SWITCHインタビュー達人達(たち)▽鳥嶋和彦×加藤隆生〜ヒットを生むコツ! 2014.09.20

今大の大人を夢中にさせているゲームがある。
制限時間は60分。
会場内にはさまざまな謎や暗号がちりばめられている。
それを全て制限時間内に解いて脱出できるかを競う大がかりなゲームだ。
参加者に配られる解答用紙。
謎を解いて空欄を埋めていく。
マスが全て埋まると脱出のためのキーワードが浮かび上がる仕掛けになっている。
例えばこの問題。
このピッチャーの手の形正しいのはどれ?正解はこちら。
実はこの1つだけが左手だ。
ボールの握り方は無関係なのだ。
モニターに映し出された別の問題。
これは何と読む?「ぎ」が9個で…マス目が埋まった。
線に沿って読むと「ちゅうおうとっぱ」と解けた。
キーワードを手に入れると次のステージに進めたりチェックポイントで新たな謎やアイテムを手にする事ができる。
隠された謎を効率よく探し出し正解にたどりつけるか。
仲間との連携や頭の柔らかさが問われる。
会場はさまざま。
六本木ヒルズで夜景を楽しみながら。
夜の遊園地で。
人気漫画やアニメとコラボしたものもある。
シンガポールやアメリカなど海外にも進出。
動員数はうなぎ登り。
既に100万人を突破した。
このゲームを生み出したのは28歳までフリーターだったというこの男。
よろしくお願いします。
ゲームの仕組みはもちろん一つ一つの謎や暗号も考え出し司会進行までこなす。
そんな加藤が話してみたいというのは漫画やゲーム大ヒットの仕掛け人。
それはこの人。
数々の漫画やゲームにキャラクターとして登場する伝説の漫画編集者…22歳年下の加藤からオファーを受けた鳥嶋は?そういう人のすごさというのは僕は知ってるんで。
鳥嶋は「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」などを国民的人気漫画に育て上げた編集者。
週刊少年漫画雑誌の編集長時代には「ONEPIECE」や「NARUTO−ナルト−」などメガヒット作品を次々とスタートさせた。
社会現象になったゲーム「ドラゴンクエスト」も鳥嶋がいなければ誕生していなかったという。
本日発売分はただいまの時点で売り切れとなっております。
加藤は少年漫画雑誌の編集部にやって来た。
「ONEPIECE」に「NARUTO−ナルト−」「黒子のバスケ」「トリコ」に「HUNTER×HUNTER」。
名だたる人気連載が並ぶいわば漫画の聖地だ。
どうも失礼します。
あっどうも。
初めまして。
よろしくお願い致します。
鳥嶋です。
SCRAPの加藤と申します。
お会いできるのを楽しみにしてました。
やっとお会いできました。
2人が明かすヒットを生み出すコツとは?不思議なもんで…端まで行くとねこっち剥げてんですよ。
もう一回それをやるしかない。
話は縦横無尽に展開して…。
ちょっと聞いていいですか?僕ね時々帽子を買おうと思うんですけどその帽子は…?眼鏡でスーツでスニーカーで帽子っていう…あとかぶっているうちにだんだんはげてきちゃってはげ隠しにも今…。
散らかってるこの一帯がですね「週刊少年ジャンプ」の編集部なんですよ。
へえ〜。
加藤も子どもの頃から親しんだ少年漫画雑誌。
編集部に入るのは初めてだ。
それはどういう事なんですか?寝てる人もいるんですか?家でね。
割とおおらかなんですね。
おおらかです。
それで今何となく閑散としてるけれども…あっなるほど。
え〜っと…。
入社6年目の編集者門司健吾さん。
あれ?そのTシャツのキャラクター御社のでしたっけ?6年目の門司君でちょうど「黒子のバスケ」の校了で。
「黒子のバスケ」。
アニメでも人気のスポーツ漫画だ。
先生のセリフとかが入ってる原稿を入稿するんですけどその時にこのサイズの文字でこの書体で入れて下さいという指定とかあと柱にこういう文字入れて下さいみたいのを全部入れて印刷所入れるんです。
(門司)いやこれが入稿です。
これを入れるとこういうふうに入れましたよっていうのが…。
これが…こうなる。
どうですか?門司さんの仕事ぶりは?物を無くさなきゃいいと思うんだけど。
なるほど。
ここで夢が育まれているんですね。
「ジャンプ」46年の歴史を支えてきたのが読者アンケートというシステムだ。
アンケートで人気がなければ容赦なく打ち切りにされてしまう事もある。
いつも本能的に…ここに関してはごまかしがきかないんです。
僕も新入社員の時に先輩に「鳥嶋君ね『ジャンプ』今週号一番新しいのを1冊読んで面白かった順に順位つけてってくれる?」って。
順位つけたんですよ。
それでアンケートが出てくるじゃないですか。
僕が面白いと思ったものが下の方で面白くないと思ったものが上の方に…。
それでね最初みんなガンッてやられるんですよ。
徹底して…ここをやっぱりずっと時間を…そのつど自分のいろんな経験を重ねながら頭を落ち着けながらいかに分かっていくか。
漫画編集っていうものがどういうものかっていうのがよく分かってなくて漫画家と編集っていうのは二人三脚で漫画っていうのは作っていくんだというふうにおっしゃってたと思うんですけども…。
直接打ち合わせをしてディレクションしてくっていうディレクターの仕事ですね。
次は地方から来て部屋を探すとか漫画家さんの保証人になるとか…。
マネージャーですね。
ええ。
連載っていったらアシスタントを探すとか始まったら食事はどうするかとか…今度これをどういうふうな形でアニメ化してくのかとかゲーム化してくのかプロデュースの仕事が入ってくる。
この3つの仕事が編集者の仕事。
えっ…。
それ普通の会社だったらそれぞれ分かれる…ディレクションとマネージメントとプロデュースってバラバラの仕事を1人でやられるんですか?1人でやります。
数々の流行語を生み出した大人気漫画「Dr.スランプ」。
天才科学者則巻千兵衛が開発した地球最強の女の子ロボットアラレが奇想天外な騒動を巻き起こす。
鳥嶋は無名の新人漫画家だった鳥山明を発掘し二人三脚で大ヒットさせた。
2色カラーだ。
あっえっ?こんな打ち出しなんですね。
普通は今だったらちゃんと表紙になって新連載巻頭カラーで始まるんですが…今にして思うと。
だから2色つきで始まってるんです。
カラーじゃないんですね。
これがでももう…伝説の始まりじゃないですか。
そうですね。
へえ〜。
アラレちゃんの顔が…。
そうなんです。
後のアラレの顔と違って色っぽいんです。
ちょっといい女ですね。
僕の小学校ではみんな「おはこんばんちは」って言ってました。
みんなキーンって走ってましたし。
えっ?鳥山さんの構想では。
少年漫画なのにずっと女の子を描いてくのは嫌だと。
ところが僕はやっぱり最初ネーム読んで…ところが彼も頑固なんでそれで彼と賭けをしましてねこの連載の前に増刊で「ギャル刑事トマト」っていう女の子を主人公にした漫画を載っけてくれと。
そのアンケートが反響がよかったら僕が言うとおりにしてアラレを主人公にすると。
アンケートが悪かったら君が言うように1話でもうアラレいなくしてもいいよと。
ところが僕が…なるほど。
でアラレが主人公になったと。
「Dr.スランプ」連載中のある日鳥嶋にとって衝撃的な事件が。
僕が日本で有名な…「優秀な」じゃないですよ。
そうですね。
世界征服をたくらむ悪の科学者Dr.マシリト。
鳥嶋はその悪役のモデルにされてしまったのだ。
一番嫌なやつを思い描けと。
「世界征服をたくらむ極悪非道の変態科学者」って自分の事を書いてる訳ですね。
ところがもうその原稿を書き換えてもらうには締め切りが間に合わないんでその原稿入れるしかなかった。
そしたらこの回が人気があって編集長がもう一回これ続けて描いてくれって。
このキャラいいぞと。
そう。
どんな気持ちだったんですか?一番ショックだったのはね…彼女がじっとこっち見てるからやっぱりこういう事ってあるのかなって思ったらちょっと様子がおかしいなと…。
僕の方を指さして笑い始めたんで嫌な予感がしたら…その時に傷つきましたね。
我々は鳥山明にインタビューを申し込んだがあえなく撃沈。
代わりにメッセージが届けられた。
あっそれ僕の似顔絵じゃないですか。
顔が今の顔ですね。
「35年前と少しも変わっていません。
ふつう独裁政権はながく続かないはずですが…」。
独裁政権なんですか?ハッハッハッハ!「今とちがうのはヘアースタイルだけ」って書いてある。
こういうふうに描いてたとは知らなかったな。
Dr.マシリトも鳥嶋本人も漫画に度々登場しては「ボツ」を連発。
カラスの鳴き声も…。
バズーカの発射音も…。
「ちなみに鳥嶋さんは昔よくボツを出していた事すら忘れていました。
都合のいい事はよく覚えているのにそういう事は忘れちゃうんですあの人。
間違って記憶している事もよくあります。
忘れっぽいところもあるっていう部分を利用し『あそことあそことあそこをこう直して』と言われた場合素直に聞くふりをして後日全く同じものを送ったりした事もあります。
こういう時大抵『ほらよくなったじゃない』と言われる。
バレちゃう事もありますが」と。
これいかがですか?名コンビが生み出した次なる大ヒットが「ドラゴンボール」。
世界中に散らばった7つの玉を集めると何でも願いがかなう秘宝ドラゴンボールを巡って孫悟空と仲間たちが冒険とバトルを繰り広げる。
世界的人気漫画誕生の意外な舞台裏とは…?やめたい?ギャグ漫画で毎回読み切りですから直してって言うと部分的に直す事ができなくて丸ごと13ページとか15ページを直さなきゃいけない。
それを毎週やっているととても無理だと。
ところが彼がやめたいって言う時はもうアニメも始まって人気絶頂の時なんで編集部からするとOKしてくれる訳がない。
「Dr.スランプ」より面白い漫画を描く…。
なるほど。
そうすると約束しちゃったものはしょうがないんで1週間かかって描いていた「Dr.スランプ」を5日で描くようにしてその2日をちょっとずつ貯金して読み切りを描いて「Dr.スランプ」に代わる人気があるものを見つけようという作業を1年ちょっとやったんですね。
え〜!そうなんですか。
へえ〜!人気絶頂の「Dr.スランプ」の作家が描いても全然駄目なんです。
突破口を開いたのはなんとジャッキー・チェンのカンフー映画だった!?普通漫画家は仕事をする時ラジオとか音楽を聴きながらペン入れをする。
そらそうでしょうね。
まあそうでしょうね。
耳は空いてますから。
ありえない。
「どういう事?」って聞いたらジャッキー・チェンのビデオをずっとかけてて仕事してると。
そうするとセリフの吹き替えで見たいシーンがパッとセリフで分かると。
そこだけ手を止めて見ると。
「何回ぐらい見てるの?」って聞いたら…へえ〜。
「そんなに好きだったら一回カンフーの漫画を描いてみない?」って言ってその当時15ページぐらいですかね。
本当に短い…。
これが増刊に載っけたらものすごい人気で。
「ドラゴンボール」のもとになった「ドラゴンボーイ」。
厳しい修行を積んだ主人公唐童が姫を祖国に送り届けようと珍道中を繰り広げる。
そして「Dr.スランプ」が終わって「ドラゴンボール」が始まって…。
「ドラゴンボール」は瞬く間に人気になったんですか?いや駄目だったですね。
えっ!そうなんですか。
え〜!当時人気があった漫画が「ジャンプ」ではぶっちぎり「北斗の拳」だったんですよ。
「北斗の拳」はこれはブルース・リーを基にしたもので原さんの絵っていうのは1枚絵で…ものすごくかっこいい1枚絵でコマとコマがパッと…ケンシロウがパンチを入れると次のコマでガラッと変わると。
止め絵で見せていくんですよね。
これに対抗するには鳥山さんのはジャッキーのビデオから始まってます映画からね。
だから…鳥山さんが発明したのは奥から手前に来る手前から奥に行くズームインズームアウトですね。
この事によってスピード感が出るんですね。
初めて読者アンケートでトップを獲得したのは36話目。
天下一を決定する大会に生まれてから一度も風呂に入った事がないバクテリアンが登場する。
「ドラゴンボール」は看板作品として不動の地位を確立した。
一つ鳥山さんの天才たるゆえんの回があるんですよ。
連載が始まって4年目の166話。
3頭身だった悟空がこの回から成長した青年の姿になって登場する。
「鳥嶋さんねもうこのままでは『ドラゴンボール』終わるしかない」と。
なぜなら戦いの度にふだんちっちゃい悟空を大きくして戦闘の時にそれでやってると。
なぜかって言うと少年漫画の鉄則ではキャラクターをいかに売り込むかだからせっかく…さっき言いましたよね。
うまくいかなかった悟空を売り込んでようやく子どもたちのアイドルにした。
それを捨てなきゃいけないんです。
もうだって見かけが全然変わっちゃう訳ですもんね。
僕はものすごい不安で。
子どもって下校が3時なんで大体3時からピタッと電話が鳴り始めるんですクレームの。
クレームとか問い合わせの。
ところが心配で座ってたこの日全く子どもからの電話がなくて。
だからやっぱりそういう意味で言うと…「ドラゴンボール」はアニメも空前の大ヒットを記録。
11年間の平均視聴率は20%を超えた。
漫画の累計発行部数は2億3,000万部。
世界30以上の国と地域で愛読されている。
エジプトでもご覧のとおり。
「ドラゴンボール」はクールジャパンの象徴でもある。
「鳥嶋さんのここがすごいと思うところはどんなところですか?」。
あればいいけど。
「全く衰えも見せずいい意味で新しいものが好きなところです。
やった事のないジャンルには貪欲で面白そうだと直感すれば行動力とそれをまとめ上げる力はすごい人です。
その度に僕はよく巻き込まれます」と。
「例えば連載で忙しい時に『ドラゴンクエスト』というテレビゲームの仕事を持ってきたのも鳥嶋さんです」。
国内初の本格的なロールプレイングゲーム…プレーヤー自身が主人公になって世界を救うため冒険の旅をする。
誕生から28年。
新作が出る度にニュースになるほどの人気シリーズだ。
キャラクターのデザインは全て漫画家の鳥山明が担当している。
「ドラゴンクエスト」生みの親ゲームデザイナーの堀井雄二。
鳥嶋のついた巧みなうそが「ドラクエ」誕生の鍵になったという。
それで鳥嶋さんは「ゲーム作るよ」って言った時に…「じゃあ描いてもらおう」って言って…彼の直感があったんでしょうね。
やっぱりね。
これ最初に「ジャンプ」に載った時の記事の…。
うわっこれですよ!これ…この場面を見てこれすごいぞと思ったんですよ。
鳥嶋は漫画雑誌の巻頭でゲームの魅力を紹介する特集記事を組んだ。
ゲームの時代到来を確信していたのだ。
その後鳥嶋はゲーム情報誌を創刊。
漫画アニメゲームなどのメディアミックスにいち早く取り組んだ。
ところが43歳の時古巣の少年漫画雑誌の編集長として呼び戻される。
えっとね…。
僕が戻って数か月ついに。
これ…いやいやこれ僕覚えてます。
トップの記事に。
これ取ってあるんですね。
一時期は発行部数650万部を誇った「少年ジャンプ」。
24年にわたって君臨してきた王者の失速は社会的ニュースになった。
編集部員を集めて言ったのは…「『マガジン』見なくていい。
もう今日から『マガジン』見なくていいよ」って。
という事はどういう事かっていうと同じ作家が違う連載を描いていくとタイトルは変わっていっても中身が変わらないんですね。
子どもにそれがバレてたんですよ。
ふ〜ん。
それが3か月ぐらいかかったんですかね。
「だから頑張ってね」って。
ふ〜ん。
やっぱり新人の新連載ですからなかなか来る日も来る日も当たらなくて部数会議の度に「鳥嶋君いつ『ジャンプ』の部数戻るんですか?」。
「う〜ん。
しばらく戻らないと思います。
100万ぐらい落ちるかもしれません」って。
まあでもそれはそうですよね。
全部作り替えてるんだから。
これが…「ONEPIECE」が来てようやくこれで「少年ジャンプ」を立て直す芽が出たって。
すごい編集長じゃないですか!いやいや。
それはやっぱりスタッフが頑張ったから。
よく入ってくるスタッフに言うんですけど…なるほど。
なぜかって言うと…編集者はいろんな個性があった方がいろんな作家をピックアップできて雑誌の中にいろんな漫画が並べられると。
だからちゃんとした基本は早めに覚えてほしいけど先輩に合わせないでねって。
先輩の仕事を見るとか誰かの漫画見てちゃ駄目なんですね。
う〜んなるほど。
鳥嶋さん今でも…どうですか?新しい作品とか新しい面白いものパッと見た時にそれを「これいける!」ってパッとつかみ取る感覚って今自分にあると思います?いや〜今ないでしょうね。
「ドラゴンボール」の主題歌にありますけど「頭の中身は空っぽの方がいい。
いろんなもの詰め込めるから」。
編集者ってやっぱり…自分っていうのに自負があったりすると握れないんですよ。
パッと来た時にパッと分かってパッとつかめるこの…これを握って次のところ才能とどうつなぐか。
だから考えようによれば世の中に…一つもう少し大ざっぱな事を何となくぼんやりお伺いしたいなと思ってたのは出版というもの自体が…。
僕もずっと本が好きで…。
デジタルの中で将来性があるかどうかって事ですか?う〜んまあそこまで…。
「デジタルっていうのが来たけどどう思います?」というよりは…ええとね…以上でも以下でもないと思います。
もう発展する可能性もないけれども滅びる事もない。
それは出版社の心掛け次第。
心掛け。
これが実は出版社なんです。
なるほど。
起点なんですね。
質問が来るんです。
僕はいつも小学生に分かりやすいように「3つあるよ」って。
なぜかっていうと…実は漫画家さんはみんな文章すごくうまいんです。
書かせるとみんなすごいんです。
編集者の文章なんて形整ってるけど味もないのね。
だからやっぱり国語はちゃんとできるんですよ。
どういう事かっていうとそれは単に読者アンケートを送る人がたくさんいるって事じゃないですよ。
こんな人もいるあんな人もいる。
それをちゃんと分かってるかが大事なの。
週刊連載は本当に厳しいからって。
なるほど。
寝る間も惜しんで描かなきゃいけない。
締め切りがやって来る。
この3つを心掛けてやってくれれば君は必ず漫画家になれる。
意外と手が届きそうな目標ですよね。
最初に言った3つは後からなかなか難しいから。
なるほど。
そうか…。
東京・新宿のとあるマンション。
鳥嶋は加藤が作ったゲームを体験しにやって来た。
「ONEPIECE」や「BLEACH」の担当編集者など精鋭を引き連れての挑戦だ。
人気漫画「バクマン。
」に実名で登場する編集者も。
ちなみに鳥嶋もこんな感じで出ています。
ドキドキしワクワクしてますから。
ちょうど…
(笑い声)これから皆さんはこの時空研究所の中に閉じ込められてしまいます。
挑戦者1,350組中66組しか脱出できなかったこのゲーム。
部屋のあちこちに謎や暗号が仕込まれている。
友情と努力で勝利をつかめるか。
手分けしてまずは隠された謎や暗号を探し出す。
これ裏側に何もない?あったあったあった「Hム」だ。
「Hム」か。
面白そうだ。
「10分経過10分経過」。
あっ!「ケ」だから「ク」だよ。
本当だ。
あ〜!
(一同)おお〜!なるほど。
「ソラ」。
すばらしい。
「40分経過40分経過」。
まだ全部の問題が見つかっていないため謎が解けない。
編集者チーム個人の謎解き能力は高いようだが連携が悪く同じ場所を別の人が何度も探したりしている。
「残り10分残り10分」。
あるアイテムがどうしても見つからない。
全員総出で探し直し。
早く早く早く!箱の中に何かあるぞ。
鍵があるぞ。
ああ〜!「残り1分残り1分」。
1分!?まだ1分あるんだ。
「残り10987…」。
ええ〜!?開かない?開かない。
あ〜開かないよ。
(一同)ああ〜。
「ゲームが終了しました」。
惜しかったね。
残念タイムオーバー。
脱出ならず。
編集部出てて3時ぐらいとか4時ぐらいにいる時はボ〜ッとしてるからみんな。
ちゃんとやっぱりそれなりに難しい試験を通って入ってきた連中なんだってよく分かりました。
あっナゾビル。
続いて呼び出されたのは東京・渋谷。
お邪魔します。
どうも。
いらっしゃいませ。
こちらナゾビルです。
すてきですね。
ナゾビルっていうそのネーミングが。
ナゾビルが作りたかったんですよね。
常設展でいつでも謎が解ける場所で。
本拠地だけあって難しいんですか?ここは総本山で早々…道場破りを全部追い返している。
今例えばアンティークルームだと1,322組が挑戦して55組が成功されたと。
なるほど。
これはそれぞれランキングなんですね。
そうですね。
それはスコアですね。
昨日スタッフと一緒にお邪魔させてもらってタイムマシン。
時空研究所。
時空研究所。
難易度がそれほどでもないという話をあらかじめ…。
いやそんな事ないですけど。
楽しかったですね。
ああ本当ですか。
何が楽しかったって本当に大の大人があんなに熱中して1時間本当に集中して何かやるという。
後で会社に戻ってスタッフとも話したんですけど何か心地よい疲労感があるよねって。
スポーツしたあとのような。
あれってやっぱり本当に頭を使うと疲れるんだねって。
という事は僕も君も最近頭を使ってないって事だねって。
すごく楽しかったですよね。
いや〜よかったです。
ありがとうございます。
やっぱり思ったのはこういう楽しい事を最初に考えて始めた人ってどんな人なんだろうって。
始められる時はちょっと反響があればいいかなぐらいの感じだったんですか?雷が落ちるみたいにリアル脱出ゲームというアイデアを思いついたんですよね。
本が好きでずっと読んでたんですけど…どんな物語でも?どんな物語でも。
それは何かというと…いいなこの人たちにはこんな物語があって。
僕は毎日毎日学校に行って先生に叱られるだけの日々。
とにかく羨ましくてどうやったら物語の中に入れるんだろうってずっと考えてたんですよね。
小学校の時に少年探偵団とか作る訳ですよ。
江戸川乱歩の本とか読んで少年探偵団だと。
今これが来てると思って。
(笑い声)この青色のジャンパーを着てる時に推理するからとかいろんなルールを作ったんですけど何の役にも立たなくて。
どうやったらもっと物語の世界に入れるんだろうかと。
僕だから自分の勉強机のここのテーブルには物入れてなかったんですよ。
ああ〜なるほど。
すばらしい。
大切なものが無くなっちゃうかもしれないから。
急にタイムマシンがやって来るかもしれない。
それは僕は「ジャンプ」のカラーのページのところで「これはキミが主人公になれるゲームだ」って書いてあったんですよ。
もう本当震えるほど感動して「これだ!」と思って。
その体験は僕の中ですごいドラスティックに物語のレベルがガンと上がったんですよね。
でもそれがまた次そのまま10年20年とかたっていく中で僕の中でやっぱりそれも違うなと。
という気持ちがず〜っとあって。
加藤は28歳までフリーターだった。
就職先を2年で退社。
本当はプロのミュージシャンになりたかった。
このままじゃいけないとバンド仲間らとフリーペーパーを創刊。
京都市内のカフェーやライブハウスなどに置いてもらうようになる。
フリーペーパーの読者っていうのはフリーペーパーを取りに街に出てきてくれる人だと。
つまりとてもポジティブでとても行動的で街に出るという事に対しての抵抗感がかなり低い人たちだと。
じゃあそれでおいしいお店を紹介するとかいいギャラリーを紹介するとかというのもそれはもう違うと。
それは人が作ったムーブメントを紹介してるだけだそれじゃあ。
自分たちが…そこで初めて…すばらしいですね。
一回僕漫画ナイトっていうみんなが好きな漫画を持ち込んでわ〜わ〜語り合うんだというイベントをやったらお客さんゼロという時があって。
えっそうなんですか?漫画を題材にしたのに。
でもそれは自信おありになったでしょう?自信あったし。
というのかこれは不思議な事に僕は乙女チックポエムナイトというイベントをやってそれは乙女チックなポエムみんな夜に時々魔が差して変なポエム書いちゃうじゃないですか。
あのポエムを引っ張り出してきてみんなの前で発表して投票して誰が一番乙女チックか決めようってイベントやったんですよ。
それなんと50歳の男性が優勝したんですけども。
本当に?漫画は別に自分たちでも僕らがわざわざイベントしなくったって友達といくらでも話せるじゃないですか。
でも乙女チックポエムは読めないじゃないですか友達の前で。
じゃあ次どんなイベントやりたいって言ったらアイデアが出なくて隣にいた女子大生の女の子がず〜っと口きかなかった子が「私そういえば今脱出ゲームやってて昨日脱出ゲームで徹夜しました」って言ったんですよ。
「それだ!」って。
これって…「ドラゴンクエスト」とかやりながらでももう一個入れないのかなと思ってた事に今手が届いたんじゃないかとその時思ったんですよね。
2007年インターネット上で話題を呼んでいた謎解き脱出ゲームを体験型イベントに仕立てる。
チケットは一瞬で売り切れ100人以上の大人が殺到した。
しかもただの遊びゲームでこんなに人って熱狂するんだと。
憧れの誰かがいるんじゃなくてその仕組みに人が熱狂するというのは僕初めて目の当たりにして何かこれは思いついた時に本当にすばらしいと思ったけど実際やってみて人々が熱狂してるのを見てこれは広めなきゃ急いで。
待ってる人がいると思って。
一つは僕みたいな人がいっぱいいたんだと。
物語に入り込みたい人がいっぱいいたんだというのはすごくうれしかったのともう一つは言葉の力だと思って。
脱出ゲームというものは既にパソコンの世界にあったんですよね。
それが実際の空間で楽しめますってポンと言うだけでじゃあこんな体験になるんだって事は想像できたんです。
それはあれですよね。
一歩先に行くとなかなか追いつけないけど半歩だからちょうどいい。
そうなんですよ。
そこのさじ加減がよかったんですね。
謎を考えたりするのは加藤さん?僕が最初のタイトルを考えキャッチとリードを書いてデザイナーにディレクションして僕が謎を作って僕が謎の用具を買いに行って加工して隠して当日お客さんが来たらチケットを「どうも」っつってもぎってお金もらって僕が司会して「さあどうぞ」っつって。
そうそうそう。
ピッてBGMかけたりとか。
全部自分でやったりとかしてやってたんですけど。
会場もイベントの規模も急拡大していく。
人気漫画やゲームとのコラボも次々に実現。
視聴者参加型のテレビ番組や映画制作にも乗り出した。
「あなたの使命はこの枠の中に入る言葉を見つけ出す事です」。
去年公開された映画。
上映中に謎を解き3つのキーワードを導き出す。
観客は上映終了後10分以内に解答を提出せねばならない。
「制限時間は10分間。
さああなたの挑戦が始まります」。
ホームページ見てると…その辺がなかなかへえ〜って面白いなって。
何か一つリアル脱出ゲームで成功した事ってのが実は全部にスライドできるんじゃないかって。
物語の中に入るっていう体験それが一つその体験の成功例を導き出した時に…ある大手IT企業は合併後社員同士の交流を図るためのプログラムとしてこのゲームを導入した。
あえてバラバラの部署や役職の人を集めたチームにした。
その短い間にそれを成し遂げるためにはいろいろな事をしなくちゃいけないと思うんですよね。
例えば役割分担であるとかあるいは情報共有であるとか。
なんとかいろんなところの社員同士の人脈というかつなげようと思って企画を進めたという感じですけどねそれにぴったりだったという感じです。
予想を超える急成長。
組織のリーダーとして加藤の役割も大きく変わってきた。
人気作品「ONEPIECE」のアニメとコラボしたこの夏の全国ツアー。
この日はそのテストが行われた。
中心となって企画制作を担当したのは24歳の社員。
全然大丈夫?お前は。
加藤が会場内をチェックして回る。
Dが1個ねどうしても見つけられないんですよ。
Dがない?Dが1個見つけられなくて…。
Dどんなもの出てるの?Dこういうやつ。
加藤がアナウンス席に走った。
誰一人解けない難問がありゲームがストップしていたため急きょヒントを出す。
先にピンスポで…いえいえ昨日…。
状況をまとめましょう。
まだまだシミュレーションが足りていない。
このままでは場内が混乱する可能性がある。
加藤は仕事を任せる難しさを感じていた。
ルールじゃないやっちゃいけない事。
じゃあ全て抱え込んで全て自分で考えている。
うん…。
前に売れていた僕の先輩みたいな人が一人もいないし…。
誰に相談していいのかもちょっとよく分からない事がもう山ほどあって…。
一番最初に突然大きい会社からぼんっと連絡が来ていきなり契約書ぼんっみたいに見せられて「どうするんだこれ?」みたいな。
ああなるほどね。
結局僕らは…うれしいけど大きくなる度に…よく考えると昔何にも持ってなかった時なんて不安なんて実は何もなくって「俺は多分楽しくやっていくだろうな。
ずっと幸せにこの感じで」と思ってたけど今は何かやっぱり不安も増していきますね全然。
あの…あれなんですよ。
つい最近「ちばてつやが語る『ちばてつや』」っていうねその中でアマチュアとプロの違いというのをちばさんが語っているんですよ。
「アマチュアは原稿を好きに描いているから楽しい」と。
あ〜。
「プロは読者にどう伝えるか読者の存在があってそれを考えるから実は苦しい」と。
そうなんですよ…。
だから「プロとアマチュアの違いは楽しく仕事ができるか苦しく仕事するかその違いだ」っていうね。
今加藤さんの話聞いててねそれを思い出しました。
そうなんですよ。
ハハハハハ!だからやっぱりそれはそれだけ加藤さんが楽しまれる方の何かを返してあげたいとかそういう事をやっぱりお考えになって背中にしょってるからじゃないですかね。
そうですね。
あと最初は1人だけだったから駄目になったら僕だけまたバイトでも始めりゃいいかと思ってたけど…こんな愚痴ばっかり言って申し訳ないですけど。
いやいや。
今会社始めて何年ぐらいですか?6年ですね。
6年?はい。
スタッフは今何人ぐらいですか?21名というとちょうどあれですね「週刊少年ジャンプ」の編集部と同じぐらいのスタッフの人数。
え〜!そんな少人数で…。
ええそうなんですよ。
僕のささやかな経験で言うと加藤さんね…えっ!自分でもうしょわない。
役割分担をするんですよ。
僕よく言うんですけど…実は会社の専務とか部長というとまるで能力値の違いみたいに思うからみんな仕事を間違うんでね実は掲示係なんだよとか給食係なんだよと思えばその役職の定義づけをしたものをやればいい訳で。
全部の司会ももちろん僕がしていないし全部の公演を隅から隅まで僕が作った訳でもない。
むしろぽ〜んと「じゃああとはよろしく」って言って投げてるんだけど…それは…僕もこれある時言われたんですよね。
ゲーム会社のヒットゲームの有名なプロデューサーに言われたんですけどね…え〜!?何だって…!…で「鳥嶋さんだって後からチェックされたら嫌でしょ?」。
「確かに嫌だ」。
うん。
「だからチェックしちゃ駄目なんです」って。
僕それものすごくね1週間ぐらい考えました。
…ちょっと僕も1週間ぐらい考えさせてもらっていいですか?
(笑い声)「任せたらチェックしちゃいけない」って。
なるほど。
それは…なかなか大変そうですね。
実はいろんなヒントが加藤さんの周りにさっきの僕が拾った紙と同じようにあるんだと思うんです。
そうです。
完全に逆に言われている訳ですね。
「視点を変えて下さい」は…。
ちょっと週に1回飲みに行ってもらっていいですか?構わないですよ。
でね1つねものすごくごく簡単な…スタッフに放り投げるというのと同じぐらい有効なアドバイスが1つあります。
聞いてもらってるんです。
聞いてもらうだけで随分整理されて「自分はこんな事考えてたんだ」とか「そうか。
こういう事もあるんだ」と。
随分楽になりますから。
あら!多分加藤さん自身が加藤さんのやってきたここ数年間からリアル脱出しなきゃいけないんです。
何だって〜!
(笑い声)多分それが次のフェーズなんだと思いますよ。
そうです。
(笑い声)結局人を楽しませるエンターテインメントにとって大事な事は何でしょう?端まで行くとねこっち剥げてるんですよ。
ハハハハ!もう一回それをやるしかない。
なるほど。
それをやらない事には全てが始まらない。
なぜ…大人になるまではごはんも一緒に連れていってもらえない。
ベビーシッターがいて家にいて大人だけがレストランに行く。
ところが東洋っていうのはお母ちゃんがしょって一緒にごはんを食べに行く。
おやじが斬り合いに行く時に乳母車に乗せていく訳ですから。
これは東洋の発想なんですよね。
それで言うと子どもは子どもの文化があって…子どもが育てた文化だから日本の漫画ってこれだけ底が広くて幅広くていろんなものがある。
これはやっぱりね西洋には出てこない考え方なんですよ。
だからね僕はやっぱり…でも僕が多分30歳の半ばの時に思ったのは……って何なんだろうなっていうのを割と考えていてすごく退屈してたんですよね多分僕が30になってから。
お酒飲みに行ったって別に金がある訳じゃないしじゃあ飲んだあと次何するかと言ったらボウリングとビリヤードとダーツとカラオケってもう30年も変わってない遊びがまだ街にいっぱいある。
その中で何でもっと新しい遊び考えないんだろう。
今俺たちが面白いものって何だろうっていうのは一つリアル脱出ゲームを発展させていくモチベーションにはなりましたけどね。
ある作家さんは自分の部屋の照明も窓も全部閉じて真っ暗な所で電気スタンドを1つつけてネームをやると。
…でものすごいうんうん苦しみながらやる。
「誰に向かって描くんですか?」と言ったら…そうするとようやくネームを描けるという。
この追い込み方すごいなって。
加藤さんのインタビューの中でなぜリアル脱出ゲームがこれだけ受けたのかという事の一つの分析の中に「大人は部活を求めている」というコメントがあってそれが非常に印象に残っているんですけど。
大人になってしまった時にチームを組んで「よし頑張ろう!」って言って一から「わ〜」って声出して…謎を解いたら脱出できるという分かりやすい達成失敗して悔しいっていう分かりやすい悔しさというのが実は僕らの日常の中には今ない。
今大人になって20代半ばを越えて以降…多分その分析は本当に正しいと思うし自分で体験して本当にそうだと思うんですよ。
ただね僕とすればもう一歩…会社をだましてお金を使うとかね誰かを動かしてやるっていうねそういう考え方をすれば…。
でもそれはリアル脱出ゲームが訴えかけたい事の一つですよ。
世界中の営業マンが「さあ今からお金を取るっていうゲームだ。
リアルマネーRPGだ」って思う事ができればなかなか世の中楽しいと思うけれど…。
だからよく言うんですけどねプライベートで1億はそう簡単にすれないけど仕事ならいとも簡単にすれるよって。
(笑い声)そうですね。
いとも簡単かどうかは分からないですけど。
だったら…いやまあドキドキするけど…。
ハハハハハハ!実はこの部屋にも謎が仕掛けられていた。
制限時間は15分。
鳥嶋はキーワードを突き止め脱出できるのか?部屋の中に隠された6つの問題を探し出し大急ぎで解いていく。
うん?「ラッキー」。
はい正解です!すばらしい!浮かび上がった言葉は「ラッキー」。
見事リベンジ成功!無事お帰り頂けます。
2014/09/20(土) 22:00〜23:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー達人達(たち)▽鳥嶋和彦×加藤隆生〜ヒットを生むコツ![字]

「ドラゴンボール」「ドラゴンクエスト」など数々の大ヒット誕生に関わった伝説の漫画編集者と大ブーム「リアル脱出ゲーム」の仕掛け人が激突!ヒット企画を生むコツとは?

詳細情報
番組内容
「ドラゴンボール」「ONE PIECE」「NARUTO−ナルト−」まで、メガヒット誕生の影にいたのは「Dr.スランプ」に登場する悪の科学者Dr.マシリトだった!? 今だから語れる意外すぎる舞台裏。「漫画家になるための3か条」とは?一方、28歳までフリーターだった青年が、体験型謎解きイベントで30万人を動員するまでになった理由とは。二人のヒットメーカーが、発想のヒントと極意、教えます。
出演者
【出演】漫画編集者…鳥嶋和彦,イベントクリエーター…加藤隆生,ゲームデザイナー…堀井雄二,【語り】吉田羊,六角精児

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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