ロンリのちから「合意形成」 2014.09.19

心の声あ〜何かこの2分くらいの時間を返してほしい。
(礼央)僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
「それ」とはゆがみのない真理。
明快で合理的な思考。
考えを伝えるための強力な武器。
今こそ手に入れよう。
(波)
第10話…
(マリー)溝口先生!
(溝口)どうしたの?マリー。
杏奈と波が…。
溝口先生。
何をやってるのかしら?杏奈の書いたラストシーンに波が納得しなくて…。
でも波の提案するラストシーンには杏奈が納得しなくて…。
そう。
ではそれぞれのラストシーンを聞かせてちょうだい。
(杏奈)私の台本ではアリスとテレスがジガを倒して感情を持ったアンドロイドとして人類の再生に取りかかるっていうラストになってる。
波は?
(波)これが私のアイデア。
お涙ちょうだいのメロドラマみたい。
そっちこそ安っぽいハッピーエンドじゃない。
自分が監督をやりたいから私の意見に何でも反対してる。
私の事嫌いだから私の意見を受け入れられないんでしょ。
2人とももう少し冷静になって。
確かに2人の考えは違う。
でも映画のラストシーンは1つ。
いろいろな考えの人たちが集まって1つの事をする時どうすればいい?考えを1つにまとめないと駄目だよね。
そう。
さまざまな考えを踏まえてそこからみんなの合意を形成しなければならない。
合意を形成する?合意形成のためには心掛けるべき大事な事がいくつかあるの。
中でも最も大事な事は…今のままじゃ完全に杏奈と波の対立だもんね。
そうならないためには誰が言ったかを考えないで意見そのものを冷静に検討するの。
波の…じゃないB案は悲しすぎる。
そうかな。
泣けるエンディングって好きだけどな。
マリーひどい。
何で途中から参加した転校生の肩を持つの?もうレオはどうなのどっちの味方?杏奈!もう私の言った事を忘れてるわね。
意見が対立した時それを敵味方で考えては駄目。
相手に勝つ事ばかり考えていると相手の考えが何も聞こえなくなる。
だからさまざまな意見を第三者的な視点に立って見てみる事が大事。
まだ納得できないって様子ね。
ではこんなのはどうかしら。
アリス。
テレス。
(2人)ふんっ。
私こういうまどろっこしい痴話げんか大っ嫌い。
私も。
でもさっきの2人はまさにこんな感じでしたけど。
意見の内容について感情的にならずに検討する。
その時に大事な事は自分の考えと違う意見の中に取り入れられる良いところがないかを探す事。
ほかの意見から学ぼうとする姿勢がなければ合意形成はできない。
さっきのけんかの例だったら解決策を探れると思う。
例えば泳げる湖がある山に行くとか。
夏には海に行って秋になったら山に行くとか。
そう。
そうやってお互いに歩み寄ってみんなが納得できる案を考えていくの。
波と杏奈も他人の例ならそれができた。
つまりそれは客観的に見る事ができたから。
そういう事なんだ。
ではシナリオに戻りましょう。
A案とB案まずはこの2つの案を客観的に見る事。
そしてそれぞれの良いところを探す事。
どちらかを選ばなければいけないと決めつけないでA案とB案の良いところを合わせた新しい案が作れないかしら。
はいは〜い!ではここからは部長の私が仕切ります。
まずはA案。
アリスとテレスがジガを倒し生き延びて人類再生へと歩みだすっていうストーリーのいいところは?人類再生へと歩みだそうとしているところが希望を描こうとしていてポジティブな気持ちで後味いいかも。
前向きで力強さがある事は確かだと思う。
それじゃ次はB案。
アリスとテレスはジガに倒され2人の間に芽生えた愛は消去されてしまうというストーリーのいいところは?これ切ないよね。
胸キュンだよね。
2人に芽生えた愛が摘み取られるという切なさは観客の心を引き寄せる力がある…と思う。
希望を取るか切なさを取るか。
どっちもっていうのは無理?う〜んできるかも。
アリスとテレスは倒れてしまう。
だけど希望は残るとか。
そうそう。
アリスとテレスは倒れながらもかつて生命を生んだ海に再び人類を誕生させる力を与える。
ジガにも希望を託すというのは?ジガはアリスとテレスに共鳴して感情を持つ。
それでジガは星に帰って革命を起こす。
つまり感情革命ってどうかな。
消去されるアリスとテレス。
それは同時に人類再生への新たなスタートになる。
そしてジガにも希望が託される。
2つの案が持つ希望と切なさが一緒になる。
そのイメージをどう演出するかは監督である杏奈に任せる。
うん。
ロールキャメラ。
レディー…アクション!出来た。
出来たね。
出来た。
出来た〜!出来たよ。
ねえ出来たよやったね。
頑張ったわね。
よく出来てたわ。
合意形成の難しさと大切さよく分かった。
私たち意地を張り合ってお互いのいいところを見失っていたと思う。
合意形成のためには他人の意見だけじゃなく自分の意見も客観的に見る必要がある。
みんなで話し合って考えていくんだよね。
みんなで。
そしてさまざまな意見をもとにそこからよりよい考えの可能性を探っていく。
もしかしてこれも?そう。
これも「ロンリのちから」。
(帽子屋)飲茶飲茶がいい。
(ハンプティ・ダンプティ)そんなのやだ。
ハンバーガー。
(眠りネズミ)僕は辛いスンドゥブチゲがいい。
(トゥイードルダムトゥイードルディ)和食がいい和食だ和食。
(アリス)ウサギさんあの人たち何してるの?
(ウサギ)夕食を何にするか話し合ってるらしいよ。
みんなバラバラ。
不思議の国っていつもこんな感じね。
でも僕はそんな不思議の国が好きだな。
え〜大変じゃない。
じゃあみんなが同じ事を言う国の方がいいかい?それじゃつまらないかも。
それにそういう国って怖い。
誰か1人の意見に従うようにすればまとまりやすいけどね。
それってもっと怖い。
あっ意見が一致した。
やっぱり飲茶。
ハンバーガー!スンドゥブチゲ。
和食がいい!和食!ハンバーガーハンバーガー!
(チェシャ猫)合意形成への道は厳しい〜!2014/09/19(金) 00:50〜01:00
NHKEテレ1大阪
ロンリのちから「合意形成」[字]

論理的思考力を養う番組です。毎回、簡単な例文を題材に、論理的に考えるとはどういうことかを学んでいきます。今回は「合意形成」について学びます。

詳細情報
番組内容
自主映画の結末を巡って、部員たちの間に議論が起こる。立場が違う人たちのさまざまな意見のなかから、よりよい意見を生み出すためにはどうすればいいか。今回は「合意形成」について学ぶ。【出演】緒川たまき、大場はるか、山崎紘菜、植田慎一郎、仁村紗和
出演者
【出演】緒川たまき,山崎紘菜,大場はるか,植田慎一郎,仁村紗和

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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