吹き抜ける風。
大地を成す土。
命育む海。
自然豊かな風土から生まれる美の世界があります。
悠久の昔から受け継がれてきた日本の伝統工芸。
今年も全国の匠たちが技と美の頂点を競う「日本伝統工芸展」の季節がやって来ました。
集まったのは染織や陶芸などおよそ1,700点。
その中から15点が見事受賞を果たしました。
名品が生まれる時そこには自然の恵みを受け取る心があります。
それぞれが生きる土地で創作に打ち込む作家たちの思いとは。
今年の受賞作を全て紹介。
風土が育む美の世界へとご案内します。
昭和29年に始まった日本伝統工芸展。
戦後急速に失われつつあった工芸の技を守り育てるために開催されました。
陶芸や染織など7つの部門で毎年受賞作が選ばれます。
61回目の今年最も栄えある賞に輝いた松原伸生の藍染め。
松原は染めに適した水を求めて千葉の房総半島に移り住みました。
細かい点で表現されたさざ波の文様。
くっきりとした青と白は良質な井戸水だからこそ。
粋な江戸時代の小紋を再現しています。
太宰府天満宮に1,000年前から伝わる神事。
その始まりの頃に思いをはせ祈りとは何かを見つめた博多人形師の溝口堂央です。
少年が脇に抱えるのは「木うそ」と呼ばれる鳥の人形。
人と交換する事で幸運を招くとされています。
雪がしんしんと降る中神事に参加する少年。
いつの世も変わらぬ人の営みを表現しました。
波のような栃の木独特の木目。
拭漆の光沢が更にその美しさを際立たせています。
市川正人の飾り箱。
表面をかんなで削り微妙な曲線を作り出しました。
10角形なのにまるで球体のような不思議な柔らかさを醸し出しています。
松本破風は誰も目にした事のない新しい形に挑戦してきました。
全て繊細な曲線だけで形づくる高度な技。
南房総の竹が持つ力強いしなやかさがあってこそ成しえた表現です。
「思い出」と題された柿原真木子の久留米絣。
濃紺の地いっぱいに複雑な文様が描かれた大胆なデザイン。
そこにはふるさとの風土への思いが込められています。
福岡県南部の筑後地方。
農家の女性たちが身に着けているのは久留米絣で作られたもんぺです。
丈夫で乾きがいい綿そして防虫効果がある藍染めで出来た久留米絣。
筑後地方の人々に愛されてきました。
(伊東)久留米絣の生まれる里にやって来たという感じがいたしますね。
今もここ広川町には10軒以上の久留米絣の工房があります。
こんにちは。
はじめまして。
「日曜美術館」の伊東と申します。
ようこそお越し下さいました。
柿原です。
日本工芸会新人賞を受賞しました。
久留米絣の魅力は機能性だけではなくデザインにもあるといいます。
柔らかい…!そうです。
洋服と違って着物っていうのはすごくこう直線的に見える範囲が広いのでそこにやはり動きを見せられる着物っていう民族衣装のね。
柿原さんは美術館の学芸員を経て16年前久留米絣と出会いました。
手仕事の奥深さに魅せられ4代続く織り元に弟子入り。
以来朝から晩まで絣と向き合ってきました。
ここが…。
そうですね。
今ちょうど絵をはりかけてるところですけども。
最初のアイデアが生まれる場所?そうですね。
具体的なモチーフのデッサンから作品づくりを始めます。
柿原さんにはいつも大切にしている事があります。
やっぱり絣のデザインって例えば作り手が使う人に何か思いを込めて昔から作ってきたんじゃないかなって思ったんですよ。
私も何か…せっかく久留米に来て絣を作っているので久留米を連想できるようなそこに久留米絣がもっともっと発展してくれるようなイメージで。
受賞作「思い出」。
そこにも久留米の風景が織り込まれています。
小さな円が放射状に広がる花のようなデザイン。
それは…。
夜空を焦がす大輪の花。
毎年筑後川で行われる花火大会に胸躍らせたといいます。
柿原さんにとっての久留米の原風景でした。
これは伝統的な久留米絣です。
細かな幾何学模様を紺と白僅か2色だけで表現しています。
一方柿原さんは外側ほど明るい花火の色の違いを藍の微妙な濃淡で絵画的に表現しようとしました。
最も心を砕いたのが白と紺のコントラストの出し方。
まず糸に麻のひもをくくりつけます。
この部分には藍が染まりません。
糸を藍の染料に浸したあと色を隅々まで染み渡らせる「叩き」。
この一連の作業をふだんの2倍以上行いました。
花火を鮮やかに浮かび上がらせるには地の紺色を濃く染めなければならないからです。
しかし作業の回数を増やすと白の部分に藍が染み込む危険性が増します。
くっきりとした白を残すため通常の半分の時間で素早く作業を行う難しさがありました。
染めた時にこの白と紺のコントラストの美しさっていうのが我々の目指している美しい久留米絣かなって思うので。
麻のひもを解き水で洗うと…。
濃い紺と白の見事なコントラストが浮かび上がりました。
染め上げた糸がようやく織りの工程に。
機にのったところですね。
花火の外側と内側の色の違いは織りの技術にも秘密がありました。
内側の暗い部分をよく見ると紺のたて糸と白のよこ糸が交差しています。
一方外側の明るい部分はたて糸もよこ糸も同じ白の糸で織られています。
柿原さんはたて糸の色を使い分ける事で白に2段階の明るさを表現したのです。
しかしたて・よこの白をぴったり合わせるのは容易ではありません。
こうやって基本的には絣ってまっすぐになるようにくくってはいるんですけどここのところ分かりますか?少し絣が早くくぼんでいるのがですね。
更に糸は湿度や温度によって伸び縮みし模様に誤差が生まれます。
1cm単位の高さで打たれたクギに引っかけ張りを強める事で調整します。
よこ糸を1本通す度に経験を基にたて糸の張りを変えていきます。
直径1cmにも満たない小さな円。
自然と共に生きる職人の繊細な技が秘められています。
(柿原)本当に毎日の天気であったり気候風土に囲まれて糸もいろんな動きを毎日するし道具もいろんな動きをするしそれは口で「今日はどうしてできないんだろう」とか「すごく今日は調子がいいね」って言うのはほんとにその日一日一日を感じながら作っていくのでやっぱりその久留米っていう空気そのものが作品の中に注ぎ込まれているんじゃないですかね。
風の音が聞こえてきます。
1枚の銀の板から形を打ち出した大角幸枝の作品。
表面に埋め込んだ金と鉛が吹き抜ける風の響きを感じさせます。
満丸正人は祖母の姿を和紙で表しました。
「しだかじ」とは涼やかな風を意味する沖縄の方言。
沖縄の伝統的な布芭蕉布を麻布で再現しています。
風を受けふと立ち止まった一瞬の表情を捉えました。
京都の陶芸家石橋裕史。
淡いブルーは京丹波の高原で見た夜明け前の光景。
繊細な模様には独自の技法が使われています。
焼き上げたあとに釉薬を削る事で生まれる白い地肌とのコントラスト。
流れるような文様は巡りゆく命のエネルギーです。
日本海に面し世界農業遺産にも登録された実り豊かな土地です。
その風景にこだわって今回初めて受賞を果たした人がいます。
(取材者)おはようございます。
おはようございます。
日々欠かせないのがジョギングです。
気分転換に。
こういういろんな植物とか季節ごとに咲く花ですとかたまに運が良ければ小動物とかにも出会えたりするんですけど。
実際の本物の植物にねやっぱり出会わないと。
それに出会う事で作品のイメージがどんどん膨らんでいきますんで。
黒い漆の上に貝殻の螺鈿と銀をちりばめたススキ。
蓋を外すと金粉で描いたキツネとウサギ。
身近に目にする動物や植物が何よりも大切なテーマです。
輪島は全国に知られた漆の里。
大角さんは父の後を継いで漆の世界に入りました。
高校を卒業してからずっとこの道一筋。
長年さまざまな絵柄を手がける中で特に好きな題材があります。
山で時折見かけるキツネ。
漆の装飾にはあまり使われないといいます。
(大角)例えば跳ねてる絵にしても丸まって眠ったりたたずんでる姿にしろ姿が絵になるっていうか…私は思っているんですけど。
やっぱりその性格っていいますかね。
ずるそうな性格ですとかそういうものが出てくれば面白いなと思うんですけど。
屈折した性格ゆえですかね私の。
今回もこだわったのが月に浮かぶキツネ。
角度によって見えたり隠れたり。
そこには独自に工夫を重ねた技法が使われています。
どんな技なのでしょうか。
極細に切った貝殻。
月になる部分です。
これをキツネの下絵に重ねていきます。
下絵の上には透明の粘着テープがあり微妙に隙間の幅を変えながら貼り付けていきます。
きれいに貼ってしまったんじゃ硬くなりすぎて面白くないんで。
それとなんか広いところ細いところあると空気…月が目に見えるまでに空気があるんですけどそういう空気感みたいなものが出るんじゃないかなと思ってやってます。
貝殻の下にうっすらと透けて見えるキツネの下絵。
それをなぞりながら貝殻に直接黒い漆を塗っていきます。
下絵を取り外して…。
テープをひっくり返すと並べた貝殻を通してキツネのシルエットが透けて見えます。
それを箱の蓋に貼り全体に黒漆を塗ったのがこちら。
その表面を炭で研いでいくと…。
貝殻の隙間だけに黒い漆が残り月明かりに浮かぶキツネの姿が現れます。
(大角)去年も見れました。
親子かなんか分からんけどすぐに消えてしまったんですが一瞬の事ですぐに逃げてってしまうので。
「やったな」って感じですかね。
「見れた」って感じ。
こういう自然に恵まれた土地に生まれ育ったわけですからね。
それを大切にしてそれと共生していくって事がやっぱり大事なんだろうなと思いますね。
やっぱり自然によって人間も動物も生かされてるわけですから大事にしながら生きていくって事だと思うんですけどね。
それを見た人も感じて頂ければとってもうれしいんですけど。
輪島からもう一つ受賞作が選ばれました。
朱の漆が映える曲線。
塗りの美しさが高く評価されました。
2年連続の受賞です。
実はこの8月から輪島を離れ東京の人間国宝の工房で仕事をしています。
山田さんは滋賀県出身ですが大学卒業後手仕事に憧れ輪島で漆を学びました。
去年の受賞作「夕凪」。
日が暮れていく輪島の海です。
そして今回の受賞作「暁」。
夜が明けようとする輪島の空。
シンプルな形と絶妙な曲線によって朱の漆の美しさが際立ちます。
自分に今できる技術っていうのが限られているなって自分自身は思っていてそんなに複雑な事ができない中で一つの曲面であったりっていうのを自分の今ある技術の中でできるだけ丁寧には作ろうと思ってそういう感じで作りました。
山田さんは31歳の時輪島の人間国宝に弟子入りし塗りの技術を学んできました。
そして去年4年の修業期間を勤め上げ師匠と杯を交わす儀式を行い一人前の匠として認められました。
東京で職人としての幅を広げたら師匠の下に帰って輪島に新たな息吹をもたらしたい。
その胸には朱に染まる輪島の風景が焼き付いています。
斬新なデザインが評価された友禅染の訪問着。
江戸に伝わる手描きの友禅です。
よく見ると描かれているのは羊の群れ。
新しいものに敏感だった江戸の精神が受け継がれています。
陶芸でありながらまるで水墨画の世界。
米田和の作品。
殴りつけるような大胆な筆。
鳥や花は躍動感にあふれています。
清水竜朗の花器。
花のつぼみが薄い皮膜をまとっているようです。
まるで月のような不思議な肌は合金の上に硫黄とぬか床を混ぜて焼く独自の技法です。
鈍い光を放つ銀の結晶が妖しさをまとわせます。
木の風合いにシャープなデザインを融合させた渡辺晃男。
樹齢数百年の柿の木にごくまれに現れる黒い文様。
そこに輝きを放つ錫の直線。
べっ甲と夜光貝を埋め込んだ花弁。
異質な素材が互いの存在を際立たせます。
日本伝統工芸展の監査委員を務める蒔絵の人間国宝室瀬和美さん。
こうした作品に新たな可能性を感じたと言います。
技法の積み重ねも大事ですけどやはりそこに対する感性だとかアイデアが新鮮さをもう一つつくっていくわけで形それからデザインこれを助けていくのが技術だっていうね。
またそれがやっぱり世界に向けて通用していく。
これが今までの伝統工芸プラス日本の工芸っていう意味で重要なところになるような気がしますね。
最後の受賞者は意外な場所に工房を構えていました。
随分…随分山の中へと入ってきましたね。
こう北山杉の産地を抜けながら京都とはいえどどんどんどんどん山の方へと向かっていっています。
どうもこんにちは。
よろしくお願いします。
山本茜です。
よろしくお願いします。
井浦と申します。
お願いします。
豊かな自然の中ですね。
そうですね。
自然は豊かで制作するにはもってこいの場所ですね。
山本さんの受賞作。
ガラスが複雑な色のハーモニーを奏でています。
目を近づけると無数の金の筋が見えてきます。
ガラスの中に細く切った金箔が埋め込まれているのです。
使われているガラスは緑と青そして透明の3色。
ガラスの中に金箔の文様を完全な形で封じ込めるというのは山本さんが独自に編み出した技です。
すみません失礼します。
お邪魔します。
こちら作品を置いてあるので…。
ああ…うわぁ…。
今回の受賞作と同じガラスの中に金箔を封じ込めた作品です。
テーマは中学の頃から心惹かれている「源氏物語」の世界。
平安時代のみやびな美意識を表現する事がライフワークです。
(山本)これは2年半かかりました作るのに。
万華鏡のように。
うわぁ〜!なのでほんとに見る角度で作品の印象ががらりと変わるので。
変わりますねぇ。
こちらから見るとこうピラミッド形みたいになって見えるんですけど横から見るとへこんで見えていたりとかうわぁほんとに不思議だ。
金箔などで装飾をする截金は飛鳥時代仏教と共に日本へ伝わりました。
細い箔を操る高度な技。
主に京都で発展を遂げ現代に受け継がれてきました。
金沢出身の山本さんは京都の大学で日本画を学んでいた時仏画の模写をする中で截金と出会いました。
繊細な美しさに魅せられ截金の人間国宝の下で7年間学びました。
失礼します。
ここで截金をいつもしてるんですけども。
まずは截金の作業。
竹で作った専用の道具で金箔を切り分けます。
こんな感じで。
時々ほんとに息で飛んでいってしまう事もあるんですけど。
これがガラスの中に閉じ込められる金箔。
1mmにも満たない細さです。
これをほんとに平安時代からずっとやってるんだと思うと…。
もう細すぎるので手では扱えないので全部筆で扱う事になります。
筆の先に金箔を巻き取りのりを付けたもう一本の筆でガラスの上に置いていきます。
(山本)あっそうですね。
下描きが実はこれ全然…。
ガラスは特に下描きができなくてそれはなぜかと言いますと下描きをしたものがガラスを焼いた時に全部発泡して出てくるんですね。
鉛筆とかペンとか全部空気の泡となって中に出てきてしまうので下描きは一切ガラスの場合はもうほんとできないんです。
普通の截金はこうして模様を描けば作業は終わりです。
しかし山本さんは更にこれをガラスの中に入れて作品にするのです。
山本さんは25歳の頃にそのアイデアを思いつき富山の工芸学校に入ってガラスを学びました。
ほんとにさまざまな色があるんですね。
ピンクブルー…。
(山本)私にとっては絵の具のようなもので自分のイメージに合う色を取ってきて溶かして作るっていう。
すごい。
あったくさんの…。
そうなんです。
京都に戻って工房を構えたのは3年前。
ガラスの研磨から成形裁断まで全ての工程を1人で行っています。
道具も全て自分でそろえました。
まだまだ足りなくてもっと欲しいんですけど…。
足りないですか。
というか新しい形に挑戦する度に新しい工具が要るんです。
なのでまずイメージでああいうの作りたいと思っても道具がない。
まず道具を探して道具を自分で作って。
截金とガラスの融合。
それはゼロからの挑戦でした。
ガラスに截金を封じ込める事によってえも言われぬ美しさを醸し出す。
しかしそれは困難を極める作業でした。
ガラスの形を整えたら色が作品のイメージと重なるように電気炉に入れます。
最大の問題は温度の調節です。
電気炉の中では截金を載せたガラスの上に別のガラスが重なっています。
高温になるとガラスは一体になりますがガラスが溶ける温度と金が溶ける温度が近いため截金が溶けたり形が崩れたりするのです。
失敗を繰り返しながら1,000回に及ぶデータをとり成功させました。
今回の作品に託したのはシルクロードを経て日本に伝わった文化の強さそして京都で守り伝えられてきた截金への思いでした。
京都の中でも幽玄な空気が色濃く残る場所。
そこに生きているからこそ湧いてくる思いがあると言います。
私は「源氏物語」をテーマにものをつくっていますのでその「源氏物語」の中に出てくる自然描写がいまだに残っている場所を探したらここだったんですね。
ほんとに虫の声とか月夜の月光の明るさとか秋の雌鹿を恋い慕う雄鹿の声っていうのは本当にきれいな声がするんですけれどもそういう自然とか風土も感じて昔の工人は截金をしてたんだろうなと思うとやはりこの地でないと駄目かなというふうに思います。
風土によって育まれるものづくりの心。
そこから日々唯一無二の輝きが生まれています。
2014/09/21(日) 09:00〜09:45
NHKEテレ1大阪
日曜美術館「風と土と技と 第61回 日本伝統工芸展」[字]
年に一度、全国のたくみたちが最高の技と美を競う「日本伝統工芸展」。今年の受賞作15点を全て紹介。作家の工房を訪ね、革新の傑作誕生の背景にある“風土”の物語に迫る
詳細情報
番組内容
今年61回目を迎えた「日本伝統工芸展」。年に一度、全国のたくみたちが最高峰の技を競う工芸界最大の美の祭典。陶芸や染織、漆芸、金工などの7部門、1600点以上の中から選ばれた受賞作15点を全て紹介。伝統を受け継ぎながら、常に革新が求められる世界で、現代の作家たちは、どんな思いで創作に挑んでいるのか。工房を訪ね、受賞作がどのようにして生まれたのか。発想を与えてくれた風土や、試行錯誤の物語に迫る。
出演者
【出演】重要無形文化財「蒔絵」保持者/人間国宝…室瀬和美,【司会】井浦新,伊東敏恵
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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