(萩原英二)ありがとう。
(萩原)気に入ってくれたかな?
(まり子)素敵。
(萩原)ありがとう。
(萩原)君の瞳に乾杯。
(まり子)フフッ…やだ〜。
昔のハリウッド映画のセリフ。
ハンフリー・ボガート主演の『カサブランカ』。
へえ〜知らない。
なんでも知ってるのね萩原さんって。
(保)うあー…!
(人々の悲鳴)
(保)人の女房に何ちょっかい出してんだ!?この野郎!いきなり失敬な…。
その顔が気に入らねえんだよ!
(まり子)やめて!やめてよ!
(保)うるせえんだよ!バカな事はやめろ。
(保)バカな真似してるのはそっちだろ!
(まり子)やめてってば!
(保)うるせえんだよ!あっ!おおっ…!保大丈夫?こんなところで物騒なもの振り回すな。
みんなの迷惑だろ。
(保)覚えとけよ!まりちゃん楽しかったよ。
守ってあげる。
(根岸絵里)えっ?守ってあげる?
(絵里)守ってあげる…。
(根岸嘉男)ん?夢…夢を見ていたみたい。
夢…?子供の頃の夢。
そろそろ起きる時間。
今日上野へお出かけだったわね。
ああ1泊してくる。
「四月展」入選出来るといいわね。
ああ…。
大丈夫。
きっと入選よ今年は。
そんな予感がする。
(椿和美)ここです。
ローズ奥多摩ガーデン。
(健ちゃん)おお〜。
(健ちゃん)福ちゃん!福ちゃん!着いたよ。
(福原太一)これは…。
あっすいません。
いや〜すいません。
いつもごちそうになってるからたまには私が。
いいんですか?うわ〜!これ素敵なところですね。
あれれ?花より団子の福ちゃんが珍しい事を。
私だってね花を愛でる心ぐらいありますよ。
お腹がいっぱいの時は特にね。
あら?お腹がいっぱいの時なんてあるんですか?あたたた…。
こりゃいい。
一本取られたね福ちゃん。
釣りうまくいったんですね。
それでお腹も満腹。
いやいやせっかく日曜の非番に渓流釣りを楽しもうと来たんですけどねヤマメイワナマス…どれもこれも嫌われまして。
釣りそっちのけで弁当ばっか食ってるからだよ。
福ちゃん!食ってばっかいねえで釣りやろうよ!こんにちは。
こんにちは。
あれ?係長!
(小野正)いや…。
あっ!これは福原警部も。
ご無沙汰してます。
キャロットケーキですね?係長確か甘いもの苦手でしたよね?いやここのは別なんだよ。
絶品ですよこれ。
(絵里)いらっしゃいませ。
こちらこのペンションのオーナーの根岸絵里さんです。
ようこそ。
小野さんにはいつもごひいき頂いてるんですよ。
いやいや…。
ではその評判のキャロットケーキとコーヒーをとりあえず3人前お願いします。
かしこまりました。
ここ元々は別荘でしてね彼女の亡くなったお母さんが丹精込めたバラが咲き誇っててバラ館なんて呼ばれてたんですけど1年半ほど前にペンションに建て替えをされたんですよ。
ほう…。
それでローズ奥多摩ガーデン。
(佐々木伸子)困ります。
私そんなスパイみたいな事…。
う〜ん!コーヒーの香りもいいですねえ。
ありがとうございます。
どうぞごゆっくり。
うん!いただきます。
おお〜。
これはうまい!この甘さと生地のしっとり感が絶妙のバランスですねえ。
でしょう?
(絵里)おかえりなさい。
(絵里)いらっしゃい。
(高木行彦)どうも。
(高木)コーヒー。
(絵里)はい。
絵里さんのナイト気取りの男ですよ。
(高木)リンゴもらうよ。
(小野)昔から絵里さんには別荘族や地元の有力者の息子なんかのナイトのグループがありましてね。
ほう…。
(小野)まあ男なら守ってあげたい。
そう思わせる少女だったんですよ。
係長も実は立候補したかったりして?バカ言ってんじゃないよ。
あっすいません。
(伸子)はい。
追加注文お願い出来ますか?キャロットケーキを3つ。
はいかしこまりました。
(嘉男)萩原さんご苦労さまです。
じゃあ行ってくる。
いってらっしゃい。
(川中勉)お嬢さん。
(川中)じゃあ今日のところはこれで。
窓まわりの防水の点検および補修作業は明日から入りますのでよろしくお願い致します。
ご苦労さま。
よろしくお願いしますね。
はい。
ありがとうございます。
(高木)あっ専務。
(川中)はい。
うちも隙間風がひどくてさ…。
(川中)見ておきます。
頼むね。
はい。
ありがとうございます。
(川中)失礼します。
いってらっしゃいませ。
お願いします。
お気をつけて。
青梅駅まで。
(伸子)お待たせ致しました。
すいません。
あっそれ全部私が。
えっ?いいんです。
福ちゃんに3つ。
あ…失礼しました。
ご主人お出かけですか?ええ美術展の打ち合わせに。
旅行鞄持ってまたお泊まりですね。
(萩原)こういう場合にはですね前年分の実績を基本にして少なめに見積もっておいたほうがいいです。
目には目を。
やられたらやり返す。
それともお嬢さん育ちは自分で飛ぶ事も出来ないのかな?
(萩原)順調ですね。
今年は結構利益も出そうです。
きちんとした決算をしなければいけませんね。
お出かけですか?シーズンオフだから今夜は宿泊のお客様はいらっしゃらないけど予約の電話が入るといけないから伸子さん念のため8時までいてちょうだいね。
(伸子)はい。
いってらっしゃいませ。
(萩原)どうかしました?
(絵里)誰かに見られてるような気がして…。
気のせいですよ。
さあせっかくだから水で乾杯しましょう。
夜は恋人と盗人のために。
そうやって女性を誑かすのね。
「誑かす」はないでしょ。
でもやっと笑ってくれましたね。
ご主人このホテルで見かけたんですよ。
本当ですよ。
嘘は言ってません。
もちろん女性と一緒でした。
(絵里)だからといって浮気してるという事にはならないでしょ。
(萩原)先月の第2木曜日ご主人上野へ出張じゃありませんでした?出張と称して女性と密会してるんですよ。
さあ肩の力を抜いて。
人生は短い。
絵里さんあなた1人で働くばかりじゃないですか。
少しは楽しまなきゃ。
(電話)もしもしローズ奥多摩ガーデンです。
(嘉男)「ああ僕だけど」あなた…。
「さっきも電話したけどいなかったみたいだね」何時頃?「8時半頃だったかな」だったらお風呂に入ってたんじゃない?聞こえなかったわよベル。
だったらいいんだけど。
なんかあったの?なんだかいつもと感じが違うけど。
ちょうど眠りかけたところだったから。
今どこ?ホテル?えっ?ああ…。
起こしてごめん。
じゃあおやすみ。
(絵里)おやすみなさい。
(パトカーのサイレン)
(小野)明らかに殺人だな。
財布がないそうです。
物取りの犯行でしょうか?あるいはそう見せるためか。
予断は禁物です。
まずは事実だけを見る事です。
福原警部!その…なんだ…私が出動を要請したんだ。
えっ!?係長がお願いを?よろしくお願いします。
奥さん!大変です!萩原先生が…!公認会計士の萩原先生が殺されたそうです!えっ!?なんでも営林署の人が朝早くに見つけたそうで車の中で死んでたそうです。
ガイシャは萩原英二33歳公認会計士だ。
この奥多摩で事務所を構えており家族は妻と小学校1年生の息子が1人。
死亡推定時刻は昨夜の11時から12時の間。
死因はロープ状のもので首を絞められての窒息死。
現場からはロープは発見されていない。
なお遺体のスーツの襟元には口紅をこすりつけたような跡があるそうだ。
口紅ですか…。
犯人は女性って可能性がありますね。
(北島誠)被害者萩原英二は仕事も出来たが女遊びもまめだったようでしてつい先日も青梅市のイタリアンレストランでちょっとしたもめ事があったようです。
金目当てというより怨恨ですかね?椿ガイシャの所持品は?はい。
財布はありませんでしたが運転免許証は所持していました。
それからビジネスバッグが1つ。
中には経理関係の書類が入っており事件に結びつくようなものは今のところ発見されていません。
ガイシャのスーツの上着のポケットにはデジタルカメラがありました。
(南田正隆)カメラ…。
何か手がかりになるようなものが写っていたかね?それがメモリーカードが抜き取られていまして…。
それは妙だね。
はい。
犯人に繋がるかもしれません。
それとガイシャのスーツの内ポケットには新宿のホテルのレストランのレシートがありました。
以上です。
新宿のホテル…。
その件は北島君と山崎君君たちに当たってもらいましょう。
はい。
はい。
(小野)残りの者はまずは萩原英二の昨日の足取り交友関係を手分けして当たろう。
(一同)はい!
(アナウンサー)「今朝未明奥多摩で発見された遺体は地元の公認会計士萩原英二さん33歳と判明しました」「萩原さんは絞殺されたものと見られ警察当局は奥多摩署に捜査本部を設置し…」
(鈴の音)「現場の杉の里林道は…」
(鈴の音)「辺りも暗い事から目撃…」
(長瀬美貴)失礼致します。
(長瀬和之)遅い!
(美貴)申し訳ありません。
どうぞ。
(和之)ぬるい!申し訳ありません。
すぐに淹れ直します。
(和之)明日から1週間京都だ。
はい。
すぐに支度を致します。
珍しいですね。
警部がわざわざ聞き取り捜査にまで同行してくださるなんて。
いやいや…。
本当のところはまたキャロットケーキを味わうためなんでしょ?いや〜さすが小野さんご明察です!小野さんおはようございます。
(小野)おはようございます。
すみませんお忙しいところ。
亡くなった萩原さんの事でちょっとお話を伺えたらと思いまして。
はい。
あの…すいません。
私にキャロットケーキを1つ頂けますか?もちろん代金は支払います。
ああ〜これこれ!いただきます。
驚かれたでしょう?はい。
何かご心配な事でも?えっ?ケーキは奥さんの手作りですよね?はい。
いえねこのキャロットケーキなんですが昨日頂いたものよりちょっと甘みが強かったものですから…。
人間ストレスがたまると濃い味が食べたくなるって言われてるんですよね。
(せき払い)亡くなった萩原さん昨日の日曜日にこちらに見えてましたよね?
(絵里)毎月経理を見て頂いてるものですから。
1年半前にこちらをオープンしましてなんとか軌道に乗りましたので1年前から経理を見て頂く事に。
昨日こちらを出られたのは11時頃でしたかね?はい。
そのあとどこかに回るような事話してらっしゃいませんでしたか?いえ何も聞いておりません。
萩原さんの死に何かお心当たりありませんか?いえ何も。
ただ驚いてるばかりでいまだに信じられません。
念のために伺いますがゆうべはどちらにいらっしゃいました?ゆうべ?アリバイという事ですか?いやいや…これはあくまでも念のため皆さんから伺う事になってまして。
車でちょっと出かけていました。
何時頃でしょう?5時頃です。
それでお帰りは?8時過ぎでした。
どなたかそれを証明してくれる方はいますか?証明って椿君そんな言い方は…。
あいにく夫は上野に1泊の予定で出かけておりまして私1人だったんですが…。
あっ電話がありました夫から。
何時頃です?確か12時5分前くらいだったと思います。
(小野)そうでしたか。
いやご協力ありがとうございました。
(高木)絵里ちゃん。
会計士の萩原殺されたんだって?
(久保田圭介)人生何が起こるかわかんないよな。
本当だよな。
地元で老舗の味噌の醸造会社の4代目ですよ。
絵里さんの昔からのナイトグループの1人です。
(小野)すいません。
実は私こういう者でして。
何か萩原さんの死にお心当たりありませんか?全然。
女にまめだったようだからその恨みでも買ったんじゃないの?
(久保田と高木の笑い声)ああ…申し遅れました。
久保田と申します。
念のため皆さんにゆうべのアリバイをお伺いしてるんですが。
アリバイねえ…。
うちにいましたよ。
別荘に。
という事はお一人で?バツイチの僕には目下家族がいませんからね。
でも間違いなく別荘にいましたよ。
伸ちゃんコーヒー。
(伸子)はい。
ああ昨夜は私青梅の料理店でロータリークラブの会合がありましてねタクシーで自宅に帰ったのは11時45分ぐらいだったかな。
アップルティー1つ。
(伸子)はい。
あなた萩原さんが…!
(嘉男)知ってる。
主人です。
警察の方。
(嘉男)ご苦労さまです。
あの犯人はもう…?いえ捜査中です。
萩原さんについて何か心当たりありませんか?いや私はここの経営にはノータッチで妻に任せてますんで。
ほとんど萩原さんとも交流がなくて…。
昨夜は上野に1泊されたそうですね?はい。
いつもの定宿に。
昨夜12時頃奥様にお電話されてるそうですが…。
(嘉男)あっはい。
普段はあまりしないんですけど妻が1人ですしちょっと心配だったもので…。
ご協力ありがとうございます。
係長久保田社長の証言裏づけ取れました。
昨夜青梅の料理店で7時から10時半頃までロータリークラブの7人と過ごし店が手配したタクシーでまっすぐ帰宅しています。
店主タクシーの運転手ともに久保田社長の証言を裏づけています。
1人アリバイ成立だな。
別荘に1人でいたという高木行彦。
こいつはアリバイがないも同然なんだ。
アリバイがないという事では根岸絵里も同様ですね。
ん?車で出かけて8時過ぎには戻ってきたそうですけどご主人から電話があったのは12時5分前。
その間ペンションには1人だったわけですし。
確かな事は12時5分前にはペンションにいたという事だけです。
いやしかしだな…。
それは椿さんの言うとおりですね。
お言葉を返すようですが人間アリバイの事を考えて毎日生活しているわけじゃありません。
たまたま1人だったからって…。
それに私なんだか引っかかるんですよね…。
根岸絵里さんは車でどこへ出かけていたのか?そうそれなんです。
車でちょっと出かけたと言うだけでどこへ行ったか明確にしていないんですよね。
それと事件当夜萩原英二が新宿のホテルのレストランで誰と一緒だったのか?その謎が事件を解くカギかもしれませんね。
恐らく女性でしょうね。
口紅にメモリーカードの件もありますし。
ごちそうさん。
(絵里)ありがとうございます。
元気出して。
絵里ちゃんが心配する事何もないんだから。
そう僕たちがついてるから。
(高木)何があっても君の事は守ってあげるからね。
(高木)じゃあ。
(男の子の声)守ってあげる。
(男の子の声)守ってあげる。
(嘉男)口紅変えたんだね。
…え?客商売なんだからさいつもの明るいほうのがいいんじゃないの?あそうだ。
「四月展」入選したよ。
本当?よかった。
おめでとう。
絵里の予感は当たるね。
今度はきっと入選するって言ってたもんね。
萩原さんが殺される事なんか予感はなかったの?ないわ。
あるわけないでしょ。
(山本刑事)係長!
(小野)ん?
(山本)一つ気になる事を耳にしたんですが…。
萩原英二の飲み友達の話なんですが…。
(萩原)お上品なバラの女王様を必ず落としてみせる。
ハハハ…!バラの女王様って…根岸絵里さんの事か?
(山本)はい。
なんて奴だ…!あの…犯人は根岸絵里という事は考えられないでしょうか?何言い出すんだお前は!
(南田)小野君!いろいろな見立て意見があっていい。
聞こうじゃないか椿君。
はい。
萩原英二はお上品なバラの女王様を必ず落としてみせると言っていたそうですし根岸絵里さんは強引に迫られ抵抗し反撃に出たとしたら…。
事実彼女のアリバイは証明されていません。
運転席の背後からロープで絞殺する。
女性でも可能だな。
署長までそんな…。
あの絵里さんに…彼女に人を殺せるわけがないでしょ!警部のご意見は?ったくいつの間に…。
まだ食い足りないってのか?フグハラ!
(絵里)キノコづくしのスパゲティでございます。
うわ〜美味しそうですね!これも絵里さんの手作りですか?はい。
結婚前にお菓子やお料理を習ったのが今になって役立つなんて。
ごゆっくり。
(島津夕紀)あそこら辺からその辺まで。
(夕紀)そう。
フフフ…。
いくらになる?
(島津広志)フフッ…。
ちょっと…。
失礼します。
あすいません。
あの方たちは?
(絵里)お姉ちゃんどうしたの?奥さんのお姉さん夫婦です。
(南田)根岸絵里さんにはお姉さんがいたのか。
(小野)はい。
元々根岸家は日本橋で代々呉服と染め物の店をやってましてね絵里さんはその3人姉弟の末っ子なんです。
一番上が姉の夕紀さんで若い頃に結婚して家を出てます。
真ん中がお兄さん。
本来ならそのお兄さんが根岸家の跡取りになるはずだったんでしょうが5年前に心筋梗塞で亡くなって…。
一番下の絵里さんが婿養子を取る形で4年前に跡を継いだんです。
その婿養子の嘉男さんは元々日本橋の店でアルバイトのように勤めてたのを絵里さんのお父さんが気に入って半ば強引に絵里さんと結婚させたようです。
まあ日本画家と称してますが正直まだ売れない卵ですね。
絵里さんのお母さんは早くに亡くなりお父さんも2年前に他界しました。
時代に取り残された商売に見切りをつけて店や工場の従業員を整理しこの奥多摩に所有してた別荘を建て替えてペンションにしたってわけです。
その全てを計画し実行したのは絵里さんなんです。
1人で何もかも…。
(南田)ご亭主が日本画家の卵じゃ経営などにも疎く当てには出来なかったんだろうね。
父親が決めた相手と素直に結婚したんですね。
(小野)絵里さんっていう人はそういう人なんだ。
そして旦那さんを画家として大成させるのが自分の使命だと思ってる。
そういう人なんだ。
お食事中すいません。
(川中)あこれは…。
警察の方ですよね。
ご苦労さまです。
亡くなられた萩原英二さんとはお付き合いは?いや特には。
こちらの根岸さんとは古いお付き合いなんですか?はい。
それはもう…。
元々こちらは別荘だったんですけどその別荘を建てさせて頂いたのも先代の親父でして。
ペンションに建て替えの際も私どもがやらせて頂きました。
それだけ信頼されてるんですね。
いや…。
しかし変われば変わるもんです。
お嬢さんがペンションを経営なさるなんて…。
(川中)失礼します。
あすいません!はい。
あの…ちょっと確かめさせて頂きたいんですが。
電話の件なんですが。
電話?はい。
昨夜12時ちょっと前に奥さんに電話されたという事ですがそれは間違いありませんか?ええ間違いないですよ。
ちょっと拝見しても…?どうぞ。
確かに11時56分に電話されてますね。
その前にもこちらに電話されてますね?8時35分。
ああ…ああ。
その時奥さんは?電話に出なかった。
違いますか?風呂に入っていたから聞こえなかったと12時前に電話した時には言ってました。
いつも奥さんに電話される時携帯にではなくペンションのほうにされるんですか?
(携帯電話の振動音)あ失礼します。
どうも。
警部北島です。
殺害された萩原英二のポケットにあったレストランのレシートですが担当していたウエーターがやっとつかまりまして確認取れました。
(北島の声)事件当夜萩原英二とレストランで一緒だったのは女性です。
顔写真で確認してもらいましたが根岸絵里で間違いありません。
午後8時35分ご主人から電話があった時あなたは電話に出る事が出来なかった。
(絵里)それは…。
なぜならその時間あなたは新宿のヘルターホテルにいたからです。
レストランで萩原さんと一緒だったんですね。
(小野)絵里さん正直に話してください。
そのほうがあなたのためなんですから。
確かに萩原さんとレストランで食事をしました。
そのあとホテルの一室に萩原さんと入られたんですね?ホテルを調べた者が廊下にある防犯カメラに映ったあなたと萩原さんの姿を確認しています。
バカな事をしてしまいました…。
絵里さん…?あなたを責めているわけではありません。
萩原英二さんの事件当夜の行動が知りたいんです。
確かに萩原さんと…。
でも私すぐに部屋を飛び出して…。
その姿も防犯カメラがとらえています。
なぜ部屋を飛び出されたんです?何があったんです?萩原さんが私の思ってるような方と違うとわかったからです。
その後どうなさいましたか?あなたが部屋から飛び出したあと萩原さんが追いかけてるのが防犯カメラに映ってるんですよね。
私は車を運転してまっすぐこのペンションに帰ってきました。
萩原さんはどうされたんでしょう?
(絵里)知りません。
しつこく車で追いかけられたんじゃないですか?それであなたは…。
(絵里)私萩原さんを殺してません。
誰が殺したのか心当たりもないんです。
あの…もう一ついいですか?実はカメラなんですが…。
カメラ?ええ。
事件当夜萩原さんはカメラを所持していたんですがご存じでしたか?…知りません。
そのカメラのメモリーカードが抜き取られていましてね。
誰がなんのために抜き取ったのかお心当たりありませんか?いえ…知りません。
(嘉男)どうしたの?
(嘉男)8時過ぎの電話の事怒ってるの?ううんそんな事…。
仕方なかったんだよ。
電話の事警察に話さないわけにいかなくてさ。
嘘ついてもしょうがないだろ。
あなた…私…私ね…。
ねえそんなに思い詰めないほうがいいよ。
絵里が何かをしたっていうわけじゃないんだからさ。
風呂入ってる時に電話が聞こえない事これよくある事だしさ。
な?
(北島)高木行彦の勤務先に当たってきました。
一流商社のエリートという触れ込みですが2週間前にクビになってます。
使い込みがバレたもので資産家の親がなんとか尻拭いをして表沙汰になるのは免れましたがしばらくおとなしくしているようここの別荘に半ば強制的に追いやられ金には不自由しているようです。
以上です。
(山本)はい。
高木行彦に関しては目撃情報がいろいろ出ています。
まず青梅のイタリアンレストランでの騒動ですが高木行彦が店の外の暗がりでそっと見ていたという目撃情報があります。
また萩原英二と高木行彦がローズ奥多摩ガーデン近くの路上で激しく言い争っているのを近くの住人が目撃しています。
(吉田刑事)はい。
事件当夜高木行彦は別荘にいたと証言していますが高木が自分の車で出かけていくのを近所の住人に見られています。
動機もありそうだしアリバイもない。
一度呼んで事情聴取しますか?さあ…それはどうでしょうか。
今の段階では確証もありませんしね。
言い逃れされたらそれまでだし変に警戒されてもね。
他には?
(山本)はい。
久保田圭介なんですが家業自体は順調なんですが投資に失敗したという噂がありまして個人的には多額の損失を抱えているようです。
はい。
事件には直接関係ない事かもしれませんが根岸絵里の姉夫婦がどうやら根岸家の財産を狙っているようでして…。
今度こそ話をつけてくると言っているのを何人かの友人が耳にしています。
(小野)ったく…絵里さんがどれだけ苦労したと思ってるんだ。
店の負債整理して従業員たちに手厚く補償したら別荘しか残らなかったんですよ。
それをペンションにして…。
大体もう財産なんてないはずですよ。
そういうわけでもなさそうだよ。
何かご存じなんですか?地元の有力者の話なんだが根岸家が所有している山日原鍾乳洞近くの山らしいんだがレアメタルが埋蔵されている事がわかったらしい。
レアメタル?採れるんですか?日本でも。
うん。
なんでも日本にも黒鉱ベルトというのが東北地方から甲信越に続いているそうなんだ。
この黒鉱にはバリウムとアンチモンとかいうレアメタルが含まれているそうでね。
その黒鉱と同じようなものがつい最近根岸家の山で発見された。
それが事実だとしたらすごい財産になりますね。
管理に金はかかる持て余していた山が文字どおり宝の山となる。
お金がないとは言わせないわよ。
パパが持ってた山今じゃ宝の山だそうじゃないの。
でも採掘の話もまだ具体的に進んでいるわけではないし…。
そりゃあ結婚する時それなりの財産は頂いたわ。
相続財産を放棄する書類にも判を押した。
でも状況が変わったんだから当然私にだって根岸家の財産分与を主張する権利があると思うの。
うちの息子も高校生になったしこの先海外留学やらなんやらでお金結構かかるのよね。
(広志)私に似ずせがれの奴成績優秀でしてね。
親としては出来るだけ応援したいのは人情でしょ。
でも本当にうちは余剰金なんてないんですよ。
ペンションだってやっと軌道に乗ったばかりですし…。
だったらとりあえずペンションを共同経営にさせてちょうだい。
え?元々は根岸家の別荘だったんだし当然でしょ。
(嘉男のせき払い)余剰金の分配はともかくペンションの共同経営は駄目です。
もしご不満があればしかるべき手続きをお取りになって結構です。
じゃあそのしかるべき手続きというのを検討させて頂くわ。
行くわよ。
やったわねあなた。
いざとなると男の人って頼もしいのね。
こっちの生活権がかかってるんだよ。
譲れないものは譲れない。
(ドアの開閉音)あの人…あなたのご亭主婿養子のくせにいつからあんな偉そうな口がきけるようになったのかしらね。
(ため息)なんにも知らない絵里ちゃんがかわいそう。
どういう意味?あの人ちょくちょく上野とかに出かけてるんでしょ?ええ。
展覧会とか画廊とか行かなきゃならないし。
本当にそれだけだと思う?嘉男さん女の人と付き合ってる。
いい加減な事言わないで。
ほらこれが証拠。
私立探偵に尾行調査を依頼してやっと撮影出来たものなの。
それもこれもかわいい妹を守るため。
係長鑑識からの報告書です。
萩原英二が殺されていた車内から根岸絵里の毛髪が見つかっています。
何!?それからメモリーカードが抜き取られていたカメラからも根岸絵里の指紋が採取されています。
そんな…。
やはり萩原英二を殺害したのは根岸絵里ではないでしょうか?私もそう考えます。
事件当夜一緒にいたのは根岸絵里ですし車内で発見された毛髪は決定的です。
それはどうでしょうか。
毛髪というのは厄介で状況によっては彼女の毛髪が萩原英二の上着につきそれが車内で落ちた可能性もあります。
しかし警部カメラからも彼女の指紋が検出されているんですよ。
恐らくメモリーカードをカメラから抜き取った時についたものでしょう。
ですからそれが根岸絵里が犯人であるという証拠ですよ。
いや多分彼女にとって不都合な映像が映っていた…。
どうしてそう言いきれるんでしょう?私がメモリーカードの事を聞いた時…。
誰がなんのために抜き取ったのかお心当たりありませんか?いえ…知りません。
彼女は嘘をついた。
という事は自分に不都合なものだった。
誰にも見られたくないから抜き取った。
そう考えられますよね。
なるほど。
しかし不都合なものというと…。
事件当夜絵里さんは萩原英二の誘いに乗り初めて密会した。
そしてその萩原英二がカメラを持っていたという事は…。
ああ…許せない奴だ。
盗撮したものをネタに関係を続けるよう迫るつもりだったんでしょうか?だからこそ根岸絵里はメモリーカードを奪い萩原英二を殺害したんですよ。
そうですよ。
いやカメラに指紋が残されていた事でかえって絵里さんへの疑いは消えました。
彼女はメモリーカードは抜き取ったかもしれませんが萩原英二を殺害してはいません。
犯人なら指紋を拭い消したはずです。
(悠子)でも突発的な犯行だとしたら気が動転して指紋を拭き取るのを忘れたのかもしれません。
いやこれは突発的な犯行ではありません。
極めて計画的な犯行です。
(北島)確かに。
ロープを持参して絞殺しているわけですから。
絵里さんに人を殺せるわけはないんです。
あの夜絵里さんと萩原さんが会っている事をご主人は知っていたんじゃないですかね?電話がどうも気になるんです。
電話?事件当夜根岸嘉男さんは妻の絵里さんに2度電話しています。
8時35分と11時56分ですね。
普段あまり連絡がないそうなのにあの夜は2度もペンションに電話しています。
それは「四月展」に入選した事を知らせたかったからじゃないですか?しかし事件当夜の電話ではそんな話は出ず「四月展」に入選の事は翌日帰宅後聞いたと絵里さんが証言しています。
あ…。
8時35分の電話あの電話は絵里さんが出かけているかどうかを確認するためだったのではないでしょうか?という事は絵里さんが出かける事を知っていた。
そしてその相手は萩原英二だと知っていた。
(小野)なぜならそうさせるように仕向けたのは自分だったから。
夫である根岸嘉男は萩原が絵里さんを誘い出すよう仕組んでた。
そういう事ですね?警部!けど全て推測です。
事実は電話が2度あった事だけです。
(絵里)ランチ持ってきたわ。
ああ…ありがとう。
どうかした?告白でも始める気?え?
(嘉男)萩原に誘われてその気になったんだろ。
まさか殺してはいないよな?なんて事を…!ひどい!ひどいわ!あなたこそ浮気してるくせに!
(嘉男)いい加減な当てずっぽうを言うな。
(絵里)写真見たのよ私。
お姉さんが私立探偵に撮らせた写真。
(嘉男)バカバカしい。
義姉さんは君が養子の僕を追い出すようにでたらめを吹き込んだのさ。
それを信じる君も君だ。
まったく呆れた似たもの姉妹だよ。
(すすり泣き)行彦さん…。
なんかあった?絵里ちゃんを泣かすような奴はこらしめてやらなきゃ。
(絵里)なんでもないの…。
(絵里)ゆうべ姉と言い争ったのを思い出しちゃっただけ。
(高木)夕紀さん来てるの…。
苦手なんだよなあ俺も。
そんな事言わないであとで会ってあげて。
うん。
じゃあ。
係長!事件当夜の新しい情報です。
その事で鳩ノ巣味本舗に行ってこようと思うんですが。
鳩ノ巣味に?俺署長に呼び出されてるんだ。
警部すみません。
椿に付き合って頂けませんか?警部…。
(いびき)警部。
(南田)小野君福原警部も君の事を心配しているよ。
(小野)は?警部がですか?根岸絵里に対する君の気持ちだ。
警察の仕事はまず疑ってかかる事だが今回の事件に限っては君ははなから根岸絵里に殺人は出来ないと信じきっている。
申し訳ありません。
これは個人的感情というより刑事の勘が絵里さんは犯人ではないと言わせているのでありまして。
その根拠は?はい…古い話です。
私は警官を拝命した1年目の冬この奥多摩署管内の村の駐在所勤務をしていました。
その冬のある朝自転車で仕事に向かっていたところ前夜降り積もった雪道に難儀した揚げ句1軒の別荘前の道で派手に転倒してしまいまして…。
別荘の窓から私が自転車ごと転倒するのを見て心配して飛び出してきてくれたのが6歳の絵里さんでした。
大丈夫?えっ…。
(絵里)はい。
絵里ちゃん。
はーい。
あのチョコレート口の中で温かく溶けてその甘かった事今でも忘れられません。
もちろん絵里さんの記憶には残ってないでしょうが私はあの時心に誓ったんです。
警察官として一生懸命仕事をしよう人のために尽くそうと。
そうか…。
幼い絵里さんの優しさが心に刻まれていたんだね。
だからずっと信じていた。
あの絵里さんに人を殺せるわけがないと。
はい。
鬼の係長にそんな思い出があったとは…。
ハハハッ…!
(ため息)久保田社長事件当夜タクシーで青梅からお帰りになりましたよね。
その時の運転手さんが1台の車を見かけたと証言しているんですが。
(久保田)さあ…私は気づかなかったな。
あの時間はもう真っ暗でそれにうとうとしてましたからね。
あっそれよりちょっと…萩原さんの事で思い出した事がありまして。
2週間ほど前地元の居酒屋の座敷で見かけたんですよ。
人目をはばかるように…それも思いがけない相手と。
その思いがけない相手というのは?
(久保田)根岸嘉男さんです。
絵里さんの旦那の…。
ではそういう事でよろしくお願いします。
(久保田)まあでも嘉男さんは会った事もないような顔してましたけどね。
萩原さんともほとんど交流がなくて…。
いつ話してくださるのかと実は待っていたんですよ。
いや…これは。
ああ!そうそうもう一つ。
今日妙な女性がやって来ましてね。
妙な女性?
(美貴)この辺りに宝の山があるんですって?レアメタルが埋蔵されてるとか。
本当なのかしら?きっと絵里さんとこの宝の山を狙ってるんですよ。
まったく…油断も隙もない世の中ですから。
お宅はその利権に噛んではいないんですか?
(久保田)うち?いやいや…。
ハハハッ。
あの顔は噛んでますって顔ですね。
そういえばいやに協力的でしたね。
次から次に情報を提供して妙な女性の話まで。
何か隠したい時人間は多弁になるものです。
じゃあ…!彼は何か隠しています。
(電話)はいもしもし。
何を企んでるか知らないが絵里さんを泣かすような事をしたら許さん。
(サイレン)
(北島)この辺から転落したようです。
(悠子)事故でしょうか?遺書はありませんが自殺という事も。
借金を抱えていたようですし。
殺人の線も考えられますね。
(小野)ガイシャは久保田圭介。
鳩ノ巣味本舗の社長だ。
死因は転落による失血死。
死亡推定時刻は今朝の6時前後。
なお昨夜9時過ぎに久保田は自分の店から2件電話をしている事がわかった。
2件…。
彼自身がかけたのに間違いないんだね?はい。
家族はかけてないそうです。
1件はKnハウジングに2件目は非通知でローズ奥多摩ガーデンにかけてます。
非通知で…。
失礼します。
あっああ…。
ちょっとちょっと…。
おお…。
お仕事中すみません。
これは刑事さん。
何か?
(川中)お待たせしました…。
どうぞ。
社長の兄もみんな出払ってまして。
どうぞお構いなく。
久保田さんが亡くなりましてね。
(川中)さっき職人から聞きました。
もうビックリして…。
ゆうべ電話もらったのが嘘みたいです。
9時過ぎに電話があったそうですね。
はい。
お店の改造を相談したいから一度寄ってくれないかと。
お宅は誠実な仕事ぶりで地元の皆さんから信頼されてるそうですね。
ありがとうございます!久保田さんの事で最近何か気になった事はありませんでしたか?さあ…?あっ。
そういえば一度私ケンカを止めた事がありましたが…。
ケンカ?
(川中)はい。
(川中の声)高木さんの別荘の前を車で通りかかった時…。
(川中)あー!ちょっちょっ…どうしたんですか?2人とも。
やめてください。
(川中の声)いつも仲がいいのにもうビックリして…でもそのあと仲直りにビール飲んでましたから。
あっすみません。
大した情報じゃなかったですね。
忘れてください。
(ノック)高木さーん。
(においを嗅ぐ音)
(においを嗅ぐ音)
(においを嗅ぐ音)あっこんにちは。
刑事さんじゃないですか。
いや〜いいですねえ薫製作りですか。
ええ。
このにおいからするとスモークチップはサクラではなくて…ヒッコリーですね。
おっ…詳しいんですね。
いえいえ…。
出来上がったばかりのものがあるんです。
うわー美味しそうですね!試食してみてください。
すみません。
いい香りでしょう。
本格的ですね。
どうぞ。
いただきます。
うまい。
なかなかですね…。
「うまいものを作る人間に悪人はいない」これ私の持論でしてね。
ご用はなんです?失礼しました…。
久保田さんが亡くなられたのはご存じですよね?ええ。
(高木)転落死だそうですね。
なんであんなところに行ったのか。
久保田さんとはだいぶ親しかったようで…。
さすが刑事さん情報早いですね。
一度派手に殴り合ったのをKnハウジングの専務に仲裁してもらった事でしょう。
あの…立ち入った事を伺いますがその殴り合いの原因はなんだったんです?仲のいい男同士の争い事は女に決まってるでしょう。
絵里ちゃんですよ。
抜け駆けしたとかしないとか今考えるとつまらない事で…。
私…絵里ちゃんの亡くなった兄貴とは親友だったんですよ。
その彼から「絵里の事を頼む。
あいつは世間知らずだから」と遺言のように頼まれたもので…。
絵里ちゃんの事になるとつい…過剰反応しちゃうんですよね。
ここだ。
あっ警部。
ちょっと…。
失礼。
根岸嘉男ですが萩原英二が殺された事件当夜のアリバイが崩れました。
確か彼は定宿にしている上野のホテルに宿泊していたと言っていましたが。
それが宿泊していないんです。
口の固かったホテル側がやっと証言してくれました。
ご苦労さまです。
署までご同行願えますか?お話をお伺いしたい事がありまして。
確かにあの夜上野の定宿には宿泊しませんでした。
なぜ嘘をついたんですか?あの夜本当はどちらにいたんですか?久保田さんは亡くなる前夜ローズ奥多摩ガーデンに非通知で電話をかけてます。
奥さんは電話は受けていないと証言している。
その非通知の電話は嘉男さんあなたが受けられたんですね?いらっしゃいませ…。
絵里ちゃんは?今ちょっと出かけてます。
そうか…。
じゃあちょっと待ってようかな。
コーヒー1つ。
はい。
あとこれも。
あっはい。
ご苦労さま。
ありがとうございます。
あ〜参りました!ほとんど完黙もいいとこですよ。
定宿に泊まらなかった事は認めましたけどあとは黙秘したままで…。
ああ。
ここは福原警部に一肌脱いでもらったらどうだ?うん…フフッ。
ロビーにいたな。
(せき払い)警部助けてください。
(いびき)寝てる場合じゃありませんよ。
警部!根岸さん黙秘を貫いて何をそんなに隠そうとしているんですか?奥さんの絵里さんがあの日萩原さんに誘い出される事をご存じだったのではありませんか?実はあなたと萩原さんが居酒屋で会っているのを見かけた人物がいましてね。
でもあなたは萩原さんとは交流がないと仰っていましたね。
いや私はここの経営にはノータッチで妻に任せてますんで。
ほとんど萩原さんとも交流がなくて…。
あなたは何かを懸命に隠し守ろうとしている。
それは殺人の容疑をかけられても守るべきものなのでしょうか?私は…私は誰も殺してない。
でしたら容疑が晴れるよう全てお話しください。
(絵里)おかえりなさい。
なんだったの?警察。
ごめんなさい。
えっ?だって私の事で呼ばれたんでしょう?君の事?萩原さんを殺したのは私じゃないかって。
警察が疑ってるのは俺のほうだよ。
萩原たちを殺したのは俺じゃないかってね。
そんな…!あなたがそんな事するはずないじゃない。
(絵里)あなた…。
絵里。
(ため息)いや…なんでもない。
(携帯電話)もしもし?
(美貴)「私です。
今…」近くに来てるんです青梅に。
出て来れないかしら?やめておこう。
私心配で…。
僕たちは間違った事をしてしまったのかもしれない。
裏切ってはいけない人を裏切ってしまった。
(美貴)「もしもし?」
(鳥の鳴き声)
(悲鳴)
(サイレン)せーのっ!よいしょ…。
大丈夫ですか?向こうでお休みになったほうが…。
朝出勤してすぐアトリエの空気を入れ替えるために窓を開けに…そしたら…。
(泣き声)遺書はありませんが現場の状況から見て自殺ですね。
奥さんこれは写生用ですか?はい…スケッチ用に私が用意したものです。
普段ご主人はリンゴは皮をむかないで食べるんですか?また食い物の話かよ…。
ご主人はリンゴの皮はむかないで皮ごとかじって食べる方ですか?ああ…。
はい。
もちろんむいたのも食べますが時々丸かじりする事もありますが。
ったくつまんない事にこだわって…もう。
警部!この絵だけ大事そうに風呂敷に包まれてまして…。
まだ描きかけのようですが。
日本画のタッチですが『モナ・リザ』のような感じの作品ですね。
こんな作品があったなんて知りませんでした…。
この絵の女性はご存じですか?いえ…まるで心当たりありません。
いただきます。
警部鑑識からです。
例の描きかけの絵ですが絵の具の具合から見て6年前ぐらいに描かれたものじゃないかという事です。
6年前?
(絵里)あなた…。
絵里。
(ため息)いや…なんでもない。
(小野)根岸嘉男の死因は縊死による心肺停止。
死亡推定時刻は夜中の1時前後。
昨夜は宿泊客もなく姉夫婦も帰りローズ奥多摩ガーデンにいた人間は根岸嘉男その妻の根岸絵里この2人だけでした。
戸締まりは全てされており外部から誰かが侵入した気配はなくいわばペンションは密室状態でした。
遺体の状態また現場の状況から見てこれは自殺と断定せざるを得ません。
(南田)建物は密室状態としても建物内にいたもう一人の人物の犯行とは考えられないかね?お言葉ですがもう一人の人物は妻の根岸絵里ですよ。
ロープを梁に巻きつけて自殺に見せかけるために遺体を吊るすなんて事は女性の力では不可能です。
根岸嘉男には萩原英二及び久保田圭介殺害の容疑がかかってました。
我々の尋問には黙秘を貫きましたがもはや逃れようがないと観念し自殺を選んだものと思われます。
私はずっと思ってました萩原を殺したのは根岸嘉男じゃないかと。
久保田社長ともなんらかの利害関係があったんです。
まあ被疑者死亡で幕を引くのは残念ではありますが…。
うーん…どうも引っかかるんですよねアトリエにあったひと口かじられたリンゴが。
(小野)いいですか福原警部。
かじったリンゴの跡から検出された血液型はAB型。
根岸嘉男の血液型も同じAB型。
彼が根岸嘉男が自分のアトリエでかじったものに間違いないですよ。
一体何にこだわってるんですか?署長結論を出す前にもう少し…もう少しだけ時間を頂けませんか?わかった。
頼むよ。
皆さんにお願いがあります。
根岸嘉男の葬儀の客を徹底的に洗い出してほしいんです。
よろしくお願いします。
これ…お返しします。
いいから持ってなさい。
お返しします。
いいから!
(北島)こんにちは。
これは?私は…ただ絵里の事が心配で。
宝の山の事もあるし…。
あの子が誰かに騙されるような事があったら…。
それで伸子さんに絵里さんの様子を探らせていたんですね。
このお金を与えて。
私スパイみたいな事は嫌だって…。
スパイだなんて…人聞きの悪い。
2人きりの姉妹じゃないですか。
もう仲よくやってくださいよ。
すみません…!警察の者です。
単刀直入で失礼ですが根岸嘉男さんとお付き合いのあった方ですよね。
今日は主人の名代でご葬儀に参列させて頂きました。
長瀬美貴と申します。
長瀬さん…。
では根岸嘉男さんの師匠長瀬教授の…。
はい長瀬の妻でございます。
あいにく主人が出席出来ませんで…。
申し訳ありません。
この先に車を止めておりますので。
あっ…ちょっと待ってください!このモデルはあなたですよね?さあ…どうでしょうか?亡くなった根岸さんがずっと大事に持っていらしたものです。
6年前に描かれたようです。
6年前お二人の仲が始まったんじゃありませんか?何を仰っているのか私には…。
根岸嘉男さんの無実を証明するにはあなたの証言が必要なんです。
ですから失礼を承知で立ち入った事を伺ってるんです。
無実?このまま殺人者の汚名を着せたままあの世に送ってしまっても本当にいいんですか?根岸さんはあなたをかばって最後まであなたの名前を出さなかった。
萩原英二さんが殺害された夜根岸さんとあなたは一緒だった。
違いますか?仰るとおり…6年前彼とは密かに愛し合うようになりました。
横暴な主人に耐えている私に彼が同情したのが始まりでした…。
離婚して根岸さんと一緒になろうとは思わなかったんですか?そんな事かなわぬ夢でした。
主人に2人の仲が知れたら彼の画業を妨害し前途を閉ざされる事は明らかでした。
それに私には2人の子供もいましたし…。
何もかも捨てて一緒になるにはあまりにもリスクが大きすぎました。
といって別れる事も出来ず根岸さんが絵里さんと結婚したあともお二人は密かに会っていたんですね。
はい。
あの夜も…湯島のホテルで会っていました。
(美貴の声)彼は8時半頃と12時前の2度ペンションの絵里さんに携帯をかけていました。
その8時35分の電話に絵里さんは出られなかったんですがその事で根岸さんは何か仰っていませんでしたか?はい…。
出ないな…。
やっぱり出かけたか。
どういう事?これでこっちに有利な離婚が出来るかもしれない。
「これでこっちに有利な離婚が出来るかもしれない」…。
彼が何を考えていたかはわかりませんがでもあの時私は何もかもうまくいって…。
彼と再婚出来るかもしれない…!そんな夢を見てしまって…。
警部裏が取れました。
(北島)萩原英二が殺害された夜根岸嘉男は長瀬美貴と湯島のホテルに宿泊しています。
2人の顔写真で確認してもらいました。
ご苦労さま。
アリバイ成立ですね。
という事は根岸嘉男の死も自殺に見せかけた殺人って事も考えられますよね。
(電話)もしもしローズ奥多摩ガーデンです。
小野さん…。
外部にはまだ黙ってて頂きたいのですがご主人の容疑が晴れました萩原さん殺害の。
ありがとうございました。
よかった疑いが晴れて。
でも誰が一体萩原さんを…。
真犯人は誰なのか。
もう一度事件を整理してみよう。
(小野)はい。
萩原英二久保田圭介根岸嘉男が死亡し事件関係者のうちアリバイがはっきりしていないのは高木行彦ただ1人ですね。
3件の事件ともに高木行彦にはアリバイがありません。
(男の子の声)僕が一生守ってあげる。
(男の子の声)守ってあげる…。
(南田)アリバイなしか…。
(南田)動機のほうはどうなんだね?はい動機はですね…。
真犯人は絵里さんのナイトかもしれない。
ええですから…。
ナイトグループの高木行彦。
ナイト…バラ館のナイト。
(南田)『ばらの騎士』っていうのがリヒャルト・シュトラウスのオペラにあったな。
いや…亡くなったうちの家内がオペラが好きでね。
でも僕はどっちかというと…。
失礼します!えっ…?あの…絵里さんは?ついさっき出かけました。
何か思い詰めたような青い顔で飛び出して行ったきりで…。
えっ?
(鳥の鳴き声)
(絵里)行彦さん。
(絵里)あなただったのね。
これはこれはプリンセス絵里。
やっと来てくれましたね。
子供の頃守ってあげる…そう誓ったのはあなただったのね。
何があっても君の事は守ってあげるからね。
だから…だから私を守ろうとしてあんな事…!何わあわあ言ってるの?せっかく姫君自らやって来てくれたのに…。
さあ中に入ろう。
(施錠音)絵里ちゃんが来てくれて嬉しいよ。
アトリエのあのリンゴ…。
まさかあなたが…あなたが夫の事も!僕の気持ちはわかっているよね?絵里ちゃん昔から僕は…。
(絵里)やめて!!
(高木)なんだよ絵里ちゃん…。
絵里ちゃん!絵里ちゃん…。
嫌だ…やめて!やめて…やめて!
(高木)絵里ちゃん!勉君…!
(男の子の声)守ってあげる。
勉君…あれは手作りの首飾りをくれたのは勉君あなただったのね!
(男の子の声)僕が一生守ってあげる。
お嬢さんも約束してくれましたよね僕を…。
お婿さんにしてあげる。
(川中)お婿さんにしてくれるって。
やめて!汚いんだ。
裏で企んでお嬢さんの事を…!
(絵里)お願いやめて!!やめて…お願いもうやめて!何も心配ありませんよ。
自分で首を吊ったように見せますから。
よっ!ほっ。
せーのっよいしょ…。
夫の事もそうやって…!せーのっよいしょ!勉君やめて…やめて!やめません!よいしょー!
(ガラスの割れる音)
(北島)やめろ!
(川中)何?何?何…!?痛い痛い痛い…!あっ痛い…!
(せき)痛い痛い痛い…!大丈夫ですか?よかったです。
万一を考えて君たちを絵里さんのガード役に送り込んでおいて。
僕は守ろうとしただけなんですよお嬢さんを…。
まず萩原英二さんから守ろうとした。
そうですね?見たんですよ僕。
2人が人目を避けるように話してるのを。
あなたも隅に置けないな。
素敵な奥さんがありながら出張の度に密会してるとはね。
やはり図星でしたか。
ここはギブ・アンド・テークでいきましょう。
あなたの不倫は奥さんには話さない。
その代わり私が奥さんと愛人関係になるのにも目をつむって頂く。
どうです?根岸さんあなただってそのほうが都合がいいんじゃありませんか?どういう意味ですか?奥さんとの離婚を有利に進められるかもしれない。
そもそも根岸家に婿に入ったのも働かなくても生涯絵を描いていられると思えばこそで財産がペンションだけとなった今思惑外れもいいとこ。
だがここへ来て根岸家の二束三文の山が宝の山とわかった。
先日山の件でお会いした時あなたいやに熱心だった。
それでピンときていろいろ調べさせてもらったんですよ。
あなたの不倫を奥さんが知ったら無一文で追い出されても文句は言えませんよね。
今度の日曜日上野に出かけます。
1泊の予定です。
(小野)つまりその日チャンスをあげるからどうぞってわけですか。
くっ…!2人の密談を聞いたあなたはなんとしても絵里さんを守らなければと事件当日萩原さんを車で尾行しましたね。
はい。
新宿のホテルのレストランまでは確認出来たんですけどそのあと見失ってしまいホテルの駐車場で待ち受けていると…。
(エンジン音)
(福原の声)絵里さんのあとに萩原さんも出てきたので再び尾行を続けたんですね。
そして奥多摩の林道で先回りして萩原さんの車を止めさせ…。
すみませーん!あれ?萩原さん。
(福原の声)萩原さんの車に乗り込んで隠し持ったロープで首を絞め殺害した。
ありがとうございます…!!ありがとうございます!
(福原の声)そして物取りの犯行と思わせるため財布を抜き取った。
ありがとうございました…。
(小野)次は久保田社長だ。
彼を転落死に見せかけて殺したのも君なんだろう?事件当夜林道から出てきた車に気づかなかったと久保田社長は証言しましたが実は気づいていて…その事であなたを脅してきたんですね。
宝の山に出資したいんだが手持ちがなくてね。
まあ全ては専務次第だけど。
(久保田)「明日の朝6時杣の小橋に来られるかな?」「あそこなら人目にもつかずゆっくり話せる」お嬢さんの山なのに全然関係ない久保田まで…裏でうまく立ち回ろうとしているのも許せなかったんですよ!絵里さんを守り口を封じて自分の事も守る気だったのか。
専務お金融通してくれないかな。
いやそれは…。
そうすれば黙っててやってもいいよ。
本当ですか!?ありがとうございます!本当に…ありがとうございます。
ありがとうございます!ありがとうございます…!
(久保田)うわー!そして最後は根岸嘉男さんです。
容疑の矛先が彼に向けられているのを知るとあなたはその機会を逃さなかった。
根岸さんが自宅に帰されたあの夜あなたは密かにアトリエに忍び込んだんですね。
川中さんあなた鍵を持ってますよね。
あっ専務うちも隙間風がひどくてさ。
(川中)あっ見ておきます。
頼むね。
はい。
ありがとうございます。
失礼します!修理の際に必要なため以前から予備の鍵を持っていてもらったんです。
その鍵を使って…!自殺に見せるために…。
川中さん常に慎重で用心深いあなたの堅実な仕事ぶりはここでも発揮された。
自殺説が崩れた時のためにもう一つ手を打っておいた。
(福原の声)かじりかけのリンゴです。
あれは高木さんのものですね。
かじりかけのリンゴからは根岸さんと同じ血液型が検出されましたが高木さんの血液型も同じAB型。
詳しいDNA鑑定をすればそれがすぐに高木さんのものと鑑定されるはずです。
狙いはそこだったんですね。
根岸さんの自殺説が崩れた場合今度は疑いの矛先は高木さんに向けられる。
そして自殺に見せかけて高木さんを殺害すれば全ての事件を完結させる事が出来る。
(高木)参ったな…。
刑事さんたちが駆けつけてくれなかったら…。
そうか…あの時のリンゴ根岸さんが事情聴取に呼ばれたっていうんで心配して訪ねた時ついひと口かじってしまって。
ああすみません…。
休憩したいのでコーヒー4つ頂けますか?はいわかりました。
お願いします。
あれをアトリエの果物かごに入れたってわけですね。
絵里ちゃんの亡くなった兄さんとも約束したし兄のような気持ちで接してるつもりだったけど男としての気持ちを抑えきれなくなってしまって…。
ごめん絵里ちゃん…。
本当にごめん…!僕がいるよ。
困ったらまた助けてあげるからね。
(川中)僕は約束したんだ一生守ってあげるって。
だから…だから約束を守ってこれからもずっとずっと僕が守ってあげるからね…!すぐ戻るから待ってて!勉君…。
(川の流れる音)私悔やんでも悔やみきれません。
幼い頃だとはいえ勉君の心を惑わすような事を言ってしまって…。
私気になっているんです。
最後の夜…。
(絵里)あなた…。
絵里。
(ため息)いや…なんでもない。
何か言いかけてやめたんです。
あの時何を言おうとしたのか…。
そんなにご自分を責める事はありませんよ。
(絵里)私間違ってたんでしょうか?父に勧められた結婚ですがでも私彼の絵が好きだったから。
彼の絵のためだったらなんでもしようそう思ってペンションの経営にも精を出して…。
それがいけなかったんでしょうか?あなたは間違ってませんよ。
間違いに気がついたのはご主人ですよ。
えっ…?最後の夜あなたに何か言いかけてやめたと仰いましたよね。
それはあなたに謝りたかったのではないでしょうか。
バカな事をしてしまったと。
あの描きかけの絵の女性長瀬美貴さんが話してくれました。
僕たちは間違った事をしてしまったのかもしれない。
裏切ってはいけない人を裏切ってしまった。
あなたを裏切った事を後悔して謝って済むものなら謝りたいそう伝えたかったのではないでしょうか。
やり直せるものならやり直したいと。
ご主人が最後まで長瀬美貴さんの名前を出さずに黙秘を貫いたのもどこかで絵里さんあなたを守りたいそう思ったからではないでしょうか。
長瀬美貴さんの名前を出す事によって絵里さんあなたをこれ以上傷つけたくないご主人はそう思ったのでしょう。
刑事さん…。
そう言って頂くと少し気持ちが救われます。
これからもペンションを続けていこう今やっとそう思えてきました。
ありがとうございます。
小野さん!さあかくれんぼしてないで。
心配ありませんよ絵里さんはもう。
はい。
本当にありがとうございました。
警部…!南田署長から聞きました。
(南田)小野君まだかね?
(小野)ちょっとお待ちください。
このアクを取れば…オッケーです!じゃあみんなご苦労さまでした。
お疲れさまです!お疲れさまでした。
今日はこの鴨鍋を福原君に負けないようにがっつり食べてください!署長!ではいただきます!
(一同)いただきます!さあお取りしましょう。
ああすみません…!お取りします。
(悠子)ありがとう。
申し訳ありません。
これ美味しそうですねえ。
うまいですよ。
ああ…!お肉お肉!まずは…まずはどうぞ。
すみません。
ありがとうございます!ああ…これはうまい!しかし今回の事件でよーくわかりました。
小野さんこそ真のナイトでしたね。
なんの見返りも求めず陰で憧れの人を支えようとして…。
じゃんじゃん持ってきて!鴨肉。
照れてる照れてる!照れてる…。
いただきまーす!小野さん鴨肉全然入ってないですねこれ。
えっ?鴨肉全然入ってない。
野菜だけですね。
そうですか?第2陣をお待ちください。
もうちょっと今分けちゃったんで。
(南田)じゃあ代わりに豆腐でも入れておきなさい。
(水沢礼子)15年前の爆弾?事件が解決しない限り身の危険があります。
何か隠してませんか?
(坂本正志)政治家は公人ではありますが一市民でもある。
(藤原幸雄)慶子!
(幸雄)俺はお前を必ず見つけ出し俺の手でお前を殺す!私はあなたを捕まえたくない。
我々が必ず真実を突き止めます。
本当の15年前の爆弾はまだどこかに眠ってるはずよ。
(二宮早紀)始めます。
(二宮一馬)美術解剖学ってなんだ?
女医が暴く殺人ボールの謎
(桐島大作)これを見てたら帰ってきてください。
(七海)あら?わかっちゃった?私に復顔をやらせてもらえないかしら?2014/09/20(土) 21:00〜23:06
ABCテレビ1
土曜ワイド劇場「内田康夫サスペンス・福原警部」[デ][字]
フグハラ体型の警部と美人刑事の殺人捜査!W不倫が呼ぶ連続殺人かじりかけのリンゴの謎!?
詳細情報
◇番組内容
“石ちゃん”こと石塚英彦が“ふぐッ腹体型”の切れ者警部に扮する人気シリーズ第5弾!W不倫の果て!?美人ペンションオーナーが殺人容疑者に!複雑な連続殺人の謎に、福原が挑む!
◇出演者
石塚英彦、藤谷美紀、宅麻伸、渡辺いっけい、原史奈、窪塚俊介、黄川田将也、京野ことみ、蟹江一平、遊井亮子、賀集利樹、原千晶
◇スタッフ
【原作】内田康夫
「軽井沢の霧の中で」角川文庫刊
【脚本】森宮栄
【音楽】吉川清之
【監督】伊藤寿浩
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/dwide/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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