Crossroad <神田沙也加> 2014.09.20

今年最大級の話題をさらった映画…。
数々の記録を塗りかえいまだブームは冷めやりません。
驚異的なヒットの要因そのひとつが日本語吹き替え版のよさ。
名曲『LetItGo』をみごとに歌い上げた女王エルサ役の松たか子さんをはじめ日本人キャストの声の力が多くのリピーターを生み出したのです。
なかでも大きな反響を呼んだのがアナ役を演じた神田沙也加さん。
歌うために生まれてきた。
そう思わせる沙也加さんの美しい歌声。
しかし彼女の中にはかつてこんな思いが。
自分としては葛藤を抱えそれに打ち勝ち今大きな花を咲かせた彼女のこれまでの奇跡とこれからに迫ります。
人の行く道は一本道とはかぎらない。
突然に岐路が現れ進路を選ぶことで旅路は続く。
この人はどんな道を歩むのだろう?7月のある日沙也加さんの姿がミュージカル『ひめゆり』の稽古場にありました。
もう何年もミュージカルを中心に活動を続けてきた沙也加さん。
この作品実は2年前にも主役を務めてはいるのですが他のメンバーが2か月も前から稽古を始めていたのに対し沙也加さんは今日が初日。
別の仕事と重なり参加が遅れてしまったのです。
はい今日からです。
お願いします。
ミュージカルは動きの一つひとつが音楽に合わせて決められています。
出遅れた分を一刻も早く取り戻そうと演出家と細かに動きを確認しながら取り組む沙也加さん。
緊張感が伝わってきます。
最初に開くのが…ごめんなさい最初に開くのが…。
3…2か。
2番。
わかりましたはい。
大丈夫ですわかりました。
しばらくすると一人屋上へ。
暑い!いったん休憩ですか?いったん休憩です。
長い休憩は入らないので。
休憩はおのおのが出番の隙を見計らってとります。
はぁ…。
(スタッフ)結構ギュウギュウな感じでやっているんですね。
そうですねバタバタだった私が悪いんですけど。
まだ稽古今日が初日ですけど…。
私はもうだから結構急ピッチで自分の出演部分をまとめて今日やってもらってるという感じで。
最初すごい緊張しました。
2年前は一応主演って形なんですけどセンターに立ってること自体がすごい心もとなかったんでそれはちょっと慣れました。
暑いですねしかし。
暑いでしょ大丈夫ですか?
(スタッフ)しかし暑いですね。
暑いですよね。
楽曲は全編オリジナル。
初演から今年で19年目を迎える日本を代表するミュージカル作品です。
「美しい沖縄」だから結構固定でいらっしゃるお客様がいらして…。
私やらせてもらった年も結構お客さん見てくださって。
それでホントは翌年も声かけていただいたんですけど違う作品を体調不良で1回降りちゃってその年やろうとしてたのご迷惑かけるといけないので全部降りたんですね。
なのでもう一度それで言ってくださった…。
リベンジ的な思いが実は裏ではあって。
強い決意でこの作品に挑むミュージカル女優神田沙也加。
でもこの道最初から目指していたわけではありませんでした。
「壊れかけた夢拾いあつめたらそう」15歳で恵まれた歌手デビューを飾りテレビに映画にひっぱりだこだったかつての沙也加さん。
「進んでいけばいいよそして」初めてのCMは歌手デビューの1年前。
使われた曲は歌だけでなく作詞も担当。
すっきりフルーツがおいしい。
冷たっ!ところが18歳のときのこと。
なんかやりたいことと求められてることと自分がやってることっていうのがいろんな顔がありすぎて自分の中で統合できなくなってしまったというか。
何がやりたいのかよくわからなくなってきちゃったなと思ったんで。
高校卒業というタイミングもあったんで休止しました。
自らの決断で芸能活動を休止。
そして沙也加さんは働くということを改めて実感してみようと思い立ちます。
アルバイトをしてました。
中目黒のダイニングバーと実家の近くの結構かたい和食屋さんですね。
やっぱり接客業は好きだと思ったんで。
サービス業というか。
もしかしたら芸能に戻ってこずにやってたかもしれないです。
しかしこうして1年以上が経った頃ある話が舞い込みます。
それが憧れていた女優大地真央さんからの共演の誘い。
作品はミュージカル『紫式部ものがたり』。
私はもうホントにミュージカルを好きになったきっかけが日本のミュージカルですね。
大地さんだったので。
そんな機会はもう二度とないだろうなと思って。
憧れの大地さんと共演できるというのが芸能界に戻ったいちばんの動機。
そう言いながらも沙也加さんの中には復帰に際しひとつ心に固く決めたことがありました。
それが自分は何なのかを確立すること。
10代のときはいろんな経験をすごくやらせてもらってるけど肩書きがわからない。
自分がその…。
歌手…ではないでも歌手もやってる。
女優ではないでも女優もやってる。
タレントではないでも…。
だからそういう状況がすごく嫌だったので。
何かひとつのことをちょっと続けてみようって決めて復帰しました。
だから…。
ミュージカル女優としてやっていく。
道をひと筋に決めて再び歩き出した沙也加さん。
しかし本当の試練はここからでした。
実は彼女二十歳まで歌も踊りもレッスンらしいレッスンを受けたことがなかったのです。
トレーニング漬けの日々が始まりました。
バレエなんか最初全然できなかったし。
歌も全然先生がやってることが再現できなくて。
録音するんですけど録音したのをあとで聞いては落ち込んで。
このままできるようにならないんじゃないかなってすごいずっと思ってました。
更に…。
落ちます落ちます。
全然落ちますね。
今でもガンガン落ちますよ。
オーディションでは落とされることもしょっちゅう。
いろんなバックボーンとか関係なく実力が足りないのは私のせいだからだから私が落とされるし。
2010年ブロードウェイミュージカル『ファンタスティックス』への出演もオーディションで勝ち取りました。
そのときの演出家は宮本亜門さん。
宮本さんはその6年前彼女の舞台デビュー作品も手がけています。
本当にミュージカルが好きだっていう話をして熱意はあるんだと思ってそれで歌いだしてくれたらやっぱりもう赤ずきんという役だったんですけどぴったりで新鮮で何よりもどこまで思い入れがあって参加してくれるかという点ではもう彼女は完璧でしたね。
絶対この人でいこうと。
(神田)楽しかった思い出しかなかったんですね。
だからあのとき亜門さんの演出がものすごくこう毎日泣かされてばっかりだったりしたらミュージカルまたやろうって気になってなかったかもしれないですけど。
着実にミュージカル女優としての実績を重ねていく沙也加さん。
またこの頃彼女が声優になるための学校に通っていたことはあまり知られていない事実です。
声のお芝居で命だったり魂をキャラクターに吹き込むっていう声優さんのメカニズム自体にものすごく衝撃を受けてちょっと事務所と相談してちゃんと勉強したいって言って入学しましたはい。
お待たせしましたわ。
皆様見ていただけました?今週の私の麗しき大活躍!この声の主が後のアナとなるのです。
そしてミュージカルと声優その2つでの努力が一挙に実を結ぶチャンスが訪れます。
オーディションがあるのでそれに興味があったら受けてくださいということをいただいて。
そして射止めたのが…。
ねぇちょっとおかしなこと言ってもいい?映画『アナと雪の女王』日本語吹き替え版のアナ役。
「突然に変わりそう」僕も同じこと考えてた。
セリフを吹き替えるだけでなくミュージカルナンバーを歌いこなさなければならない。
まさに沙也加さんがやってきたことが求められる役柄でした。
「君と出会えて」「全てが」「初めてのトキメキだわ」「二人だから」私がたぶんすごく自然にミュージカルの世界に憧れて好きだなって思えたのって本当に小さい頃からディズニー映画を見てきたのって大きいと思うんですね。
「いま」「もう」「二人だから」そしていよいよ作品が公開となったときのこと。
監督が来日した記念イベントで沙也加さんは劇中歌『生まれてはじめて』を披露。
「窓もドアも開いてるなんて久しぶりなの」「お皿もこんなにたくさん」「閉ざされてた部屋もお祝いのために」「きれいに飾られて」「そう生まれてはじめて音楽にのり」その歌声にジェニファー・リー監督が感激し思わず涙を流したのです。
ソービューティフルサンキュー。
ホントに美しかったのでありがとうございます。
日本人でやるんだったら神田沙也加以外考えられないって言われたんですよ。
そんな褒め言葉はないなと思ってこれだけでも食べていけるっていうか。
これだけでやっていけるって思いました。
だからホント宝物の1日です私にとっても。
そして劇場公開後は大ヒット曲『LetItGo』を歌うエルサ役の松たか子さんに負けず劣らずアナ役沙也加さんの愛らしい歌声が評判となっていったのです。
「きれいに飾られて」「まるで違う場所ね不思議な気持ち」「このときを夢見てた」公開されたてのときによく言われたのは知らなかったけどこれで神田さんを知りましたとか本編のいちばん最後に日本語の声っていってアナ神田沙也加って出るんですけどホント何秒かそれを見るまで神田さんだって気づきませんでしたって人が結構いてこっちに喜びを覚えるという裏方気質。
よしと思って。
アナ役はまさに沙也加さんのここまでの努力の結晶だったのです。
この日は主演最後の通し稽古が行われました。
これは何の?これは『Crossroad』という番組の。
檜山上等兵という役をやって神田さんとは共演2回目になります。
沙也加さん思ったよりリラックスしています。
そして翌日遂に初日です。
沙也加さんの主演ミュージカル『ひめゆり』の公演が始まりました。
会場は連日満員。
ミュージカル女優神田沙也加のファンはもちろん「アナ雪」からの新しいファンも詰めかけ今や遅しと開演を待ちます。
いよいよ幕が開きます。
「美しい沖縄」「愛するふるさとは」戦争の悲惨さと命の尊さ。
そして平和への願いが力強く歌い上げられます。
「歩けない患者が大勢いるのよ」「生きてこそめぐりあい」「新しい何かが生まれる」沙也加さんいわく体と魂を捧げるような気持で挑む作品。
心身ともに削って務めた1週間にわたる公演は大盛況のうちに幕を閉じました。
(拍手)現在ミュージカルというホームグラウンドをベースに声優ラジオDJと活躍の幅を広げる沙也加さん。
「いつまでも私の憧れの沙也加さんでいてください。
大好きです」。
ありがとうございました。
うぅ〜嬉しいよね。
「アナ雪」以降取材される機会は急増。
注目度は増す一方です。
そんななか沙也加さんはこの夏久しぶりにあの活動を再開させました。
再び始めた歌手としての活動。
ロック界注目の若手ギタリストBillyとユニットTRUSTRICKを結成したのです。
TRUSTRICKのプロジェクトが始まったのは『アナと雪の女王』よりも前だったので自分はミュージカルというものもやってるしどっちも片手間にはしたくない。
やっぱり最初の10代のときの葛藤があるから。
だけどやっぱりずっと誰かと組んでやりたいっていう気持は全然色あせずにあって…。
だからこそ誰かいませんか?っていうふうに先輩のミュージシャンの方に紹介していただいて今のメンバーのBillyと会って今やってます。
デビューアルバムの発売当日。
東京下北沢でお披露目の初ライブが行われました。
(スタッフ)おはようございます。
おはようございます。
よろしくお願いします。
会場はすでにご覧の大入り。
女性のファンが多いようですね。
1分前です。
は〜い。
いこう。
いってきます!いってきます。
(スタッフ)頑張ってください。
お願いします。
よろしくお願いします。
もうメジャーじゃなくてもいいと思ってたんですね。
だけどなんかそのデモを作ったときにこれはちょっと自信持って出せるんじゃないかって思っちゃったんですよ。
ふと思い出しては聴きたくなる。
人の痛みに寄り添える音楽を届けたい。
そんな思いを込めた歌声が優しく広がっていきます。
満を持して再開した歌手活動。
今日はイベント会場で歌います。
おはようございます。
(スタッフ)おはようございます。
まだ化粧されてないですよね?もう撮っていいですよ。
大丈夫ですか?はい全然平気です。
ずっと私服もああいう感じっていうかあそこまでフルセットじゃなくてもやっぱりちょっとフリフリしたのを着てたんですよ。
着てるんですよ。
なんですけどたまに衣装で思いついたように今日カジュアル着てみようかっていう日があって着てみると結構そういうのをふだんから着なよって言われて。
だから今年はちょっとカジュアルでいこうかなと。
やっぱそう思う?もっと言ってカメラの前でもっと言って。
ホントにかなり落ち着きました彼女。
池袋サンシャインシティに浴衣姿で登場したTRUSTRICKの2人。
1人でも多くの人に聴いてもらいたい。
そしてやるからには片手間ではなく。
沙也加さんはミュージシャンとして本格的なツアーに出ることを決めていました。
全国ツアーのリハーサルが始まりました。
更にこの日はツアーグッズも出来上がってきていました。
おおかっこいい!あっいいじゃん!かわいい!いいじゃん。
初めてのツアーを前に沙也加さんのテンションはどんどん上がっていきます。
かわいい!そしてツアー初日。
見に来てくれるの?今日。
暑いのにごめんね。
あとでね!待ってるから!バイバイ!かわいい!ここは名古屋。
大勢のファンが沙也加さんを待っていました。
このライブハウスから待望の全国ツアーがスタートするのです。
チケットは既にSOLDOUT。
初めての全国ツアー。
その意気込みは?生まれてきてはじめてなんですよ。
いや狙ってますよね?はいどうも名古屋!
(歓声)待っていたファンの気持に全力で応えようとする沙也加さん。
〜アンコールも盛り上がりツアー初日のライブが無事終了。
お疲れさま!イェーイ!明日も大阪あるから楽しみだね。
うん。
ちょっとずつ場の感じにも慣れていきたいから。
そのとき…。
2度目のアンコール。
ダブルアンコールが起きました。
いける?みんな。
大丈夫です!お願いします!
(歓声)初日からお客さんが簡単には帰してくれません。
〜ライブのあとも多くのファンが沙也加さんを待っていました。
ツアーはこのあと大阪博多などをまわりいよいよファイナルの東京です。
東京。
沙也加さんのユニットTRUSTRICKが初めての全国ツアーのファイナルを迎えました。
この日のやっぱりあなたは歌うために生まれてきたんですね。
自分としては歌うのってとっても怖いことだからもうやりたくなかったんです。
だけどそれがミュージカルっていう形だったりユニットっていう形だったりやっぱり何かの鎧を得ることによって人前に平常心で立てて強気で聴いてくれっていうふうに初めて思うことができてだから歌うこととはやっぱり縁が切れなかった…。
ありがとうございました!歌うことを諦めなかったあなたの真摯な生き方を応援します。
2014/09/20(土) 22:30〜23:00
テレビ大阪1
Crossroad <神田沙也加>[字]

神田沙也加が登場。今年、最大級の話題をさらった映画『アナと雪の女王』の日本語吹き替え版でアナ役を演じて大きな反響を呼んだ彼女のクロスロードに迫る。

詳細情報
出演者
【ナビゲーター】
原田泰造
番組内容
今年、最大級の話題をさらった映画『アナと雪の女王』。数々の記録を塗り替え、いまだブームは続いています。その驚異的なヒットの要因の一つが、日本語吹き替え版。
中でも大きな反響を呼んだのがアナ役を演じた神田沙也加。15歳で恵まれた歌手デビュー、そして18歳で芸能活動休止。葛藤を抱え、それに打ち勝ち、今、大きな花を咲かせた彼女の“これまで”の軌跡と“これから”に迫ります。
番組概要
様々な分野で活躍する、毎回一人(一組)の“挑戦し続ける人”を紹介。彼らが新たなる挑戦に取り組む今の姿を追う。挑戦のきっかけになったもの、大切な人との出会い、成功、挫折、それを乗り越える発想のヒントは何からつかんだのか?そして、彼らのゴールとは?新たにどこへ向かおうとしているのか…。そんなCrossroad(人生の重大な岐路)に着目し、チャレンジし続ける人を応援する“応援ドキュメンタリー”。
ホームページ

http://www.tv-tokyo.co.jp/official/crossroad/

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
音楽 – 国内ロック・ポップス

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:27250(0x6A72)