NHKニュース おはよう日本 2014.09.19

おはようございます。
7時になりました。
世界が注目する、スコットランドの独立の賛否を問う住民投票。
先ほど開票が始まりました。
スコットランドは、イギリス北部に位置し、面積は北海道よりもやや小さく、人口はイギリス全体のおよそ8%に当たる530万人です。
バグパイプやキルトなど、独自の文化を育んできました。
ウィスキーなど、飲食関連の製造業も盛んです。
このスコットランドの独立の賛否を問う住民投票。
事前に登録した有権者は、428万人余り。
賛成が反対を1票でも上回れば、投票率に関係なく独立が決まることになります。
投票は、日本時間の午前6時に締め切られ、開票作業が始まっています。
どのような判断が示されるのでしょうか。
スコットランドの住民投票は18日、2600か所の投票所で行われ、日本時間のきょう午前6時で締め切られました。
開票作業は、32ある自治体にそれぞれ設けられた開票所で行われていて、作業が終了した場所から順次、開票結果が発表されます。
住民投票は有権者の関心が極めて高く、投票率は高くなるものと見られています。
また、賛成の運動を主導してきた、スコットランド民族党のサモンド党首は、賛成派の勝利に期待を示しました。
現地では開票作業が進んでいます。
スコットランドの中心都市エディンバラには佐々記者がいます。
佐々さん、現地はどんな様子でしょうか。
こちらでは1時間ほど前に15時間にわたる投票が終わりました。
今は開票作業が進められています。
こちらが、今回の住民投票で使われた投票用紙の見本になります。
スコットランドは独立すべきかという問いに対して、有権者はイエスかノーかのどちらかで答えました。
直前の世論調査では、反対派が僅かにリードしていましたが、投票日当日も、イエスと書かれたシールやバッジを身に着けた賛成派の人たちが、支持の拡大を図っていまして、結果は予断を許さない状況です。
開票作業が始まったことを受けて、私のいますメディアセンターでは、世界各国の報道関係者が相次いで中継を行うなど、慌ただしい雰囲気となっています。
独立するのか、あるいはイギリスにとどまるのか。
将来を左右する結果の発表が近づく中、現地は一層、張り詰めた空気に包まれています。
一方、イギリス政府は、イギリスにとどまるよう訴えてきました。
ロンドンには、下村記者がいます。
下村さん、イギリス政府は今、どのような思いで住民投票を見ているんでしょうか。
こちらロンドンでは、キャメロン首相ら政府関係者が開票作業の進捗をかたずを飲んで見守っているものと見られます。
キャメロン首相は投票の直前、2回にわたって現地に入りまして、自治権の拡大を約束し、なりふり構わぬ姿勢で独立阻止に動きました。
もともとおととし、この住民投票の実施を認めたのは、キャメロン首相です。
当時は、住民投票を実施しても、否決されると判断したものと見られますけれども、それが最終盤に入って、予想外の大接戦となりました。
こうした見通しの甘さが、300年以上の歴史を持つ連合王国分裂の危機を招いたとしまして、キャメロン首相への批判が強まっています。
仮に独立が決まった場合は、辞任を求める動きが広がることも予想され、結果を受けてイギリスの政治がどう動くのかも注目されます。
イギリスのBBCは先ほど日本時間のけさ6時40分から、スコットランドの住民投票について開票速報番組を放送しています。
その一部をご覧ください。
300年以上にわたってスコットランドですが、政治的に、イギリスの連合王国にとどまっていました。
そこにはウェールズ、そして北アイルランドも含まれています。
今回の歴史的な住民投票のあと、果たしてスコットランドは独立するんでしょうか。
これはまさにイギリスの歴史上、最大の歴史的な投票となります。
そして、イギリスのほかの国々に影響を与えると考えられます。
スコットランド民族党のサモンド党首ですが、この日を夢みていたのではないかと考えられます。
そして、独立賛成派のキャンペーンを展開してきました。
数か月前から、状況が変わってきました。
そしてまさに賛成派ですが、その支持を伸ばしてきました。
その一方で、独立反対派ですが、数週間にわたって、激しく選挙戦を展開してきました。
ブラウン前首相など、それに加えてイギリスの政治家なども発言してきました。
きょうスタジオですが、独立賛成派、反対派の人たち、それぞれにいらしていただいています。
また今回の開票ですが、非常に長い夜になると考えられます。
またこれまでの選挙について報道してきた記者にも同席していただいています。
非常に心配しているんではないかと思います。
さらに住民の代表の人たちにもいらしていただいています。
その方たちがどのように決めたんでしょうか。
そして結果を皆さんにお伝えするのが、このチームです。
専門家の分析もお伝えしていきます。
一方、アメリカの反応です。
オバマ大統領はツイッターに、不安定な世界にあって、イギリスはアメリカにとって極めて重要なパートナーであり、引き続き力強く結束することを望むと書き込み、スコットランドがイギリスにとどまることが望ましいという考えを示唆しました。
また、ホワイトハウスのアーネスト報道官は。
アメリカ政府としては、住民投票の結果を尊重する考えを示しました。
スコットランドの住民投票は、賛成派と反対派がきっ抗しています。
こうした事態は、当初、予想されていませんでした。
映画、007の主人公を務めた、スコットランド出身のこの人は、独立に賛成。
俳優、ショーン・コネリーさん。
一方、独立に反対なのは。
世界的なベストセラー小説、ハリー・ポッターシリーズの作者、J・K・ローリングさんです。
住民投票の実施を受け入れたのは、キャメロン首相でした。
おととし、スコットランド自治政府との間で、住民投票を1回に限って行うことで合意したのです。
当時、スコットランドで独立に賛成する住民は、30%前後にとどまっていました。
しかし、その後、独立賛成派は、草の根運動を展開、支持を伸ばします。
投票を前に徐々に差が縮まり、先週の世論調査で初めて、賛成が反対を上回りました。
キャメロン首相は危機感を強めて急きょ、スコットランドへ。
独立を思いとどまるよう呼びかけました。
こうした中、ふだんは政治的な問題にかかわらないエリザベス女王が異例の発言。
人々は将来のことを慎重に考えてほしいと思いますと述べました。
そして最新の世論調査。
賛成が48%なのに対して、反対は52%とリードを奪い返した形です。
独立に賛成か、反対か。
双方がきっ抗したまま、投票が行われました。
では国際部の小島記者に聞きます。
小島さん、独立賛成派が、ここ最近で勢いづいてきたということですが、改めて、独立の機運がここまで高まってきた、その背景にはどういうことがあるんでしょうか。
もともと、スコットランドは300年ほど前に併合されてからも、中央政府に対して反発を持っていたんですね。
1980年代には、中央政府の政策で石炭などの基幹産業が衰退したと、不満を募らせていました。
追い打ちをかける形になったのが、金融危機のあとの不景気、あるいは緊縮財政です。
特に若者たちは、就職が難しくってですね、失業率は16%を超えているんですね。
こういう暮らしが圧迫される中で、自分たちの地域のことは、自分たちで決めたいと、そういう機運が高まったといえます。
そして現在、開票作業が行われていますが、その開票状況を見るうえでのポイントというのはどういうところでしょうか。
まずはスコットランドの中でも比較的、人口の少ない北部地域、ここが票が開く見通しです。
北から順にということですね。
それで、ここでは賛成派、反対派が入り交じっていまして、まずどちらが優勢になるか、これが一つのポイントといえます。
賛成派は、中部の地域に多いと見られているんですね。
ただ結果を左右するのは、最大都市のグラスゴー、それから政治の中心地、エディンバラの票の動向が欠かせません。
いずれもどちらかというと、反対派が多いと見られています。
ですから、この2つの都市の開票が終わる最終盤までに、賛成票がどこまで積まれるかというのが、一つ焦点になりそうです。
注目ですね。
仮にスコットランドが独立するということになりますと、さまざまな影響が予想されていますね。
イギリス政府にとっては、懸念材料が尽きないんですね。
安全保障の面でいいますと、スコットランドの港には、核ミサイルを搭載した原子力潜水艦が配備されています。
賛成派のスコットランド民族党は、原子力潜水艦を移転するよう求めているんですね。
イギリスの核の抑止力にも、影響を与えかねない問題ですね。
それからスコットランドの北海油田、こちらもイギリスにとっては税収、あるいは輸出の面で、なくなってしまえば大きな痛手となりかねないです。
独立の影響というのは、イギリスにとどまらないんですね。
ヨーロッパではスペインのカタルーニャ州をはじめ、独立や自治権の拡大を求める地域というのが少なくないんです。
こうした地域の運動に弾みをつける結果になると、各国政府が懸念を強めています。
一方で、投票で独立が支持されれば、賛成派は再来年の3月24日には、スコットランドがイギリスから独立するとしています。
ただ、通貨がどうなるかといった問題を抱える中で、本当に地域経済が上向くか不透明なままなんですね。
そして独立した場合、しなかった場合、いずれにしても、賛成、反対と地域を二分した激しい対立をどう乗り越えていくかという課題が残ることになります。
国際部の小島記者に聞きました。
そして経済への影響です。
18日のロンドン株式市場、株価指数は上昇しました。
18日のロンドン株式市場は、独立反対派がやや優勢になっているとする世論調査の発表を受け、スコットランドがイギリスにとどまることへの期待感から、幅広い銘柄に買い注文が広がり、株価指数は前の日の終値と比べて、0.57%上昇しました。
市場関係者は、世論調査の結果に一喜一憂する展開となっているが世論調査が示す反対派のリードは僅かで、結果を見極めたいという投資家も多く、値上がりの幅は小幅にとどまったと話しています。
また18日のニューヨーク株式市場は、この日、発表されたアメリカの先月の住宅着工件数が市場の予想より悪かったことなどから、FRB・連邦準備制度理事会が利上げに慎重になるのではないかという観測が広がりました。
このためアメリカ経済は金融緩和に支えられ、順調な回復を続けるだろうという見方から、幅広い銘柄が買われ、ダウ平均株価は2日連続で、終値の最高値を更新しました。
市場関係者は、スコットランドの住民投票について、一部のメディアで独立に反対する勢力がやや優勢だと伝えたことを受けて、市場の混乱が避けられそうだという見方から、買い注文を出す投資家も多かったと話しています。
経済部の加藤記者とお伝えします。
加藤さん、仮にスコットランド独立ということになりますと、経済への影響も懸念されていますね。
その懸念の一つが通貨です。
独立が決まった場合、2016年3月としている実際の独立までは、イギリスのポンドを使い続けて、その間に通貨をどうするか決めなければいけませんが、それがまだはっきりしていません。
通貨は暮らしや経済活動のおおもとを支えるものなので、それが決まらないとすると、国の土台が築けない事態になってしまいます。
また円やドル、ユーロと並ぶ、主要な通貨であるイギリスのポンドが、その間、不安定な状態にさらされてしまうということも想定されます。
そうなんですね。
このポンドが不安定な状況になりますと、円相場にも影響が出るということでしょうか。
そうですね、その円相場への影響なんですけれども、市場関係者の間では、仮に独立が決まった場合、ポンドに対するドル高の流れを受けて、円安ドル高が進むという見方があります。
ただ一方で、投資家の間でリスクを避けようとする動きが強まって、比較的安全な通貨とされる円が買われやすいという指摘もありまして、見方が分かれています。
また為替だけではなくて、ロンドン市場で、仮に株価が下落した場合には、それがニューヨーク市場や東京市場にもその株安が波及するということもありえます。
いずれにしても、円相場の急激な変動というのは、あまり好ましくはないですよね。
そうですね、ご存じのとおり、今、外国為替市場では、このところのアメリカ経済の着実な回復を受けて、円安ドル高が急ピッチで進んでいます。
輸出産業にとっては利益を増やす要因ともなるんですけれども、企業経営者らの間では、これ以上の円安は輸入する原材料やエネルギー価格のさらなる値上がりにもつながって、経営にマイナスだという声も増え始めています。
円安が進んで、ガソリン価格などが上昇すると、私たちの暮らしにもじわりと影響が出てくるので、スコットランドの住民投票の結果がどうなるのか、また、仮に独立が決まった場合に、円相場にどのような影響を与えるのか、しっかり見ていく必要があると思います。
経済部の加藤記者でした。
スコットランドがイギリスから独立することになるのかどうか。
大勢は日本時間のきょう午後には判明する見通しです。
では次のニュースです。
政府は、STAP細胞を巡る問題などを受けて、研究での不正防止に向けた具体策を盛り込んだ基本方針案をまとめました。
資金の提供を申請する研究者に対しては、倫理教育の受講を義務づけることなどを求めています。
政府は、STAP細胞を巡る問題や、大学で論文の改ざんや盗用が相次いだ問題などを受けて、研究での不正を防ぐための方策の検討を進め、具体的な取り組みを盛り込んだ基本方針案をまとめました。
それによりますと、研究機関に対し、職員の倫理教育を実施するとともに、不正行為の疑惑が生じた際は、研究活動全体への信頼を失うことのないよう、迅速に対応する仕組みを、あらかじめ整備しておくことなどを求めています。
また日本学術振興会などに資金の提供を申請する研究者に対し、倫理教育の受講を義務づけるとともに、学術誌に対しても、盗用や改ざんを機械的にチェックする新しい仕組みの導入などを検討するよう求めています。
政府は、こうした内容の基本方針案を、きょうの総合科学技術・イノベーション会議で決定することにしています。
スロベニアで開かれていたIWC・国際捕鯨委員会の総会は、日本の調査捕鯨を事実上先延ばしするよう求める決議が採択され、18日、閉幕しました。
この決議に法的な拘束力はないため、日本はこれまでの計画を一部見直して、調査捕鯨を継続する方針ですが、今後、国際世論の反発を招くおそれもあります。
今月15日から、スロベニアのポルトロージュで開かれていたIWCの総会は、最終日の18日、ニュージーランドが提出した日本の調査捕鯨を事実上先延ばしするよう求める決議が採択され、閉幕しました。
これに対しニュージーランドは。
決議に法的な拘束力はないため、日本政府はことし3月に国際司法裁判所が南極海での調査捕鯨の中止を命じた判決内容を踏まえて、これまでの計画を一部見直して、調査捕鯨を継続する方針です。
具体的には、判決の対象となった南極海での調査捕鯨について、捕獲するクジラをミンククジラに絞り込むことや、捕獲する数を減らすほか、クジラを殺さないで行う目視調査なども導入する方向で検討を進めることにしています。
計画は、11月初旬までに策定して、来年5月ごろに開かれるIWCの科学委員会に提出する予定です。
ただ、今回の総会の採決では、当初、日本を支持すると見られていたデンマークやアフリカのガボンが賛成に回ったほか、欧米などの反捕鯨国からの批判も厳しくなっており、調査捕鯨の継続は今後、国際世論の反発を招くおそれもあります。
次は取り調べの録音・録画についてです。
東京地方検察庁は、起訴が見込まれる事件で容疑者が否認している場合には、取り調べのすべての過程で、積極的に録音・録画を行う方針を決めました。
取り調べの録音・録画について、最高検察庁は、来月から裁判員裁判の対象事件や検察の独自捜査事件などで正式に導入するほか、それ以外の事件でも、録音・録画の試みを拡大することを決め、全国の検察庁は、具体的な対象について検討を進めています。
これについて東京地方検察庁は、起訴が見込まれる事件で、容疑者が否認している場合には、自白に至るまでのすべての過程で積極的に録音・録画を行う方針を決めました。
また客観的な証拠が少なく、容疑者の供述が重要となる事件では、取り調べの冒頭に容疑者から言い分を聞く弁解録取の様子を、録音・録画の対象にするということです。
対象となる事件はこれまでより大幅に増えますが、録音・録画に必要な機材や部屋が不足していることから、東京地検は、機材などの準備が整いしだい、対象事件の数を増やしていくことにしています。
取り調べの録音・録画を巡っては、きのう、法制審議会が裁判員裁判の事件や、検察の独自捜査事件で義務化するなどとした法改正の要綱を松島法務大臣に答申し、来年の通常国会に関連する法律の改正案が提出される見通しです。
広島市の土砂災害からあすで1か月です。
きのう、最後の行方不明者と見られる女性の遺体が見つかり、今回の災害で亡くなった人は74人になりました。
捜索活動は区切りを迎えた一方で、被災した地域の生活再建は思うように進んでいません。
現場の広島市安佐南区八木地区から、堀越アナウンサーが中継でお伝えします。
今回の災害で、特に大きな被害が出た地域、八木3丁目の住宅街です。
この辺りは1か月ほど前には、土砂やがれきでいっぱいで、入ることができませんでした。
今は重機で土砂やがれきを寄せ集める作業などが行われています。
ただ、片づけが順調に進んでいるというわけではありません。
寄せ集められた土砂やがれきはこのように山積み、こうした山が、現場にはあちこちにあります。
今はトラックがひっきりなしに入って、これを運び出す作業が行われています。
また、一見、元どおりになったかのように見える道路も、実はよく見てみると、表面のアスファルトがすべて剥がれてしまって、下にあった構造物がむき出しになっています。
また、生活を立て直すために欠かせないものが、電気やガス、水道などのライフラインです。
そのライフラインの復旧も十分とはいえません。
中でも影響が大きいのが、水道です。
ここを見てください。
道路の裂け目から透明な水が漏れ出しています。
これ、地面の中にある水道管が破損しているものと見られます。
この辺りの地域では、今でも少なくとも90世帯で断水が続いています。
災害が起きてから1か月近くがたちましたが、復旧に向けた道のりはまだというのが実感です。
復旧が長引く水道などのインフラ設備。
そのために家に戻りたくても戻ることができずに、生活の再建が進まないという人たちが少なくありません。
今も断水が続く安佐南区の緑井地区。
自宅を片づけに来る人の多くが、まず立ち寄るのが給水所です。
泥を洗い流すための水をくむためです。
ボランティアによるバケツリレーも行われていますが、泥を洗い流すには十分ではありません。
水がないことで、今も泥に覆われたままの家。
土砂が乾き、床が反り返っています。
カビが繁殖する懸念もあります。
健康や衛生面に不安を感じている人もいます。
台所は被災直前のままです。
市の水道局では、被害が大きかったこの地区で、今週から水道管の仮設工事を始めました。
しかし、作業は難航。
もともとあったはずの場所に水道管が見つかりません。
見つかっても管が根元から割れていることも。
水道の元栓も土で埋まり、被害の実態を把握するのは容易ではありません。
今回の災害では、道路の激しい損傷に伴って、インフラ設備の被害も拡大しました。
道路の下には、暮らしに欠かせない重要な設備が数多く設けられています。
生活用水の上水道、汚水や雨水を運ぶ下水道、そして電気やガスなどが道路の下に通っている所もあります。
表面の舗装が大きくえぐられ、川のようになってしまった道路。
その下にあった水道管が、至る所でむき出しになりました。
なぜ、地下の設備まで破壊するほど、激しい損傷が起きたのか。
水を通しやすい地盤に住宅地が広がっていたことが、被害を大きくしたと、専門家は指摘しています。
土木学会などによる調査団の団長として現地を調べた、広島大学大学院教授の土田孝さんです。
液状化のような被害とはどのようなものなのか。
土田さんは次のように分析しています。
この辺りは、砂や石が多い水をよく通す地層が広がり、その上に住宅地や道路が出来ています。
豪雨によって地下に大量の水がしみこみます。
飽和状態に達した水は、下から道路を押し上げ、液状化のような状態になります。
そこに大量の土砂が流れ込んだことで、下からと上からの圧力を受けた道路が、地下の設備ごとえぐり取られたというのです。
1か月たった今も、本格的な復旧ができずにいる水道などのライフライン。
一刻も早く住民たちの暮らしを立て直す取り組みが求められています。
1か月たってもまだ大変な状態が続いているというのを見ますと、今回の被害の大きさを改めて感じますよね。
そうですね。
堀越さん、住民の皆さんの不自由な暮らし、まだまだ続きそうですね。
避難所から掃除をするために戻ってくる住民の方々も多いんですが、水が出ない家々がありますので、このように、家の壁にも泥がこびりついたまま、残されているような所もたくさんあります。
また、上水道だけでなく、下水道も、ところどころ、寸断されていまして、雨が降りますと、排水が間に合わずに、すぐにあふれ出してくるおそれがあります。
そこであちらのように、仮設の水路などを設ける工事も現場では行われています。
復旧に向けた作業は急ピッチで進められています。
ですが、被害の全容はまだつかみきれていません。
元の生活を取り戻すには長い時間がかかります。
広島市安佐南区から中継でした。
広島のような土砂災害の危険箇所は、全国に52万か所あります。
しかし、各地の自治体では、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域の指定が遅れています。
このため、自民党の作業チームは、法改正に向け、指定のための基礎調査を5年以内にすべて完了させ、取り組みの遅い都道府県に対しては、国が是正を要求することなどを盛り込んだ提言案をまとめました。
土砂災害をどのように減らすのか、住宅に近い雑木林の木を間伐する取り組みを取材しました。
先月、広島市の現場を調査した森林学の専門家。
注目したのは、土砂災害が起きた場所にある雑木林でした。
かつては、人の手が入っていましたが、今は放置されたままです。
雑木林が崩れる土砂災害は、これまでも各地で起きています。
兵庫県では、どうしたら災害を減らせるのか、研究を進めてきました。
こちらは、雑木林に生えるコナラ。
幹の太さが異なる木にワイヤーをかけて引っ張り、どの程度の力で倒れるかを比較しました。
その結果、幹の太さが2倍になれば、根の耐久性はおよそ5倍に。
直径が30センチの木なら、11トン余りの力に耐えることが分かりました。
さらに、雑木林の中に木の箱を置いて、雨で流れ出す土の量も調べました。
その結果、地面に光が当たって下草が生えた雑木林では、40%余り、土の流出が減ることが分かりました。
こうした研究結果を受けて、兵庫県が始めたのは、雑木林の間伐です。
住宅地に近い160か所で進めています。
間伐をすれば、木の幹は太くなり、根も広く張ります。
林の中には光がさし込むようになり、下草も生えてきます。
実際に間伐を始めた、姫路市の住宅地近くの山。
8割近い木を切った結果、地面には下草も生えてきました。
県では、土砂災害の防止に効果を発揮しはじめていると分析しています。
この取り組みに、国の研究機関も注目しています。
住宅地に近い雑木林に手を入れて、土砂災害を減らす新たな取り組み。
今後の広がりが期待されます。
ほかにも各地で土砂災害の危険がないか、住民みずから見直す動きが広がっています。
岩手県盛岡市では、住民たちが、地域にある危険箇所を一つ一つ確認したり、突発的な豪雨の際にどのように避難するのか、自主的な話し合いを始めたりしています。
三重県尾鷲市の古江地区では、住民たちが過去の災害の直前にどのような異変があったのか、独自にハザードマップにまとめました。
周囲にどういう危険があるのか、自治体や地元でどのような取り組みが行われているのか。
一人一人が改めて確認してみる必要がありそうです。
なんか持ってきました。
スポーツ、西堀アナウンサーです。
おはようございます。
さあ、この時間はアジア大会の競技から、セパタクローについてです。
どういう競技かといいますと、このボールを、手を使わずに、3回以内のタッチで打ち返すという競技なんです。
足で行うバレーボールのようなということですね。
そうですね。
軽いんですが、とても固くて頑丈なんです。
このセパタクローは、オリンピック種目ではないため、選手によっては、アジア大会が最高の舞台となっています。
将来のエースと期待されている選手を取材しました。
寺島武志選手31歳。
ポジションはアタッカー。
日本代表の中心選手の一人です。
得意技はシザーズアタック。
ん?はさみですか?シザーズ?
そうなんです。
足をはさみのように交差させて蹴る、豪快な技です。
すごいですね。
セパタクローには、ほかにも全身を回転させて放つ、ローリングアタックもあります。
シザーズアタックは、横目で相手コートを見ながら蹴るのが特徴です。
相手のブロックをかわして、アタックを打ち込めるため、シザーズアタックは、成功率が高くなるんです。
前回のアジア大会で、日本の男子は、団体とダブルで銅メダルを獲得。
寺島選手はそのときのメンバーでした。
前回のアジア大会では銅メダルをとっているので、やっぱりそれより、次のステップにいきたいと思っているんで。
さらなる向上を目指して、アジア大会4連覇中のタイのプロリーグに4年前から参加。
そこで感じたのが、サーブとアタックの圧倒的なスピードでした。
アジア大会前の最終合宿。
世界最高のスピードに慣れるため、タイのプロ選手と練習しました。
速いサーブやアタックを打たれても、きちんとレシーブして、攻撃のリズムを作るのが目的でした。
相手の位置を瞬時に見極め、シザーズアタックを何回も繰り返し打ち込みました。
アタックの威力も上がって、手応えを感じてきた寺島選手。
アジア大会では、これまでに日本代表が果たせなかった頂点を目指します。
ボールのスピードは本当に速くて、アクロバティックで迫力のあるプレーですね。
そうなんですよね。
そのセパタクロー、早速あすから競技が始まりました。
ここまでスポーツをお伝えしました。
続いて気象情報、檜山さんです。
おはようございます。
こちら、台風16号の雲です。
このあと、来週にかけてこの台風16号の動きに注意が必要です。
では台風の情報からお伝えしましょう。
午前6時にはフィリピンの東にあります。
まだ台風の暴風域はありません。
このあとの予想を見ますと、このあと発達しながら、暴風域を伴って日曜日から月曜日、沖縄に接近するおそれがあります。
そしてそのあと5日先までの進路を見ますと、まだ予想が定まりませんが、来週、西日本から東日本にも影響の出るおそれがあります。
今後の最新の情報、台風の動きに注意をしてください。
天気図です。
きょうのところは九州の南に前線が伸び、湿った空気、台風周辺の湿った空気が流れ込みます。
このため、沖縄から九州にかけては、雨の降りやすい天気となりそうです。
それではきょうの予報です。
けさお伝えしているニュースです。
イギリス北部、スコットランドの独立の賛否を問う住民投票は、開票が進んでいて、きょうの午後には大勢が判明する見通しです。
投票は日本時間のきょう午前6時で締め切られ、開票作業が進められています。
賛成が反対を1票でも上回れば、投票率に関係なく、スコットランドの独立が決まります。
イギリスの世論調査機関が、投票を行った人、2600人余りを対象に行った調査結果が、先ほど発表され、独立に賛成が46%、反対が54%と、反対が8ポイント上回っています。
2014/09/19(金) 07:00〜07:45
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]

スコットランド独立の賛否を問う住民投票は日本時間の19日午前6時に投票が締め切られ、開票されます。世界が注目するその行方はどうなるのか、詳しくお伝えします。

詳細情報
番組内容
▼スコットランド独立の賛否を問う住民投票は日本時間の19日午前6時に投票が締め切られ、開票されます。現地からの中継と解説で詳しくお伝えします。▼広島市の大規模な土砂災害からもうすぐ一ヶ月。進まない水道などのインフラ復旧が生活再建を妨げています。現地からの中継をまじえお伝えします。▼住宅地に近い山の雑木林が崩れて発生した広島の土砂災害。雑木林を管理して災害を減らそうという取り組みを伝えます。
出演者
【キャスター】阿部渉,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】西堀裕美,【気象キャスター】檜山靖洋

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ニュース/報道 – 定時・総合
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スポーツ – スポーツニュース

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