幻解!超常ファイル「ツタンカーメンの呪い〜連続怪死の真犯人は?〜」 2014.09.20

まばゆいばかりに輝く黄金の財宝。
古代エジプトのファラオ。
ツタンカーメンの墓で発見された死者を弔うための品々。
ツタンカーメンと愛する妻が寄り添う…そしてミイラの頭にかぶせられていた…でもあなたが「ツタンカーメン」と聞いて思い起こすのはこうした財宝だけではないはずです。
そう。
王の墓の発掘関係者二十数人が次々と謎の死を遂げたという恐ろしい怪事件。
3,000年の時を超えるファラオの呪いからは何人も逃れられないのです。
魔性の輝きツタンカーメンの呪い。
死の呼び声で増えていく犠牲者。
忌まわしき言葉が世界へ広げる…呪いの解明に挑んだ男。
数字が明らかにする真実とは?現代にも続く呪いの連鎖。
専門家がその正体に迫る!闇がいざなう不可思議な謎。
光が導く検証と真相。
2人の栗山千明があなたと共に幻を解き明かしていきます。
5,000年の時を刻む神秘の国。
首都カイロから南へおよそ600km。
岩山に囲まれた王家の谷には紀元前16世紀から500年間の王たちを中心に60以上の墓が集中している。
ここは今からおよそ90年前世界中を驚かせる世紀の発見の舞台となった。
古代エジプト王朝のファラオ…王家の谷のファラオの墓は既にほとんどが暴かれてしまっておりいまだ盗掘されていない墓の発見は画期的だった。
土壁で封印された入り口を破り墓の内部へと入った調査団が目にしたのは…。
700点もの豪華な副葬品。
黄金輝く品々は古代エジプト王朝の繁栄をうかがわせる財宝だった。
財宝が納められていたのは通路と封印された壁を壊した先の前室。
調査団は翌年の2月までこの通路と前室の財宝を外へと運び出した。
続いてツタンカーメンが眠る棺を求めて更に奥へと調査の目は向けられた。
次々と現れる新発見は連日のように報道され墓の外は見物客であふれかえった。
発掘隊のリーダーイギリスの考古学者カーターとそのスポンサーカーナボン卿はまさに時の人であった。
奥の部屋を封印する壁をこじあけたところ棺を納めた巨大な厨子が。
ツタンカーメンの遺体は目前だった。
そして事件が起きる。
3月下旬全身が炎症を起こす…高熱にうなされ始めたのだ。
半月後4月4日の夜。
(カーナボン)彼の呼ぶ声を聞いた。
か…彼について行く。
(悲鳴)数分間の停電の後…。
カーナボン卿死去。
発掘を始めてから半年もたたないうちの死だった。
「カーナボン卿謎の病気と突然の死」。
それは不吉な噂として世界中に広まった。
大西洋を越えたアメリカでは…。
ニューヨーク・タイムズ特派員の報告。
発掘隊を出したイギリスでは小説家が語る。
「私は警告したのに。
ファラオの秘密の毒にやられたのよ」。
また「カーナボン卿の遺体を乗せた船が呪いで沈没するのではないか」という噂が広まり乗客が相次いでキャンセルしたり…。
エジプト美術の収集家たちが呪いを恐れコレクションを博物館に寄贈したいと殺到する騒ぎまで起きたのだ。
実はツタンカーメンの墓には墓を暴く者を呪うような言葉は残されていない。
呪いの噂の出どころは別の墓なのではないかと専門家は語る。
例えばこれ第6王朝のテティという人のお墓の入り口の脇柱なんですが…。
…という事がここに書いてあるんですね。
一種の警告文なんですけど恐らくこれを文字どおりに解釈してしまった。
それがだんだん脚色されて実際にこういった所に書いてないような文章なども付け加えられてその呪いの話っていうのがどんどんどんどん広がってったという事だと思います。
カーナボン卿の死によって墓の発掘は一時的に中断。
ところが半年後の9月…。
彼は王の墓に入った事はなかったが今回の発掘は家族にも不幸をもたらすのではないかと不安がっていたという。
4か月後スイス。
ツタンカーメンのミイラを調査する事になっていたX線技師が渡航直前に死亡。
呪いの対象は関係者伝いに拡大。
死者も増えていった。
一方カーナボン卿の死による中断から2年半。
発掘作業は本格的に再開された。
巨大な4重に重なる厨子を慎重に解体していく。
やがて現れたのは3重に覆われた人型の棺。
そして棺の蓋を開け続けるカーターの前についに驚くべき財宝が現れた。
ツタンカーメンの遺体の顔にかぶせられていた。
更に遺体の包帯まで取り除かれミイラが白日の下にさらされた。
すると…。
(悲鳴)
(悲鳴)
(悲鳴)やがて犠牲者は20人を超えとめどなく広がる呪いに世界中が震え上がったのである。
墓を発掘し調査した関係者が次々と死んでいくツタンカーメンの呪い。
ここで気を付けて頂きたいのは噂の出どころです。
相次ぐ死亡について誰がどういう根拠で呪いによるものだと判断したのでしょう。
これこそが人々を呪いから解き放つ唯一の手段だったのです。
エジプト芸術のコレクションでも知られるメトロポリタン美術館。
発掘開始から12年後の1934年呪いの謎解きがなされた。
彼はツタンカーメンの棺の調査に立ち会うなどまさに現場を知る当事者として検証結果を新聞に公表したのだ。
「最初の犠牲者とされるカーナボン卿はもともと重大な手術を2度も受けるほど大きな病気を患い健康とはほど遠い状態でした」。
「最初に墓の入り口を発見した時現場には40人ほどいましたが…」。
「財宝があった前室に入ったのは22人。
その現場にいた人で死亡したのはカーナボン卿を入れて5人」。
「王の棺を開けたのは22人。
そのうち死亡したのは僅か2人」。
「ミイラの包帯を剥がす現場には10人。
最も呪いがかかりそうな現場にもかかわらず全員今も健在です」。
「死亡した6人の健康状態を見てみると長年病気を患っている人や年齢が高めの人が大半を占めています」。
「他の十数人の場合は調査団とランチをしただけで関係者と見なされたり発掘とは無縁の殺人事件までエジプトで起きたというだけで呪いに数えられたりしているのです」。
更にウィンロックはこの呪いの真犯人として重大な指摘をしている。
「ロンドン・タイムズ紙に良い感情を持っていない記者たち」。
当時ロンドン・タイムズはツタンカーメンの墓の発掘について独占取材する権利を持っていました。
他の新聞社は不満を持ち別の角度から面白おかしい記事を書こうとしていました。
これは発掘が始まった頃の…世紀の発見のスクープ写真が満載だ。
同じ頃他の新聞には発掘品の写真は一切なく…。
「ツタンカーメンはカーナボン卿の私有物と化した」。
「ロンドン・タイムズの記事独占に強く抗議」。
ロンドン・タイムズの独占取材はその経営にカーナボン卿の親戚が関わっていたからだと言われている。
「人類史に刻まれるべき発見が情実がらみでねじ曲げられた」と捉える新聞記者も少なくなかった。
発掘現場では直接取材ができない記者たちの中にカーナボン卿への恨みが渦巻いていたのだ。
そのさなかカーナボン卿が病気で死亡してしまった。
これを各紙は呪いと結び付け特ダネとする事で…その後もあらゆる人物の不幸を「呪い」のスクープ記事として掲載し続けたというのだ。
新聞はいつも大衆の関心を集めるため特定の物語を強調して伝えようとします。
例えば呪いや悪い事をもたらすまなざし邪眼といった物語です。
エジプトで学問的発見が相次ぐ中それと同時に人々が関心を高めた怪しい物語について安易に強調しようとしたのです。
また発掘現場では異なる恨みや憎しみも渦巻いていた。
エジプトの偉大なファラオが眠る墓を外国人が暴く事は死者を冒涜しているというのだ。
「発掘隊が何百万ポンドもの財宝や黄金を盗もうとしていると現場のエジプト人は思っていた」。
「地元の民は発掘隊がエジプトを侮辱したと嘆いている」。
やはり人間として何かこう罪というような感情が…。
それは発掘している人だけではなくてそれを見ているマスコミ周りの人全て含めてそういったうしろめたい気持ちっていうのがあったんじゃないかと…。
ですからそういったものも「呪い」という…。
要するに発掘している行為というものが何か災いとして降りかかってくるんではないかとそういうように捉えられたんではないかなと。
ツタンカーメンの呪い。
それは憎しみや妬みうしろめたさから広まった噂が人々の心を縛り続ける事で生まれたもの。
その呪縛は2004年ファラオの呪いがよみがえったかのようなニュースとなってインターネットを駆け巡った。
エジプトの考古学関係者に南アフリカの匿名の女性から「呪いの苦しみから救ってほしい」という手紙が届いたのだ。
「私はツタンカーメンの指輪を親戚の女性から受け継いで持っています。
でもそのせいで家族を失い私も病気になってしまいました。
その指輪をエジプトに返還したいのです」。
しかし指輪はツタンカーメンとは関係がないものと判明。
その後女性が呪いから解放されたかどうかは不明である。
呪いの噂が始まってから90年もたつのに今なお続く呪いの連鎖。
実際には存在しない呪いを人々が恐れるかぎり呪いの鎖は永遠に私たちを縛り続けるのかもしれません。
「幻解!超常ファイルダークサイド・ミステリー」次回もお楽しみに!2014/09/20(土) 22:20〜22:40
NHK総合1・神戸
幻解!超常ファイル「ツタンカーメンの呪い〜連続怪死の真犯人は?〜」[字]

世紀の秘宝・黄金のマスクが秘めた謎、発掘関係者20人以上が連続怪死?ツタンカーメンの呪いの正体に迫る!栄光と憎しみ、欲望と陰謀…現代まで続く恐怖の連鎖とは?

詳細情報
番組内容
「王の墓に入る者は、死神の翼で打ち殺される…」恐怖の呪いは本当なのか?黄金のマスクで名高い古代エジプト王・ツタンカーメンの墓。1922年の発見直後、発掘責任者が高熱で苦しみ急死して以降、20人以上が謎の死を遂げたという伝説の真相に迫る!墓に仕掛けられた有毒ガス?謎の病原菌?単なる偶然?諸説渦巻く中、関係者がみずから調査したどり着いた、呪いの衝撃の正体とは?【ナビゲーター】栗山千明【語り】中田譲治
出演者
【司会】栗山千明,【語り】中田譲治

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
アニメ/特撮 – その他

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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