稲穂も黄金色に染まり季節は秋本番!そんな日本有数の米どころ新潟県は三条市にこの時期ファンを集める隠れた人気スポットがあるという
車が入っていったのは東京ドーム4個分の広大な野原
そこではあっちこっちでテント設営の真っ最中
慣れたもんですねぇ。
車で乗り込みすぐそばにテントを張る
キャンプといえばバーベキュー!外で食べるとうまいんですよねぇ。
お肉もでかっ!
乾杯!
(一同)いただきます。
こちらには女性だけのグループも
仲のいい3人でなんと3泊4日もアウトドアを楽しむという
具だくさんのラーメンが今日の昼ごはん
女性も来やすくなっているのが今どきのキャンプ場。
敷地の一角には清潔なトイレやシャワールームまで完備
更にキャンプを手軽に体験できるサービスも
テントや道具一式を貸してくれるその名も手ぶらキャンププラン
テントの張り方も指導してくれて5人で1泊3万9,800円
道具の説明では板の中から包丁が。
そしてその板が…
なんとまな板に!よくできてますねぇ
準備なしでキャンプの醍醐味が味わえるのだ
ここであることに気づいた。
張られているテントをよく見てみるとどれもこれも同じメーカーのもの
一般には知られていないが実は今人気急上昇中の日本のアウトドアブランドだ
こちらの男性もスノーピークをご愛用。
いったいどこが気に入ったんですか?
居間にも置いてしまったというこのイスは1万3,800円。
いいお値段
この奥さんにもスノーピークのお気に入りが
LEDのランタンだ。
ぶら下げておくだけでなく外してキャンドルのように使うこともできる
こちらには静かにキャンプを楽しむご夫婦が。
聞けばキャリア20年の上級者
絶大な信頼を置くこのテントは値段もそれなりにする
と思ったら更にうわてが。
このご主人今までスノーピークに使った金額を聞いてびっくり!
100万円突破!?
スノーピーカー。
自分たちをそんなふうに呼ぶ熱烈ファンまでいる。
この人気ただごとじゃない
実はこのオートキャンプ場はスノーピークの運営。
本社もここにある
中は最先端を行くIT企業のような雰囲気だが…
敷地内には自然の雨や風が入り込むよう設計したスペースも。
こうして実際に使ったとき不具合が出ないか耐久性をテストしているのだ
こちらは修理の専用工房。
何かあっても直して長年使ってもらおうという姿勢を貫いている。
とはいえキャンプ業界といえばコールマンやモンベルなど強豪がひしめく世界
しかもキャンプ人口はほぼ横ばい。
それなのにスノーピークの売り上げはここ10年右肩上がり。
年商41億円の急成長企業なのだ
その本社の横のキャンプ場には月曜の朝になったというのにまだテントが
おはようございます。
おはようございます。
54歳
ここから出勤!?なんでそこまでしてテントに泊まるんでしょう?
スノーピークは筋金入りのキャンプ好き社長が率いる会社だった
今回スノーピークを初めて知ったという村上龍は…
急成長を続けるスノーピーク。
その原動力は山井がこだわる商品力だ
目指すは客を感動させる商品。
スノーピークはどのようにして生まれたのか
その歴史は山井の父幸雄から始まった。
1958年登山が大好きだった幸雄が起こしたのが社内に残るこの古ぼけた看板の山井幸雄商店。
趣味が高じて登山用品と釣り具を製造販売する会社をつくったのだ
そんな小さな会社を熱烈ファンのいるブランドに変えたのは山井だ。
そのきっかけは
父親譲りでアウトドアが好きだった山井のテントへの不満
当時のテントは高くても2万円で買えたが安いなり。
雨風にも耐えられない貧弱なものばかりだったのだ。
そこで山井は自分が欲しいと思える理想のテント作りを始める。
そしてできたのが…
16万8,000円のテント。
通常の10倍近い値段になってしまった
このとき山井は確信した。
客を感動させる究極の商品を作れば認めてもらえる。
そしてスノーピークが世に送り出したのは…
例えばこの手のひらサイズの商品は当時世界一の小ささと軽さを実現したバーナー
これなら荷物もかさばらない。
画期的な商品だとアメリカのアウトドア雑誌で賞もとった
更にはこんな
こちらの皆さんはテントの中でバーベキュー
通常テントの中での炭火は一酸化炭素中毒の恐れがあるためもってのほか。
だがこのテントならそれができる
天井部分に排気口がついていて一酸化炭素を逃してくれる設計になっているのだ
これで天気を気にせずバーベキューが楽しめる
更に感動を呼ぶスノーピークの究極商品がここにも…
もともと世の中にこんなものはなかったが地面が焦げるのを見て絶対必要と開発
一見地味に見える商品だがここにも
ここにも。
発売当初はまったく売れなかったが今は多くのキャンパーが持っている
これが感動を呼ぶ炎。
いかがですか?実は焚火台はスノーピークの本社で作られている
息の長い商品だ
厚い金属板を加工していて頑丈さはピカイチ
折り畳み式になっていて持ち運びの便利さも追求した
ではファンを感動させる商品はどうやって開発するのか?その秘密がここに。
金曜の夕方本社のキャンプ場には…
実はスノーピークは社員もキャンプ好きばかり
この日は暗くなると強い雨になった。
さすがにお開きかと思ったらみんな楽しそうに雨対策に動き出し…
なんだかよけいに盛り上がってしまった。
社員がこんな超キャンプ好きばかりだからユーザー目線でほんとにほしいものかどうかがわかり開発していくことができるのだ
こんなものづくりでスノーピークは今や…
キャンプ場でスノーピークは会議までする。
好きこそ最強の武器!今夜は客を熱烈ファンに変える感動戦略が明らかに
今日はいちばんスタンダードなタイプのテント一式持ってきていただきました。
そしてスタジオもなんとなくアウトドア風になっていてライティングなんかもグリーンがついてるんですけどわかりますか?龍さん。
はい。
トンボが飛んでますね。
少しでもアウトドア気分を味わおうということで。
山井さんこちらで…。
靴脱いだほうがいいですかね?靴脱いでください脱げるので。
自分が経験してたキャンプ時代とほんとに違うな。
まず色が違うもんね。
色すてきですよね落ち着いて。
このテントは何人くらい?窮屈じゃないですね。
お値段はちなみにおいくらなんですか?あっそうなんだ結構これはお手ごろ。
テントで会話いいですね。
距離が近くなって。
そうですね。
今日テントで収録すれば…。
なんとなく。
そういうわけにも…。
今度はこちらのほうですね。
これはずいぶん大きなテントですね。
このテーブルもですねきっとびっくりなさると思いますよ。
いいですか?はい!お〜!!びっくりですよね?びっくりしました。
なんか引田天功みたいだね。
今のすごかったな。
VTRの中では地球の上で寝ている感覚が楽しいっておっしゃってましたけど多いときは年間60泊をされていると…。
マニアってことですよね。
そうですね。
マニアね。
無名だったスノーピークさんがどんどんファンを集めていく熱烈なファンがついた理由っていうのはどういうことだとお考えですか?社員の方々も開発したときにはもちろんそこで感動が生まれるわけですよね?そうですね。
どちらかといえばですけど高価格帯っていうかでそれを買う人っていうようなことでよくハイエンドユーザーとかって言われますけどハイエンドユーザー向けにっていうようなことは最初から考えられてたんですか?決して高価格で売りたいわけではなくいいものを作った結果それに見合った価格がそうだってことなんですよね。
そうですね。
その頃からキャンプお好きだった…?大好きだったです。
お父さんも登山がお好きだったんですよね。
スノーピークを誕生させるときにはその性格が役立ったんじゃないですか?そうですね。
1万円とか2万円のテントしかなかった頃に16万?それって無謀ですよね。
売れたんですよね?そのときにはやったぞみたいなのあったんですか?
客を虜にするスノーピーク商品はまだまだ。
一見布団のようなこちらは気持よく眠れる寝袋。
マットが入っていた袋は一瞬で空気入れに早変わり。
考えますね
こうした商品力で快進撃を続けるスノーピーク。
だが過去には客から厳しい声を浴びていた
熊本県の山あいにあるキャンプ場。
ここでスノーピークの一大イベントが始まろうとしていた
皆さまこんにちは。
(一同)こんにちは。
今回は抽選により65組のお客が参加
見渡せばスノーピークのテントばかり。
超のつく熱烈ファンが集まった。
毎年
山井はそのほぼすべてに参加している
どうぞ!
このイベントの目的はファンサービスだけではない
ファンと接しものづくりのヒントとなる生の声を拾い上げるのが最大の狙いだ
夕闇迫る
皆さんお待ちかね夜の宴の始まりだ。
社員たちは参加者のなかに入り言いたいことを言ってもらい耳を傾ける
こうしてヘビーユーザーとキャンプの現場でやりとりするなかでヒントや気づきが生まれるのだ。
実はこのユーザーを招いたキャンプのおかげで今日のスノーピークはある
キャンプ人口は2,000万人に達した。
スノーピークもブームにのり5年間は急激に売り上げを伸ばした。
しかし
非常事態に陥った
このままでは生き残れない。
追い詰められた山井が藁にもすがる思いで始めたのがユーザーの声を聞くスノーピークウェイだった。
第1回は1998年
その席で山井はまったく思ってもいなかった声を聞く
更に…
商品自体は認めてくれていたが…
それが客の率直な感想だったのだ
そこで山井は流通を見直す大改革を断行する
それまでスノーピークはすべての商品を問屋を通じて販売店に卸していた。
そのときのテントの値段は
そこで山井はなんと…
これによって5万9,800円にまで値段を下げることができた。
一方1,000店舗もあった販売店を一気に250店舗にまで絞り込んだ。
正規特約店にだけ商品を卸すことにして品揃えの充実を図ったのだ
更に流通と同時に販売面も改革
こちらは正規特約店。
以前接客は店任せだったが社員を販売員として常駐させることに。
これで商品のよさがちゃんと伝えられるようになった
この店を担当する青木も熱いキャンプ大好き人間
暇があれば全国のキャンプ場にでかけ多い年は年間で70泊している
接客の効果は計りしれない
ありがとうございます。
更に専門スタッフだからこそ可能なサービスも生まれた。
お客が持ち込んできた修理品をその場で直す
ガスランタンの目詰まりはわずか10分で直してしまった
これで完成。
商品だけではないサービスでも感動させる。
客の声に耳を傾け大改革。
結果見事に果たしたV字回復
とことんユーザーに向き合ってスノーピークは復活した
去年は全国9か所で行われたというスノーピークウェイですけれども山井さんすべてに参加されたということで。
結婚式が1回くらい入って行けなかったんですけどほぼ全部行ってます。
でも確かに例えば製品に読者カードっていうか返信のハガキとかつけてなんかご要望があったら言ってくださいとかあるいはカスタマーセンターとかをつけてご不満があったらって1人オペレーターがいるとかじゃなくああいう実際にキャンプしながら聞くっていうのはやっぱりすごくビビッドな声が聞けるんでしょうね。
さっきVTRの後半にあったんですけどちょっと高いんじゃないかとあるいは品揃えが悪い店があると。
それを解決するために今でいう中抜きですよね。
問屋を卸さないっていうこととそれから販売する店を減らしちゃったわけですけど普通そういう中抜きやると問屋さんが怒っちゃったりするんですけどどうだったんですか?そのときにあと本当にアフターサービスとか修理っていうのは手間ひまかかるわりにそこが重荷になったりするんですよ経営の。
お客さんは喜ぶけど利益につながらないっていうのがあってどこもできないんだろうと思うんですよ。
スノーピークはすごいシステムなんですよね。
スノーピークは作業手順をものすごく効率化してるらしいですね。
キャンプの楽しみを倍増させるスノーピークの人気商品。
その製造現場には…
マジッ!?
数あるスノーピーク製品のなかで意外なロングセラー商品がある
ペグと呼ばれるこの鉄の杭
地味ながらこれまで
使い方はこんな具合。
テントを固定するときに地面に刺す。
やったことあるんじゃないですか?こちらのお客はペグ4本をお買い上げ。
安いペグなら1つ50円ほどだがスノーピークのペグは420円
4本で2,000円近くになる。
なんでこんなに高いのに買うんですか?
ほんと?試しにコンクリートでやってみた
ありゃ!割れちゃった。
しかしペグのほうはなんともない。
こうした商品はスノーピークの地元燕三条の工場に製造を依頼している
燕市三条市は共に江戸時代から続く金物の町。
中小の金属加工の工場が無数にありものづくりのノウハウも蓄積。
これがスノーピークの武器となっているのだ。
ロングセラーのペグを作っているのはこちら
更に工場を見ていくと…
おっあのペグだ。
1本1本こんなふうに焼いて作っていく
そうペグに使われたのは鍛冶屋の鉄を叩いて強さを出す鍛造という技術。
何にでも刺さる絶妙な硬さは地元の伝統技術で実現したのだ。
その他にも燕三条の工場と手を組んだ人気商品がたくさんある
例えばこちらは
うまそう!
ダッチオーブンは通常5ミリ程度の厚さだがこれは2.75ミリという超極薄!これで熱が伝わりやすくまた大幅に軽くもなった
こちらも燕三条製の
シマト工業もそのひとつ。
製造を依頼しているのはガスバーナーだ。
ただし1社で作っているわけではない。
燕三条の連携工場が作った部品を組み立てる。
このバーナー1つに6社の力が集結しているのだ
実はこの会社の社長は山井の高校の後輩。
単なる取引先ではなく地元を盛り上げようとするいわば同志
メイドイン燕三条。
揺るぎない品質で共に世界へ羽ばたくつもりだ
三条市のご出身でそれで東京で8年くらい過ごされてお父さんがやってらっしゃる地元の会社に入られたと。
そのときに地場産業の付加価値の低さに驚いてしまったと。
高くてもいいものを買ってくれる人に向けたそういう商品を作るべきであると。
これ入ってからすぐそう思われたんですか?現在50社と提携されているということで。
確かにウィンウィンですよね。
でもスノーピークが燕三条以外のところに本社とかがあったりするとまた違った展開にならざるをえないでしょうね。
スノーピークはある意味ブームに流されないとか景気動向に左右されないとかロングセールの製品を持っているとかいろんな特徴があると思うんですがもっと一般的なことで何かヒントみたいなことがあったら教えていただきたいです。
なるほどそうですね。
キャンプ場で大活躍のスノーピークの真っ赤なイス。
これ畳めば…
わぁすごい!
そのとき村上龍は確かに言った
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/09/18(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【テントで年間40泊!ヘビーユーザー軍団が繰り出す“客感動”戦略】[字]
欧米の有名ブランドがひしめくアウトドア業界にあって、熱烈なファンを生み、急成長を遂げている新潟県三条の「スノーピーク」。客を感動させる独自の戦略とは?
詳細情報
番組内容
新潟県三条市にあるキャンプ用品メーカー、スノーピーク。“スノーピーカー”と呼ばれる熱烈なファンも生んでいるほど急成長しているアウトドアブランドだ。欧米などの有名ブランドがひしめくアウトドア業界で、なぜスノーピークは人気なのか?秘密は、地元・燕三条の金属加工技術を取り入れるなど、徹底した品質へのこだわり、そして、他社にはないオリジナル商品開発にある。
番組内容つづき
「これまで世の中にないものを作る」。社長の山井太は商品作りの極意をこう語る。そんな“究極の商品”を生み出すのは、「超」のつくほどキャンプ好きな社員たち。「こんなの欲しかった!」とユーザーに言わしめるスノーピーク流“客感動”戦略に迫る!
出演者
【ゲスト】スノーピーク社長 山井太
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
http://www.facebook.com/cambrian.palace
【公式Twitter】
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