(場内拍手)
(早苗)早く!
(啓之)漏れる漏れる漏れる!漏れる漏れる漏れる!
(早苗)早く早く!コンコン!・コンコン!
(啓之)うわっもう入ってるわ。
(早苗)こっちは?コンコン!・コンコン!こっちもや。
コンコン!・
(辰巳)どうぞ〜!いやおかしいやろ!一緒には入らんよ。
・ジャー!
(トイレの水を流す音)
(早苗)あっ終わった終わった。
(2人)あっ…。
いやいやええ〜!?
(早苗)ええ〜!?ええっ!?
(啓之)何人入ってんねんおい!ちょっと行っとこう。
(辰巳)あぁ…漏れる漏れる!
(啓之)いやあいつ何しとったんや!?何?ここほんま。
(早苗)なんなの?あの人たち。
(啓之)ほんまびっくりしてなんかトイレ行きたいの止まってもうたわ。
ほんまに?大丈夫?うん。
いやそれにしてもさ啓之君1泊2日の旅行楽しかったわね。
そやなぁ。
でもちょっと時間あるよな?そうね。
売店でお土産でも買っていきましょうか?
(啓之)ええなぁ。
(早苗)すみませんすみませ〜ん!
(啓之)誰も出てこんのかい!
(早苗)えっ?
(啓之)誰か出てくるんちゃうの?・ジャー!
(和子)お待たせしました〜!どうも〜!ごめんください!どなたですか?お土産屋の桑原和子です!あんたいつ見ても若いね〜。
ありがとう。
(啓之)なんやおい。
けったいな挨拶やめてくださいよ。
(和子)ああ〜どうも。
お客様でございますか?
(啓之)お土産を買いたいんですが。
(和子)そうですか。
うちの?
(啓之)そうです。
おすすめってなんですかね?
(和子)ありますよおすすめはなんといってもね温泉まんじゅうでございます。
ちょっとお見せしますわね。
はいはいじゃあねここにございますこの温泉まんじゅうを…。
これ今得ですよ〜。
50%オフ!
(啓之)えっ50%オフですか?
(早苗)めっちゃお得じゃない!
(啓之)すごいな見ていいですか?
(和子)はいどうぞどうぞ。
(啓之)量が50%じゃないですか。
あきませんか?
(啓之)こんなんいりませんよ。
(和子)ああ〜さようか。
(早苗)なんか食べ物以外にほかはないんですか?
(和子)Tシャツがございます。
(早苗)Tシャツ?
(和子)お見せしましょうTシャツ。
どうですか?この色。
ねっ?これどうです?これも50%オフでございます。
(啓之)これもですか。
まあでもかわいらしいじゃないですかね。
(和子)見てください。
(啓之)もう。
長さが50%オフじゃないですか。
こんなんいりませんよ。
(和子)いやいやもうこれ今重宝できますよ。
少し暑いときはこのぐらいの方がいいんですよ。
現に私も着けてるんですよ。
(2人)うわぁ〜!
(和子)50%オフ。
(啓之)意味分かりませんちょっと。
えっなんで?
(啓之)何してるんですか?それ。
あんた見たわね?エッチ!
(啓之)あんたが出したんです!
(和子)そうサービスや思うて。
(啓之)気持ち悪いですちょっと。
そんな突かんでもええですやん。
(早苗)ちょっともめないでよ。
啓之君…。
あっちょっと誰か!誰か!・
(けんじ)は〜い!
(早苗)ちょっと啓之君!
(けんじ)呼びました?
(啓之)いやまだおったんかい!なんでしょうか?こんにちは。
こんにちは。
(啓之)「こんにちは」じゃないんですよ。
聞いてください。
この人むちゃくちゃなんですよ。
(けんじ)えっどうしました?
(啓之)おっぱい見せてくるんです。
ええ〜羨ましい。
(啓之)いやうそつけよほんま!
(けんじ)冗談冗談。
いや和子さんまたそんなんしましたん?
(和子)サービスのつもりで…。
(けんじ)もうかなわんなぁ。
でもお客さんもねお年寄りがしたことなんですからそんなおっきい声出して怒らんでもええんちゃいます?大人気ないですよそんなんで怒ってたら。
ちょっと待って。
大人気ないっておかしいでしょうがあんた。
いやなんで手ぇ出しますの?あんたがいらんこと言うからでしょうが。
口で言うたら分かりますよ。
なんやねんおい。
何なんですか?
(啓之)おお〜!
(けんじ)なんですか?おたくは。
お前何すんねん?ほんま。
(早苗)ああ〜ちょっともう!あなた…ちょっと!きゃあ〜!何なんですか?ちょっと!
(島田)おじゃましますぅ〜。
(啓之)なんや?おい。
(島田)どうもすみません。
間もなく列車が参ります。
ご乗車の方はお急ぎくださいませ。
(啓之)待ってくださいよ。
あなたねこの人の上司ですか!?
(島田)ええ私駅長ですがどうかしました?
(早苗)いやねこの人がね大人気ないんですよ。
あっ部下がですか?どうもすみません。
(早苗)あっちょっと啓之さんこの人大人気ないっていうか大人やのに毛ぇないわね。
あははっ!
(島田)聞こえてますよどういうことですか?すみませんつい口がツルッと。
えっ「ツルッと」!?ああ〜そんなにピカらないで。
「怒らないで」やそれを言うなら。
ほんとに申しわ毛ぇない。
「毛ぇない」!?ええかげんにしてくださいよほんとに失礼だな。
おい和子さんなんとか言うたって。
ハゲ!俺かいな!俺に言うてどうすんねんもう。
(啓之)すみません僕たちもう行きますんで。
(島田)ちょっと待ってください。
おたくらね私に失礼なこと言いました。
謝ってください。
(早苗)それはいいじゃないですか。
(島田)いいことないですよ謝りなさいよ。
(啓之)電車行ってしまうんです。
行こ行こ行こ。
(早苗)早く行かないと!・ガタンゴトン…
(列車の音)
(早苗)あっ!ああ〜ちょっと…。
(啓之)あっ最悪や。
電車行ってもうた。
ちょっとどうするんですか!?
(けんじ)さっ…。
(和子・島田・けんじ)仕事仕事!
(啓之)ちょっと待てよおい!どこ行くんですか?あなた。
もう〜しかたがないわね。
次の列車が来るまで待ちましょっか。
そやな。
なんなのよあの駅員。
だいぶあるでこれちょっと。
(烏川)あっどうも。
こんにちは。
(烏川)お二人ご旅行ですか?
(啓之)あっそうなんですよ。
でもね今から帰るとこなんです。
今の列車で来られたんですか?
(烏川)はい。
あっ友人と一緒…。
あれ?あいつ何してんねん。
お〜いこっちや!
(烏川)何をしとんねん。
もたもたすなよ。
(川畑)兄貴すんまへんほんまに。
おいおいおい人前で兄貴とか言うな。
俺らが詐欺師やいうことがバレたらどないすんねん。
ああ〜ほんまですかすんまへん。
(烏川)そこになあほみたいな顔したカモがおるからうまいこと言うて金だましてこい。
いやいやでも詐欺なんか勘弁してくださいよ〜。
お前がうちの組織から300万も借金するから悪いんちゃうんかい!金が返されへんねやったら仕事手伝え。
せやけど詐欺なんかどないしていいか分からへんから。
テレビとか雑誌で手口見たことあるやろ!まねしてやったらええねん。
分かりました。
じゃあいってきます。
もしもし?もしもし?
(啓之)はい。
俺俺俺俺!いや〜交通事故に遭うてな急に300万いるようになったんや。
振り込んでくれへんか?
(烏川)あほかお前は!面と向かってオレオレ詐欺するやつ初めて見たわ。
あれちゃいまんの?あれは電話や電話。
そうでっかいな。
そらそうや…。
(啓之)ちょっとあなたね急に300万貸せっておかしいでしょ?冗談で言うただけですすんませんでした。
ひょっとしてカップルでご旅行ですか?
(啓之)そうですよ。
きれいな彼女じゃないですかねえ顔もきれいやしこう胸なんかも大きくて。
へえ〜ここはどうなって…。
(啓之)何してんねんお前!お前何考えてんねん。
ちょっとお前突くことないやろ。
なんやねんお前。
何すんねんお前は!ええかげんにせぇおらぁ。
あ痛たたた…。
きゃあ〜!
(啓之)何してんねんおい!待て待て待て待ておい!しつこいなお前ちょっと。
何を…何してんねんお前は!
(早苗)なんなのよ。
(啓之)それ何しとんねんお前は。
何しとんねんって…。
背中がかゆかっただけや!
(啓之)うそつけ!
(早苗)もういいわよ駅ん中で待ちましょう。
私この人見た目からして無理!短髪で短足でずんぐりむっくりな男!俺もそんな感じやでちょっと!早苗ちゃん!お前は何をしてんねんほんまに。
せっかくのカモをほんま〜。
ちっ!ええかげんにせぇ。
おいおいえらいこっちゃ。
警察や警察。
隠れろ隠れろ。
トイレ隠れましょう。
わし左入るんで右から3つ目入ってください。
(烏川)一緒やないかい!
(場内笑い)
(レイチェル)どうぞ。
(レイチェル)警部こちらが駅前です。
(裕)ここかぁ。
ありがとうな。
(レイチェル)とんでもないです。
いやでも警部それにしても今日はほんと・すがすがしい最高の一日
(裕)なんで急に歌いだしたんや?・だから自然と心・踊りはじめたぜ
(裕)君君!こら!はい!続き知らんわ俺!「はい!」言われてびっくりするやないかい。
警部こっから盛り上がるとこです。
こっからもうラップで・YOテンション皆んな上がってっか!・心の底からノッてっかアンタの意見も聞きてぇんだ・そこの出っ歯ブサイクくそ天パーしばいたろか!お前全部文句入っとるやないかい!警部にね笑っていただこうと思ったんですよ。
笑ってる場合ちゃうやろ?早く呼びなさい。
(レイチェル)すんません。
島田さん!清水さん!和子さ〜ん!・
(和子・島田・けんじ)はい。
(レイチェル)あっすみません。
(けんじ)どうもこんにちは。
(レイチェル)こちらの刑事さんからですね皆様にお話があるということでお連れいたしました。
私本庁からやってまいりました吉田と申します。
(けんじ)ああ〜どうも。
(裕)実はこの辺りでですね烏川耕一という詐欺師の指名手配犯が目撃されまして。
怪しい人物見かけませんでしたか?
(けんじ)いや〜見てません。
(島田)わしも見てないです。
わしも見てないです。
(裕)「わし」はおかしいでしょ。
女性ですよね?いや私どっちゃでもいけまんねん。
(裕)どういうことですか!「どっちでもいける」?
(和子)「どういうことですか」ってあんたかてどっちゃでもいけるでしょうが。
(裕)僕ですか?いやいや何と何ですか?
(和子)人間とマキバオー。
誰がマキバオーや!馬のアニメでしょほんとに。
まあまあまあくれぐれも注意してくださいね。
(けんじ)ああ〜分かりました。
(裕)じゃあ失礼します。
行くぞ。
(レイチェル)はい。
(裕)烏川のやつなめやがって。
(レイチェル)ほんまですね。
・YOなめてんか!おいくそ天パー!やめろそれ!へえ〜詐欺師。
うわっほんまに怖いわ〜。
くわばらくわばら桑原和子はええ女。
(けんじ)なんの話やほんまに。
じゃあわしらも行こうか。
(けんじ)ああ〜そうっすね。
でも駅長気ぃつけてくださいよそれ以上ハゲんように。
やかましいわあほ!わしのことかいな。
おいえらいこっちゃぞ。
ほんまですよ。
びっくりしましたねこれ。
どうしようかな…。
こうなったら別々に行動しよか。
別々って!当たり前や。
お前とおったらなお前が鈍くさいねんから俺まで捕まってまうやないかい。
俺ちょっと隣村行くからお前一人でこの村残って頑張れ。
一人でっか〜?詐欺でもなんでもして300万つくれよ。
逃げようと思うなよ。
ああ〜はいはいもう…。
ああ〜電話ですよ。
知らん番号やな。
もしもし?「俺俺」?「俺俺」…。
何?「交通事故起こしたから300万振り込んでほしい」?誰に電話してんねんほんま。
はははっ。
振込先どこや?引っ掛かってますよちょっと!大丈夫かいな兄貴もう。
いや〜そやけど村で…ええっ?この村で一人で詐欺せぇって無理やで素人にこれ…。
よっしゃほなとりあえずこの売店の金庫でもパクったろか。
なっ。
そういう小金を集めていったらな300万ぐらい…。
(けんじ)ええ〜…。
あら?ああ〜ちょっとちょっとそこで何してんすか?いや金庫から金盗もう思うて。
ええっ!?金を盗む!?いや違うんすよ。
あ痛っあ痛っ。
おなか痛なってきたんで…ちょっとおなか痛いんでトイレの水飲んできます。
(けんじ)余計壊すよそれ。
あいつなんや?ちょっと和子さん!駅長!
(和子)はい。
あっどうしました?
(けんじ)いや今怪しい男が売店の中のぞいてたんですよ。
(島田)ほんでどこ行ったんや?
(けんじ)トイレ行きました。
(島田)じゃあ出てきたらなちょっと確認するわ。
(けんじ)お願いしますね。
盗むとか言うてましたよ。
(島田)そんなこと言うてたん?
(けんじ)そうなんすよ。
(由美)ごめんやしておくれやしてごめんやっしぃ〜!
(和子)あっいつもの…。
(けんじ)けったいな挨拶や。
ああ〜どうもこんにちは。
(由美)こんにちは。
(けんじ)ちょっと駅長ちょっと聞きたいんすけどあの人いつもここに来てねベンチに一日中座ってますやん?あれ何してますの?
(島田)あっそうか清水君はなこの駅に赴任してからまだそないたってないわな。
そら知らんわな。
(和子)いや〜あの人ね末成さんいうてねこの村一番の資産家。
(けんじ)へえ〜。
(島田)まあああやってな毎日息子さんを迎えに来てんねや駅まで。
(けんじ)いや迎えにって…いつも一人で来て一人で帰ってますやん。
(島田)いや由美さんはな一郎さんという一人息子がいててんけど10年前に登山の途中で遭難して行方不明になったんや。
(けんじ)へえ〜。
(島田)警察もまああの〜捜索を諦めたんやけどな由美さんだけが「必ず帰って来る」と10年間毎日毎日な息子さんを駅まで迎えに来てんねや。
(けんじ)10年間毎日!?すごいっすね。
・ジャー!
(けんじ)出てきます出てきます言ってたやつですわ。
あのいちばん左。
ここですよ。
(島田)ああここやな。
(けんじ)ほんまにもう。
ちっ。
いやそっちかいおい!
(島田)おいちょっとちょっと…すみませんすみませんおたくにちょっとお尋ねしますけど。
なんですか?あの〜ここの村にどういう用事で来たんですか?まあそらいろいろとあります。
よろしいがな別に。
お名前は?
(由美)あっあっ…あっ!一郎!はっ?
(由美)あんた今までどうしてたんや?なあ。
お母ちゃん随分心配したんやで。
(けんじ)いやちょ…ちょっとひょっとしてさっき言ってた末成さんの息子さん?10年ぶりに帰って来たんすか?あっいやあの…。
(島田)ああ〜!10年ぶりやから気ぃ付けへんかったけどなそう言われたら確かに一郎君や。
(和子)いや〜一郎君に間違いない!いやいや…。
(由美)あんた…ああ〜やっと帰って来てくれたんかいな。
随分お母ちゃん心配したんやで。
いやあの…人違いですよ。
(けんじ)えっ人違い?ええええそうなんですよ。
(由美)そんなはずないがな。
お母ちゃんが見間違うわけない。
(島田)由美さん莫大な遺産相続してもらえるがな。
ああ〜お母ちゃん一郎やで。
(けんじ)ちょっと…。
一郎一郎。
(けんじ)怪しいなぁ。
ほんまに一郎さんすか?ちょっと気が動転してましてね。
(けんじ)いやほな10年間もほったらかしにして何してましたん?いや…あのねずっと記憶喪失やったんですよ。
(けんじ)記憶喪失?ええええ。
(島田)もしかして遭難したから?「そうなん」です〜。
(けんじ)ダジャレやんおい。
いりませんよそんなん。
まあまあでもね末成さん息子さん10年ぶりに帰って来てよかったやないっすか。
(島田)よかったよかったよかった。
(和子)待った甲斐が…。
(島田)いや〜ほんまやな。
分かる分かる。
あんたの気持ちよう分かるで。
(由美)ううぅ〜…。
フンッフンッ
(はなをかむ音)
(島田)ちょっとちょっと!どこではなかんでんねやもう。
あぁ〜あ由美さんもう顔ぐしゃぐしゃやがなこれもうほんまに。
あの〜駅長室でな顔整形しようか。
整形かいな!洗うぐらいでええ。
(島田)顔洗おうか。
うん。
(和子)私もついでに手ぇ洗わさしてもらいますわ。
ああ〜お母ちゃんゆっくりね。
(けんじ)へえ〜10年ぶり?いやあっ…。
はじめまして。
あっそうです。
一郎です。
いや〜あんま似てないですね。
あっそうですか?
(けんじ)どうもこんにちは。
(中川)んん〜…表でお前…この前…言うてきたんよ…そう。
「お前」…言うてね…。
いやちょっと待って。
「まけてないで」…。
「そんな」…。
いやあの〜おじいさん。
おじいさん。
いや握手と違う握手と違うねんおい。
何言ってんの?このじじいは。
いやいや相手お年寄りやからもうちょっと優しく言った方がいいんちゃいますかね?あの〜おじいさんどうされたんですか?あの〜前の店…あそこ前を通ってん…。
このままじゃ迷う…。
その間にわあ〜500円や…。
このまま…ええで。
(2人)ははははっ!ちゃんとしゃべれ!
(中川)あっ!なんにも分からへんがなこれ。
なんやこれ!ああっ!ああっ!ああっ!びびり過ぎやがなもう。
(青野)ああっ!関係あらへんがな。
こっちだけの話ですから。
あの〜どうされたんですか?はあ?いやだからあの〜何しに来られたんですか?なんて?何をしにここへ来られたんですか!?ああ〜ああ〜はははっ。
吉永小百合がタイプです。
関係あらへんやないか!
(けんじ)やり過ぎや。
やり過ぎやってちょっと…。
倒れてしもとるやん。
ああ〜!
(けんじ)踏んだらあかんがな。
踏むなってだからおじいさん。
(青野)よいしょ。
(けんじ)大丈夫か?ほんま。
ちょっとすんませんけどね普通にしゃべれません?しゃべれるよ。
(けんじ)しゃべれんのかいおい。
(中川)うんしゃべれる。
(けんじ)なんですかほんまに〜。
(由美)中川さんに青野さん。
(中川)由美さん。
(けんじ)末成さんお友達?
(由美)はいそうですねん。
そやったんや。
(由美)二人とも一郎が帰って来ましたで。
(青野・中川)えっ?ははっ…。
(由美)中川さんに青野さん。
ああ…どうも。
(中川)あら?よう見たらほんまや一郎やん。
(青野)おや〜!ええっ?久しぶりやなぁ。
あんた子供時分わしらとよう遊んだんや。
覚えてるか?そ…そら覚えてますよそら〜。
(中川)うわ〜久しぶり。
あっそうや!一郎君と青ちゃん一緒にさぁ昔やってたこと一緒に遊ぼう!そややろうやろうこれな!あの〜この村の子供はそれやって育ったんじゃ。
ちょっとやばいなこれ。
な…何をして遊ぶ…。
(中川)ほい!あっああ〜ああ〜これ!はははっ。
やりますやりますやりますやります。
(中川)ほな青ちゃん先攻いってくれな?ええんか?わしで。
ええ。
お前先攻いったらええ。
ほなその次わしいくから。
うん。
準備ええんか?ええぞええぞ。
いくぞ。
32564。
124863。
35214!
(中川)お前はよ入ってこんかい。
分からへんがな!はあ!?
(中川)お前何をてれとんねん。
ほんまなあ?久しぶり…。
ちょっとあんたいっていって。
(青野)86283。
(中川)457293。
415146。
(中川)一郎!あっすみません。
(中川)お前強いなぁ。
合うてたんかいな!ええっ!?
(青野)衰えてないわ。
勝ちですか?一郎は中学のときにインターハイまでいったんよ。
全国大会あんのかいな!どんな試合やこれ。
(中川)一郎も変わってへんからわし安心したわ。
そうですかははははっ。
(中川)由美さん長い間待った甲斐あったのう。
(由美)そうですねふふっ。
(青野)ああ〜由美さんのこんなうれしそうな顔見るんはもう久しぶりじゃ。
(中川)ねえ〜。
(青野)一郎君お母さん大事にせぇよ。
ああ〜そらもちろんです。
なあなあお母ちゃんなあ。
(青野)行こう行こう。
(中川)一郎なんかあったらいつでも連絡してこいよ。
ああ〜すみません。
(中川)いやよかったわ。
うん。
わし一郎帰って来んのちゃうかな思うとったんや。
でも安心したから。
遠慮せんと電話してこい。
なっ?よかったほんと。
いやあの…。
もうええから!分かりましたからもう。
あははっおもしろい人や相変わらずな。
一郎君が帰って来たと知ったらね和子さんの娘さんさぞかし喜ぶやろなぁ。
もう私が電話したら娘えらい喜んでねすぐ行くいうて。
あっそうなんや。
おい一郎君よ和子さんの娘さんとの約束覚えてるか?約束ですか?
(和子)もう〜とぼけてからにもうこの人は。
ほら娘と結婚の約束したでしょうが。
はあ!?
(由美)そうよ。
二人はほんまに愛し合ってたもんなぁ。
あっ結婚の約束ねぇ…ああ〜そやったかなぁ。
(安世)お母さんお母さん!ねえ一郎さんが帰って来たって本当?
(和子)そうなのよほれほれほれ…。
一郎君。
はい。
(和子)ええ〜娘の安世。
めちゃめちゃかわいいがなこれ。
(安世)一郎さん私のこと覚えてる?覚えてるよ〜。
とりあえずシャワー浴びに行こう。
(けんじ)何をする気やおい。
いや初孫をね…。
(安世)初孫?ちょっと冗談はやめてよ。
一郎さんが結婚の約束をしたのは私じゃなくてお姉ちゃんでしょ。
あっそやそやそやそや。
もう〜何言ってんの。
やっぱ姉妹や。
(和子)安世ほんで肝心のお姉ちゃんは?
(安世)それがね恥ずかしがって来ないのよ。
あっお姉ちゃんもう早く!
(直子)一郎さん会いたかった。
これただの化け物やがなおい。
な〜んでやね〜ん!何を振りまいたんやおい。
はぁ…。
いや〜でもブスやったなあいつ。
ええっ?一郎いうやつもようあんなやつと婚約したなほんま。
どういう神経してんねや分からん分からん。
怖い…。
おい。
誰や?俺やないか。
えっ?だ…誰や?俺や。
分からんか?お前。
俺や俺や。
兄貴!またなんでそんな格好してるんすか?サツに見つからんように変装しとんねん。
ああ〜ほんでひょっとこのお面を。
してない!自顔!あっそうでっか。
すんまへん。
聞いたぞお前。
金持ちの息子に間違われてるそうやんけ。
そうなんすよ。
それになんか結婚約束した恋人までおるそうやないか。
いやいやそこですよこれ〜。
いやあの〜金持ちの息子に間違えられたらねこれは金が入ってきそうやからこれはいいんですけどもうそいつの婚約者いうやつがめちゃめちゃブスなんですよ。
もう逃げたいんですけどね。
どんだけブスやねんそれ。
いや〜あのね…なんか変装グッズないんすかねこれ。
あっちょっとこれかぶってみてください。
ええ〜ちょっと待ってこれ…。
ああ〜ちょうどこんな顔です。
な〜んでやね〜ん!どこで見てはったんですか?いや見てへんがな。
あっそうですか。
いやでもそんな…もうとりあえずね男みたいな女なんですよこれ。
あのなどんなんでもええねん。
お前の正体がバレる前にうまいこと言うて金巻き上げろ。
ええな?いやでも困るんですけど…。
・
(けんじ)ああ〜じゃあ仕事戻りますね。
誰か来たから。
しっかりやれよ。
いやちょっと…逃げたいんですよもう。
(けんじ)ああ〜。
おお〜一郎さんやないっすか。
ああ〜どうもどうも。
(けんじ)直子さんほらてれてないで久しぶりの再会や甘えたらどうですの?ねっ。
(直子)一郎さん本当に帰って来たのね。
あっはい。
(直子)一郎さん。
一郎さん…。
ああ〜!
(けんじ)おいちょっとちょっと!何してんの?いやすみません手と間違うて足が出てしまいまして。
(けんじ)いや間違う?そんなん。
すみませんつい…。
(直子)一郎さん。
(安世)お姉ちゃん幸せそう。
二人でこうしているとあのころに戻った気分ね。
いや俺はあの世に行ったような気分やねんけどな。
あっそうだ二人でよくやったあれをしましょうよ。
昔よくやったじゃない一郎さん。
(けんじ)何やってたんすか?
(直子)一郎さんこれです。
(2人)ああ〜。
ああ〜これかこれか。
分かりました分かりました。
じゃあ俺からいくね。
ええ〜52086。
えへへっ。
(直子)何してんの?違うんかいおい!
(けんじ)何してんの?えっ?ち…違う?
(けんじ)訳分からへんやん。
なんや?それ。
早くキャッチボールしましょうよ。
普通の野球かいおい!忘れちゃったの?うわぁ〜〜〜!!なんや?なんや?ちょっと何してんすか?これ。
(けんじ)泣いてるんですよ。
(直子)あぁ〜〜!あぁ〜〜!続いてなんや?これ。
これはなんですか?
(けんじ)おびえてるんです。
分かりにくいなこいつ。
(直子)かくまってください!
(けんじ・川畑)「かくまう」?
(けんじ)誰か来たんか?あっ誰か来たで。
(安世)お姉ちゃん大丈夫?
(諸見里)しゅみましぇんしちゅれいしましゅ。
直子しゃん捜してるんでしゅけどごじょんじないっしゅか?
(けんじ)はっ?しゅみましぇん直子しゃん捜してるんでしゅけどごじょんじないっしゅか?あの…もう「しゅぽしゅぽ」言うてますやんずっと。
いや言ってましぇん。
「しゅぽしゅぽしゅぽ」言うてるでしょ。
言ってましぇん。
直子しゃん捜してるんでしゅけどごじょんじないでしゅかって…。
ほら「しゅぽしゅぽ」言うてるわ。
言うてましぇん。
機関車みたいになってますよ。
いやいや機関車ちゃいましゅよ人間でしゅよ。
いや笑うてますけど機関車ですよもう。
機関車ちゃいましゅ人間でしゅって!機関車やてこんなんもう。
しょしたら私機関車やったらね毎日たくしゃんお客しゃん乗しぇて大阪環状線グルグルグルグル回ってんしゅか?回ってないっしゅよ。
私の夢はトーマシュとシュピード対決しゅることでしゅ!ばか野郎〜!もうノリつっこみが何言うてるか分からんでおい。
なんでなんでしゅか〜。
あの〜さ行がちょっと弱すぎるんちゃいますかね?
(けんじ)そうなんすか?ちょっと「さしすせそ」って言うてもらっていいですか?しゃししゅしぇしょ。
やっぱりそうやこれ。
あのね「さしすせそ」なんですよ。
しゃししゅしぇしょ。
いやあの〜「さしすせそ」!しゃししゅしぇしょ!腹立つなぁ。
「さしすせそ」!!しゃししゅしぇしょ!!完璧や。
(けんじ)いやどこがや!無理無理無理。
(けんじ)諦めんのやめてあげて。
(諸見里)直子しゃん捜してんしゅよ〜。
な…なんやの?これ。
(直子)あいつは私のストーカーなの。
ストーカーって…結構お似合いやんけこれ。
ええんちゃうの?あのねこの際だからはっきり言うわ。
私はこの人と結婚するの。
だからもう付きまとわないで。
(諸見里)結婚?直子しゃん恋人いないって言ってたじゃないでしゅか。
なんかだんだん分かるようになってきたなこれ。
(けんじ)確かに。
えらいもんで。
死んだと思ってた恋人が10年ぶりに帰って来たのよ。
(諸見里)しょんなの信じられないでしゅよ。
二人はほんとに恋人同士でしゅか?この人は詐欺師でお金をだまし取ろうとしてるんじゃないんでしゅか?ピンポン。
(けんじ)なんの音や?おい。
なんや?ピンポンって。
いやピンポイントで攻めてきよるから「そんなことない」ということです。
(けんじ)ああ〜そういうこと?
(直子)さっきから何疑ってるのよ?ほんとの恋人同士だったらねキシュしてくだしゃいよ。
(けんじ)それぐらいできるよね。
いやそれはちょっともうねえやっぱり…。
はぁはぁ…。
興奮するなお前は!いきます!いやいやちょっと待て…。
臭ぁ〜。
こっちが言いたいわ!なんでお前に言われなあかんねん。
(諸見里)くっしょ〜!僕もキシュしたいよ!いやいやもうもう…。
(諸見里)キシュしゃしてくれ〜!なんで俺やおい!なんで…なんで本人おんのに間接キスを選ぶんやお前は。
(諸見里)キシュしたいよ〜。
(直子)もう二度と現れないで。
帰ってよ!くっしょ〜。
直子しゃんとちゅきあえないなんて…生きていてもしょうがないよ。
こうなったらじしゃちゅして…からな!
(けんじ)全然分からん!
(安世)この調子だったらすぐにお姉ちゃんの子供の顔見れそうね。
いやあの…子供はまだちょっとやめといた方がええんちゃうかな。
(安世)なんで?だってその顔とこの顔やで?あの顔しか生まれてきぃひん。
(けんじ)どの顔や。
分からへん。
だいたい想像できるやろ。
(直子)私お布団敷いてきます。
あんたたちも手伝って。
(けんじ)ああオッケーオッケー。
(安世)じゃあ私三脚用意する。
じゃあ俺はビデオカメラや。
なんの撮影やおい!あいつらむちゃくちゃやな。
あかんこんなとこいたら体もたへん。
逃げたろう。
知らんでもうこれ。
一郎あんたどこ行くねや?せっかく帰って来たのにどこに行くの?いやあの〜ちょっと行かなあかんなぁと…。
(由美)一郎あんた借金できたんか?な…なんで分かるんや?そうかてあんた昔おんなじように借金したときにお母ちゃんに迷惑をかけんとこうと思うて家出をしようとしたやろ?あのときとおんなじやないの。
ああ〜だから今回もちょっと借金あるからお母ちゃんに迷惑かけたらあかんから行こうかなと。
ほんでなんぼの借金やねん?ちょっと今回おっきくてな300万もあんねや。
そうか。
ほなその300万お母ちゃんが返したろ。
えっ?なっ。
で借金がなくなったらお母ちゃんと一緒にまた暮らそう。
まああの〜お金さえもろうて借金返せれば…。
お金取ってくるわ。
急いで取ってくるから待ってて。
速すぎるやろ!めっちゃ元気やんあれ。
・
(和子)いや〜一郎君ありがとう!えっ?あと十月十日したら孫が見られる…。
いやいやそんな…。
いや…今日行わへんよ。
(島田)えっなんで?今日行わない…。
(けんじ)ちょっと気ぃ早すぎるけどでもよろしいわはよ孫の顔見してあげてくださいよ。
まあまあ…追々ね。
(島田)いや〜羨ましいなぁ孫か。
(和子)はいはいはい。
(島田)わしも孫の顔見たいなぁ。
(けんじ)そらそうですわねぇ。
駅長の息子さんはよ帰って来たらいいんすけどね。
いや駅長の息子さんってなんかあるんすか?
(島田)まあ…息子がな5年前に都会でひと旗揚げるいうてな家出をしたんや。
それからというものはもうなんの音沙汰もなしや。
ええ〜!
(島田)うん。
もうあいつは帰って来ぇへん帰って来ぇへん。
いやでも…。
(島田)いやいや情けない男や。
帰って来るかいな。
(岳夫)お父ちゃん。
(島田)岳夫!
(岳夫)ただいま。
(島田)「ただいま」やあるか!お前ぬけぬけとようわしの前に顔出せたのう!いやあんたもその頭でよう「抜け抜け」って…。
(けんじ)いやいらんこと言わんでええ。
(和子)でもうれしいやないのあんた。
ええっ?一郎さんが帰って来るわほんで岳夫君が帰って来るわ村に若者が2人増えたんよ。
そうやね。
(岳夫)あの〜一郎さん帰って来てるんですか?あっど…どうもご無沙汰。
(岳夫)この人が一郎さん?そ…そうやがな。
(岳夫)ほっぺをちょっと…。
一郎さん!どこで分かんねんお前!ほっぺたなんの味したんや?
(島田)岳夫ええから座れ。
(岳夫)はい。
(島田)お前な今まで何をしてたんや?実は俺都会でひと旗揚げようと思って最初は真面目に働いてたんや。
そやけど仕事が全然うまくいかなくて借金だけがどんどん増えてって。
そんなときに借金返すために詐欺をせぇって言われたんや。
それで俺怖くなって逃げてきたんや。
(島田)お前借金したからって詐欺せぇってそんな話聞いたことないぞ!いやみんな2回目なんですけどね。
(けんじ)どういうことやねん?
(島田)えっ?いやいや世間一般にはもう2〜3回は聞いとると。
それぐらいようある話…ようある話ですわ。
(けんじ)ああ〜そうなん?
(岳夫)だからもうすぐここに追っ手が来んねや。
お父ちゃんかくまってくれへんか?
(和子)大丈夫大丈夫。
気にしなさんな追っ手ぐらい追い返してくれますがなこの一郎君が。
(島田)ああ〜そうかそうか。
一郎君はな村一番ケンカ強かったんや。
(けんじ)えっそんな強いんすか?
(島田)ああボクシングやっててな「カミソリパンチの一郎」と呼ばれてたんや。
「カミソリパンチの一郎」?
(岳夫)そうですよ。
一郎さんやったらねヤクザなんか簡単に追い返せますよ。
無理無理無理無理。
(岳夫)お願いしますね。
言うてたらあいつら来ました!
(和子)大丈夫大丈夫。
とにかくどっかに隠れましょう。
一郎君あとお願いしますよ。
ええ〜!?
(和子)はよおいで。
隠れましょ。
ええから任しなさい。
ほなトイレへ。
はいはいはい…。
あっ言うとくよふふっ中で変なことしないでよ。
いやしませんよ!和子さん隠れる必要ないやろこれ。
(けんじ)まあ確かに。
(島田)頼むぞ。
頼むわ。
(安井)おいここに島田岳夫帰って来たやろ。
いや息子は5年前家出してまだ帰ってません。
(安井)おい隠しといたらためにならんぞこら!
(けんじ)ちょっとお願いしますよ。
ええ〜!?
(けんじ)一郎さん。
怖っ怖っ怖っ…。
いやあの〜岳夫さんは…。
(安井)うるさい。
関係ないやつ下がっとけこら!突くことないでしょ。
イヤ〜ン。
えっ?えっ?なんや?これ。
うるさい…イヤ〜ン。
うるさい。
反応すんのじゃこら!反応?ええっ?イヤ〜ン。
イヤ〜ン。
イヤ〜ン。
バカ〜ン。
向こうバカ〜ン。
(島田)ええ〜?こっちイヤ〜ンで向こうバカ〜ン…。
イヤ〜ン。
バカ〜ン。
ソコ〜ン。
まだあんのかいな!まだあるこれ。
うるさい…イヤ〜ン。
バカ〜ン。
ソコ〜ン。
ヒザ〜ン。
そのままやん!体の部位言うただけやんか。
うるさいこら!おもしろいなこれ。
いっぺんに全部押さえたらどないなんねやろな?
(安井)「全部」やあれへんがな。
イヤバカソコヒザ〜ン。
全部言うた!全部言うた。
(安井)やかましいこら!岳夫帰って来たやろ言うとんねんこら!
(けんじ)一郎さん早く。
あの〜ちょっと落ち着いて話しましょうね。
どうぞ座って。
お茶でもいれますんで。
あの〜ちょっと売店の急須でも借りるわね。
(けんじ)いやいいっすけどちょっとそんなんより…。
ちょっとポットとかないんですけどねお湯…。
駅長室にないっすかね?
(島田)ああ〜そうか。
よっしゃよっしゃ分かった。
あっありましたよありましたすみません。
(帯谷)おいお前何しとんねんそれ。
ポットからお湯入れてるんすよ。
そんなもん出ぇへん出ぇへん。
いや押したら出る仕組み…。
いや出ぇへんってほんなもん。
いや出ますから。
いや出ません。
いや出ぇへんっちゅうねんほんまにもう〜!ズズー…今ちょっと出たな。
出た。
今風邪気味やから鼻水出たんやないかい。
鼻水?お湯出ない?なんで出ぇへんねやろ?あっなんや「止まる」になってるやんこれ。
あるかぁそんなもん。
どこにチョボがあんねん。
(けんじ)一郎さんありますやんちょっとほら。
これと間違うてたんやこれと。
格好悪い…はははっ!ご対面〜。
持ってくんな!気分悪いわ。
そっくりですよ。
ちょっとサングラス借りてよろしい?
(帯谷)よろしいけど似てません。
よう似てんのにそんな言い方せんでも…。
ほらそっくりやこれ。
そっくりそっくり。
(帯谷)何しとんねん!ほんまに腹立つこいつはほんまにもう〜。
ええっ?いてもうたろかあほんだら。
ちょっとやめてくださいよ2人掛かりで。
それも違うやろお前!なんでこれを人数に入れんねん。
すみません。
(帯谷)ええかげんにせぇよ気分悪いほんまに。
ああ〜もう腹立つもう!びっくりした顔だけ飛んできたんかいなと…。
飛ぶかぁ!なんでこんなもん抜けて飛ぶねんお前。
ええかげんにせぇよほんまにもう〜。
ええっ?おい安井!へい。
岳夫は見つかったんかい?こいつらが帰って来てないって言いよるんですわ。
ほう〜とぼけとんねんな。
はい。
しゃあないな。
ほな痛めつけたれ。
分かりました。
おい!痛い目みしたろかこら!!ちょっと待てこら!何を偉そうにしとんねんお前。
何が痛い目じゃ。
お前なんかにできる思うてんのか!このチビ!お前より高いわ!よう言えたなぁチビってお前こら。
うるさい。
なんちゅう顔してんねん。
うるさい。
やめろ!その顔。
やめろ!その顔。
腹立つ!なんやお前乳首触られて変な奇声上げやがって。
お前の乳首どうなってんねんそれ。
気持ち悪いのう。
感じやすいだけやこら!触られたら絶対言うてまうんか。
言うてまうねや!ほんまか?それ。
触らへんのかい!なんか触んのかなと思うたやろ今。
何がやねん。
気持ち悪いのう。
「気持ち悪い」やあらへんがな。
とにかくやで偉そうにしてるけどここにいる一郎さんボクシング界でなんて呼ばれてたか知ってんのか?
(安井)なんて呼ばれとったんや?
(けんじ)体で教えたってください。
いやちょっと…。
なんて呼ばれとったんや?バキバキバキバキバキバキバキバキ…
(安井)むちゃくちゃ弱いやないか!おいなんて呼ばれとったんや?「サンドバッグの一郎」や。
(安井)やられる専門やないか!
(安井)おい!岳夫どこに隠れてんねや!?
(けんじ)言われっぱなしで格好悪い。
ビシッと言うてビシッと。
分かりましたよ。
おいこら〜!
(安井)うん?左のトイレや!
(けんじ)何をビシッと…。
もう!
(安井)左のトイレやな。
おいどけこら!岳夫〜!
(けんじ)何してんのほんまに。
(島田)頼むでもう。
(けんじ)ああ〜あれ?あれ?つながってるんですよ。
(島田)おいはよ逃げろ!
(岳夫)ああ〜!頼むで頼むで。
(安井)どないなってんねんこら。
おい岳夫待て〜!イヤ〜ン。
(帯谷)岳夫待てよこら。
出ぇへんっちゅうねん。
・岳夫〜!どないしたん?どないしたん?
(けんじ)ああ〜ちょっとね駅長と駅長の息子さんがヤクザに追いかけられてんすよ。
(中川)ええ〜!ちょっと青ちゃんわしらも追っかけよう。
(青野)おう。
一郎君もおいで!わしも?
(和子)行っといでぇよ。
(けんじ)みんなで?大丈夫かな?これ。
しゃあないよもう。
ああ〜和子さん言うてたら来たよあっちから。
・
(帯谷)岳夫待て〜!
(岳夫)ちょっとちょっと…。
(帯谷)待てこら。
(安井)待て〜岳夫〜!
(けんじ)まねせんでええおい。
(和子)なんや秋の運動会やがな。
言うてる場合かいなもう和子さんは。
あっまた来たまた来たおい。
・
(帯谷)岳夫おらんか〜!
(安井)待て〜岳夫〜!
(帯谷)岳夫待てこら!
(中川)おっと…待ってよおい。
(島田)あぁ…おい…。
今順番おかしなかったか?おい。
誰が誰を追っかけてんの?おかしなことになってたよ。
確認しましょう。
(けんじ)ああ〜また来た来た。
・
(帯谷)岳夫〜!
(島田)はぁはぁ…。
(帯谷)待てこら〜!
(安井)待て〜!
(けんじ)増えてるで。
誰?おいなんか新たな追跡者が増えてたど今。
エスカレートするん違う?なんやほんまかなわん…。
あっまた来たまた来たおい。
(けんじ)スキップおかしいやろおい!
(帯谷)岳夫〜!待て岳夫!岳夫〜!
(けんじ)愛想振りまかんでええ。
(和子)なんやヨーロッパ風になってる…。
ヨーロッパ風!?どういう意味や?それ。
ヨーロッパのイメージあんまないけどなああいうのに。
ああ〜また来たまた来た。
・
(帯谷)岳夫!
(けんじ)手ぇつないでるやん!
(帯谷)岳夫待て。
(安井)待て。
(帯谷)待て〜岳夫。
(けんじ)振りまかんでええって。
(和子)仲よしクラブやがな。
(けんじ)ほんま友達みたいになってるやんかもう。
なあ。
いや和子さんこっちからもまた来たよ来た来た〜。
(和子)ほんまか。
ああ〜。
(けんじ)あぁ〜あバテバテやもう〜。
(帯谷)待て…岳夫…。
(中川)ごめん抜いた抜いた抜いた抜いた。
(けんじ)抜いたらあかん。
(帯谷)岳夫待て…。
目的なくなってるやんもう。
みんないろいろ仕込んでるよ。
ほんまやなぁ。
今度出てくるときは仮装行列みたいになっとんちゃう?いやそんなあほな。
仮装なんかするわけないやろ。
いや変装してるはず!ほんまかいな…。
ああ〜和子さん来た来た来た!向こうから。
(和子)見とってごらん。
(けんじ)ほらしてないやん誰も。
(帯谷)待てよこら…。
(けんじ)するわけないやん。
点滴しとるやん!なんで?いや〜死んだ!死んだ!あっ…いや天使来た!
(けんじ)また汚い天使やなあれ。
恐ろしいわ。
ほんまやなもう。
あっまた来たよ。
はぁはぁはぁ…。
・
(帯谷)岳夫待て…。
(けんじ)もう〜ちょ…ちょっと。
(帯谷)待てこら…。
(安井)はぁはぁ…。
(島田)ごほっ…。
(帯谷)やっと捕まえたぞこら…。
おい…。
(由美)ちょっと何があったんです?
(けんじ)ああ〜実は駅長と駅長の息子さんがヤクザに連れてかれそうになってるんすよ。
(由美)なんですって?
(安井)おい岳夫行くぞ!
(岳夫)もう勘弁してくださいよ。
(安井)ごちゃごちゃぬかすなこら!
(島田)ちょっと待ってくれ!ええからなわしを殴ってくれ。
そのかわり岳夫を抜けさしてくれ。
(帯谷)おい。
はぁはぁ…「わしを殴ってくれ」やと?
(島田)ああ…。
あんた体力なさすぎるやろ!
(帯谷)そうか。
ほんなら思いどおりやったるわこら。
おお〜こら!
(安井)何が抜けさしてくれじゃ!バキ!抜けとんのはお前や!
(けんじ)何してんねんおい!あんた何してんの?いや語呂がよかったんで。
(けんじ)なんの語呂やねん。
(帯谷)おらぁあほんだら!
(由美)もう…もうええでしょ。
やめたってくださいお願いです。
(島田)いや由美さん。
由美さんええねんええねん…ええねん。
あんたらなわしをどついて気が済むならななんぼでもどつけ!
(帯谷)何?岳夫はな家出から帰って来てそして真面目に生まれ変わろうとしてんねや!だからわしを殴って気が済むならなんぼでも殴れや!そのかわり岳夫を連れていくのだけはやめてくれ。
このとおりや。
頼む。
(安井)おっさんこいつはなあんたを裏切って家出したんや。
こんな出来損ないの息子守る価値あんのか?
(由美)あります。
(安井)はあ?
(由美)あるに決まってます。
たとえどんな子供でもそれが我が子なら命を懸けて守るそれが親というもんと違いますか?
(由美)その子は私の息子です。
息子のためやったら私はどんなこともしてみせます。
お願いです岳夫さんを連れていくのは堪忍したって。
このとおり堪忍したってください。
(島田)どうしてもな岳夫を連れていくというならなわしを殺してから行け!
(安井)ほう〜おもろいやないか。
殺したるわこら〜!
(帯谷)安井!
(安井)はい。
(帯谷)やめぇ。
(安井)えっ何言うてはるんです?
(帯谷)もうええ。
(安井)ほんまにいいんですか!?
(帯谷)ええんや。
岳夫お前にはなこんなに大事にしてくれる親がいてるやんけ。
もう二度とこっちの世界へ足踏み入れてんやないで。
許してもらえるんですか?あの…わしもな久々に親の顔見とうなったわ。
おい行くで。
(安井)へい。
もう夏も終わりかぁ。
なんや寒い思うたら雪降ってきたがな。
(けんじ)いや降ってへんやないか。
(和子)駅長また親子で暮らせますなぁ。
(島田)和子さんありがとうございます。
由美さんさっきはありがとうな。
(由美)何をおっしゃいますか。
(けんじ)まあよかったですね。
じゃあ駅長めでたいんでねちょっと駅長室でお酒で乾杯でもしましょうよ。
(和子)ちょっと仕事中よ!
(島田)いや大丈夫大丈夫。
今日は早じまいしよう。
無理やろおい!電車来るでほんま。
(中川)まあまあ一郎。
お前もなお母さんの言葉聞いたやろ?なあ?青ちゃん。
(青野)そうや。
お母さん大切にせぇよ。
あっ…はい。
(青野)なっ。
はははっ。
(中川)行こか。
由美さんほなな。
(由美)はいおおきに。
一郎なんかあったら連絡してこいよ。
なっ?一郎…。
もうええから!もうええよもう〜。
あっそうや一郎これ300万円。
いやあの…これはちょっと。
何を言うてんの。
あのな一郎困ったことがあったらなんでもお母ちゃんに言うんやで。
お母ちゃんなんでもしたるさかい。
なっ。
ちょっと駅長さんとこ行ってくるわ。
いやあの…これ…。
はぁ…。
あの人わしのことほんまに息子や思うてるがな。
わしこのままでええんか?
(烏川)おいおいおい!えらいこっちゃえらいこっちゃ!サツに見つかったんや。
逃げるぞ。
おいなんや?これ。
いやあの…。
でかしたぞお前300万あるやないかい。
兄貴これ勘弁してください。
あほなこと言うなお前。
わしに返す借金ちゃうんかい!
(裕)見つけたぞ!
(烏川)見てみぃお前逃げるぞ!
(裕)待たんかこら!
(烏川)オバハンどけ!お母ちゃん大丈夫か!?
(烏川)何してんねん行くぞお前。
あんたお母ちゃんに何するんすかちょっと。
起こしてから…。
(烏川)お前が何してんねん。
(裕)詐欺容疑で逮捕や!
(島田)おいおい…。
すみません。
(烏川)お前が何してんねん!すみませんすみません。
(由美)ちょ…ちょっと。
(レイチェル)お前も仲間やな?
(由美)ちょっと待ってください。
えっ?仲間って…。
今詐欺って言わはりました?この子はそんなことする子やありません。
間違いです。
いやあの…。
(烏川)オバハン教えといたるわこいつあんたの息子の一郎ちゃうぞ。
俺の弟分の川畑泰史っちゅう詐欺師や。
(一同)ええっ!?
(裕)おい。
(レイチェル)はっ!なんや?これ。
警部こんな大金が!
(裕)この金はなんや?いや…。
(島田)一郎君どういうことや?どうもすみませんでした!僕は今言われたとおり確かに一郎さんではありません。
この人に300万の借金があって返されへんねやったら詐欺をせぇって岳夫君とおんなじことを言われてたんです。
で人違いされたんをええことに由美さんのことをだまそうとしてました。
ほんとにすみませんでした!
(裕)やっぱりそうか。
おばあさん危ないところでしたね。
(レイチェル)もう少しでだまされるとこでしたね。
(由美)な…何を言ってるんですか。
このお金はこの子のお金です。
(レイチェル)えっ?
(由美)この子がお金が必要やと言うたから私が渡したんです。
(裕)だまし取られたんじゃないんですか?
(由美)何を言ってるんですか。
親は子供のためならなんでもできるんですよ。
お金がいる言うたらお金を渡すこれが親というもんでしょ!ええっ?弟分?何を言ってるんですか。
違いますよ。
この子は私の正真正銘の私の息子の一郎です。
(裕)皆さんそうなんですか?
(島田)いやいや…ええ。
ええ彼は間違いなくねこの人の息子の一郎です。
(裕)そうなんですか?
(岳夫)一郎です。
(裕)そうなんですか?
(けんじ)一郎です。
(裕)そうなんですか?鳥羽一郎です。
(裕)いや違うでしょ。
・波の谷間に命の花が
(裕)歌わんでええねん!
(和子)いやいや私が悪いごめんなさい。
末成一郎です。
・ふたつ並んで
(裕)続きいいですから!マイクしまいなさい。
(島田)はい。
(レイチェル)分かりましたよ皆さんこいつのことかばおうとうそついてますね。
よしお前も逮捕や。
(裕)やめろ!もうええ。
(レイチェル)えっ?烏川耕一だけ逮捕していこう。
はあ!?
(レイチェル)いやでも警部こいつの逮捕は?
(裕)被害者もおらんのになんの罪で逮捕するんや。
立て!
(烏川)うそ〜?
(裕)我々の勘違いでした。
申し訳ございません。
失礼します。
行くぞ!もう夏も終わりかぁ。
寒い思うたら雪が降ってきたで。
(けんじ)あんたもかいなおい!この村あんなんばっかりかほんまに。
あの…ほんとに僕一郎さんじゃないんですよ!信じてください。
僕あの…川畑泰史という詐欺師なんです。
信じてください!!
(けんじ)あんたなんかおかしなこと言うとんなおい。
詐欺師を信じろ?いやあの…。
ほんとに一郎さんじゃないんです。
分かってました。
えっ?ほんま物の一郎はとうの昔に死んだんです。
えっ!?はい。
実は一郎が行方不明になって半年後に遺体が見つかったっていって報告があったんです。
でも私はそれを認めることができなくてこうして毎日ここで…もしかしたら一郎が帰って来るんやないか元気な笑顔を…笑顔を私に見せてくれるんやないかと思ってず〜っとここで待ってたんです。
(島田)由美さんだけやない。
村中のみんなが一郎君の帰りを待ってたんや。
だからそんな由美さんに誰も何も言われへんかったんや。
和子さんもご存じやったんすか?ごめんねぇ。
でもあんた末成さんの一途な姿を見てたら私たちが水を差すのはいかんでしょうが。
そうやったんすか。
このお金で借金を返してそれから真面目に生きなさい。
いやあの…このお金を受け取るわけにはいきません。
何を言うてんねやな。
ちょっとの間でも夢を与えてくれた。
まあいうたら…アルバイト代として受け取って。
えらい高額バイトやなおい。
分かりました。
ではこのお金は受け取らしていただきます。
でもそのかわり僕をあなたの養子にしてください。
えっ?一郎さんみたいな立派なことはできませんがほんとの息子として親孝行させてください。
ということは私の息子になってくれますのか?はい!ありがとうございます。
そしたらこの村で親子として一からやり直しましょう。
精いっぱい恩返しさせてください!ありがとう…。
(島田)いや〜由美さんほんまに息子さんできたがな。
よかったなぁ。
(由美)ううっ…あぁ〜。
(島田)よかった。
えっ?えっ?
(由美)ううぅ〜…。
フンッフンッ
(島田)またかいなもう!もうやめて。
2回もかまんといてもう。
(岳夫)泰史さんこれからもよろしくお願いしますね。
お願いします。
お母さん準備出来たわよ。
(和子)あっ準備出来たか!準備ってなんやの?
(和子)まあまあまあまあ。
(安世)お姉ちゃ〜ん!・
(直子)は〜い!
(和子)見てやって。
(直子)一郎さん結婚して!お巡りさんやっぱり捕まえて〜!
(直子)一郎さんもう〜。
結婚よ。
結婚結婚結婚…。
(すっちー)CMの後は新コーナーが始まるよ。
(一同)イエ〜イ!さあ吉本新喜劇にはたくさんおもしろい若手がいます。
今日はその一芸を披露していただこうと思います。
さあ誰にしようかな〜。
(一同)おおっ!
(裕)来た来た来た!
(友見)ええ〜!
(すっちー)吉岡ちゃんいきましょう。
(友見)は〜い!今から
(すっちー)誰でしょうねぇ。
(友見)ちょっと時間…。
(一同)ははははっ!
(友見)こっからの…。
(すっちー)開脚。
すごいすごいすごい。
すごい!
(すっちー)はははっ!開脚いらんやんか!吉本新喜劇座長のすっちーです。
10月1日よりなんばグランド花月で夜の特別公演「大坂の陣新喜劇」がいよいよ始まります。
笑いありアクションありの時代劇です。
(4人)皆さんぜひお越しくださ〜い!2014/09/20(土) 12:54〜13:54
MBS毎日放送
よしもと新喜劇[字]【「待った甲斐は、あったかい!?」】
「待った甲斐は、あったかい!?」▽詐欺師としてある村にやってきたバタヤン。運良く村の資産家の息子だと勘違いされる。そんな時仲間が警察に追われてやって来て・・・
詳細情報
番組内容
詐欺師としてある村にやってきたバタヤン。
運良く村の資産家の息子だと勘違いされる。
そんな時仲間が警察に追われてやって来て、バタヤンも逮捕されそうになるが・・・。
出演者
川畑泰史/烏川耕一/島田一の介/清水けんじ/今別府直之/井上安世/末成由美/青野敏行/中川貴志/信濃岳夫/帯谷孝史/安井まさじ/諸見里大介/吉田裕/レイチェル/清水啓之/金原早苗/辰巳智之/中尾星太/森本瞬/平田健太/青柳裕之/桑原和男
ほか
ジャンル :
劇場/公演 – その他
バラエティ – お笑い・コメディ
福祉 – 文字(字幕)
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