(慶子)昨日から帰ってない?どこ行ったの?紗和さん。
(俊介)友達と旅行。
(慶子)どこへ?
(俊介)えっと。
どこだっけな?
(慶子)ホントは家を出てったんじゃないの?はあ?まさか。
紗和が何で家出てくんだよ?
(慶子)好きな男ができたからよ。
なっ…。
どうかしてるよお母さん。
そういうのね妄想っていうんだよ。
(慶子)だったら何であなた会社休んでんの?尋常ならざることが起きたから休んでんでしょ?
(俊介)違うよ。
あっ。
思い出した旅行先。
箱根だ。
「海辺のホテルでゆっくりしてます」ってメールあったんだ。
もっとましな嘘がつけないの?箱根にあんのは芦ノ湖でしょ。
海じゃない。
お母さん聞いちゃったのよ。
いったいどうなってんの?あんたはともかく紗和さんが不倫だなんて。
相手は誰なの!?・
(俊介)もしもし。
・
(乃里子)北野です。
奥さまいらっしゃいますか?
(俊介)えっ。
あっ。
ちょっとあのう。
今出てますけど。
(乃里子)やっぱりそうですか。
ゆうべから夫もいないんです。
(俊介)ご主人も?・
(乃里子)お気付きだったでしょう?
(乃里子)2人は不倫関係だって。
いえ。
私はそんな…。
・
(乃里子)失礼ですけどご主人のせいですよ。
ご主人がぼんやりしてるから奥さまが私の夫を誘ったんです。
違いますか?捜してください。
捜して2人を引き離してください。
主人をうちへ連れ戻してよ!
(アナウンス)ご用件をお話しください。
(発信音)
(利佳子)もしもし。
利佳子です。
まだ空の上よね?お店の給料前借りさせてもらって携帯を買いました。
15年ぶりに自分で働いたお金なのよ。
だからあなたに一番にかけたくて。
無事に着いたら連絡してね。
じゃあね。
(智也)よう。
久しぶりね。
何?
(智也)何か感じ変わったね。
急いでるんだけど。
うぬぼれんなよ。
もう未練なんかないよ。
今は友達のつもり。
フッ…。
昔の男と友達付き合いするような趣味はないけど。
まあいいわ。
で何の用?紗和ちゃん。
今どうしてるか知ってる?紗和ちゃん?何かあったの?例の先生とのことがスーパーでバレてさ無断欠勤してるんだ。
携帯もずっと電源が入ってないからちょっと気になって。
ずっと?まさかと思うけど妙なことになってないよね?
(アナウンス)この電話を転送します。
そのままお待ちください。
こちらは留守番電話サービスセンターです。
メッセージの録音が終わりましたら電話をお切りになるかシャープを押してください。
(発信音)
(紗和)ああー。
いい天気。
(北野)何にもないとこだけど大学時代に絶滅危惧種の研究したときにここ借りて1カ月ぐらいこもってたんだ。
(紗和)思い出のところに連れてきてくれてうれしい。
(紗和)おはよう。
(北野)おはよう。
(北野・紗和)フフッ。
(紗和)おなかすいたね。
(北野)もうぺっこぺこ。
(紗和)よし。
じゃあ何か作ろっかな。
(紗和)
ありふれた言葉を交わし何げないものを食べる
そんなささやかな時間が宝物のように感じました
これはあしたもあさっても続く日常ではありません
あまりにも大きな犠牲を払って手に入れたわずか一瞬の非日常なのです
(北野)いただきます。
(紗和)いただきます。
(北野)そうだ。
(紗和)うん?
(北野)この先に森があるんだけど後でピクニックに行かない?
(紗和)ハハッ。
ピクニック?
(北野)何?
(紗和)顔に似合わない。
(北野)じゃあ何て言えばいいの?
(紗和)うーん。
散歩?
(北野)それじゃ普通だよ。
森だよ?
(紗和)うーん。
じゃあ散策。
それか徘徊?もういっそ冒険でどう?
(北野)だったらいっそ放浪の方がカッコイイかな。
(紗和)放浪って。
大げさ。
生きて帰れなさそう。
(紗和)みんな捜してるかな。
(北野)ずっとこのまま逃げてるわけにもいかないね。
(バイブレーターの音)
(バイブレーターの音)
(メールの着信音)
(メールの着信音)知らない番号。
紗和ちゃん?もしもし。
利佳子さん?もう。
バカ。
今どこにいるの?北野先生と一緒なんでしょ?どうしてそれを?携帯がつながらないからお宅にかけてみたのよ。
ご主人もお姑さんもそれから乃里子さんも2人が一緒だってこと分かってるそうよ。
ごめんなさい。
ホントにバカね。
どうしてこんな大騒ぎになるようなことするのよ?どうするつもりなの?これから。
まだ決めてません。
もう少しだけ夢を見させてください。
恋は夢じゃないわよ。
現実よ。
誰かを好きになれば人生が変わってしまうこともあるんだから。
もっとしたたかになりなさいよ。
私だから言えるのよ。
気持ちだけで突っ走ったら終わりは早いわよ。
今の私には現実なんて見えませんでした
そして利佳子さんもきっと見えないからそう言ったのだと思います
(シャッター音)
(加藤)テーマは「破壊」です。
(スペイン語の会話)
(通訳)情熱的。
この町にぴったりだ。
(スペイン語)
(通訳)目玉になるような100号の作品が欲しいです。
あっ。
日本に帰国したらすぐに描きましょう。
(スペイン語の会話)
(通訳)ちょっとお借りします。
(亜紀)いい顔してる。
前祝いしましょう。
レストラン予約するわ。
(通訳)あっ。
加藤さん。
あっ。
加藤さん。
ちょっとよろしいですか?
(加藤)あっ。
はい。
(スペイン語)
(通訳)目玉の絵なんですが…。
(スペイン語)
(通訳)何か描きたいモチーフはありますか?
(加藤)そうですね…。
(利佳子のメッセージ)もしもし。
利佳子です。
まだ空の上よね?
(俊介)あっ。
しょうゆは?あっ。
冷蔵庫ね。
あれ?ない。
ハァー。
どこだよ?くそ。
どこなんだよ?どこ行っちゃったんだよ!・
(ドアの開閉音)
(俊介)ママ?君か。
何の用?
(美鈴)課長めったに休まないのに1週間も有給取ったって聞いて心配になっちゃって。
失礼します。
(俊介)ちょっと。
へえー。
奥さん出ていったんですね。
(俊介)帰ってくれよ。
君が女房問い詰めたせいで色々あったんだ。
(美鈴)問い詰められる理由をつくる方が悪いんじゃないですか?
(俊介)それは…。
課長かわいそう。
だってこうしてる間にも奥さまは不倫相手とよろしくやってるかもしれないんでしょう?
(北野)シーッ。
シーッ。
よし。
ねえ。
これ覚えてる?何だっけな?ヨツボシ何とか?記憶力悪いな。
ヨツボシモンシデムシ。
普通覚えてないでしょ。
言ってみて。
いいから言ってみて。
はいはい。
先生。
ヨツボシモンデンムシ。
チッ。
舌打ちしたでしょ今。
ヨツボシモンシデムシ。
はい。
ヨツボシモンシデムシ。
よくできました。
あのときはこんなふうになるなんて思ってなかった。
「臭い」って言ったよね。
《うわっ!臭い!》
(北野)あの顔がおかしかった。
おかしくてカワイ…。
えっ?おかしくて何?いや。
私も変な人って思った。
(北野)ハハハ。
でも…。
私ね初めて会ったとき泥棒だったの。
泥棒?スーパーの売り場で口紅を万引したの。
ごめんね。
引いたよね。
いや。
よく話してくれたね。
何であんなことをしたのか自分でも分からない。
夫は悪い人じゃないし生活に不満があったわけじゃない。
もちろん自分が奥さんのいる人を好きになるなんて想像もしてなかった。
(美鈴)終わりましたよ。
(俊介)すまないね。
(美鈴)いいんです。
愛する課長のために何かしたかったので。
じゃああしたも寄ってみますね。
(俊介)あっ。
帰る?
(美鈴)はい。
会社抜けてきたので。
(俊介)あっそうか。
悪かったね。
ありがとう。
初めて顔見て「ありがとう」って言ってくれましたね。
ああ…。
あのう。
何で僕にそのう…。
親切にしてくれんの?
(美鈴)えっ?課長すてきじゃないですか。
(俊介)すてきじゃないよ。
僕は知ってる。
(美鈴)そうですか?仕事できるじゃないですか。
だけど仕事を離れるとあんまり見え張らずに素顔を見せてくれる。
そこがすてきなんです。
課長?
(俊介)ごめん。
もう1回「すてき」って言ってくれ。
すてきですよ課長は。
痛い。
課長。
(北野)僕も妻には不満はなかった。
いいパートナーになれると思って結婚した。
だけどいつの間にか自分は必要ないんじゃないかなって思うようになった。
彼女が准教授になって自分は研究室に残れなかったのが引っ掛かってるのかもしれない。
小さいね。
ううん。
ありがとう。
教えてくれて。
言ってもいい?今まで言えなかった。
言っちゃいけないって思ってて。
好き。
全部好き。
大好き。
いとしいよ。
僕も。
どうかした?指輪。
あっ。
外す。
いや。
駄目。
まだ別れたわけじゃない。
それまで好きもお預け?ごめん。
堂々と言いたい。
私も同じだけど言ったのに。
ごめん。
きっとちゃんと…。
今言って。
今言ってくれたら一生言ってくれなくてもいい。
もういい。
ちょっと待って。
そんなに言葉が大事?大事よ。
言葉しかないもん。
「言葉しかない」ってひどいな。
だってこんな関係気持ち伝えなかったらいつでも簡単に切れちゃうよ。
行っちゃってもいいの?どうぞ。
どうせ簡単に切れちゃうんだろ?あっそう。
だったら別れるに越したことないもんね。
ああ。
ほっとした。
さようなら。
もう大嫌い!あっ。
ああ。
痛え。
はい。
ああっ。
強情だな。
そっちも頑固だな。
痛っ。
あっ…。
痛っ。
んっ。
うん?オンブバッタって知ってる?あの虫は交尾するときだけおんぶしてるんじゃなくて移動中や餌を食べるときもいっつもくっついてんだ。
もう。
よいしょ。
ねえ。
うん?どうしてオンブバッタはずっとおんぶしてるの?まだ解明されてないけど他の雄や雌に取られないためだと思う。
ふーん。
虫って正直でいいね。
紗和ちゃん。
うん?一緒になろう。
カッコイイこと言えないけどさずっと一緒にいたい。
ありがと。
(乃里子)絶対に見つけてください。
写真と着手金はこれからお持ちします。
よろしくお願いします。
・
(チャイム)
(乃里子)はい。
あなたたち。
(まなみ)お邪魔します。
(乃里子)えっ?ちょっちょっと。
(乃里子)えっ?な…何?
(啓太)先生。
(乃里子)主人。
高校辞めたの。
(まなみ)えっ?聞いてないし。
(啓太)何でだよ?
(乃里子)疲れたんですって。
あなたたち結構やんちゃみたいだったし。
(まなみ)はっ?
(乃里子)大丈夫よ。
すぐに後任の先生がいらっしゃるから。
(啓太)いらねえよ。
許さねえ。
(乃里子)えっ?あっ。
(啓太)ずっと付き合うっつったのに。
(まなみ)ちょっと啓君。
(乃里子)やめてよ。
(啓太)何でみんな俺を捨てんだよ!そんなことして何になるの?
(啓太)うるせえんだよ。
(乃里子)あっ!
(啓太)ふざけんな。
この野郎!
(乃里子)やめて。
それ。
(啓太)何だよ?
(乃里子)やめてってば!
(啓太)何だよ。
(乃里子)痛っ!?うっ!?
(北野)あした僕は帰る。
僕たちがやってることは決して許されることじゃない。
だからけじめをつけたいんだ。
私も一緒に帰る。
主人には私から話す。
いや。
僕が先に会って話す。
君はここで待ってて。
でも主人や主人のお母さんに何て言われるか。
だから僕が会って話したい。
カッコイイこと言って。
ハハッ。
われながら悪くないかな。
バッカじゃないの?
幸せとはこんなに怖いものだと知りました
自分勝手な私は今この瞬間のまま地球が壊れてしまうことを願いました
(北野)じゃあ。
おにぎり入ってるからね。
いってきます。
ちょっと待って。
うん?雨降るかもしれないから。
じゃあ戸締まりしっかりね。
うん。
何て顔してんの。
別に。
週末には必ず帰るから。
約束。
人質?うん。
日常生活には不便ないから。
痛っ。
えっ!?ちょっと。
大丈夫?大丈夫。
冗談。
もう。
じゃあホントに。
じゃあ。
紗和ちゃん。
ちゃんと待ってて。
はい。
彼が帰るまで私は一人で待たなければなりません
わずか3日
これまで過ごしたどんな時間よりも長い時間です
・
(バイクのエンジン音)紗和ちゃん。
利佳子さん。
やっぱり顔見に来たわ。
お友達も心配してるわよ。
(智也)いいかげんにしろよ。
ごめん。
先生は?どういうことなの?俊介。
あっあのさ。
おふくろ。
これはだね…。
(慶子)言い訳はやめなさい。
こんなときに足元見られるようなまねして情けない。
(慶子)あなたもあなたよ。
嫁がいないのいいことに。
(俊介)彼女に関係ないよ。
(慶子)関係大ありよ。
あなたどうしてそう詰めが甘いの。
ほっとけよ。
もうどうでもいいんだよ。
真面目にやるなんてバカバカしくなったんだ。
仕事もどうでもいいし好きでもない女とだってやるんだよ。
ひどい。
(俊介)何がだよ?そっちが誘ったんだろ?俺悪くない。
全部紗和が悪いんだ。
紗和に文句言ってくれ!最低。
できなかったくせに!・
(ドアの開閉音)ハァー。
すーっとした。
好きなこと言って好きなことやった方が健康にいいよな。
ハハハ。
俊介。
まだ分かんないの?あんたがそんなだから嫁に裏切られるのよ。
うるせえなばばあ。
どうせ俺は女房寝取られたくず男だよ。
旦那寝取られたあんたの息子だからしょうがないよな。
親子だもんな。
ハハハ…。
もしもし?そう。
北野先生が話をつけに。
簡単じゃないことは分かってます。
そうね。
離婚は大変よ。
私だってまだ籍は抜いてないわ。
(智也)帰ってこなかったらどうすんの?男としてはそこまでたんか切って出てって話つけられなかったら帰ってこれないよ。
かもしれないね。
っていうかその可能性の方が大きいって覚悟してる。
でも私…。
彼が私のために行ってくれた。
それだけで十分。
もう死んでもいいって思ったくらい。
ここまでやらかしたんなら北野先生を信じなさいよ。
本当に駄目だと分かるまで信じて待つのが覚悟でしょ?さすが俺の元カノ。
いいこと言うわ。
こら。
私にも言ってるんだけどね。
「信じて待て」ってね。
加藤ね今海外に行ってるの。
元の奥さんと。
何だよそれ?帰ってきますよきっと。
昼顔妻も大したことないわね。
励まし合って。
私信じます。
信じて待ちます。
私も。
そのためにも滝川とのことはきちんとするわ。
子供たちにも会いに行ってくる。
誠に申し訳ありませんでした。
(慶子)謝って済むことだと思ってんの?
(北野)紗和さんは自分でご主人に謝りたいと言われてました。
でも私は。
まずは私がお会いするべきだと。
(慶子)んなこと聞いてないわよ。
(俊介)おふくろは黙ってて。
紗和はどこにいるんですか?
(俊介)よく分からないんですよ。
あんたの話。
紗和さんと別れていただけませんか?
(俊介)はっ?非常識なこと言ってるのは承知の上です。
お願いします。
紗和さんと一緒にならせてください。
(慶子)どの面下げてそんなこと言ってんの?あなたが息子夫婦をめちゃくちゃにしたのよ。
孫こそまだだったけど2人ともそりゃ仲良かったわ。
それなのに。
息子の気持ち考えたら悔しくてたまりませんよ。
私世間の姑より嫁かわいがってたつもりです。
こんなひどい仕打ちに遭うなんて。
(北野)全て…。
全て私の責任です。
(慶子)そ…そんなこと言うんだったらもう莫大な慰謝料頂きますよ。
法廷でもどこでも出て全面戦争してやる。
(北野)仰せの通りにするつもりです。
何年かかっても分かっていただくつもりです。
(俊介)順序が違うだろう。
こういう話は夫婦間でまず話し合うべきだよ。
真っ先に不倫相手が乗り込んでくるなんて…。
おこがましいにも程がある。
申し訳ありません。
私も妻とよく話し合うつもりです。
(俊介)あんたの奥さん納得するかね?それに私だって紗和と別れるつもりまったくありません。
離婚届が何通届こうが破り捨ててやる。
(北野)無理は承知です。
分かった上で…。
(俊介)バカにするのもいいかげんにしろ!紗和はどこにいるんだよ?お願いします。
紗和さんが必要なんです。
(慶子)あなた何言ってるか分かってんの?
(俊介)ふざけるな!出てけ!
(北野)お願いします!
(俊介)出てってくれ…!
(北野)お願いします…!
(北野)申し訳ございません。
(俊介)出てってくれ!
(北野)お願いします…。
(俊介)頼む!出てってくれ!
(北野)申し訳ありません。
(俊介)出てけ!うわ!?あっ?ねじ?あれ?えっ?えっ?どこいった?フゥー。
・
(ドアの開く音)真菜?どうしたの?何かあったの?
(真菜)陽菜が…。
大丈夫よ。
少し様子見ましょう。
ごめんなさい。
勝手に出てって。
(真菜)勝手に帰ってきた方がもっと迷惑。
そうね。
(真菜)でも陽菜が治るまではいさせてあげる。
(陽菜)お母さん。
陽菜。
つらくない?すぐよくなるからね。
(陽菜)戻ってきたんだね。
真菜。
お話いいかな?お母さん。
お父さんと正式に離婚しようと思ってるの。
真菜がどうしたいか希望を聞きに来たわ。
希望なんてあるわけないじゃん。
どうでもいいよ。
・
(滝川)ただいま。
どうだ?陽菜の様子。
おおー。
(滝川)おかえり。
私話し合おうと思って。
助かったよ。
病気んときはやっぱり母親だよな。
よかった。
戻ってきてくれて。
過去のことはもう言わないよ。
待って。
私離婚を考え直す気はないわ。
あいつはもうお前のとこには戻ってこないよ。
前の奥さんのこと言ってるの?それもあるが。
あいつの才能は俺の予想をはるかに超えた。
成功を手に入れた。
世界に出たら本物のセレブたちとのお祭りのような日々が待ってる。
離婚でもめてる人妻なんてお荷物なだけだ。
(加藤)いいギャラリーだ。
礼を言うよ。
何してんだ?大事な連絡があるかと思って。
(加藤)そこまで頼んでない。
(利佳子のメッセージ)無事よね?もう帰らないってこと?だったらそう言って。
(発信音)
(切る音)前にも連絡あったのか?私たちの仕事のためにはならないでしょ?
(加藤)間違えないでくれ。
この仕事は君と俺のためじゃない。
じゃあ誰のため?俺と利佳子のためだよ。
(バイブレーターの音)
(アナウンス)ご用件をお話しください。
(発信音)
(加藤)もしもし。
遅くなった。
必ず帰る。
待っててくれ。
(切る音)
(亜紀)どうなるか分かってるわよね?
(加藤のメッセージ)必ず帰る。
待っててくれ。
(発信音)・
(すすり泣く声)
誰かと一緒にいたい
誰かを愛したい
真菜?
それは皆ただの欲望なのかもしれません
でも人は欲望のために一生を棒に振ることもあるのです
(北野)どうしたんだよ?その手?
(乃里子)これ?こっち?ちょっとね。
ああ。
やだ。
自殺じゃないよ。
あなたと生きていくんだもの。
(北野)ノリ。
ホントにすまない。
(北野)君とはもう…。
僕が全部悪い。
何年かかっても…。
眼鏡は?
(乃里子)ねえ?どこがいいの?だって紗和さんってすごく美人というわけでもないし特別な才能を持ってるわけでもない。
分かるように言って。
(北野)どこが好きだかなんて分からない。
(乃里子)じゃあどうして?もしかして魔性ってやつ?女には分からない色気を振りまいてるのかしら?
(北野)ごめんノリ。
そんな似合わないこと言わせて。
(北野)彼女といると自信が湧いてくる。
(北野)僕を必要とし僕の言葉を必死に受け止めてくれる。
(北野)何か体の奥でもっと頑張ろうって無限の力が湧いてくる。
(乃里子)要するに年上の研究者が相手だとコンプレックスに感じるけどパートのおばさんなら優越感で自信が出るってわけ?
(乃里子)ちっさ。
(北野)申し訳ない。
(乃里子)ああー。
困ったわね。
小さい男でも父親は父親だから。
(北野)父親?私妊娠してるの。
3カ月だって。
(乃里子)色々煩悩はあると思うけど清算して父親になって。
子供に罪はないから。
愛に生きることに酔っていた私
無謀な恋に夢中な愚か者は忘れようとしていました
運命は決して罪を犯した人間に優しくないということを
2014/09/18(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜 #10[字]【逃避行…試される愛の強さ】
家を飛び出した紗和は、北野とともに湖畔の貸別荘に身を寄せる。携帯を切り、久しぶりに2人の時間を過ごす。一緒に朝を迎えた事のない2人ははしゃいでいたが…
詳細情報
番組内容
家を飛び出した紗和(上戸彩)は、北野(斎藤工)とともに湖畔の貸別荘に身を寄せる。そこは、北野が学生時代に滞在したことがある場所だった。北野の妻・乃里子(伊藤歩)は、俊介(鈴木浩介)に電話し、こうなった原因は俊介にあるのだからふたりを探して引き離してほしいと叫んだ。
ホステスとして働き始めた利佳子(吉瀬美智子)は、給料を前借してスマートフォンを購入し、真っ先にバルセロナに旅立った加藤(北村一輝)
番組内容2
に連絡する。しかし加藤は電話に出なかった。出勤しようとした利佳子の前に現れた智也(淵上泰史)は、紗和がパートを無断欠勤していることを伝える。利佳子は紗和に連絡するが、紗和は電源を切っていた。あくる朝、スマホの電源を入れた紗和のもとに見知らぬ番号から着信がある。利佳子だった。どうするつもりなのか、と利佳子から問われた紗和は、もう少しだけ夢を見させてほしいと返す。利佳子は、そんな紗和に、気持ちだけで
番組内容3
突っ走ってしまったら終わりは早いと告げる。
一方、ショックで会社を休んでいた俊介のもとに美鈴(木南晴夏)が訪ねてくる。俊介のことが心配になって会社を抜け出してきたらしい。俊介は、そんな美鈴の優しさにすがり、彼女を抱きしめる。北野とピクニックに出かけた紗和は、いままで言えなかった言葉を彼に伝える。しかし、紗和の薬指の指輪が目に入った北野は、それに応えることができず・・・。
出演者
笹本紗和: 上戸彩
滝川利佳子: 吉瀬美智子
北野裕一郎: 斎藤工
北野乃里子: 伊藤歩
長谷川美鈴: 木南晴夏
滝川徹: 木下ほうか
萩原智也: 淵上泰史
笹本俊介: 鈴木浩介
笹本慶子: 高畑淳子
加藤修: 北村一輝
ほか
スタッフ
【脚本】
井上由美子
【プロデュース】
三竿玲子
清水一幸
【演出】
西谷弘