(花子)もしもし黒沢さん?村岡です。
ああ…あの〜…ラジオ出演のお話是非受けさせて下さい。
はい。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」
(ふじ)お帰り。
ずっと待ってるだよ。
(吉太郎)醍醐さん?
(吉平)おおあんたははなの女学校からの友達の…。
(醍醐)お義父様吉太郎さん突然押しかけまして…。
醍醐さんどうしてここに?直接吉太郎さんにお伝えしに来たんです。
私が…どれほど怒っているか。
えっ?ずっと捜してたんですよ!心配で心配で夜も眠れなくて…。
そんなに心配かけていたとは…すみませんでした。
もうこれ以上吉太郎さんを待っていられません!これ以上待ってたらよぼよぼのおばあちゃんになってしまいます。
私も吉太郎さんと一緒にブドウ酒を造ります!てっ?
(2人)て〜っ。
お義父様お義母様。
私お料理もお掃除もちっとも得意ではありませんがこれから必死に努力致します。
ですから…私をここに置いて下さい。
あの…醍醐さん。
私帰れと言われても帰りませんから。
あなたは…いつも肝心な事を自分からどんどん先に言ってしまう!ごめんなさい私…。
おとう。
おかあ。
おらこの人と一緒んなりてえ。
こんなボロ家に本当に来てくれるんですか?はい…。
はい!
(リン)てっ!吉太郎がやっとこさ結婚するだと!?てっリンさん。
あっおらちょっくら用事を思い出したさ。
あ…あ〜行っちまった。
あ〜。
こりゃああっという間に村中に知れ渡るらな。
(笑い声)年が明け花子が5年ぶりにラジオに出演する日がやって来ました。
ご無沙汰しております。
ご無沙汰しております。
(黒沢)村岡先生とまたこうしてご一緒できた事本当にうれしいです。
こちらこそ黒沢さんがいて下さって心強いです。
今はGHQの厳しい統制下に置かれていて以前とは違うご不便をおかけするかもしれませんが…。
ママさん?チビ…。
あっこの万年筆は父の形見で…。
Mister.村岡先生。
Bequiet!
(黒沢)あの…何と?「部下の非礼をお詫びします」とおっしゃっています。
そろそろはなのラジオが始まるら。
おとう無理しちゃ駄目じゃん。
今日は気分がいいだ。
はなさん今日は何のお話をするのかしら?
(アナウンサー)「皆さん本日は『ごきげんよう』でおなじみの村岡花子さんをお招きしました」。
全国の皆さんごきげんよう。
村岡花子です。
村岡さんどうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
「村岡さんは英語の翻訳家としてもご活躍ですがどのようにして英語を学ばれたんですか?」。
「修和女学校でカナダのすばらしい宣教師の先生方から…」。
「ごきげんよう」のおばさんの声懐かしいな。
俺尋常小学校の頃毎日楽しみにラジオ聞いてたよ。
(かよ)よかったらこれどうぞ。
おまけです。
(宇田川)またラジオに出るなんて「みみずの女王」も懲りないわね。
「そこの本をほとんど全部読んでしまったので『あなたのために図書室を増築しなければ』と冗談で言われた事もありました」。
翻訳という仕事に興味を持ったのも修和女学校で学んでいた時でした。
回想
(蓮子)脚本最後まで読みました。
率直に感動致しました。
あなたやっぱり翻訳力だけは大したものだわ。
腹心の友が翻訳の道へと進む勇気をくれたのです。
はなちゃん…。
(アナウンサー)では最初に英語を教えて下さったのも修和女学校の先生方ですか?いいえ。
私に最初に英語を教えてくれたのは父です。
てっ…俺のこんけ。
「幼い頃から本が大好きだった私を見て父は修和女学校に入れようと思いついたのです」。
うちは貧しい農家でしたが私が給費生として編入できるように父は奔走してくれました。
回想東京の女学校へ行ったら大好きな本がなんぼうでも読めるだぞ。
本当?毎日思っきし本が読めるんじゃ。
ほういう学校に行きてえか?うん!よ〜し!おとうに任しとけ!10歳の時初めて故郷の甲府を出て東京へ向かう汽車の中で父が英語を教えてくれました。
回想グッドモーニング。
グッドアフタヌーン。
グッドイブニングじゃ。
何でえほれ。
何かの…呪文け?朝はグッドモーニング。
グッドモーニング…。
昼はグッドアフタヌーン。
グッドアフタヌーン…。
そうじゃ。
いつも突拍子もない事をして母や私たち兄妹をハラハラさせる父ですがあのおとうがいなかったら私は英語に出会う事も翻訳の道へと進む事もありませんでした。
はな…。
外国の言葉を知るという事はそれだけ多くの心の窓を持つという事です。
戦時中はその窓も閉ざさなければいけませんでした。
さあ心の窓を大きく開けて一歩を踏み出しましょう。
それぞれに戦争のむごさや家族を失う悲しみを経験しましたが勇気を出して歩いていけばその先にはきっと一番よいものが待っていると私は信じています。
あんた。
あ…。
花子の声を聞きながら吉平は息を引き取りました。
ごきげんよう。
さようなら。
2014/09/20(土) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(150)「どんな朝でも美しい」[解][字][デ][再]
吉平(伊原剛志)と吉太郎(賀来賢人)がぶどう酒作りから安東家に帰ってくると、ふじ(室井滋)が「ずっと待っている人がいる」と言う。それは醍醐(高梨臨)だった…
詳細情報
番組内容
吉平(伊原剛志)と吉太郎(賀来賢人)がぶどう酒作りから安東家に帰ってくると、ふじ(室井滋)が「ずっと待っている人がいる」と言う。醍醐(高梨臨)だった。醍醐は心配していたと吉太郎に詰め寄り、吉平とふじに「家事は得意ではないが努力するからここに置いて欲しい」と頭を下げるが、吉太郎は… 一方、東京へ戻ることになった花子(吉高由里子)は朝市(窪田正孝)に「ラジオに出演するかどうか迷っている」と打ち明ける。
出演者
【出演】吉高由里子,伊原剛志,室井滋,賀来賢人,黒木華,窪田正孝,高梨臨,仲間由紀恵,鈴木亮平,中島歩,山田真歩,金井勇太,土屋太鳳,松本明子,木村彰吾,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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