道徳ドキュメント「“自分のことば”で考える」 2014.09.19

おや本とうかい?ありがたいねえ。
だいじょうぶか?おもいか?だいじょうぶです。
だいこんすきか?だいこんすきです。
何にするのがすきだ?おでんです。

(テーマ音楽)11月ある中学校でイジメについての講演が行われました。
話をするのはイジメによってむすめを失った母親です。
小森香澄わたしのむすめです。
15さいの時イジメが原因で自殺をしました。
香澄はなくなる4日前わたしに「やさしい心がいちばんたいせつだよ」とはっきり言ってました。
わたしは今この言葉の中にたいせつなメッセージがこめられている。
そう感じているんです。
それは人は一人では生きていけない。
そんなメッセージのような気がしてならないんです。
この中に人から傷つけられてもしかたがない理由を持っている人は一人もいないと思います。
そしてもう一つ人を傷つけてもいい権利。
そんな権利を持って生まれた命も一人もいないのではないでしょうか。
なぜでしょう?「道徳ドキュメント」。
今回のテーマは「イジメ」です。
小森美登里さんは全国各地でイジメを無くすための講演活動を行っています。
先ほどの講演で小森さんは「理由があれば人は人を傷つけてもいいのか」。
どうしてイジメが起こるのかなど生徒たちにやさしく問いかけていました。
小森さんに講演をお願いしたのはこちらの学校です。
埼玉県にある…私立の男子校でこれまでイジメ問題に積極的に取り組んできました。
でもなかなか手ごたえをつかめずにいました。
これはこの学校が毎年行っているアンケートです。
「イジメがあるか」という問いに「ある」と答えている生徒がいます。
意見の中には「いじめは良く分かりません」とか「いじめはなくならないのでしょうがないと思う」とどこかひと事のような言葉も見られます。
そこでこの学校では小森さんの講演をきっかけに生徒自身がイジメについてじっくりと考える授業が行われました。
おはよう!
(生徒たち)おはようございます!講演から1か月後特別授業はすべてのクラスで行われました。
授業はグループごとにおたがい向かい合ってすわることから始まります。
生徒に配られたのは何も書かれていない付せん。
ここにイジメと思われるものを一つ一つ書いていきます。
自分が体験したことである必要はありません。
授業の主役は生徒たち。
先生は時折サポートするだけです。
イジメだと思っていることをわざわざ書き出すことには大きな理由がありました。
その子たちが一つ一つ1枚に1つの意見を書くことによって実際にその場に参加できますしほかの子からも質問が来たりして。
トイレってさ上空いてるやつあんじゃん。
そこでウンコしてるやつにこうやって「ウンコしてる!ウエ〜ッ!」って水投げる。
おまえさ〜もう…。
こわいよねふつうに。
できればふれたくない話題でも付せんに書き出すことでみんなと共有することができます。
そして自分が書いた文字を見つめることで生徒はそのじょうきょうをリアルに思い出します。
上ばきがカッターで真っ二つに切りさかれてて先生がだれがやったかも聞いたんですけどだれがやったとも出てこなかったし…。
目に見える形でイジメと直面した生徒たち。
何か発見はあったのでしょうか。
イジメに対して関心が強くなりました。
もしかしたら見えないとこでイジメられてる人がいたかもなっていうことに気づきました。
テレビとかで見る程度でイジメはいけないなとは思ってたんですけどイジメってこんなにもひどいんだとか…。
イジメのもっと具体的なところまで見えてきた感じがします。
イジメを一つ一つ書き出す授業。
先ほどのクラスでは全部で100こ以上のイジメが出てきました。
その内容もより具体的なものとなりました。
例えば悪口。
生徒たちが書いたのは……などの9こ。
悪口といってもそのじょうきょうによって一つ一つちがうのがわかります。
ではこうしたイジメ問題に生徒たちは一体どう向き合っていけばいいのでしょうか。
授業はさらに続きます。
自分がイジメについてもっとも気になることをみんなで話し合います。
あるグループでは「仲の良い友達がイジメをしていたらどうするか?」…という質問が出ました。
考えたのは…これまでイジメを受けたこともしたこともありません。
だからイジメを返されるのがこわいから…。
止められないかもしれない。
おれはいっしょにイジメちゃうと思う。
例えば相手がいやなのに気づかないでやってたら忠告して止められるかわからないけど忠告はするけど…。
口だけでとりあえず忠告だけはするかも。
イジメへの対応は一人一人ちがいます。
考えれば考えるほど問題のむずかしさにぶつかります。
今話してやっぱり…別のグループには実際にイジメを受けたことのある生徒がいました。
金枝くんは小学校時代の体験を付せんに書きました。
金枝くんが今知りたいことそれは…1回おれ不登校になったことがあるのね。
それでそうだから…。
心がいたかったし…。
(金枝)なぐり合いで。
ものによるんだけど…だからイジメとケンカの境界線はどこなのかっていうのをちょっと話し合ってみたいなって思ってる。
本人どうしが自覚しているケンカ。
一方しか自覚のないイジメ。
この境界線がわかればイジメは無くなるのではないかと金枝くんは考えています。
たぶんからかってると思ってるんだよ。
あってほしいとは思うけどやっぱりさ…。
どうしたら答えは見つかるのでしょう。
かれらはイジメは無くならないと思っています。
(金枝)自分とちがう意見が出るじゃないですか。
それをぶつけ合ってこういう意見もあるんだっていう…。
価値観が広がるというか見方が広がるというか。
そういうのはすごい楽しかったですね。
もっと堂々とむねはってイジメに対してつきあうというか。
学ぼうと思いましたね。
(取材者)イジメに対する考え方が変わったりした?う〜んそうですね…。
むずかしくなった感じはしますね。
解決方法がどこまで進んでも見つからないような気がしますね。
えいえんと続いていくみたいな…。
けっこうしょうがないんじゃないかなと思うところがある。
生きてる以上みんながかかわっていくから。
意見のちがいとかはしょうがないしね。
ちょっとまだそういう答えは出てないですよね。
イジメ問題に向き合うということ。
それは正解がない答えを求めてあきらめずに考えることにあるのではないかと思います。
イジメ問題キミならどう考えますか?すごいほのおだ。
2014/09/19(金) 09:50〜10:05
NHKEテレ1大阪
道徳ドキュメント「“自分のことば”で考える」[解][字]

今回のテーマは“イジメ問題”。ある中学校で行われた一風変わった授業。それは「イジメの種類を一つ一つ紙に書き出す」というものだった。この授業に込められた狙いとは?

詳細情報
番組内容
今回のテーマは“イジメ”。埼玉県のある中学校でイジメの実態調査を行ったところ、生徒からは「ある」との回答が出た。しかし中には、イジメをどこか他人事と考えている生徒もいる。そこで学校では、生徒一人一人がイジメ問題と向き合えるよう、特別授業を行うことにした。授業の内容は、「イジメの種類を一つ一つ紙に書き出していく」というもの。これには一体どんな効果があるのか?イジメ問題に取り組む生徒たちの様子を描く。
出演者
【司会】堀伸浩,【語り】廣瀬智美

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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