（伊佐敷）あマネージャー！あと２日よろしくな！俺たちも死ぬ気で戦うからよ！
（貴子）伊佐敷君。
（春乃）先輩…。
（倉持）あ亮さんこのあと…。
《亮さん…？》きれいに弾き返してるな！あのマシーン１５０キロ近く出てんだろ？マックス１４８キロサウスポー成宮君のストレートに振り遅れてちゃ話にならないからな。
（片岡）坂井まだ当てに行ってるぞ。
最後までバットを振り抜け。
いいか？中途半端なスイングは向こうを勢いに乗せるだけだ。
結果三振になってもバットだけはしっかりと振り抜け！
（みんな）はい！
（栄純）う〜っおいしょ〜！１ミリ！あと１ミリ下か〜！
（太田）ババットは振り抜けてますけど…。
お〜降谷！さすがバッティングもいい！《降谷：早くブルペンに入りたい…》春っち！くっ…ラッキボーイめ！
（御幸）沢村バント！
（前園）うまっ！
（小野）勢いを殺したバントうまっ！
（門田）１５０キロのマシーンだぞなんでバットに当てられるんだよ！？
（御幸）マジ？
（小野）こいつにできないバントはないのか？
（坂井）やばいこいつがでかく見える…。
（川上）ボールをまったく怖がってないからな。
（白州）そういうもんか？
（春市）すごいねバント名人！
（伊佐敷）もう全打席バントでいいんじゃねえか？ななにを！？
（笑い声）思ったよりリラックスしてるなこいつら。
泣いても笑ってもあと１つだからな。
あとはもうベストを尽くすだけって感じなんだろ。
くっそ〜俺の本当の姿をそろそろみんなに！
（片岡）もういい。
バントの練習だけしてろ。
しょ…将軍！
（片岡）午後から守備練習食事が済んだら１時に集合！
（みんな）はい！頑張れよ！明日応援に行くからな！
（丹波）降谷沢村。
（丹波）飯食いながら稲実のデータ一緒に見るぞ。
はっ！ランチアンドミーティングっすね！《春市：ほんともういちいち…》丹波さんがリーダーとして投手陣を引っ張ってくれるとこっちも助かりますね。
（クリス）ああ。
（クリス）このチームは４人の投手で勝ち上がってきた。
マウンドに上がった者がエースだ！全員そういう気持で戦い抜こう
（クリス）そのことをいちばんわかっているのはあいつだからな。
向こうの１・２番はやはり要注意だな。
（丹波）ああ足を絡めた揺さぶりもあるだろうし。
もちろんクリーンナップの強打にも気をつけなきゃならないが稲実打線のいちばんの怖さは勝利への執着心。
執着心？ああ去年の稲実戦。
（クリス）試合を決められたのは４番のスクイズだったからな。
４番に…。
（クリス）１点を確実に取るためには４番にさえスクイズをさせる。
個性の強いメンツがワンチャンスをものにしようと一丸となって襲いかかってくるんだ。
そういう意味では絶対に負けられない試合の戦い方をいちばん知ってるチームといえるな。
（クリス）とにかくムダなフォアボールは出さないこと。
午後はブルペンでそれぞれの球種を確かめるぞ。
おしっ！《今の自分にできる最高のピッチングを》《チームには絶対迷惑をかけたくない》《やっと投げられる》ん？どうした沢村？フォアボールももちろん課題だけど今の俺の球じゃ外野に運ばれてしまうんですよね。
あんたに言われたとおり昨日の試合でも打たれたし。
なんだお前また弱気になってんのか？なってねえよ！またとか言うな！明日試合だってわかってるしめちゃめちゃアホなことかもしんねえけど言っていいっすか？俺変化球覚えたいっす。
さっ午後練行きますか。
そうだな。
お待ちを！
（東）おうマネージャーもうちょっと手伝うてや。
（春乃）はっはい！
（唯）まだあるんですか？アホ！誰からの差し入れや思てんねん。
車ん中にまだまだあるわ。
これはわしからあいつらへのプレゼントや。
まっこんなんで力になれるんやったら安いもんやで。
おっおいあれって…。
絶対そうだよな。
去年のチームの主砲ドラフト３位でプロ入りした怪物東清国。
東先輩！東先輩じゃないっすか！
（東）ん？お〜伊佐敷！お久しぶりっす。
（結城）こんにちは。
（増子）こんにちは。
でもなんでプロの選手が？シーズン中だろ？東は２軍でダイエット中って聞いたぞ。
１０キロやせないと試合に出さないって。
ダイエット！？東先輩体でかくなってません？なんでプロ入って太ってんすか？やかましい！試合に出られんストレス太りや！監督に挨拶に行かれましたか？さっきなひと言だけ「やせろ」って言われてもうたわ。
（東）てかわしの話はええねん。
大事なんはお前らやろが。
〜わしが叶えられへんかった夢全部お前らに託すで。
《東先輩…》
（東）絶対行けよ甲子園。
次スプリット！クイック！《悪くねえな。
低めに来てるし１試合空いた分ボールにも力がある》よしあがるぞ。
えっもう？
（御幸）本番は明日なんだぜ。
お前の一番の心配はスタミナなんだからよ。
（宮内）ナイスボール！球走ってますね丹波さん。
あぁたまにストレートが浮くことはあるがな。
《前の試合で甘い球を狙われたけど５回まで投げぬいたことは丹波さんにとっても自信になったはず。
ボールの状態よりも気持が前を向いていることが何より大きい。
むしろ心配なのは…》わ悪い！オーケーオーケー。
いいボールきてるぞもうちょい上な！《ここまで全試合に登板し重要な終盤を任されてきたんだ。
精神的にいちばん疲れているのはノリかもしれない》《太田：うむ今日も低めにいってるな》
（礼）低めを意識するあまり少し慎重になりすぎているかもしれませんね。
え？ああ。
《ここまできたら技術よりも気持。
どれだけ強い気持をもってマウンドに立てるか。
それだけだぞノリ》しゃ〜絶好調！怖い自分が怖すぎる！わはははなんで今日が試合じゃないんだ！？ボール２個分外れてるぞ。
（金丸）当てる気かてめえ！おっ！？いやいやいや気持はど真ん中ですから！
（金丸）よけいダメだろ！元気はあるんだ元気だけは。
俺変化球覚えたいっす次フォーシーム。
はい！《だいぶフォームが安定してきたな》ナイスボールだ沢村。
いやいやいや自分なんてまだまだですよ！ほんともうヒヨッコですみません！そこは喜べよ。
クリス先輩さっき沢村が言ってたことですが。
あぁたった１日で変化球が覚えられるならとっくに投げさせてるよ。
わははは…。
（御幸）いえ。
あいつがどういう意図で言い出したのかはわかりませんが実は昨日の試合…。
沢村ちょっと来い。
なんすか？お前変化球覚えたいって言ったよな。
それってどんな球だ？わかったわかった今度はちゃんと聞いてやるから。
《根に持ってたのか》《さっきは相手にもしてくれなかったくせに》カットボールっす。
えっとカットボールってムービングの一種なんですよね？クセ球じゃなく意図してボールを動かしインコースの球を詰まらせゴロを打たせる。
今の自分の球でももっと詰まらすことができたら外野まで運ばれないんじゃないかと思って…。
たんですけど…。
《なるほど元ネタは薬師の真田か》悪かねえなお前にしちゃ上出来だ沢村。
昨日の試合で投げたクロスファイヤー。
あれはほとんどカットボールだったからな。
え？マジっすか？そんだけイメージできてりゃ話が早え。
昨日の感覚を思い出しながら投げてみろ。
えっあぁ…。
金丸右打席に入ってくれ。
あっはい！《試合のたびに成長を…。
どんどん俺の手を離れていくな》
（東）おいおいお前あんときのクソガキやないかい。
なんでブルペン入っとんのや？げっ…。
まさかベンチ入りしとるわけやないやろうな。
ああんたは！かつてこの俺が完膚なきまでにたたきのめしたメタボリック先輩！あれ？こんな太ってましたっけ？ケンカ売っとんのかクソガキ！お前名門は嫌いとかぬかしとったんちゃうんかい？結局うちの学校入っとるやないかいお？こら！き記憶にございません。
（東）なめとったらダンボールで田舎に送り返したんぞ！たゆんたゆんですね。
この…。
東先輩。
あ？今じゃそいつうちの貴重な戦力ですよ。
あん…。
だと？ちょうど試したい球があったんです。
久しぶりに打席でこいつの球見てみます？
（ざわめき）ななにやらとんでもないことに。
いえいえ打席に立つだけですから。
《東君と沢村君が対戦したのはたしか１０か月前。
今の沢村君は東君の目にどう映る？》貸せ！あ…はい。
ああの防具もつけといたほうが。
あ？いらん！こいつの球なんか簡単によけられるわ！東お前はその体でカネを稼ぐ決意をしたんじゃないのか？打席に立つなら防具をつけろ。
《急におとなしくなった》御幸。
試合で使えるか見ておきたいんだろう？ここはお前が受けろ。
これは正捕手としてのお前の役割だ。
クリス先輩…。
〜お前あいつを貴重な戦力や言うたな。
ほんまにそれほどの男かわしが確かめたる。
《打席に立つだけでこれだけ威圧感のある打者もそういねえよな》それじゃあ遠慮なく。
《インコース来い！昨日投げたあの球再現してみろ》《あんときはただインコースに強い球を投げたくて》うお〜！《おいおい…足が内側に入りすぎやで。
そんなんで腕振り抜けんのか？》《うっ…いきなり！更に動い…》うお！うわ〜！
（みんな）東先輩！
（騒ぎ声）プロテクターからはみ出た。
お肉に〜！《御幸：肩とひじのやわらかさに加え下半身と上半身のひねり。
全身でボールに勢いをつけることによって生み出されるボールのキレ。
これが沢村のカットボール》《いっ今の感覚…》メタボ先輩どんどん投げていいっすか！？今の感覚忘れないうちに！しゃす！どあほう！まずは謝らんかい！今度メタボ言うたら殺すぞ！《く…こいつの球こんなんやったか？このわしがよけきれんかった》亮さん！この安定感。
やっぱ鉄壁だぜこのコンビ！《マジかよこの人》倉持：亮さんその足…。
もしかして前の試合でホームに突っ込んだとき痛めたんじゃ…。
（亮）だから何？え？
（亮）レガースにまともにスネがぶつかったからね。
多少腫れてるけど。
多少って…。
大丈夫だよ。
試合になったらアドレナリン出まくるしこれくらいのケガはみんなだって隠してる。
それでももしチームの足を引っ張ってると思ったらお前が監督に言ってくれ。
１年間コンビ組んできたお前に言われたら納得できるおぉ！！はは。
（ボールがミットに入る音）《倉持：いつもと変わんねえじゃん。
体格には恵まれてないけどそのぶん気持がめちゃくちゃ強えんだ》さすが。
バーカ。
《倉持：１つしか違わねえけどマジで尊敬できる。
この人とコンビ組んでから学んでばっかだ》あたた…えらい目に遭わされた。
遠慮のうガンガンぶつけやがってあのガキャ…。
防具つけといてよかったでしょ？シャレになりませんて。
よけ方が下手だ。
そんなんじゃこの先苦労するぞ。
う…。
すみませんお願いします。
なんじゃお前は。
東先輩どうでしたか沢村の球は。
おうクリス！お前もだいぶ回復したらしいのう。
昔の顔つきに戻ったやないか。
確かにおもろい球投げるし１年前とは別人やな。
おいしょ！！
（東）けどまだまだ粗いわ。
正直あいつがエースナンバー背負ってる姿は想像できへんで。
厳しいですね。
アホか！そんなん言うたら今の３年のほうがもっとひどかったやろが！
（東）まあクリスは別格やったけどそれ以外はみんなボロカスやったやないかい！そりゃ東先輩から見たら誰でも…。
いやいや最初はほんまにひどかったで！《３年生の先輩たちがボロカス？》結局どれだけ成長できるかなんてそいつしだいっちゅうことや。
ふん！あのクソガキにそう言うといてくれ。
お前もそろそろ成長しないとな。
《厳しい…》おいしょ〜！！2014/09/21(日) 08:30〜09:00
テレビ大阪１
ダイヤのＡ「懐かしい顔」[字]
決勝戦前日、練習に精を出す青道ナイン。沢村は御幸とクリスに弱点克服のため変化球を覚えたいと切り出す。そんなときグラウンドにはＯＢの東の姿が。
詳細情報
あらすじ
決勝戦前日。打撃練習に精を出す青道ナイン。沢村は弱点克服のために変化球を覚えたいと切り出す。そんなとき、OB東がグラウンドに現れた。懐かしい顔に駆け寄るメンバー。沢村は御幸の提案で東に打席に立ってもらい、ボールを投げることになる。一方、倉持は二遊間でコンビを組む亮介の動きが気になっていた…。
声の出演１
沢村栄純：逢坂良太、降谷暁：島