ちびまる子ちゃん 2014.09.21

(まる子)ねえたまちゃん。
秋ってホント食欲出るね。
あたし昨日なんてご飯3杯食べたよ。
(たまえ)えっ!3杯も?しかもおかずはチーチキンにしょうゆ掛けただけのやつであれがあると他のおかずはいらないね。
他のは残したよ。
3杯食べるとさすがにおなかいっぱいになるね。
そりゃいっぱいにならなきゃね。
あたしの秋は食欲まっしぐらだよ。
私は読書の秋って感じだよ。
毎日寝る前に読んでるんだ。
今は『若草物語』を読んでるの。
あんた偉いねぇ。
秋という季節を知的に過ごしてるね。
あたしとは違うね。
まるちゃんも知的に過ごしてみたらどう?
(長山)そうだよ。
さくらは本格的に絵を描いてみればどうかな?芸術の秋なんだから。
いいねぇ。
長山君は何か芸術的なことやってるの?僕はこの前親戚のおじさんから油絵セットをもらったんだ。
おじさんのお古だけどね。
油絵?油で絵を描くの?ゴマの油とかガマの油で?
(たまえ)《まるちゃん違うよ》絵の具に油が入ってるんだ。
普通の絵の具よりベタベタしてるんだよ。
へぇ〜。
まるちゃん。
ほら花輪君んちにたくさん飾ってあったでしょ。
あ〜。
あの家はいっぱい絵があったね。
あれはほとんど油絵だと思うよ。
あたしあの家の絵の中で1枚だけ好きなのがあるんだよ。
何て人の絵だったかなぁ。
どういう絵?景色?う〜んとね青い顔した人が飛んでいたり動物がひっくり返ってたり。
それホントにいい絵なの?青い顔の人が飛んで動物がひっくり返ってる絵か…。
あっ。
ちょっと思い出した。
ジャガイモみたいな名前の人だよ。
えっジャガイモ!?
(花輪)ヘーイベイビー。
それはシャガールの絵のことじゃないかい?シャガール?そうそれ!さすが持ち主はよく分かってるね。
さくら君にシャガールの良さが分かるなんて意外だな。
君わりと芸術的センスがあるんじゃないかな。
ホント!?こんなドジでおっちょこちょいのあたしにも芸術的センスがあるの?芸術的センスにドジやおっちょこちょいは関係ないからね。
大切なのは磨かれた感性だけさ。
じゃあ。
磨かれた感性。
磨かれた感性を持つためにはいい作品をたくさん見ることだね。
あんな遠くからアドバイスを…。
でもいい作品をたくさん見るっていったってどうすりゃいいんだろ。
美術館も遠いしさ。
取りあえず図書室の美術の本を借りたらどうかな。
図書室の本。
それはいいね。
色々あるね。
(たまえ・まる子)フフフ。
シャガールって人のをちょっと見てみよう。
ほら。
青い顔の人が飛んでるでしょ。
えっ?ホントだ!動物もひっくり返ってるね。
奇麗な色だね。
シャガールって人の心の中では人も動物も町もみんなこんなふうに見えてるのかな。
ねえたまちゃん。
すごいと思わない?《まるちゃん。
私はさっきまるちゃんの説明を聞いたとき…》《青い顔の人が飛んできたり動物がひっくり返ってたりそんでジャガイモみたいな名前》《ひどく誤解していたよ》《まるちゃんがまた何か勘違いしてるんじゃないかって》《青い顔した人が飛んでて動物がひっくり返ってて》《それでも素晴らしいね》《その上ジャガイモって言った気持ちも分かるよ》次はピカソって人のを見よう。
うん。
見よう見よう。
(たまえ・まる子)フフ。
何かものすごいね。
うん。
これ本気で描いてるのかなぁ。
(田口)《んっ?》《うん。
俺もそう思う》どういう了見でこんなふうに描いちゃったんだろう。
そりゃピカソって人に聞いてみないことにはねぇ。
(田口)《そのとおり》こう言っちゃピカソに悪いけどどう考えてもうちのおじいちゃんの方がうまい気がするね。
うん。
うまいかもね。
何でこの人が有名なのか先生に聞いてみよう。
(たまえ)うん。
(田口)あっ。
先生。
(戸川)何ですか?さくらさん。
穂波さん。
先生何でピカソって有名なの?今図書室で本を見たんだけどこんな変な絵なのに何でピカソは有名になったのかなと思って。
先生も詳しいことは分かりませんがピカソの素晴らしいことの一つとして新しい発想で絵を描いたことが挙げられると思います。
それまで誰も思い付かなかったような物の見方をピカソは発見したのだと思いますよ。
そうか。
新しい発想ってすごいことだもんね。
世界中の人たちがびっくりしただろうね。

(足音)
(田口)《あっ。
あの2人が帰ってきたぞ》《ピカソの謎は分かったのだろうか》言われてみればピカソって人すごいよね。
新しい発想で人の顔をこんなふうに描くなんて。
普通じゃ考えられないよね。
(田口)《ほほう。
新しい発想か》見たものをそのまま上手に描くことより違うことを見つけたんだね。
うん。
(田口)《なるほどねぇ。
そうか》たまちゃん。
帰ろうか。
うん。
(田口)《ありがとう。
そこの見ず知らずの下級生たち》《勉強になったよ》
(黒木)よう田口。
何読んでんだよ。
(田口)あっ黒木。
お前さピカソが何で素晴らしいかって分かるか?そんなこと知るかよ!アハハハ。
おじいちゃんの絵はうまいけれど新しくないね。
(友蔵)えっ…。
(友蔵)わしの絵駄目?駄目じゃないけど新しい発想がないからつまらないね。
《それは本当ですか》《「つまらない」とあなたは言うのですか》《私は年老いた体でいったいどうすればいいというのでしょう》おじいちゃんピカソって知ってる?ピカソは誰も描いたことがないような絵を思い付いた人だよ。
すごいのう。
わしゃ年だし才能ないし…。
諦めちゃ駄目!一緒に描いてみようよ。
この家で一番絵心があるのはおじいちゃんなんだから。
お母さん。
ちょっとモデルになってくんない?
(すみれ)えっ?はいはい。
そのまま働いてていいからさ。
じゃ早速描こう。
よし。
描こう。
《働くお母さんを新しい発想で》《描く》《描く》《描く!》《描く!》できた!わしも!おじいちゃん。
いつもの絵と同じじゃん。
新しい発想がないねぇ。
う〜ん…そうじゃのう。
その点まる子のは何となく新しい感じじゃのう。
でしょ?まる子のは新しい発想だよ。
お母さんをまんじゅうのイメージにしたんだから。
まんじゅう!?それは新しい発想じゃ。
ヘッ。
おじいちゃんもよく見てごらん。
ほら。
あの人はお母さんじゃなくて働くおまんじゅうだよ。
はっ!《わしは描く》《新しい発想で描く!》おじいちゃん。
新しいじゃんこれ!やったね!そうかい?栗まんじゅうのイメージにしてみたんじゃよ。
この頭の所が栗まんじゅうの茶色い所で目や鼻はごまのつもりじゃ。
すごいよ抜群だ!次は何を描こう。
そうじゃのう。
置物はどうじゃ?これ何?どうしてうちにあるの?5年前に熱海に行った友達がくれたんじゃ。
熱海のお土産か。
それなら熱海のイメージで描こう。
後ろの所に「友情」っていう文字も書いてあるから友情のイメージも入れたらどうじゃ?じゃあ「熱海の友情」っていうタイトルにしようよ。
おお!そりゃこの置物にぴったりじゃ。
できた!わしも!
(友蔵・まる子)フフ。
おじいちゃん。
旅館まで描いてあるところがいいねぇ。
まる子は温度計を持たせているのう。
見事じゃ。
ちゃんとこの置物に基づいた上で新しい発想をしておる。
おじいちゃん。
あたしたちも芸術家になれるかもよ。
うん。
その可能性がなきにしもあらずじゃ。
留学もしなきゃならんかもな。
英会話を習わなきゃ。
ベレー帽も買わなきゃならんよ。
あ〜わくわくしたらおなかすいてきちゃったね。
そうじゃな。
少し早いが夕飯を食べよう。
お母さん。
ご飯ちょうだい。
ちょうだい。
え〜?まだおかずできてないよ。
もう少し待ってちょうだいな。
あ〜おかずなんてチーチキンにしょうゆ掛けたやつでいいよ。
もう待ちきれないよ。
待ちきれないよもう。
じゃ茶の間に持ってきて〜。
きて〜。
ハァしょうがないわねぇ。
あ〜またご飯3杯も食べちゃったよ。
チーチキンのしょうゆ掛けは実力があるねぇ。
おじいちゃん。
芸術の秋もいいけど食欲の秋だね。
そうじゃのう。
食欲の秋も捨て難いのう。
はい。
食後のおやつにおまんじゅうもらったから。
あっ!まんじゅう?しかも栗まんじゅうとな。
(まる子・友蔵)ああ…。
さすがだね。
さすがお母さん!見事じゃ。
イメージどおりのお母さんじゃ。
あらやだ。
そんなに感激してもらうと何か照れるね。
たまたま高丸さんのおばさんに頂いただけなのに。
さあどうぞ。
お茶持ってくるから。
足元に転がるスケッチブックに自分の栗まんじゅう姿が描かれているとは知らず栗まんじゅうを勧める気の毒な母であった
どのフルーツをキャッチするか当ててね。
よっ!ほっ!フフフ。
正解はリンゴ。
当たったかな?
(高丸)こんにちは。
(高丸)これ少しですが皆さんでどうぞ。
丹波の黒豆なんですけど結構おいしいの。
まあ。
いつもすみません。
おじいちゃん。
高丸さんに黒豆をもらったようだよ。
ほほう黒豆か。
そりゃいいや。
ちょうど甘いものが欲しいと思ってたんだよね。
そうなんじゃよ。
今こそ甘いものがあればなぁと思うとったところ神様はちゃんと見ておるのう。
わしとまる子の欲しいものをこうして下さる。
おじいちゃん。
まめに生きててよかったね。
うん。
よかったさ。
よかったとも。

(すみれ)何がよかったの?何の話?えっ?今ねおじいちゃんと黒豆の話をしていたんだけどちょっと今から食べてもいい?そうね。
どうせお父さんは甘いものを食べないし先にみんなで食べようか。
やった〜!開けて開けて。
よし。
よいしょ。
開いたかい?
(すみれ)あらやだ。
これ開かないわねぇ。
ん〜!ハァ…駄目だ。
開かないねぇ。
もっと力を入れてもう一回やってよ。
え〜?じゃあやってみるよ。
フフ。
3はい!えいっ!
(友蔵)頑張れ!ん〜!ハァ…やっぱり駄目だねぇ。
あ〜ん。
ちょっとまる子に貸してみて。
あんたなんかに開くわけないでしょ。
やってみなくちゃ分かんないじゃん。
じゃあやってみなさいよ。
よ〜し。
えい!うぅ…。
ふぅ〜!おぉ…。
ひぃ〜!もうよしな。
無理だよ。
ハァ…。
こりゃ半端じゃないね。
もうお父さんが帰ってくるまで待って開けてもらうしかないよ。
(友蔵)そうじゃのう。
やだ!待てないよ!おじいちゃん。
やってみて。
えっ!?よっよ〜し。
じゃあやってみるよ。
えい!ふんっ!おじいちゃん頑張れ!うぅ…。
《いかん。
もっとエネルギーを足さなくては》《宇宙エネルギーよ!》《わしの頭のてっぺんからどんどん流れ込むのだ!》《おぉ〜!》《ふたよ開けい。
宇宙エネルギーに逆らうでない!》《う〜ん!ふたよ!開かんか!》《おぉ〜!》カッ…ハァ…。
あっ!おじいちゃんが!変だよ!あっ大変!頭の血管が切れたんじゃないの?まさか…。
あっ。
動いた。
《死ぬとこじゃった…》《わしゃホントに死ぬとこじゃった》《瓶のふたで命を落とすとこじゃった》《フッフフフ。
危ない危ない》おじいちゃんでも開かないなんて相当しぶといね。
あ〜黒豆はこんなに近くにあるのにたった3mmのガラスの壁で食べられないなんて。
近くて遠いとは黒豆のことだね。
ハァ…。
(友蔵)《まる子すまんのう。
わしの力不足のために》
(おばあちゃん)ゴム手袋を使って開けてみたらどうじゃ?えっゴム手袋?うんそれはいいかもね。
そうだね開くかもね。
よしじゃあちょっとやってみようか。
ふん!う〜ん!う〜ん!う〜ん!ハァ…。
あっ…。
駄目じゃ開かない。
まる子無理だったよ。
ゴム手袋じゃ開かないね。
ああ…また駄目か…。
仕方ないでしょ。
一応全力でやってみたんだけどね。
わしもな…。
あ〜ん食べたいよ!もうすぐお父さんが帰ってくるから待ってなさい。
そうだ瓶のふたを温めてみよう。
よし台所へ行こう。
(すみれ)大丈夫?気を付けてね。
平気平気。
何か心配よね。
ハァ…。
(おばあちゃん)うん。
お湯が沸いたよ。
うん。
ではこの瓶のふたの部分だけをお湯につけるぞ。
おじいちゃん気を付けてね。
ああ任しとけ。
うぅ…あちっ!
(友蔵・まる子)あ〜!どうしたの!?
(友蔵・まる子)うっ…。
ちょっとね黒豆を瓶ごと鍋の中に落としただけなんだ…。
そうそう…全然大丈夫…。
大丈夫…。
だからお父さんが来るまで待ってろって言ったでしょ!はい…。
待ちます…。
おじいちゃんまた失敗しちゃったね。
悪いのはわしじゃ。
すまんのう。
早くお父さんが帰ってくるといいな。
おなかすいたよ。
かわいそうに。
もうすぐじゃ。
もうすぐきっとお父さんは帰ってくるよ。
きっと…。
(ヒロシ)ただいま。
ああアハハ。
お父さん!待っとったぞ!
(ヒロシ)うわっ…ああ…。
さっきからあの瓶のふたが開かなくて困ってたんだ。
何だよそんなことかこんなもんすぐ開けてやらぁ。
頼むよ。
ほっ。
う〜!何だよ意外と固いなこれ…。
(友蔵・まる子)そうでしょ?色々とやっても無理だったんだもんね。
そうじゃよ無理じゃったんじゃ。
ちょっとやそっとじゃ開くわけないよね。
そうとも。
(ヒロシ)チクショー!今から本気出すぞ。
初めから本気出しゃいいのに。
うん。
うりゃ〜!わわわ…。
《本気だ!》
(友蔵)《ヒロシは本気だ!》うぅ〜!あっ…。
(友蔵)ああ…。
うぅ…うぅ〜!ぷは〜。
駄目だこりゃ…。
うわっ…。
え〜!はあ〜あお父さんでも駄目なんてね。
かわいそうに。
あんなに楽しみにしていたのにのう。

(さきこ)ねえねえ。
瓶のふたの周りをとんかちでたたいてみたら?
(さきこ)そうすると開くっていう話聞いたことがあるけど。
おじいちゃん希望の光が見えたね。
そうじゃのううまくいくかもしれん。
わあ。
よしやってみよう。
(さきこ)はいとんかち。
(ヒロシ)おう!お父さん今度こそ頑張って開けてね。
ヒロシ頼んだぞ。
よっ!よしこんなもんでいいだろう。
(さきこ)うん。
開けてみよう。
よし。
ほっ!うっ…。
(さきこ)あっどうしたの?ふたがでこぼこになって余計開かなくなっちまった…。
えっ!
(友蔵・まる子)えっ…。
(泣き声)情けないったらありゃしないよ!く〜!ちょっとお父さんどうにかしてよ。
(わめき声)しょうがねえきりで穴開けるから待ってろ。
きりで穴を開けてくれるってさ。
えっ?
(ヒロシ)ハァ…。
ああ疲れた…。
まる子お皿持っておいで。
うん。
お母さんお皿。
(ヒロシ)ふう…。
やっと開いたな。
よかった。
お父さんありがとう。
よし。
よかったのう。
早速みんなで食べよう。
さあ食うぞ。
母さん早く来い。
楽しみだね。
ああ楽しみじゃのう。
一日中ふたのことで苦労してやっと食べることになった黒豆だがたった数秒で食べ終わるのであった
それじゃ今日のキーワードを発表するね。
これで3つ。
来週発表の最後の一文字は何かな。

(サザエ)サザエでございます。
・「お魚くわえたドラ猫」2014/09/21(日) 18:00〜18:30
関西テレビ1
ちびまる子ちゃん[字][多][デ]

「芸術の秋だね」の巻 
「ビンのフタが開かない」の巻

詳細情報
番組内容
 あ〜ん!食べたい食べたい!食欲の秋なのにどうして目の前にある黒豆が食べられないの!?お母さん、あたしのあふれる芸術的センスで似顔絵描いてあげるから、なんとかして!

 今回のちびまる子ちゃんは「芸術の秋だね」「ビンのフタが開かない」の2本だよ。お楽しみにね。
出演者
まる子: TARAKO 
おじいちゃん: 島田敏 
お父さん: 屋良有作 
お母さん: 一龍斎貞友 
お姉ちゃん: 水谷優子
スタッフ
【原作】
さくらももこ 

【OP曲】
「おどるポンポコリン」 

【END曲】
「100万年の幸せ!!」 

【脚本】
さくらももこ 

【絵コンテ】
岡英和 

【演出】
岡英和 

【作画監督】
荻野紀子

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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