(新水真由子)なんだか久しぶりよねホテル以外で2人でデートするの。
(只野仁)で頼みってなんだよ?そのためにわざわざ呼び出したんだろう。
実はね…。
うん。
あなたにおねだりしたいものがあるの。
フー…。
高給取りの女子アナなら欲しいものはなんでも自分で買えるでしょ?ううん…。
お金じゃ買えないものなの。
金じゃ買えないもの?何?それは…。
うん…。
赤ちゃん?最近考えちゃうのよねー。
このまま孤独な老後を過ごす事になったらどうしようって。
かといって結婚して家庭に納まるっていうガラでもないし…。
だからはやりのシングルマザーもいいかなって。
断る。
うん?父親候補だったら他を当たってくれ。
あなたじゃなきゃダメなの。
なんで?だって言うでしょ?タネは強い方がいいって。
(福原ルミ)ダメだってば社長…。
こんなところ会社の人に見られたらどうすんの?
(城山健志)構うもんか。
グズグズ言うやつがいたら俺がクビにしてやるよ。
何あれ?どっかの若社長みてーだな。
思い付きで子どもなんか産むとあんなバカに育つかもしれねーぞ。
そうかも…。
うん。
ってそんな事じゃあきらめないわよ。
(城山)よーし。
よし…。
ダメ!焦らないの。
(ルミ)待ってて。
シャワー浴びてくるから。
アハハ…。
社長お待たせ。
(ルミ)何よもう…。
あ〜おはようございます。
(山吹一恵)係長!はい。
また遅刻ですか?なんかね目覚ましが壊れちゃったみたいで…。
(佐川和男)あごめん…。
はい…。
すまんが頼みがあるんだ。
頼み?いろいろ物入りでな。
少しでいいんだ融通してくれんか?いいですよはい。
なんでティッシュなんだ?あわかった脂取り紙。
金だよ!金!お金ですか…。
いろいろ訳ありでな。
少しでいいんだ。
来月にはちゃんと返すから。
そういう事なら…。
すまんな。
いや…そんなに?恩に着るよ。
必ず返すからねうん。
(佐川)横浜営業所行ってくるから。
課長…。
ひょっとして係長も課長にお金貸したんですか?「係長も」?課長どうやらみんなからお金借りまくってるらしいんです。
じゃみんなも…?
(井上さおり)私5000円貸しました。
(上村真樹)私は1万円。
(遠藤雅子)私も。
(小島エリカ)私なんか3万円も貸したんですよ。
(君島あや)マジで?ひょっとしてあんた人に言えないようなバイトでもしてるんじゃないの?え?それよりもしかしたら課長なんか変な事に手出してるんじゃないですか?おかしいですよ。
部下にお金借りるなんて。
なんとかしてくださいよ。
って僕が?だって係長じゃないですか。
そんな事言われても…。
あその代わりもしなんとかしてくれたら…私今度係長とデートして…。
あメールだ。
もう!会長いい歳して絵文字でメールなんてやめてくださいよ気持ち悪いじゃないですか。
(黒川重蔵)いややり始めたら結構面白くなってな。
ところで…城山製菓知ってるか?ああ知ってますよ。
あの金の鳩を3枚集めるとお楽しみボックスがもらえるっていう。
でもあれねなかなか集まんないんですよね。
あ…失礼しました。
でその城山製菓が何か?実は去年亡くなった創業者の城山社長に代わって長男の健志君というのが二代目社長に就任したんだがちょっと困った事になってな。
あれ?こいつ…。
知ってるのか?いえ…この間バーで飲んでたら…。
(黒川)健志君は社長に就任したと同時に仕事そっちのけで目を付けた秘書課の女社員と遊び回ってるそうだ。
お陰で会社の業務に大きな支障が出てるという。
ちょっと待ってくださいよねちょっと待ってください会長。
今回の特命っていうのはあの…もしかして…これですか?城山製菓はこの電王堂の大口クライアントの1つだ。
つまり放っとけば電王堂の大きな損失になりかねないとそういうわけですか。
でもこれ二代目に祭り上げられて勘違いしてるだけじゃないですか。
学生時代の健志君は非常に優秀な男だったと聞く。
その健志君が社長になった途端にどうして豹変したのか。
それを調べるのが今回の特命だ。
わかりました。
(坪内紀子)ああ…。
(足立和美)先輩どうしたんですか?この前同窓会に出てからというものずっと元気ないじゃないですか。
だって…母親になった友達たちの顔見たら思いっきり女の幸せを見せ付けられたっていうかなんかこのままでいいのかなーって。
だったら先輩も子ども産めばいいじゃないですか。
でも…肝心の相手がいないのにそんな…。
今時シングルマザーなんて珍しくありませんよ。
なんて事言うの?和美ちゃん。
子どもを育てるっていうのはね深い愛情と温かい家庭そのどちらも不可欠でしょ?へえー…先輩って意外と古風なんですね。
アハハ…古風って…。
よかったら僕がお手伝いしましょうか?は?こう見えても僕「電王堂のディープインパクト」って呼ばれてるんです。
はあー!わああー!ずうずうしい事言わないでください。
(メイドたち)おかえりなさいませご主人様。
帝都大を首席で卒業したエリートか。
(森脇幸一)学生時代は相当な堅物だったようなんですが社長の座に就いた途端はじけたらしくて先代社長を好きだった福原ルミって秘書に目を付けたらしくて人目もはばからずかなり遊びまくってるそうなんですよ。
しかし二代目とはいえよくそれで社長が務まるな。
それなんですが見兼ねた専務の辰巳祐介が取締役会で何度かにわたり解任要求を求めてるんです。
しかし先代から城山に仕えた副社長の大垣龍三はそれを今まで抑えてきたんです。
つまり仕事そっちのけの若社長のお陰で城山製菓は分裂の危機にさらされたって事か。
(あいみん)ご主人様何を召し上がりますか?ミルク。
バカ野郎!そう君が新しい運転手なの。
本日より社長付きの運転手となりました南大門と申します。
まあそう堅くならないで。
気楽にいこうよ気楽に。
(大垣龍三)若社長…。
副社長いいじゃないのそう堅くならなくても。
しかし…。
とにかく仲よくやろうよ。
ね南大門ちゃん。
くれぐれもよろしく頼みますよ。
はい。
(ルミ)もう…仕事中に呼び出すなんて私クビになるかもしれないじゃない。
心配するな。
秘書課長には話してある。
それよりいつものように楽しもうじゃないか。
もう…。
(城山)まずはうまいもん食って体力作りだ。
覚悟しとけよ今夜は離さないぞ。
社長ったら…。
では社長いってらっしゃいませ。
ああいってくる。
(城山)裕子…。
(ルミ)誰?この人。
なんでもない行こう。
(池内裕子)待って健志さん。
ねえ一体どうしちゃったの?お願い目覚まして!本当のあなたに戻って。
うるせーな。
言ったろ裕子。
もうお前とは終わったって。
健志さん…。
(城山)それにな社長になるまで気付かなかったよ。
社長の仕事がこんなに楽で面白いとはな。
(城山)だから俺は楽しく生きる事にした。
今のこの姿が解放された本当の俺なんだ。
じゃあ行こうか。
なんだい?
只野仁大手広告代理店の窓際係長
しかしそれは表の顔にすぎない
彼には会長直属の特命係長としてさまざまなトラブルを解決するというもう1つの顔があった
恋人が…?ええ正確には元恋人です。
名前は池内裕子。
商社に勤務するOLです。
一度は結婚を約束したものの健志が二代目の社長に就任した直後一方的に婚約を破棄されたようです。
つまり捨てられたって事か。
いやでももったいないと思いませんか?美人な上に評判だっていいのに。
あの…。
ここよろしいですか?ええ構いませんけど。
ねえもうあんまり飲みすぎない方がいいんじゃないかな?いいの。
飲みたいんです。
しかしどうして彼…その健志さんって人はあなたみたいな素敵な女性の事を…。
わかりません…。
あの人社長になった途端に急に人が変わったみたいになって私とは結婚出来ないって。
(裕子)以前はあんな人じゃなかった。
「社長になった時は必ず亡くなったお父様の無念を晴らすんだ」って言ってたのに。
無念?ねえそれってどういう…事なのかな…。
(辰巳祐介)社長は中だな?何をするんだね君。
すいません。
しかし社長が許可を出すまでは誰も中には入れるなと。
重要な話なんだ。
今すぐそこどきたまえ。
ですが今はちょっと…。
社長もうダメじゃ…。
すいません失礼しました。
ちょちょちょ…ちょっと待って…。
いや専務…。
マズイとこ見られちゃったな。
一体どういう事でしょうか社長。
仕事中に女子社員を社長室に引っ張り込むなどと。
(城山)うるさいな。
(大垣)辰巳専務一体なんの騒ぎですか?
(辰巳)副社長私は亡き先代を立ててあえて今日まで社長のご乱行に目をつぶってきました。
しかしもう我慢ならん。
今度の取締役会では誰がなんと言おうと現社長の解任動議を提案させてもらいます。
(城山)やってみなよ。
(辰巳)何?けど専務一体何人の重役たちがその動議に賛成してくれるかな。
もし否決されたらその覚悟は出来てるんだろうな?失礼する。
社長ちょっと…。
ではごゆっくり。
いつも悪いね南大門ちゃん。
いえ…。
今度可愛い子紹介してあげるからねっ。
(ルミ)ねえ社長。
私欲しいバッグがあるんだけど。
(城山)バッグ?ああいいとも。
なんだったら店ごと買ってやろうか?
(ルミ)ええー?本当に?アハハ…その代わり…。
あ…アハハ…もうイヤだスケベ!ちょっとごめんなさい。
まいったな…今夜も徹夜かよ。
(真由子)あーあどうせインタビューするならあんなおじいちゃんじゃなくてもっと若いアイドルにしたかったな。
(飯村)まあこれも仕事ですから。
それより新水さん。
これから2人で食事でもしません?
(真由子)あ…。
将来の事とか…いろいろ話したい事もありますし。
僕新水さんとなら子ど…。
見付けちゃった!どうしてここにいるんだ?それでどうして俺がわかるの?わかっちゃう全部。
もうこれって赤い糸っていうのかしら。
やっぱ運命を信じるしかないみたい。
いやいやわかった。
それはいいけどこの間の話はもうなしだよねえ。
それに俺今仕事中だからさようなら。
ああもう…冷たいんだから。
何?あ…。
せっかく真由子ちゃんが温めてあげようと思ったのに。
寒いんだから早く帰りなさい。
(真由子)帰らない?一緒に…。
いやいいから。
あ…あなた!ああもう…ちょっとお邪魔虫!ちょっと…あなたこの人に何してるのよ?まさかこの人をホテルに引っ張り込むつもり?いいえ私は今出てきたところです。
出てきたって…それじゃあなた…。
とにかく私の方が先に見付けたんだから邪魔しないでちょうだい。
アハハ…邪魔なんてしないわ。
あなたと違って。
あら私のどこが邪魔かしら。
あなたなんていまだに携帯の番号も知らないくせに。
まあ…そんな事で優越感を感じるなんてあなたも子どもね。
どうなんだい?ついさっき入ったところです。
しかし社長とはいえやりたい放題ですよね。
女の方もまんざらでもなさそうだけどな。
おいおいなんだよもう終わりかよ。
随分早いな。
ひょっとして社長とはいえあっちは係長級とか…。
なんだい?
(紀子)あの人の事になるといつもこの展開ね。
ひょっとしたら私たち進歩がないのかしら。
はあ…むなしいわね。
このまま歳を取っていくなんて。
結局勝ち組の女子アナとかいっても負け犬に変わりないのかも。
同感。
せめて子どもの1人でもいてくれれば違うんでしょうけどね。
だけど強いタネの男はそうそういるもんじゃないし。
家庭を大切にしてくれそうなセレブな男っていうのもね…。
(2人)はあ…。
(一恵)はあ…。
本当男の人って難しい生き物ですよね。
あなた…確か総務二課の。
屋台で1人酒なんて失恋でもした?それ以前の問題です。
私がこんなに切ない思いしてるのに係長ったら…。
係長ってまさか…。
はあ…。
なんなんだどうなってんだ…。
社長お疲れさまでした。
ああお待たせ。
秘書の方は…?ああ部屋で朝まで休んでいくって。
さようですか。
(韮崎)城山健志さんですよね?なんだ?君たちは。
ちょっとお付き合いいただけませんかね。
うわ…。
おいやっちまえ!お逃げください!社長。
(女性)はあ…ああ…。
(城山)危ない!くそー!なんだこりゃ!おい引き上げだ!くそ…。
社長大丈夫ですか?ああ。
でもこの人たちが…。
とにかく病院だ。
すぐにお連れしてくれ。
はっ。
健志君が襲われた?ええ。
何者かはわかりませんが素人とは思えません。
それに…森脇も言ってましたがゆうべの城山健志…。
とにかく病院だ。
しかし…どうして健志君が襲われなければならない?まだ詳しい事はなんとも。
お前の話を聞く限りではどうやら鍵は城山製菓にありそうだな。
よし徹底的に洗い直せ。
はい。
ここいいかな?どうぞ。
なんで?
(女性)はあー気持ちいい…。
悪いね。
この歳になるとさ肩凝っちゃってね。
それよりさっきの話なんですけど。
ああ…この会社の事ねなんでも聞いてよ。
あたしゃね40年もここで働いてんだから。
ああーあー…。
係長!また遅刻ですか?新しい目覚し買ったんですけど電池入れ忘れちゃって…。
電池どこでしたっけ?エヘ…。
はあ…。
課長…?あの…もう少し融通してくれ。
この間3000円も貸したばっかりでしょう?そう言うなよ俺にもいろいろあってさ。
課長!いい加減にしてください。
そんな…怖い顔してにらまなくても。
そんなにお金ばっかり借りてもうほら…なんか人に言えない悪い事でもしてるんじゃないですか?そうですよ。
このままじゃ総務二課の風紀にかかわります。
(一恵)課長!正直に訳を話してください。
(女性一同)課長!野球チーム?
(佐川)ああ…。
俺の行き付けのスナックのマスターが親のいない子どもたちの野球チームの手伝いをしてるんだがね。
酔った勢いで俺が「ユニフォームを買ってやる」なんて約束しちまってさ。
それでみんなから金を。
だってよく考えたら俺の小遣い1万5000円だしまさか今更「酔った勢いでした」なんて言えないじゃないか。
それにもののあふれる今の時代たかがユニフォームであんなに子どもたちに喜んでもらえるなんてさ。
うちの娘なんかね小遣い削って洋服買ってやっても安もんだとかなんとか文句言うばっかりでこれが黙って見てられます?だったら最初からそう言えばいいのに。
でも照れ臭くてさ。
頼む只野。
ボーナス出たらちゃんと返すからもう少しの間貸しといてくれ。
わかりました。
そういう事なら今夜は僕がおごります。
お前が?はい。
なんか悪いな。
けどお前がそこまで言うならおやじさん。
もう1本熱燗追加ね。
大吟醸にしてうん。
それからねこんにゃくと…。
使途不明金?先代社長の時代からの話なんですがかなり巨額の使途不明金が城山製菓から誠麟会に流れてるようなんですよ。
ヤクザもんと癒着してる社員がいるって事か。
先代社長もそれに気付いてなんとか真相を確かめようとしたらしいんですが実はその亡くなった先代社長なんですが妙なうわさが…。
なんだ?妙なうわさって。
先代社長は入院中に呼吸困難で病死した事になってるんですが一部には使途不明金に絡んで事件に巻き込まれたんじゃないかって。
しっぽをつかまれそうになった社員が先代社長を病死に見せかけて殺したって事か。
まああくまでもうわさです。
結局は病死という事で落ち着いたんですが。
(裕子の声)「社長になった時は必ず亡くなったお父様の無念を晴らすんだ」って言ってたのに…。
「死んだおやじの無念を晴らす」か…。
なんですか?それ。
健志の元恋人が言ってたんだよ。
先代社長の不審死に遊び人となった二代目若社長か…。
面白くなってきやがった。
(久保順平)しかしいいんですか?野村様。
(野村俊夫)あっついあっつー…。
(久保)こんなとこで毎日毎日サボってばっか。
構うもんかお前。
でも人員削減が厳しい中もし野村様にクビにでもなられたら…。
そうなったらお前パパの会社に入れてもらうさ。
まあどうせ行く行くは俺が二代目継ぐ事になってんだし。
電王堂に勤めてる今の俺は仮の姿って事よ。
さすが野村様すばらしい人生設計を立ててらっしゃる。
そういえば野村様の実家って…。
薄くて丈夫なこれよ。
(アニータ)ああそれ知ってるね。
でもチリでは見た事ないよ。
本当?
(アニータ)うん。
(野村)おおー君に今度使ってみたいよ。
ノー…。
(野村)そっけないよ…。
よいしょ…。
女性にしては随分挙げるね。
あなたも自信ありそうね。
でも体力ならその辺の男には負けないつもりよ。
そう?俺よりも?
(ルミ)あ…あん…私の負けよすごい筋肉。
(ルミ)いつもこういう事するとは思わないでね。
こう見えても私堅い女なの。
ああ硬いわ…。
でも君ぐらいの美人ならいくらでも誘ってくる上司とかいるだろう?でもこんなに体が熱くなったのは久しぶり。
(ルミ)ああ…熱いわ…。
フン…フン…フン…。
フンフンフンフン…。
(あえぎ声)フンフンフンフン…。
(あえぎ声)私ねある会社の秘書課にいて何度か社長に誘われたんだけどでも…。
でも?お待たせ。
今まで何度か誘われたんだけどいつもその調子なの。
じゃあその人とは一度も?ないわ。
あの人を見張るように頼まれた時はどんな切れ者かドキドキしたけど…。
「見張る」だと?誰に頼まれた?何よ急に。
いいから言えや。
あ…。
(城山)で僕をどこへ連れていくんだい?実は社長に紹介したい女性がおりまして。
へえー…さすが気が利くね南大門ちゃん。
だいぶ僕の事がわかってきたじゃないの。
それはもう…。
で美人なの?その子。
ええ必ずや社長のお気に召す事と存じます。
ご期待ください。
へえー。
(城山)一体どこまで行く気なんだい?南大門ちゃん。
もうすぐそこでございます。
(城山)裕子…。
健志さん…。
南大門ちゃんこれ一体どういう事?困るな…いくらなんでも悪ふざけがすぎるよ。
もういいの健志さん。
大体の事はこの人に聞いたから。
聞いたって何を?社長あなたは巨額の使途不明金に絡んで殺されたと思われるお父様の敵を討つためあえてバカな二代目を演じていらっしゃった。
違いますか?南大門ちゃん…あんた何者だ?運転手ですよただの。
ただの?うん…。
あなたがちょっかいを出していたあの女性福原ルミさん。
彼女は亡くなった先代社長あなたのお父様の秘書だった。
だからあなたはお父様の死の真相を探るためあえて彼女に近付いた。
そうなの?おやじが死ぬ少し前俺にこう言ったんだ。
(城山の声)秘書の福原ルミは裏切り者の手先だ。
もし自分に何かあったら福原ルミを探れと。
ダメ!焦らないの。
(ルミ)待ってて。
シャワー浴びてくるから。
アハハ…。
社長お待たせ。
酔ったふりをして彼女を抱かなかったのは社長ここにいる裕子さんの事を考えての事ではないですか?でもどうして?だったらなんで私にそう言ってくれなかったの?あなたを巻き込みたくなかったんですよ。
もしお父様の死に裏があればあなたにも害が及ぶ。
だからわざとバカ息子のふりをして女にうつつを抜かしてるように装ったんです。
すまん…すまない裕子。
健志さん…。
(黒川)つまり健志君は会社を裏切り先代の社長を殺害したと思われる犯人を見付け出すためにあえてハムレットを演じていたというわけか。
はい…。
それで肝心の裏切り者はわかったのか?十中八九専務の辰巳ではないかと。
誰に社長を見張るように言われた?言え!あ…たつみ…たつみさんよ。
彼に頼まれたの。
なるほど。
しかし証拠もないのに辰巳専務を告発する事は出来んぞ。
ええ。
こうなったら只野お前も辰巳専務の化けの皮をはがすために力を貸してやれ。
わかりました。
一体どういう事だ?さっさと片付けてくれるんじゃなかったのかね?
(韮崎)すいません…運転手の野郎に邪魔されちまいまして。
しかしあんなバカ社長本当に殺す必要あるんですかい?はい…任しといてください。
くそ…このパスワードさえわかればな。
まさか…。
これは…。
わあすごいおっぱい大きくなってる。
ええ?いつもマッサージしてるから。
え?どうやってやるの?
(瀬尾広子)あ先輩ご協力お願いしまーす!今度は誰?広報のみどりちゃんです。
あ先輩知ってます?出来ちゃった結婚ですって。
え?あの子まで?だから結婚祝いと出産祝いを兼ねて景気よーくお願いしますね。
もう…何が景気よくよ。
それじゃ寿貧乏になっちゃうじゃないのもう…。
はい。
どうもー。
あんたね私の時にもちゃんと集めてくれるんでしょうね?さあどうでしょう?だって先輩より私の方が早いと思うし…なんちゃって。
(広子)じゃそういう事で。
ああーくうー…。
今度ぶっ飛ばしてやる!
(携帯電話)もちもちダーリン?この前の話考えてくれた?はあ…城山製菓について調べてほしいですって?
(大垣)これは…?福原ルミのメールの受信記録だ。
使途不明金発覚以後辰巳専務は頻繁に彼女と連絡を取っている。
(大垣)「TATSUMI」…信じられません!あの辰巳専務がまさかこんな…。
だがこれでようやくしっぽをつかんだ。
すると社長はそれを調べるためにわざわざほうけたふりを?長い間心配をかけてすまなかったな。
だが今日の取締役会できっちりと決着をつけてやる。
(電話)はい…なんだと?わかったすぐに行く。
だから彼女におかしなまねはするな。
社長!すまない急用だ。
しかしもうすぐ…取締役会が。
そっちは大垣お前に任す。
社長…。
(携帯電話)もしもし俺だ。
どうだった?ちゃんと調べたわよ。
城山製菓の辰巳についてでしょ?それって辰巳専務の事でいいのよね?どういう意味だよ。
何…?ちっ…。
辰巳専務。
やっぱりあんたが黒幕だったか?なんの話だ?
(城山)とぼけるな。
あんたが会社の金をヤクザに流しそれがもとでおやじを殺した事はわかってるんだ。
一体なんの話をしてんだ。
社長あんたこそなんだ。
こんな妙な所に私を呼び出してどういうつもりだ!なんだと?それじゃ裕子をさらって俺を呼び出したのは…。
(韮崎)俺だよ。
裕子!健志さん!まんまと罠にかかりやがって本当にバカな野郎だ。
俺たちをどうするつもりだ?
(韮崎)無論死んでもらうに決まってるだろ。
会社の金を裏に流していた裏切り者の専務と死んだおやじの敵を討とうとした二代目が相打ち。
よく出来た筋書きじゃねえか。
健志さん…。
彼女は関係ない放せ。
出来ない相談だな。
さああの世でゆっくり死んだ先代と再会でも楽しむんだな。
ヘヘ。
やれ!うわ…。
貴様は…。
先代を殺した上にその息子まで手にかけようなんてあなたたちいくらなんでもひどいんじゃありませんか?南大門君。
さあさっさと始めましょうか。
しかし辰巳専務と二代目の解任というのは…。
さっきも話しましたように辰巳専務は長年我が社に裏切り行為を働いておりました。
(大垣)加えて現社長も皆さんもご存じのようにとてもではないが社長にふさわしい人物とは思えない。
よってこの際経営陣の刷新を図りたいと思うのですが…。
(城山)そこまでだ!社長。
どうして…。
大垣お前だったんだな。
父を…先代社長を裏切ったのは。
何をバカな。
それはそこにいる辰巳専務が。
ああ危うく僕も引っかかるとこだったよ。
南大門君の忠告がなきゃね。
(大垣)何?つまりメールの受信記録にあった「TATSUMI」という名前それは辰巳専務の事ではなく大垣さんあなたの事だったんですよ。
話が見えんな。
自分も最初はあなたの名前は大垣りゅうぞうだと思っていました。
ですがあなたの下の名前正式な読み方は「たつみ」じゃないんですか?そうですよね?大垣龍三さん。
うるさい!そんなのは言いがかりだ。
無駄ですよ。
お友達が全部しゃべってくれましたから。
だがなぜだ?大垣。
なぜお前が。
(大垣)ハハハ…ハハハハ…。
あんたのようなお気楽な二代目にはわからんよ。
いくら忠義を尽くしたところでこんな同族会社にいる限り一生使いっ走りだ!だったら自分の欲望に素直に生きて何が悪い。
だが父は…先代社長は何よりもお前の事を信頼し家族同様に思ってきたんだぞ。
うるさい!あんなジジイにどう思われようと知った事か!
(大垣)家族だと?そんな甘い事を言ってるから寝首をかかれるんだ。
会社は戦場なんだ!足の引っ張り合いなんだ。
てめえみたいなアマちゃんがこの先生き残れると思ってるのか?はあー!は…。
フン!うわ…。
辰巳専務。
あなたを疑ってすまなかった。
いえ私こそ。
それにしても助かったよ。
南大門君…。
(城山)南大門君!社長…彼は一体何者だったんです?一番信頼をしていた副社長こそがブルータスだったというわけか。
ええ。
信頼していた人間に裏切られるなんて社長っていう仕事も大変ですね。
うん…それもまた人の上に立つ人間の宿命かもしれん。
俺は会長の事裏切ったりしませんよ。
本当か?本当ですよ!いやそれよりあの二代目これから先大丈夫ですかね。
先代の立派な後ろ姿を見ながら育ったんだろうから案ずる事はないだろう。
どう?どう?
(一同)すごーい。
なんですか?
(佐川)おお!只野。
あのさ例の野球チームの話をしたらみんなが協力したいって言ってくれて。
本当課長ったら水臭いんだから。
そういう事なら初めからちゃんとそう言ってくれればよかったのに。
そうですよ!私なんかてっきり陰で悪い事してるのかと。
すまんな。
けどどうにも恥ずかしくてさ…。
というわけであとはスパイクが足りないんで係長もカンパお願いします。
僕が?あ…僕もう…今月はちょっと厳しいので…。
(一同)係長!え?
その後城山健志は二代目として城山製菓の業績を大きく飛躍させた
恐らく彼が見た亡き父親の後ろ姿は何よりも大きなものだったろう
おはぎでも食いてえな…。
(紀子)こちらです。
(紀子)少々お待ちください。
黒川会長にお客様です。
『シングルベッド』2014/09/20(土) 02:34〜03:29
ABCテレビ1
特命係長・只野仁3[再][字]
「有名人にそっくり…顔パス男の痛い代償」
詳細情報
◇番組内容
只野仁。大手広告代理店の窓際係長。しかしそれは表の顔に過ぎない。彼には、会長直属の特命係長として様々なトラブルを解決するという、もうひとつの顔があった。金曜日の夜、寝る前に大人が気楽に見れてストレス解消出来る娯楽エンターテインメントの決定版をお送りします。
◇出演者
高橋克典 櫻井淳子 永井大 蛯原友里 田山涼成 近江谷太朗 斉藤優(パラシュート部隊) 三浦理恵子 梅宮辰夫
【ゲスト】佐戸井けん太 斉木しげる 神谷涼ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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