更に…歴史の大海原を旅するキャプテン歴史アイドルの小日向えり。
世界中のさまざまなゲストと一緒にいざ船出しよう!
(サヘル)サローン。
(小日向)サローン。
あ〜サヘルさん。
いらっしゃい。
お久しぶりです。
お久しぶりです。
相変わらずお美しいですね。
ありがとうございます。
相変わらずナデシコのようにキラキラと。
わあありがとうございます。
お邪魔します。
どうぞお掛けになって下さい。
2度目の登場。
イラン出身のタレントサヘル・ローズさん。
今回はどんなお土産を持ってきてくれたのでしょう
これ実は私も作れるんですがペルシャじゅうたんを今日持ってきたんです。
わあ!きれいですね。
ありがとうございます。
サイズが小さくてかわいいですね。
もともとは…それが…今となっては私たちが使っているカーペットへと変わってきた。
ここからルーツが始まってるとも言われてるんですよね。
そうなんですか。
そうなんです。
カーペットっていったらおうちにも職場にもいつもあって身近なものですよね。
ですよね。
でもこのじゅうたんと今日のお話とどういう関係があるんですか?実はですね…その中でも…そうなんですか。
そうなんです。
今日案内して下さる方々がいらっしゃるんです。
それがこちらの方々で〜す。
わあ今日はたくさんですね。
(サラディン)今回のナビゲーターは私カイロのサラディンと…。
(メフメト2世)イスタンブルのメフメト2世。
(アッバース1世)そしてイスファハーンのアッバース1世です。
我々3人がお伝えするのは…そのころ現代の大都市ロンドンやパリでも人口は数万。
だが中東の大都市は数十万もの人口を抱えていたのじゃ。
(3人)我々が世界で最も繁栄していた中東の都市の歴史を語ります。
へえ当時中東の都市はヨーロッパよりも繁栄してたんですね。
そうですね。
私が生まれた国イランのイスファハーンの都市なんですが……ともいわれていたんですよ。
そうなんですか。
何でそんなに中東の都市が繁栄したのか気になりますね。
まず最初はカイロにいるサラディンさんに伺いたいと思います。
それではカイロにいるサラディンさ〜ん。
私がカイロの英雄と呼ばれるサラディンじゃ。
12世紀政治的に混乱していたエジプトをまとめ父の名を取ってアイユーブ朝を建国した。
都のカイロは地中海とインド洋を結ぶ交易ルートの一大拠点になっていた。
ダウ船と呼ばれる大きな木の帆船に載せられてさまざまな品が運ばれた。
金銀だけでなく当時高価だった香辛料やシルクも持ち込まれた。
交易はカイロにばく大な富をもたらしたのじゃ。
繁栄を極めていたこのカイロの町を奪おうとする者がいた。
西ヨーロッパから来た十字軍がイェルサレムを占領した後カイロまで手に入れようとしたのじゃ。
私はカイロの町を守るため強固な城塞を築く事にした。
そこで目をつけたのがピラミッドじゃ。
敵の襲来に間に合わせるため小さなピラミッドを壊しその石材を利用したのじゃ。
工事は急ピッチで行われ1183年に城塞は完成した。
この強固な城壁で十字軍の攻撃を退け私はカイロの繁栄を守ったのだ。
その後もカイロは発展を続け世界で最も繁栄した都市の一つになった。
それも私の時代に築いた城塞のおかげだといえるじゃろう。
へえピラミッドを壊してお城を造っちゃうだなんて大胆ですね。
そうですね。
本当に考える力がすごいある方でイランでもこのサラディンに対して十字軍が攻めた時に「中東を守ってくれた。
抑えてくれた十字軍を」という事ですごく偉大な方としてみんな考えているんですよね。
その交易っていうのが都市を大きくするのにすごく大事だったっていう事が分かりました。
そうですね。
さて今私はですね「守られた都市」という事でお話ししましたが続いてはこちら。
イスタンブル…それではイスタンブルにいらっしゃるメフメト2世さ〜ん。
呼んだか!?私がオスマン帝国のメフメト2世だ。
私が皇帝になったばかりのころどうしても手に入れたい町があった。
それがコンスタンティノープル。
1,000年の繁栄を続けたビザンツ帝国の首都だ。
(メフメト2世)この町は厚い城壁に囲まれた難攻不落の要塞だった。
ただ一つの突破口は防御の手薄なこの金角湾。
しかしこの金角湾の入り口には巨大な鎖があり船の侵入を阻んでいた。
(メフメト2世)そこで私は奇抜な作戦に出た。
人と牛の力で船を陸に上げたのだ!
(メフメト2世)船は山を越え金角湾のど真ん中に侵入。
(発射音)
(メフメト2世)重さ500kgを超す鉄球が次々と城壁に襲いかかった!1453年ついに1,000年の都コンスタンティノープルは私の手に入った。
(メフメト2世)後にイスタンブルと呼ばれるこの町は東西南北の交易ルートの十字路だった。
東からは中国の陶磁器やそして北からはロシアの木材や毛皮。
多くの人や物が行き交いばく大な富が集まった。
東西南北にわたる交易によってオスマン帝国は600年続く大帝国になりイスタンブルの繁栄は現在に至るまで続いているのだ!船で山を越えてしまうなんて奇抜な作戦ですね。
そうですね。
ちょっとむちゃにも思えますけどそこまでして町が欲しかったんですね。
でもそのぐらいの価値がイスタンブルにはあったって事ですよね。
このイスタンブルも同様に地の利があるというか場所も交差点でいい所にあるんですよね。
そうなんです。
じゃあもう一つ知ってもらいたいのが私の国イランにあるイスファハーンについて知ってもらいたいと思います。
イスファハーンにはですねアッバース1世がいるんですけれども…イスファハーンにいるアッバース1世さ〜ん。
は〜い。
私はアッバース1世。
16世紀サファヴィー朝を大きく発展させた国王です。
サァヴィー朝とはイスラーム教を国教とする現在のイランにあった国の事。
(アッバース1世)遊牧騎馬民族だった私たちは主に乾燥した砂漠で暮らしていました。
国王になった私は地上の楽園をつくりたいつくりたいつくりたい!と考えました。
そこで私はそれまでの都カズヴィーンから数百km離れたイスファハーンという町に都をうつしたのです。
イスファハーンは国際的な交易ルートシルクロードの大切な拠点になっていました。
(アッバース1世)1598年私はここに水路を中心にした美しい広場を造り花が咲き乱れる自然豊かな理想郷を建設しました。
ハッハ〜。
(アッバース1世)町の中心にあるのがイマーム広場。
東西160m。
南北512m…の巨大な広場です。
(アッバース1世)広場の横にはおよそ2kmにわたる巨大なバザールがあります。
17世紀には「ここではあらゆる商品が売られ世界中のあらゆる国から商人たちがやって来る。
世界の富の半分がここに集まってくる」とたたえられました。
(アッバース1世)そこで取り引きされている代表的な商品がじゅうたんでした。
主要なモチーフにしているのはオアシスに生い茂る花や葉。
楽園をイメージして作ったものです。
最高級の品質を誇り高値で取り引きされヨーロッパやアジアなど世界に広まっていきました。
世界中から人や物が集まり交易によってばく大な富を生み出したイスファハーンは17世紀最も繁栄した都市の一つになったのです。
アッハハハハ。
地上の楽園ですか。
何だかリゾートみたいですね。
そうですよね。
実際つくるにあたって全世界からすご腕の職人さんを集めて造り上げたのがイスファハーンのモスクなんですね。
へえ。
実際に見てみると周りが木々がある中にちょっと遠くから眺めるとイスファハーンのブルーのモスクがあって本当にまさにオアシスのように見える美しい都市となってるんですよ。
わあいいですね。
イスファハーンって日本でいう京都みたいですね。
はい。
当時16世紀ごろ日本の都は京都だったんですけど京都も計画的につくられた都市で都なので高い技術の職人をたくさん集めてイスファハーンと同様に古い歴史を持ったそういう町なんですね。
本当にそのとおりだと思います。
私たちから見ても私から見てもイスファハーンって京都のように見えるんですよ。
中東の方から見てもそうですか。
そうなんです。
また京都に祇園祭ってありますよね。
はい。
その祇園祭で使われている「山鉾」ありますよね。
その山鉾の全てではないんですが山鉾に実際にペルシャじゅうたんが飾られている事もあるんですよ。
えっそうなんですか?そうなんです。
そう思うとシルクロードを渡ってじゅうたんは日本に来て日本とこういうふうにつながった。
そうですね。
イスファハーンと京都のつながりがそんなところにもあるんですね。
そうですね。
わあうれしいです。
世界中で飲まれているコーヒー。
実は中東から広まった事ご存じですか?コーヒー豆の原産はアフリカエチオピア。
古くはその実が食べられていました。
それがアラビア半島に伝わり飲み物として定着します。
興奮作用があるコーヒーはアルコールが禁止されたイスラーム教徒に愛されました。
今回は中東の伝統的なコーヒーを味わうためあるお店を訪ねました。
水とコーヒーの粉を直接鍋に入れ弱火で煮出すだけ。
日本では粉をろ過しますが中東地域では現在もこの入れ方です
(アラシ)お待たせ致しました。
ありがとうございます。
粉が沈むのを待って頂きます
はっ本当に香ばしいですね。
おいしい!飲みやす〜い。
(アラシ)飲みやすいですよね。
だいぶちょっと…粉っぽさが出てきてドロドロしてきましたけど。
今日はですねそれを飲まないでやって頂きたい事があるんですね。
はい。
コーヒー占い。
コーヒー占い!?そうです。
え〜初めて聞きました!
コーヒー占いはカップに残った粉の模様で占います。
中東では何百年も前から楽しまれているそうです
(アラシ)こういった模様がですねどういった意味をするかいろいろあるんですよね。
今日はお仕事について占ってもらいました
もう少し自信を持って頂きたいですね。
よく言われます。
自信がないのがにじみ出てるって。
こうして昔の人もコーヒーを飲みながらおしゃべりを楽しんだんですね
そんな人々の社交の場として誕生したのがコーヒーハウスでした
当時はテレビもラジオもインターネットもない時代ですからやっぱり情報を交換する場所…。
その後このコーヒーハウスの文化はヨーロッパにも渡りました。
イギリスでは紳士がコーヒー片手に政治談議を繰り広げそれが国を動かすようになります
フランスでは思想家や政治家がコーヒーハウスで交わした議論からあのフランス革命が起きました。
世界の近代化の歴史はまさにコーヒーハウスを舞台に花開いたのです。
これから世界の革命を学ぶ時は中東から広まったコーヒーの事も思い出して下さいね
こんにちは。
(羽田)こんにちは。
羽田先生今日も…。
お久しぶりです。
お久しぶりです。
どうぞ。
中東の都市が繁栄したのが交易によってだったんですね。
そうですね。
この時代特に中東の都市は世界の中でも相当大きな人口を持ってたし経済的に繁栄してたと思います。
その理由大きく分けて2つあると思うんですね。
一つは中東っていう地域が占めている位置。
でもう一つは中東の都市が持っているオープンさという事なんですけれども。
オープンさ。
オープンさですね。
まず最初の方から説明しますと中東って所は世界の…旧世界ですね。
あのユーラシア大陸とアフリカと合わせた所のちょうど真ん中ですよね。
はい。
で今みたいにヨーロッパから日本へ直接飛行機で来たりできないしそうすると何か物を運ぼうと思うと必ずここを通らないといけない。
北から南に行くのも東から西へ行くのもみんなここ通らないといけないんですよ。
そうするといろんな物が入ってきていろんな物が見られますから。
とても貴重な商品がたくさんあっていろんな人がやって来るって事ありますね。
地理的な位置2つ目はオープンさ。
ちょうどこの当時のヨーロッパ…西の方のキリスト教世界の都市の事を考えてみるとここはもうキリスト教徒だけしかいちゃいけないんですね。
だけど中東の都市というのは誰でもOK。
へえ。
宗教言葉民族…。
どんな人たちがやって来てもここで商売ができる。
住み着く事ができる。
すごく商売がやりやすかったんですよ。
税金も低かったりしてね。
ますますたくさんの人がやって来ますよね。
人が集まりますよね。
そうですね。
どんな宗教の人でもOKと…。
よく分かりました。
先生また疑問があったら聞きに来ます。
ありがとうございます。
また一緒に話しましょう。
はい。
今日は中東の都市の歴史を見てきましたがいかがでしたか?今まで中東の都市ってあんまり身近じゃなかったんですけど今日は「守った都市」「奪った都市」「つくった都市」というので3つの都市のカラーがはっきり見えてきてすごくイメージが湧きました。
そうですよね。
実際にその都市をつくる時にきっといろんな考えが…。
例えばオアシスをつくりたいとかこの国がこの場所が欲しいとかいろんな戦略があったと思うんですがそれがあったからこそ今私たちの日常生活にあふれている物がそれがつながったからこそ使えてるのかもしれないですよね。
今日も歴史と私たちがつながりましたね。
はい。
本当に今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
こちらこそ。
アイユーブ朝のサラディンが強固な城塞で守ったカイロは航海による交易で香辛料や絹などが集まり繁栄した。
東西南北から商品が集まるコンスタンティノープルはオスマン帝国のメフメト2世が占領しイスタンブルとして現在まで繁栄が続く。
アッバース1世によってつくられたサファヴィー朝の都イスファハーンは世界の富の半分が集まるといわれるほど繁栄した。
中東の大都市は民族や宗教によらず人々を受け入れ繁栄を極めた。
2014/09/19(金) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 世界史「繁栄する西アジア・中東の都市」[字]
歴史好きな「歴女」の部屋を、世界各国にルーツを持つゲストが訪れ、歴史上の人物のメッセージを届ける…世界の富の半分が集まった中東の都市の輝やかしい繁栄ぶり
詳細情報
番組内容
「12世紀から17世紀、世界の大都市は中東にあった!?」「ピラミッドの力で守ったカイロ、奇策で奪ったイスタンブル」「交易で世界中の富を集めたイスファハーン」。学習ポイントは「カイロ…十字軍とサラディン」「イスタンブル…オスマン帝国の成立と拡大」「イスファハーン…サファヴィー朝」【司会】小日向えり【ゲスト】サヘル・ローズ【講師】羽田正(東京大学教授)【語り】檜山修之
出演者
【講師】東京大学教授…羽田正,【ゲスト】サヘル・ローズ,【司会】小日向えり,【語り】檜山修之
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験
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