今週は何かいい事ありましたか?私ね思うんですよ。
心地よい機織りの響き。
糸が織り上げられていく様は見ていても癒されます。
そんな機織り機を操る方が今日の主人公です。
ご紹介しましょう。
ねえ茂さん。
どうして機織りをするようになったんですか?小さい時から母が織ってる姿を見て…。
なるほど。
織っているのは古くから伝わる織物です。
茂さんは定年退職後本格的に機織りを始め2013年に作品を展示販売するギャラリーを始めました。
伝統的なつづれ織りを現代風にアレンジし様々な作品を作ってます。
ギャラリーの庭にもう一人の主人公がいらっしゃいます。
妻のねえ淳子さん。
今摘み取ってる葉っぱそれなんですか?えっ藍ですか?本当のブルーになるんです。
えっこれがブルーに?
(菊池)お二人は自然の草木を使って染色もしています。
藍を使って染めた作品がこちら。
染める度に毎回異なった色合いになるのでそれが楽しみなんだそうです。
う〜ん。
他にも茜の根で染めるとこのとおり茜色になります。
うわっはっはっは…。
趣がありますねえ。
西田さん。
はい。
これは何を使って染めたと思いますか?えーなんだろ…。
タマネギの皮です。
えー!えっ。
まさにタマネギ色だもんな。
タマげた!
(一同)こんにちはー。
ああお客様のようですね。
(淳子さん)あ〜いらっしゃーい!
(茂さん)いらっしゃい。
(茂さん)おはようございまーす。
(淳子さん)おはようございます。
(茂さん)どうぞお入りください。
(淳子さん)どうぞどうぞ。
いやいや大勢いらっしゃいましたよ。
柿渋…。
あっ柿渋?これが。
皆さんはギャラリーのオープンを機に知り合い今ではご夫婦が作るつづれ織りの大ファンです。
きれいなもの見たらやっぱりいいなあと思いますしね。
なるほど。
つづれ織りの魅力ってなんですかね?織りのこの独特のツヤといい…。
そういうところを僕はおすすめしたいです。
こちらのギャラリーではお客様が自分でコーヒーをいれるセルフスタイルになってます。
ミルをひくところからコーヒーの香りを感じてもらって…。
ここは全て手作りという場所なので。
なるほど。
いやあ皆さんつづれ織りを通して意気投合したお仲間です。
ハハハ…。
桃ちゃん。
この素敵なギャラリーどこにあんだべか?はい。
今日の舞台は大阪府との境に位置する京都府乙訓郡大山崎町です。
この町にある天王山は秀吉が明智光秀を破った戦いが行われた場所です。
河野さんご夫婦のギャラリーはその天王山のふもとにあります。
お二人が大切に保管している宝物を見せてくださいました。
おっうわー!素晴らしい。
これおふくろの作品です。
なるほど素晴らしいですねえ。
茂さんの母房子さんはつづれ織りの職人でした。
こちらの鳥の模様の帯は事あるごとにご自身で身につけるほどお気に入りだったそうです。
見た感じが躍動感があるんですよ。
羽の細かいぼかしとか。
(茂さん)ずーっと少しずつ色を変えてぼかしてるところ…。
鳥の羽の色が見事に表現されてます。
時々はこれを見ながら僕も頑張ろうという気持ちに…はい。
京都で生まれ育った茂さんは地元の製薬会社に就職。
26歳の時神戸市出身の淳子さんと結婚しました。
やがて淳子さんは茂さんの母房子さんに手織りつづれの手ほどきを受けるようになりました。
軽い気持ちでちょっとやってみたいですって言ったんです。
それがこんな大変な仕事だとは思ってなかったです。
楽しそうに織物をする母と淳子さん。
その姿を見ていた茂さんは自分もつづれ織りをやってみたいと思うようになりました。
小さい頃から織ってる姿を見てますから無地はこうして織るんやなこんな感じにするんやなって思ってるうちにすんなり織りに入れたかなと。
苦もなくやってはるんでやっぱり蛙の子は蛙かなと見てました。
茂さんが51歳の時母房子さんが亡くなりました。
おふくろも最後の方は仕事じゃなくて自分の織った作品でそういう展示会をしたいなっていう事が夢やったみたいやけどそれがかなわんかったから…。
かなわなかった母の夢。
茂さんはそんな房子さんの夢を引き継ごうとつづれ織りのギャラリーを開く事を決意します。
そして定年退職後の2013年工房兼ギャラリー手織りつづれ工房「河野」をオープンしました。
というわけで本日は母が愛したつづれ織りを受け継ぐご夫婦のお話でございます。
たくさんの素敵な笑顔と素敵な作品に出会えます。
京都府大山崎町。
この地で母の夢だったつづれ織りギャラリーを開いた河野さんご夫婦が今日の主人公です。
この日はギャラリーの裏庭で草木染め用の材料を摘み取ります。
ねえ茂さん。
これはなんの葉っぱでしょうか?
(茂さん)シュロっていうどこにでも咲いてるような木なんですけども。
西田さん。
はい。
このシュロの葉っぱがびっくりするような色を出すんですよ。
え〜!楽しみだなあ。
摘み取ったシュロは短く切り熱湯で湯がいていきます。
おお。
だんだんなんか色が出てきましたね。
液と葉っぱと分けます。
はい。
煮込む事およそ30分。
はい。
色の元となる液体の完成です。
うん。
そして白い絹糸を入れ一度沸騰させ常温になるまで待ちます。
いやどんな色に染まるんでしょう。
なんかワクワクしてきました。
(淳子さん)これで染め上がりです。
染め上がった!おっ。
いや〜味わい深い色ですね。
(淳子さん)グリーンからこんな黄色になります。
やってても魔法みたいに思います。
こんな色に変わるっていうのは。
いや〜草木で染めた絹糸の輝き。
夢中になるのわかります。
そして染め上がった絹糸で茂さんは早速作品作りです。
つづれ織りの特徴はこのギターの弦のように強く張った縦糸。
1本ずつ交互にさせた縦糸の間に横糸を通して強く打ち込みます。
うん。
こうして横糸だけが表に出る丈夫な生地が出来上がります。
なるほど〜。
昔から着物の帯や相撲の化粧回しなどに重宝されてきました。
ほ〜。
今日は黄色の生地に藍色のトンボの模様が入った名刺入れを作ります。
(茂さん)機械で柄をきっちり決められない。
一人一人織る人によって柄の出方の特徴が出たりしますねやっぱり。
そして織り続ける事5時間。
今回のトンボはこんな感じ。
ホホホホ…。
いやあ黄金色の空に藍色のトンボが飛んでます。
いいですねえ。
仕上げは淳子さんです。
秋にふさわしいトンボの名刺入れが完成です。
この日お二人は京都市内の西陣地区にあるお店に出かけました。
(茂さん)すいませーんお邪魔しまーす。
(淳子さん)こんにちはー。
(茂さん)こんにちは。
(稲垣さん)ああこんにちは。
(茂さん)ああご無沙汰してます。
茂さんの祖父の代からお世話になっている機織り道具のお店です。
こちらは明治30年代創業のこちらのお店は機織りに必要な部品を扱っている道具屋さんです。
織物が盛んだったこの地区にはかつてこのようなお店がたくさんありましたが今では数件を残すだけです。
時代の流れとはいえ大切にしていきたいですねえ。
一番小杼っていうんですかね。
(稲垣さん)はい小杼。
これが小杼でまあ一応中杼も…。
杼とは横糸を縦糸の間に通す時に使う道具です。
あ〜なるほど。
いやあそれにしても祖父の代からのお付き合い頼りになります。
元々お母さんも知ってますし昔から…うちのおやじの代からのお得意さんという事ですのでね。
お母さん。
(稲垣さん)間違いなしにお母さん似やと思います。
アハハハ。
どこ行ってもねそう言われて覚えられてもらってるので本当に助かってます。
稲垣さん。
これからも末永くよろしくお願いします。
(島さん)食べれる食べれる食べれるからね。
(淳子さん)あれじゃないんだね。
パプリカかなと…。
(島さん)当たりは3つ。
またまたにぎやかに何が始まるんですかね?朝採れ野菜市を開催しようという話になって…。
おっ!お二人は週に一度ギャラリーの庭を開放して地元の農家の方が作る野菜の朝市を始めました。
京都ならではの山科なすや万願寺とうがらしそして九条ねぎも並びます。
いや京野菜よろしおすな。
野菜を持ってきてくれたのは農家の
(淳子さん)どうぞ。
待ってましたとばかりにお客様いらっしゃいました!
(淳子さん)はいお願いしまーす。
おっきいのは1個100円。
いや1個50円。
(女性)これだけいただきます。
(島さん)はいおおきに。
ハハハハ…いやいや大盛況じゃないですかねえ。
普通のうちなかなか集まれないんでね。
こういう所があるとちょっと寄ってみよかっていう。
手織りつづれ工房「河野」のオープンから1年。
地元の皆さんの憩いの場になってます。
ギャラリーの2軒隣にお二人のご自宅があります。
淳子さんは夕食の準備を始めました。
今日は茂さんが大好きな料理をたくさん作ります。
えっ大好きな料理ってなんかあるんですか?おお!バースデーですか。
って事はパーティートゥナイト!西田さん。
はい。
準備が出来ましたよ。
おお待ってました。
茂さんバースデースペシャルディナーです。
オーケーグレート!こちらは茂さんの大好物じゃがいものコロッケに京都山科なすを焼きました。
グレート!さすが京都ならではですねえ。
いやうまそうだなあ。
じゃあ盛大に参りましょう。
コングラッチュレーションシゲル!お誕生日おめでとう。
(良子さん)おめでとうございます。
65歳。
いや〜ハハハハ。
65歳いいですねえ。
ハッピーバースデー!茂さん。
お祝いに駆けつけてくれたのは茂さんの妹良子さんご夫婦です。
おお。
まずはコロッケだ。
ねえ!茂さん。
淳子さんの愛情たっぷり詰まってて美味しいでしょ?美味しい。
いつもどおり?いつもどおり。
アハハ!何もお金かかってへんから…。
いつもどおりなんだ。
茂さんは定年退職後自由な時間を過ごす事が出来るようになりました。
こうして妹さんご夫婦と頻繁に会ってます。
なんか退職最後の日に会社から帰ってきた時に家の玄関開けるなりサラリーマン時代の鞄を玄関とこへポーンして「はい終わり!」「あとは僕好きな事するから」私もその時に今まで働いてきたんやからあとは好きな事したらええよって言ったんが運の尽き。
(一同の笑い声)ほんまに…やりたい放題やってあとフォローしてくれてありがとうございます。
でも兄がほんまにこういうふうにして退職して…うちの母親に見せてあげたいです。
本当。
それはそう思いますよ。
家族で兄妹で母の思い出を語りながら過ごすかけがえのない時間です。
(淳子さん)でこれぐらいだとまだいいんですけど黄色くなってあんまりよくない葉っぱも処分して…捨ててください。
こんなんは駄目です。
おおなかなか厳しいね。
今日はギャラリーで藍染め体験会です。
参加する皆さん全員初体験。
藍の色を出すのは葉っぱの部分です。
おお〜。
ああこれが藍色になるんですねえ。
(淳子さん)ストールだとこの感じかな?続いては生地選びです。
うん。
質感や模様によって色の出方が変わってきます。
(淳子さん)選んでください。
これとこれ一緒やな。
とりあえずやってみなもうわからんですね。
楽しみですね。
楽しみですね。
これにしようかな。
さあいよいよ藍染めの始まりです。
葉っぱをそのまま使う生葉染めです。
生葉染め?塩を少し入れますね。
で塩もみしてください。
力強く!塩を入れる事でより葉っぱの成分が染み出てくるようになるんだそうです。
はあ〜。
料理してるみたい。
およそ20分もんだら染め作業に入ります。
(淳子さん)でねこれをこう…上から軽く押す。
本当押していくだけなんですよ。
これが青色になるんですか?
(淳子さん)なるんです。
緑やんね。
ねえ〜この緑が藍色になるんですもんね。
不思議ですよね。
あっでも少しずつなんか染まってきましたね。
(淳子さん)1個ずつ素材が違うんでどんな色になるか。
もうそろそろいいかもしれない。
はい1回これで水洗いに行きますか。
はい。
はーい。
一抜けはご夫婦で参加した田中康一さんです。
お〜。
いや立派に染まってるんじゃないですか?色落ちしなくなるまで洗ったあとアイロンをかけて仕上げます。
(淳子さん)いいかもしれないですね。
(康一さん)光沢が出て色が変わりました。
(淳子さん)変わりますでしょ?はい!完成でーす。
いや本当に見事な藍色です。
いや美しいです。
(淳子さん)ご主人がされますか?いや…母親に。
ああお母さんにね。
プレゼントですね。
いや〜ハハハ。
いや〜皆さんも染め上がりましたね。
(淳子さん)それぞれ皆さん持ってる手の力とか時間とかそういうので変わってくるんですね。
あ〜なるほど。
それぞれ本当いい色が出てます。
いやあこれも素敵なストールじゃないですか。
早く使いたい。
あ〜使え使え!早く使っちまえ!いやあみんな喜んでもらえて藍染め体験大成功!お二人にとって月に一度大切な日があります。
やってきたのは古くから東本願寺の参拝者が泊まる宿として利用されてきた建物です。
お二人荷物を抱えてどうしたんですかね?そっち行くんだ。
あっそっちや。
ハハハハ…。
おおなんかにぎわってますね。
あの淳子さん。
こちらで何が始まるんでしょうかね?手仕事で作り上げたものをみんなに見て頂くという場所です。
おお〜。
こちらでは毎月手作り市が開催されています。
皆さん作品を持ち寄り販売します。
河野さんご夫婦もつづれ織りを持って毎回参加しています。
(淳子さん)ああおはよう!来てくれた?ハハハハ。
早速お客様です。
古くからのお友達が顔を出してくださいました。
(女性)お茶の…。
懐紙入れはこれやな。
懐紙入れや…。
いやあお二人の作品を見て感動しきり。
作品…すごい信じられへんというか。
昔を知ってるからこういう事出来るというのが…。
あっ中もすごい!こちらの若いお客様はがま口の財布を気に入ったようですね。
パッて手に取ったらやっぱりもう丁寧に織ってあるんで手触りがすごくしっかりしていてでも肌に優しく馴染むんであっ欲しいなって思いました。
つづれ織りをこういう形に変えて知ってもらうっていうのが私たちの今出来る事なんでこれをもっと続けていきたいと思ってます。
母房子さんから受け継いだつづれ織りの素晴らしさ。
皆さんに伝わってます。
(一同の笑い声)いやあ今日もギャラリーにお仲間が集まりました。
天気がいい日はこのデッキで青空仲よしパーティーです。
料理は皆さんが持ち寄りました。
こちらはアユの塩焼きに賀茂なすの田楽です。
いやあたまらんですねこれ。
(一同)うん!美味しい!グー!美味しい美味しい!たけのこの…。
松茸です!ハハハハ…。
いやあ。
ねえ皆さん。
皆さんにとって河野さんご夫婦のこのギャラリーどんな場所ですか?みんな仕事リタイアしてますのでこれから楽しみを見つけるっていうところでつながったっていう事ですよね。
なんかねここ交差点みたいな感じ。
色んな人が集まる交差点。
なるほど。
みんなが集まる交差点だそうですよ淳子さん。
つづれって縦糸と横糸じゃないですか織りって。
お母さんが縦糸で私たちが横糸で…色んな柄とか。
それにこの皆さんが…輪が出来て色んな柄が入るっていう。
なんかそんなのかなあ。
まさかあの息子が私のつづれ織りを今やってるとはもう…夢にも思ってない。
そこら走りまくってると…。
つづれ織りを愛した母房子さん。
そして母の夢を引き継ぎギャラリーを開いたお二人。
やがてそこはたくさんの笑顔が集まる交差点になりました。
そして思いがけない色を生み出す草木染めのように思いがけない夢が咲き始めています。
(茂さん)ほんまにどんな色になるか楽しみやねこれは。
茂さん淳子さん。
これからもつづれ織りにみんなの笑顔を織り込んで素敵な作品を作り続けていってください。
応援してまーす!さあ楽園通信です。
桃ちゃん。
素敵なギャラリーでしたね。
はい。
河野さんご夫婦が営む手織りつづれ工房「河野」にはお二人が糸の染色から手掛け心を込めて作った色とりどりの作品が並びます。
うん。
全て手作りなので数量限定です。
はい。
そして2階のギャラリーではお仲間が手作りした作品が飾られています。
いやあもう芸術の秋にぴったりです!次回は長野県箕輪町が舞台。
いい色してるね。
食べてもよしという事で。
釣り好きが高じて魚の木彫り工房を開いたお父さんのお話です。
これから泳ぎだそうかなっていう瞬間みたいなね。
えっこれ木彫りなの?ちょっと苦労かけるかもしれないけど頼むって。
いよいよやってきました新米のシーズン!そこで今回は…。
2014/09/20(土) 18:00〜18:30
ABCテレビ1
人生の楽園[字]
『仲間が集う織物ギャラリー』 絹糸を使った伝統的な織物、「つづれ織り」の工房兼ギャラリーを始めた夫婦を紹介。藍やシュロの葉を使った草木染めも行っている。
詳細情報
◇番組内容
楽園の舞台は京都府大山崎町。着物の帯や相撲の化粧回しに重宝されてきた「つづれ織り」の工房を始めた夫婦を紹介。主人公の母はつづれ織りの職人だったが、妻が義理の母から技を受け継ぎ、夫も定年退職後に織り始めた。そして去年、母親の夢だった「つづれ織りギャラリー」をオープン。仲間たちが楽しく語らう場所になっている。夫婦は織物だけでなく、工房の裏庭で育てる藍やシュロの葉を使って、絹糸を美しく染め上げている。
◇出演者
【楽園の案内人】西田敏行、菊池桃子
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/rakuen/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
福祉 – 高齢者
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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