが向かったのは、神奈川県逗子市。
逗子警察署で見せてくれたのは、分厚い紙の束。
中身はおよそ5500人分の署名。
警察署長宛てに、交通規制の要望に対する賛同者の署名簿ということで、お預かりいたしました。
子どもたちの安全を祈る人たちの思いが、行政を動かしたのだという。
こちらの道路は、朝の7時半から8時半までは、進入禁止となっています。
抜け道としても使われていたこちらの通学路は、子どもたちの登校時間である1時間、相互通行だった道路を一方通行に。
さらに、学校周辺区間の制限速度を60キロから30キロに抑えた。
独自に交通量を調査し、署名活動も行った先生は。
雨の日は、ほとんど傘を差して歩けないような状態が続いていたんですけども。
これが、そのときの写真。
車どうしがすれ違うたびに、子どもたちは前に進めず、立ち止まるしかない危険な状況。
一方通行にしたことで、改善されたという。
この道路沿いの方には、多少の不便を感じながらも、子どもたちのためにということで。
これまで、人身事故は起きていない。
さらに車の通行を減らす、最新の取り組みが新潟市にあった。
この商店街には、正午になるとあるものが出現するという。
12時になりました。
地面からポールが出てきました。
商店街の入り口に突然現れたのは、昇降式の車止め、ライジングボラード。
進入禁止の時間帯になると、自動で上がり、車の進入を物理的に阻む。
お昼の12時から翌朝の8時までが、ボラードが上がった状態になっています。
これはライジングボラード設置前の様子。
進入禁止の道に、次々と車が入ってきていた。
設置後の効果はというと。
1週間で119台の誤進入があったんですが、設置後、また調査をしたところ、2台に減っている。
商店街の常連は。
車がないことは、それはいいね。
ね?
ライジングボラード導入に関わった、都市交通計画を研究する久保田教授は今回、世田谷で起きた事故現場の道路について。
子どもの安全というものを第一に考えたときに、その地域全体で、どういう交通規制がいいのかということを、ぜひ改めて考え直していただけたらというふうに私は思います。
現場付近の道路は、朝の登校時、スクールゾーンを通行止めにする安全対策を行い、車の通りは少なかった。
しかし、午後の下校時には通行止めはなく、いつもの抜け道状態だったという。
朝の登校時に、特定の道路を通行止めにするというのは、もう日本中で行われているんですけれども、下校時に交通規制が行われているっていう所は非常に少ないんですよね。
何時から何時を規制するべきかっていうのは、非常に長時間になってしまいまして、地域への影響が大きいということで、日本の将来を考えたときに、絶対私は必要な施策だと思います。
子どもたちが通う危ない通学路。
その安全をどうすれば確保できるのか。
地域全体の協力と、急ぎ過ぎない一人一人の心がけにかかっている。
生活道路を通る歩行者を事故から守るため、こういった対策を行っている所があります。
まずはこちらですね。
道路に大きなくぼみが出来ているように見えますよね。
さらには、丁字路のマークが立体的に見えます。
そしてこちらは、山型の障害物があるように見えたり、道幅が狭く見えるものもあります。
いずれも目の錯覚を利用したペイントで、スピードを出しにくくする効果があるようです。
実際はふつうの道路なんですね。
そうなんですよね。
道路を広げて、安全な歩道を造るには、お金も時間もかかるわけなんですが、こういった工夫しだいで、現状を改めるっていう方法は、山口さん、まだまだありそうですね、これね。
そうですね、私たちがどういう社会を作っていきたいかっていうことですよね。
交通事故、最近、小学生の列に突っ込むみたいな悲惨な事故は増えているような気がしますよね。
そういう意味では法律家は、どんどん加害者を罰するという方向にいって、飲酒とか薬については、非常に厳しくしました。
それでも不注意の事故はなくならないっていうときに、やっぱり物を早く運ぶっていう経済上の要請はあるでしょうけれども、そこはやっぱり、人が歩く道っていうのと、車が通る道っていうのを分けるような行政の取り組みっていうのが、もっと求められると思いますね。
専門家の話でも、環境が事故を引き起こすなんてワードありましたけどね、考え方自体を改めなければいけない時代かもしれませんね。
そして石田さん、学校近くのスクールゾーンって、やっぱり、午後の下校時間に設定するのは難しそうですね、これね。
それはもちろんそうなんですけど、この問題、べつにかんたんじゃないですか要するに交通の便を取るか、子どもの安全を取るかでしょ。
そうしたら少子化の時代だったら、子どもを取るしかないっていう結論は見えているので、さっきの事故が起きた道路なんかは、対面通行が無理ですよね、ほとんど。
なので、一方通行にして、時間で規制をかけるっていうのは、ちゃんとやるべきじゃないですかね。
そうでしょうね。
あと抜け道を、ベテランドライバーの人ほどびゅんびゅん飛ばしますけど、ぜひ徐行してほしいですね。
うち、目黒なんですけど、目黒のそばでもぜひお願いしたいですね。
そうですよね。
また運転手さんは、自分は抜け道知ってる、すごいんだぞというところを、ちょっとこう、見せたい部分があるのかもしれませんね。
それで得をするのが3分とか4分ですからね、そんなに変わらないもんなんですよ。
そんな新しい時代を迎えてしまったのかもしれません。
さあ、続いてはこちらです。
あさって、ニューヨークの国連本部では、地球の温暖化対策などを話し合う、気候変動サミットが開催されます。
日本から安倍総理も演説に立つなど、各国の首脳たちが一堂に会します。
そんな中、今、環境先進国として注目を浴びているのが、中米の国、コスタリカです。
バンキシャは多様かつ貴重な命を育む、豊かな大自然を目撃。
そして世界で初めての実現を目指す、環境保護へのチャレンジとは?
今月8日、バンキシャは中米の国、コスタリカへ。
世界から注目される、エコ先進国だという。
九州と四国を合わせたほどの国土に、およそ480万人が暮らしている。
山間部へ向かうと。
地面からたくさんの水蒸気が湧いています。
火山の熱で湧き出る温泉。
さらに、生息する動植物の種類は、世界でも指折りの豊富さだ。
その豊かな自然を求め、年間250万人近くの観光客が訪れる。
実はこの国の森の多くは、再生されたもの。
30年前は、乱開発で伐採され、危機的な状況だった。
よみがえった森と生き物の魅力とは。
まさに擬態ですよ。
そして国を挙げて目指す、究極のエコの取り組みとは。
水、黄色いですね。
首都サンホセから車で4時間、向かったのは、標高1500メートルにある森林地帯、モンテベルデ。
森の中にたたずむ一軒の家を訪ねた。
こんにちは。
出会ったのは、日本人の昆虫学者、西田賢司さん42歳。
これ、すごいですね。
部屋に入ると、大量のビニール袋がつるされていた。
これは今、飼育している昆虫たちですね。
16年前にコスタリカにやって来た西田さん。
この森で暮らし、昆虫の研究を続けている。
袋の中身を見せてもらうと。
こっちはちょっとカラフルなんですけれども。
これもナナフシで、これ、羽が生えてる。
これも新種ですね。
西田さんがコスタリカで発見した昆虫などの新種は1000以上。
コスタリカの大学のみならず、世界各国から調査を依頼され、国際的に高い評価を受けている。
面積では世界の僅か0.03%の狭い国土に、地球上の動植物の5%もの種類が生息するコスタリカは、世界屈指の自然の宝庫。
森を案内してもらった。
うっそうと茂る木々。
熱帯特有の色鮮やかな植物が目立つ。
木の上でくつろぐのは、ハナグマ。
周りを取り囲むように、ハナグマの群れがいます。
わあ、いっぱい。
こちらは、空飛ぶ宝石といわれるハチドリの一種。
体長は8センチほど。
小さいですね。
さらに森を進むと、さまざまな生き物の姿も。
木の枝の下、茶色い木の葉のように見えるのは。
チョウが、ザザザザザとここに固まっているんです。
ジャノメチョウの仲間で。
昼間は固まってて、鳥から逃げているんです。
しばらくすると。
すごい、たくさんのチョウが。
そして、水辺には、タランチュラオオクマバチの一種。
大きいもので5センチ以上にもなり、タランチュラと呼ばれるクモをも襲うため、タランチュラホークと呼ばれている。
ここにも、実は昆虫が。
さて一体どこに?
これが胴体で、触覚がここまできてますよね。
まさに擬態ですよね。
これはなんですか?これ。
これはキリギリスの一種ですね。
キリギリスの一種の幼虫が、天敵から身を守るため、カムフラージュしていた。
手に載せても動かない。
もっと大きくなりますから。
さらに、枯葉に擬態したのは、フタオチョウの仲間の幼虫。
研究を続け、新種の昆虫などを見つけることができるのも、多様な自然が維持されているからこそだという。
水の豊かさと、太陽エネルギーと、土というか、これまで生きてきた生物が、森を育んでるわけなんで。
現在、国土のおよそ50%が豊かな森林で覆われているコスタリカ。
実はこの多くは、再生された森なのだ。
もともと主な産業は、コーヒー生産などの農業。
しかし農地開拓などのため、木が伐採され、30年ほど前には、森林は国土の僅か20%台まで減少したという。
1990年代、壊滅的な状況に危機感を募らせた当時の大統領らが中心となり、森林を宅地や農地に転用することを厳しく禁じたのだ。
産業を犠牲にしてまで、なぜ保護に踏み切ったのか。
ソリス大統領が、バンキシャの取材に応じた。
現在、観光がわが国の経済の源となっているのです。
自然を生かした観光を主な産業にし、発展させるねらいがあったという。
さらに、国を挙げての大きな目標も背景にある。
独立200年となる、2021年までに、カーボンニュートラルにすることです。
カーボンニュートラルとは、経済活動などを通じて排出される温室効果ガスの量と、植林によって吸収されたり、クリーンエネルギー事業で抑制されたりする二酸化炭素などの量を同じにする、いわば究極のエコ。
これまで世界で達成した国はない。
これは大きな挑戦、巨大な挑戦だ。
この分野で、コスタリカは世界の模範となることができるのです。
コスタリカでの発電のほとんどは、再生可能エネルギー。
水力、地熱、風力などでおよそ90%を占めている。
原発は持たず、環境に負担が大きい火力は最小限にした。
コスタリカ北部の火山のふもと。
ところどころにパイプが通っている敷地。
そこには、地熱発電のための設備がある。
発電所は景観に配慮し、目立たないようにしているという。
パイプには、地下から取り出された熱い水蒸気が通っています。
景観に配慮して、周辺にはたくさんの木が植えられたため、パイプはまるで森の中に消えていく感じがします。
かつては牧草地だった敷地。
ここに、63万本もの木を植樹し、発電所を取り囲む広大な森が生まれた。
また国内では、至る所で植樹活動が。
実は自然は利益を生むのだ。
1996年に制定された法律により、森林の所有者には、1ヘクタール当たり日本円で年間平均7000円が国から支払われている。
このような優遇政策に、国民が賛同し、大きな効果が生まれている。
自然を求めて観光客が増え、観光での外貨収入はこの10年で2倍になったという。
保護地域を増やすことで、観光客が来るようになるのは、とても重要なことです。
観光客が来ることがまた、保護政策に大きな影響を与えています。
環境保護への意識は、国民にも深く根づいている。
巨大なチューブのようなものがありますね。
ここは、サンホセ郊外にある牧場。
巨大なチューブは何なのか。
このチューブの中で、メタンガスを抽出するのです。
これは牛のふんを使って発電する装置。
ふんをもとにして作った液体をチューブで発酵。
メタンガスを発生させ、発電機のエネルギーにする仕組みだ。
乳搾りの機械などを動かすのに使い、月2万円分ほどの電気をこの装置で賄っているという。
さらに残りかすは、肥料にして販売。
液体は牧草の水やりに再利用される。
まかれている水、黄色いですね。
牛のふんはガスを発生し、地球の温暖化につながるため、汚染をできるかぎり抑えようと考えたのです。
一方で代償も。
再生可能エネルギーを追求した結果、電気代の負担が大きくなった。
農村部の月収は日本円でおよそ9万3000円だが、家計に占める電気代は5000円以上にもなるという。
とても高いので、なるべく家にいないようにして、電気を使わないようにしています。
再生可能エネルギーは、地球にとってメリットがあると思うし、すばらしいプロジェクトだと思うよ。
将来的には電気代も安くなったらいいね。
究極のエコを目指すコスタリカ。
エコ先進国として世界をリードするコスタリカについて、ご覧いただきました。
コスタリカは、エコツーリズムを売りに、観光客の数を伸ばし続けています。
こちらは最新のデータ、去年のデータなんですが、観光客はおよそ8年前に比べて1.5倍に増加しているんです。
外貨収入のうち、およそ2割を、観光が占めています。
そんなコスタリカも近年、世界的な異常気象の影響を受けていて、大規模な干ばつで、水力発電に支障が出ているそうです。
ソリス大統領は、国連の気候変動サミットで演説に立ち、世界の国々に、温暖化防止のための行動を、早急に取るよう呼びかけるそうです。
コスタリカがすばらしい国だってことが、お分かりいただけたかと思いますが、もちろん、産業の規模や気候など、条件が違うので、そのまま日本に当てはめるわけにはいかないという実状はあります。
ただ現地では、この日本の技術が、数多く用いられているということなんですよ、石田さん、いかがですか?
ですから、日本の技術も世界中でこういうふうに使われてますから、逆に次はもっと日本が、自分たち自身に、これからどうするかを考えないといけないですね。
アベノミクスでこれから公共事業にものすごい予算をまきますけど、さっきのコスタリカの木を植えると、7000円ですか、もらえる?あれを一回みんなでやってみて、みんなで木、植えたらどうですかね。
そうやって森林が再生すれば、観光客が増えて、外貨獲得となって、つまり自然がお金になるんだっていう意識が徹底してますよね。
そうなんです、ですから、自然は豊かで楽しくてかっこいいっていうふうになる、そういう新しい価値観をみんなで作ろうっていうのがいいんじゃないですかね。
そうかもしれませんね。
山口さんはこのコスタリカの取り組み、どのようにご覧になりましたか?
気候変動とかってよく国どうしで枠組み、作るじゃないですか。
京都議定書みたいな。
でも、国どうしの枠組みって、やっぱりうまくいかなくって、やれって言われてもやらない、だから個人がどうやってこれを取り入れるのかって、例えばセレブがプリウスに乗るから、エコはかっこいいみたいなスタイルを作っていくというのがあると思うんですね。
だから、日本がこれから輸出していくとしたら、ビジネスとスタイルを一緒に輸出して、エコはかっこいいみたいなのを、世界に輸出していけるといいと思うんですよね。
そういったイメージを作るっていうことですよね。
そしてこの日本の技術が、このカーボンニュートラルに、大いに貢献しているっていうのは、例えば日本がそういった環境下でリーダーになるチャンスがあるということですよね。
そう、ものだけじゃなくて、それに対する価値観と哲学、スタイルも一緒に輸出していくっていうのが、これからの日本のビジネスのやりかたかなと思いますね。
そうでしょうね。
コスタリカ、昆虫の好きな人には、たまらない国なんだということが、お分かりいただけたかと。
虫嫌いな人にもたまらないでしょうね。
続いては上田さんのニュースコーナーです。
お伝えします。
サッカーのドイツ1部リーグで、日本人選手によるシンジ対決が実現。
ゴールも生まれました。
岡崎慎司選手が所属するマインツ対香川真司選手擁するドルトムントの一戦。
香川選手は前半14分、ドリブルで持ち上がると右へ展開。
何度かチャンスを作りますが、得点にはつながず、後半で途中交代となります。
一方、岡崎選手は後半21分、味方の折り返しに合わせ、貴重な先制ゴール。
2試合連続ゴールで、暫定ながら得点ランキング単独トップとなる今シーズン4ゴール目を挙げた岡崎選手。
香川選手との対決を制し、勝利に貢献しました。
日本維新の会と結いの党が合流する新党、維新の党はきょう、結党大会を開きました。
今後、政権交代可能な野党の結集を目指すとしています。
維新の党所属の国会議員は、現在、衆参合わせて52人で、野党第2党となります。
初代代表に、日本維新の会の橋下徹氏と、結いの党の江田憲司氏の2人、幹事長に日本維新の会の松井一郎氏、政調会長には結いの党の柿沢未途氏が就任しました。
維新の党は綱領に、保守対リベラルを超えて、改革勢力を結集すると盛り込んでいます。
橋下代表は、野党の再編に向けた意気込みを語りました。
自民党、公明党に対抗できうる野党をしっかり作っていく、これこそ、国のため、また国民のための大仕事だと。
しかし今後、民主党などほかの野党を巻き込めるかどうかは依然、不透明です。
また、新党結成に向けて、意見の対立が表面化するなど、不安を抱えたままの船出となりま
沖縄に接近中の台風16号は、現在、台湾付近をゆっくりと北上しており、南部は暴風雨に見舞われています。
地元メディアによりますと、台湾南部では、強い風が吹き、多い所で24時間に790ミリの激しい雨が降りました。
また、大雨による視界不良で、車の衝突事故も発生し、乗っていた3人が病院に運ばれましたが、死亡したということです。
2014/09/21(日) 18:00〜18:55
読売テレビ1
真相報道 バンキシャ![字]

今週のバンキシャ!は…