礼治:ワンコインノーコンティニューでゲームをクリアする連中を俺たちはノーコンと呼んだ。
ノーコン・キッド。
あいつの名だ
えっえ?お前がKID?『ゼビウス』をワンコインでカンスト。
それが僕の…目標です。
あのマブい子…名前何ていうんだろうな。
私高野文美。
KID。
KIDは礼治君じゃない僕だ!俺だ!ガスト・ノッチ!こんなおもしろい遊びやめるわけねえじゃん。
任天堂か…こんなん出来たらうちいらねえじゃん。
僕は日本でやりたいことができました。
気持はわかりました。
テレビゲームで勝負しましょう。
時間は有限です。
明信さんの好きにするといい。
はい!お父さん。
うわぁ!やっぱ男か!文美ちゃん。
私が勝ったら私とつきあってください。
安全地帯。
こうするしかないよ。
こうなったら俺もゲームオーバー覚悟で勝負だ!お前にロマンチックが止まんないんだ!バーカ。
俺もうすぐ受験なんだけど!そのゲームはモンスターです。
我々受験生の心に容赦なく襲いかかるモンスターです。
礼治君たちはもうひとつの世界とちゃんと戦いなさい。
うわぁ!
一浪してなんとか受験を乗り越えた俺たち。
木戸は第一志望だった工学系の大学に見事合格。
ゲームプログラマーへの第一歩を踏み出していた。
俺は滑り止めの大学になんとか引っかかりいわゆる一般的な大学生活を送っていた。
そして数年が過ぎた
超弱いじゃん。
うるさいよ。
お待たせ!悪いバンドの練習長引いちまってよ。
(木戸)礼治君バンドやってるんですか。
おう時代はロックだろ。
つうかお前ボーっと何見てたの?あの建物の窓が『テトリス』のブロックに見えて。
ほんと頭の中ゲームしかないのな。
何言ってるんですか礼治君。
『テトリス』ほど革命的なアイデアがかつてあったでしょうか。
いやありません。
おうまあ『テトリス』は俺もやってるよ。
さすが礼治君。
流行ってるし女子と話すきっかけになるからな。
ああそういう不純な動機ですか。
は?なあ木戸。
大学生活っていうのはなそう『テトリス』みたいなもんだよ。
経験といういろんなブロックを積み重ねてくんだ。
特に大学生活にいちばん必要なブロックは…。
彼女だ!そういう礼治君は彼女いるんですか?まあ今はいねえけどよ。
あ〜あ田中美奈子みたいないい女とキモチいい恋したいぜ!女性誌なんて読んでておもしろいですか?うん…いや勉強になるんだよ。
かわいい子も載ってるし…まあ目の保養ってやつだな。
礼治君の大学にだってかわいい子たくさんいるじゃないですか。
いやなんかこう…。
ピタッとハマるブロックの子がいないんだよ。
俺のタイプは痩せてて色白で目が大きくて髪が短くてちょっとミステリアスな雰囲気を持ってる子がいいからさ。
そうだな…。
ふ〜ん。
俺はさぁ…。
そうそう。
こういう子がいいんだよ!これって高野さんですよね?え?読者モデルってやつか?なんか遠いところに行っちゃったって感じですね。
やっぱ礼治君高野さんのことが…。
そんなわけねえだろ!やばいやばい…遅刻だ遅刻だ!やばいやばいやばい…。
とおっ!あれ?ん?なんだよこれ。
靴ひもとれてる…うわっ!あ〜!ごめんごめんごめん!
(朱理)あ…。
あ…。
やっぱ大学生活はテトリスだったわ。
こうピタッとハマるブロックがあるんだな。
あるんですね…。
話しててもさ共通点が次々出てくるんだよ。
聴いてる音楽も好きな小説家もハマったドラマも一緒でさ…。
やり込んだゲームも尊敬するゲームクリエーターも「ドラクエ