(警報)
(アナウンス)「緊急出動。
港区山下町7丁目13番4号」「住宅。
急病。
15分」
(警報)
(牧田さおり)CPA対応でいいですか?
(長谷川洋司)除細動器も持って…。
はい!輸液とラリンゲルマスクも準備しておきます。
(内藤伸介)あれ?山下町の蔵原さんってあれですよね?この前もその前も確か仮病で…。
内藤!
(内藤)すみません。
管区内高級住宅地に建つ豪邸に一人暮らしの老人蔵原八重はこのところ頻繁に119番通報を繰り返している
その都度何かと理由をつけては救急隊を呼びつけ…
駆けつけてみれば仮病であったり嘘の怪我だったり…
だからといって救急要請を断るという選択肢は我々にはない
万が一ということもあり得るのだ
(チャイム)
(長谷川)横浜みなと救急隊です。
蔵原さん大丈夫ですか?・
(蔵原八重)は〜い!どうぞ。
あの…。
ねえおばあちゃん。
蔵原八重には老人性痴呆の兆候がみられた
どうぞ召し上がって…。
どうぞ。
いただきます。
(長谷川)いただきます。
・
(花村良江)おばあちゃん!・
(花村道夫)おばあちゃん!紹介するわ。
こちら娘夫婦。
お友達。
大丈夫なのね?どこも怪我ないのね?ねえちょっと来てごらん。
ほら見て…。
あなたこんなにかわいかったの。
かわいかったね〜。
(八重)ほら見てごらん。
ちっちゃかったよ…。
いつ家に帰って来てくれるの?そうねそのことはまたゆっくり話そう。
家は広いんだから無理なくみんな一緒に住めるんだから…。
(道夫)本当に申し訳ありませんでした。
(長谷川)いえいえ…。
(内藤)いつものことですから…。
一人暮らしのご老人の場合時々あるんですよ。
身内の方がお近くにおられるならまだ安心です。
しかも実の娘さんならなおさらだ。
でもこれだけ大きなお屋敷におばあちゃん一人では…。
今後のことはいろいろ考えているところです。
これ以上救急隊の皆さんにご迷惑をおかけするわけにはいきませんしね。
(長谷川)いやぁまぁ…。
一人暮らしが長かったから…。
誰でもいいからそばにいてほしいときってあるんだと思います。
あの人…。
じゃあ…。
どうも。
何ごともなくてよかった。
連絡しとくから。
(内藤)なんだお前ら!
(田宮信一)早く出せ!
(高沢夏樹)みんな抵抗しないで!
(内藤)断る。
(高沢)俺刑事だから抵抗しないで!
(信一)殺すぞ!こいつ殺すぞ!
(高沢)落ち着け田宮!
(信一)早く出せ!内藤!おいっ!嘘だろう…。
あの…どこに行けば…。
(信一)いいから走れよ!
(高沢)こんなことしても無駄だ。
あきらめろ!うるせえな。
黙ってろよ!
(信一)ヘタなことするな!殺すぞこの野郎!
(無線)「本部から…。
救急車が強奪された」
(無線)「車両ナンバー横浜88…」
(無線)「なお犯人はナイフを所持」もうあきらめろ田宮。
(信一)止まるなよ!
(信一)振り切れよ。
止まるなよ!殺すぞこいつ。
(信一)もっとスピード出せよ!出ないのかよ!
(高沢)落ち着け田宮。
(信一)スピード出ないのかよ!出せないのかよ!
(信一)殺すぞ!本当に。
(信一)余計なことすんなよ!
(無線の呼び出し音)
(信一)出るなよ。
(信一)電源切れ。
(信一)携帯電話よこせ。
全員!早く!
(信一)こっちに投げろ。
殺人犯…ですか?
(曽根崎)自分の妻を殺害した容疑がかかっています。
妻!?
(真田雅彦)やはり彼がやったんでしょうか?現にこうして逃げてる。
(携帯電話)
(永井淳子)救急車との連絡取れませんか?ダメです。
無線の電源が切られているようです。
携帯もつながりません。
(淳子)はぁ…。
・
(真田)曾根崎さん。
(曾根崎)何だ!パトカーがまかれたそうです。
何やってんだ!バカ!内藤くん運転うまいから…。
あのどこまで行けばいいですか?
(信一)黙って走れよ!いいかげんにしろよ田宮。
(信一)うるさいな。
いいかげんにして…。
あなたが何をしたのかどんな罪を犯したのかなんてどうでもいい。
(信一)黙れよ!いいえ黙りません!ただでさえ救急車の数が少ないのにこんなことで使用不能になって…。
そのために急患の搬送が遅れて取り返しのつかない事態に陥る可能性もあるの。
いいからあんたは…。
降りて!すぐにここから降りなさい!逃げるなら一人で勝手に逃げなさい!うるせえな!
(高沢)やめろ…。
内藤!止めて!田宮離せ!
(信一)何が離せだ…。
田宮…!ダメ!ナイフ抜かないで!田宮!ナイフ離しなさい。
傷を診るから!わかった。
おとなしくして。
動かないで。
こいつ殺すぞ!
(高沢)田宮!ここで死にたいの!?やめろ…。
内藤!出血が多いわ。
動かないで。
傷を診るから!余計なことすんなよ!刺すぞこいつを。
変なマネするなよ!来るなって言ってるだろう。
うう…。
イテテ…。
動かないで!あなたも手伝って。
押さえて。
動脈いってませんか?いや静脈ね。
滅菌ガーゼ。
三角巾!
(高沢)大丈夫ですか?イテテテ…。
痛いのはわかってる。
動くな!
(佐久間)どうなっている?無線にも携帯にも出なくて連絡が取れません。
長谷川隊長。
走り出す前に何とかならなかったのか?
(長谷川)申し訳ありません。
救急車を奪われるなんて…。
(長谷川)私の責任です。
今は責任うんぬん言ってる場合じゃないと思いますけど…。
(佐久間)で救急車の所在は…?警察が非常線を張ってますがまだ…。
あんな目立つ物が何で見つからないんだ!
(内藤)血圧110の84。
脈拍90。
OK。
田宮…。
病院に行こう。
まずは止血。
出血量は600ってとこね。
ショックは起きないわ。
内藤交代!
(内藤)はい了解。
おい何する!救命救急センターのドクターと連絡を取るの!死にたくはないんでしょ!?余計なマネするなよ。
(携帯電話)
(日野雅史)日野です。
はいよ。
指示を願います。
左大腿部にナイフによる刺創。
ナイフはすでに抜かれています。
推定出血量約600ミリリットル。
動脈か?いえ静脈性の出血です。
血圧110の84脈拍90。
ショック症状なし。
意識清明。
現在創部圧迫止血中です。
どうした。
その程度の処置なら俺が指示するまでも…。
緊急事態です。
指示を願います!おいどうした…。
(河井由香)日野主任大変です!牧田さんの乗った救急車が…。
「本日正午ごろ横浜消防局みなと消防署の救急車が逃走中の殺人事件の容疑者により乗っ取られるという事件が発生しました」「この救急車の行方は現在もわかっておらず人質となった救急隊員の安否が…」「もしもし。
もしもし?」「警察発表によれば…」OK状況は把握した。
はいかいいえで答えろ。
怪我をしてるのは誰だ?隊員か?いいえ。
犯人か?はい。
現在警察も救急車の行方を捜している。
場所を特定したい。
現在患部周辺にWOODSが大量に認められます。
患部周辺にWOODS大量?ウッズOK。
木が大量…森だな。
そうです。
かなり深いです。
(内藤)でも静脈なら…。
黙ってて!
(信一)おい…。
助かりたいなら黙ってて!あとは位置を知りたい。
救急車が乗っ取られた現場からどっちの方角だ。
東か…!?いいえ…。
今やります。
内藤サチュレーション。
(内藤)はい。
代わってください。
(高沢)代わるぞ。
サチュレーションはNからEの間です。
NからE北東か…。
救急車は現場から北東にある深い森の中で止まっているんだな?はいそうです。
OK警察なら恐らくこれで突き止められる。
とりあえずそいつの傷はそのまま圧迫止血を続ければ大丈夫だろう。
バイタルに変化があるようなら知らせろ。
わかりました。
代わります。
三角巾。
(内藤)はい!危ない状態なのか?ナイフで刺した傷だから少し深いけど幸い大きな動脈は損傷してないと思う。
静脈性の出血だからこのまま5分から10分くらい圧迫しておけば出血は止まるはず。
とにかく私の言うとおりにして…。
(高沢)田宮!
(信一)動くな!
(高沢)いいかげんにしろ!
(信一)来るな!
(高沢)もうやめよう。
(信一)動くなってば!刑事さんよ手錠持ってるだろ。
(高沢)何考えてるんだよ。
出せよ。
早く出せよ!あの木のところに行け。
行けよ!お前もだよ。
早く行けよ!
(高沢)田宮もうやめよう。
いいから行けよ!やめろ田宮。
(信一)いいから早く行け!田宮!
(信一)早く行けっつってんだよ!手錠を自分の手にかけろ。
早くしろ!間に通せ。
お前もかけろ。
もたもたすんな!おい!鍵捨てろ。
(高沢)田宮!鍵捨てろよ!ネクタイ外せ。
(高沢)何するんだよ?ネクタイ取れよいいから!座れ。
手を後ろに回せ。
田宮!逃げ切れると思ってるのかお前…。
うるせえな!救急車を奪ったのは悪かった。
刑事さん信じてくれよ。
女房を殺した真犯人は俺が捕まえて警察に突き出してやる。
クソッ!隊長…。
無事でよかった。
(淳子)ひどい目に遭ったわね。
(曾根崎)田宮の件は依然捜索中だ。
あの怪我です。
そう遠くへは行けないはずです。
犯人の怪我の程度はどうなんですか?静脈の損傷です。
止血さえしておけば命に別状ないですが…。
どこかに潜伏している可能性があるな。
ご協力感謝します。
救命センターの日野ドクターにもよろしくお伝えください。
はい。
あんたそうとう気が強いな。
フッ…。
(パトカーのサイレン)どうするよ…。
死因は足の傷口からの大量の出血による失血死です。
高沢お前が単独で暴走した結果がこれだ!
(曾根崎)真田…。
(真田)はい。
はぁ…。
(レポーター)「現場から中継です」
(レポーター)「先日金属バットで殺害された主婦田宮和枝さんの殺人容疑者で夫の田宮信一が今日未明死体で発見されました」
(レポーター)「死因は動脈損傷による失血死で処置に当たった救急救命士が静脈性出血と動脈性出血の判断を誤ったとの見方が強まっています」
(レポーター)傷を負ったのが容疑者だと知って処置をした救命士が生命を軽視したとの見方ができます。
救急医療の最先端にいるというおごりと傲慢があったのではないでしょうか?
(レポーター)こちらは救急車ジャックにあった横浜みなと消防署前です。
(レポーター)直接容疑者の処置に当たった女性救命士は看護師歴8年救急救命士歴3年の経験を持ちベテランといえるでしょう。
しかし専門家によると動脈損傷と静脈損傷を見間違えるというのはごく初歩的なミスだということです。
牧田さおりさんですね?どうなんでしょう牧田さん。
処置ミスを認めるんですか?答えてくださいよ!相手が殺人犯だと思っていいかげんな処置をしたんですね?どうなんですか?マスコミの報道は間違いだということか?私の判断と処置に間違いはありません。
傷の状態を見間違えた可能性もないと言い切れるのか?それは…。
(内藤)ああいう状況でしたから…。
犯人にナイフで刺されるともわからない危険な状況下で絶対にミスをしてないと言えるか!?よく思い出してくれ。
警察の話によると解剖の結果傷は動脈に達していたと…。
そんなはずはないよ。
動脈から流れ出る血と静脈から出る血の色は全然違うんだ。
ナースの経験も長い彼女がそれを見間違うはずがないんだ!処置も完璧だったし。
でも先生は電話だけの応対で指示を出したわけで直接傷を見たわけではないんですよね?ええ。
まあそれは…。
さがってください!出動時の邪魔になりますから。
(騒ぎ立てる声)世間の注目はあの女救命士に集中している。
助かったな高沢。
お前の暴走に関しては誰も触れてない。
主任…。
死んだ田宮が本当に妻殺しの犯人なんでしょうか?任意の調べをしかけたら逃げ出したんだろう?息子の啓一をかばおうとしていたとは…。
事件以来息子の所在がつかめていないんです。
確かに息子の家庭内暴力がひどかったらしいな。
でどうするんだ?
(高沢)はぁ?もしその16歳の息子がやったんだとしたらお前は犯人ではない息子をかばおうとした父親を追い詰めしかも単独で追った揚げ句に死なせたということになる。
それは…。
(曾根崎)重大な問題だ。
これはお前一人の問題じゃない。
しばらく捜査から外れろ。
(高沢)そんな!これはお前一人の問題じゃないと言ってるだろう!
(真田)こちらにいらしたんですか?どうした?殺された主婦の田宮和枝なんですがどうもわけありですね。
(高沢)それはどういう?近所の人の噂では最近夫以外の男と交際していたようだと。
(高沢)浮気?高沢!お前は捜査から外れろと言ったはずだ。
高沢今度の件は俺に任せておけ。
俺の捜査ミスをうやむやにするっていうことですか?俺はお前のことを買ってるんだ。
(高沢)しかし…!警察の威信がかかってるんだよ。
続けろ。
今朝遺体で発見された夫の信一と17年前に駆け落ちしてるんです。
かなり財産のある家柄の娘だったらしいんですが勘当されてます。
最近息子の家庭内暴力などの問題で悩んでいたようだし夫は失業中。
こんなはずじゃなかったっていう感じですかね…。
う〜ん。
そのことで夫ともめていた…。
フッ…。
むちゃくちゃな家庭だな。
(信一)〔黙れよ!〕〔いいえ黙りません!〕ただでさえ救急車の数が少ないのにこんなことで使用不能になってそのために急患の搬送が遅れて取り返しのつかない事態に陥る可能性もあるの!
(アナウンス)「緊急出動。
港区中本6丁目11番4号先」「中本神社前交差点。
交通事故。
34歳」お前は出動しなくていい。
私は謹慎ですか?お前は今世間の注目を浴びてしまっている。
そんなお前が現場に出れば救急活動に支障をきたす恐れがある。
私はミスは犯してません!牧田…。
今は我慢してくれ!少なくともここの署員はみんなお前がミスをしたなんて思っていない。
あくまで迅速な救急活動を行うためのことだ。
我々が何をもっとも優先すべきかお前ならわかってくれるはずだ。
急げ!聞いてるよ。
謹慎だって?まぁいいじゃないの。
大きく構えてりゃいいんだよ。
あっいい機会だ。
足治しちゃいな。
ねっ?
(レポーター)牧田さんひと言お願いします。
(騒ぎ立てる声)いいかげんにしなさい!どいてどいて。
(車のクラクション)おい!いいかげんにしなさいってば!
(レポーターたち)牧田さん!責任は…!かわいそうに…。
主任!やっぱり自分は…。
(パトカーのサイレン)さあ行こう。
お前…!
(曾根崎)やめとけよ!
(曾根崎)おい!つらいとは思うけど一応確認を取りたいから。
(曾根崎)お父さんに間違いないね?そうか…。
ありがとう。
友達のところに泊めてもらってるんだって?
(曾根崎)おいっ!お父さんもこんなことになってあれなんだが…。
親戚の人がお母さんのお葬式を準備してるそうだ。
(啓一)やっと一人になれた。
僕は家族なんかいらない。
君ね…。
母さんも父さんも…。
死んで当然なんだ。
お前だろう!お前が殺したんだろう!やめとけ高沢!処置ミスに関しては今はいくら弁明しても無駄だ。
俺はわかってるよ。
お前が言われてるようなミスを犯すはずないってな。
でも…。
でも何だよ!確かにいつもとは違う状況下だった。
じゃあお前はミスを認めるって言うのか?わからない…。
自分でもわからないのよ。
しっかりしろよバカ!送るから。
少しは冷静になって考えろ。
周りからあれこれ言われりゃ自分自身混乱するけどね。
さっきは怒鳴って悪かったよ。
どうしたの?うん?着いたよ。
降りないの?ああうん…。
何よ?いやいや…。
「お茶でもいかが」とか言われたらどうしようかなと思ってさ。
離婚した相手をわざわざ誘わないか。
そういうエクスキューズを口にしなかったら誘ってたかも。
さっきは助かった。
ありがとう。
(高沢)どうも。
何か?ちょっと…。
誰?帰ったんじゃなかったの?救急車で一緒だった刑事さん。
ああ…。
高沢と申します。
あぁ元亭主です。
そういう言い方ないだろう。
他に何て言うの?医者の日野です。
帰らなくていいの?愛する奥さんとお嬢ちゃんが待ってるんでしょ?帰りなさいよ。
ちょっとまあ上でお茶でも飲みながら…。
ちょっと…。
よろしいんですか?どうぞ。
カメ吉ちゃん!もうちょっとあか抜けた名前にしてもらいたかったですね〜。
僕のことは気にしないでお二人でどうぞお話進めてください。
(高沢)はぁ…。
あなたがいたら話せないことかもしれないわ。
何それ。
事件のことですよね?私の勇み足で単独で田宮を追ってしまって…。
結果こういうことに…。
お詫びをと思いまして。
はぁ…。
あんたに責任があったのか。
ちょっとあなたは黙ってて!恐いママですね〜。
カメ吉知らないおじちゃんとしゃべっちゃいけませんよ。
いい子ね〜!謹慎処分になりました。
こっちもらしいよ。
そうだったんですか…。
あのお願いがあるんですけど。
(高沢)何でしょう?田宮信一の遺体を見たいんです。
(高沢)えっ?お前な…。
私どうしても…。
田宮信一が私の処置ミスで命を落としたのかどうか自分の目でもう一度傷を確かめたいんです。
解剖所見では確かに大腿動脈の損傷という記載がある。
そんなはずない。
あれは絶対に静脈性の出血よ。
えっ?どうした?お前最初に怪我の状態をしっかり見たのか?確かにこの傷は静脈を損傷してる。
お前の報告どおりだ。
しかしこっちの傷は…。
刺創が2か所!?確かにこっちは動脈をいってる。
そんなはずない!あのとき刺さったのは1回だけよ!それは私も証言できます。
ナイフが刺さったのは一度だけです。
しかしそうとうもみ合ったんだろう?でもだからって!仮に2回刺さってたとしてもそのときにもう1つの傷を見落とすなんて…。
確かにあり得ないな。
どんな状況下であれ少なくとも経験豊富なお前が2つある傷の一方を見落とすはずはない。
でも傷は2つある…。
あの傷口の大きさと開き方から見て恐らく同一のナイフで刺されたもんだね。
彼が自分で持ってたナイフよね。
でもこれでとりあえずさおりの処置ミスは覆されるかもしれないな。
いやそれは…。
どうして?どうして?救急車の中で受けた傷が1か所だったという証明にはなりません。
私だけならともかく機関員の内藤もあなただって見てたじゃない!あのときみんながみんな傷は1か所だと思い込んでいた。
そんな!そういう見解もできるということです。
記憶だけでは証拠になりません。
さおりの処置ミスを覆すだけの能力はないってことだね。
あなただって近くで見てた!真実は恐らくさおりの記憶どおりだ。
警察は田宮信一の死亡原因を私の処置ミスということで片付けようとしてるんじゃないですか?おい!あの2つ目の傷が死亡原因です。
だとしたら田宮信一は逃げたあとにもう一度何者かに刺されたことになる。
他に犯人がいることになる。
初動捜査のミスじゃないか。
田宮信一が奥さんを殺害したという容疑も怪しいってことになりませんか?田宮和枝殺害事件に関しては被疑者死亡のまま送検されて終わりでしょう。
署の方針です。
失礼します。
おいちょっと待てよ!お前自身も何か手がかりがほしかった。
だから無断で俺たちに死体を見せたんじゃないのか?そうなんですか?少なくとも田宮和枝は金属バットで殴られ殺されました。
実際は近所の人も捜査員も息子の啓一が犯人だと思ってる。
私もそう思ってます。
だったら…。
実はこれまでに何度もあの両親から警察に通報があったんです。
このままでは息子に殺されるって…。
警察はそのSOSを無視していた…。
そんな…。
お前らまだそんなことやってたのか…。
本当に息子さんが?いやまだ決め手はありません。
だけどあいつ言ったんです。
父親の遺体の確認のあと「やっと一人になれた」って…。
(高沢)息子の啓一は子供のころからそうとう優秀だったらしいんです。
(高沢)大学までストレートに進める名門の私立高校にも合格した。
しかしそれが裏口入学だったことが本人に知られたらしいんです。
裏口入学?成績優秀だったのに?万が一のことを考えてのことでしょう。
結局それで大金を使いそこから田宮家は経済的に苦しくなっていったようです。
高校に上がってからの息子の啓一の荒れようはひどかったらしい。
うぉー!ふざけんじゃねえよ!うぉー!啓一…。
(啓一)離せこら!あなた…。
あなた大丈夫?うわぁー!親が自分の実力を信じずに金を使って名門校に合格させた。
それは傷つくな…。
多感な少年だもんな。
だからって親を殺していいんですか?主任。
(曾根崎)お前!勝手に田宮信一の死体見せたのか?あの女救命士と医者に!こっちの捜査ミスがさらされたらどうする!私を捜査に戻してください。
(曾根崎)高沢!私を買ってるとか守るとか言って結局警察のメンツでしょ。
気にしてるのは…。
上から言われてるんだ。
あの少年が本当に親殺しだったら!それを黙って見過ごせって言うんですか!勝手にやらしてもらいますから。
高沢!お前の将来が台なしになってもいいのか?ここで長いものに巻かれたら…。
いつか自分が死ぬときに思い出して後悔しそうなんで。
あぁ…。
助けてくれー!カメ吉心配してくれてんの?ありがとう〜。
カメ吉もご飯食べなきゃね。
お姉ちゃんもご飯食べるからね。
カメ吉も一人で寂しいよね。
ごめんね〜!
(良江)〔一人暮らしが長かったから…〕誰でもいいからそばにいてほしいときってあるんだと思います。
あの人…。
あの人…?何であの人って…。
自分の母親のこと「あの人」って言うかな?あっ…。
どうなさったんですか?おばあちゃんがいなくなって…。
良江が捜しに…。
じゃあ私も捜してみます。
お願いします。
あれ牧田さんどうしてここに?ここのおばあちゃんのことが心配でどうしてるかなと思って様子見に来て…。
でもおばあちゃんいなくなっちゃったんですって。
今捜しに行こうと…。
一緒にお願いします。
お願いします。
どこ行っちゃったんだろう。
私一人にして…。
すみません!80ぐらいのおばあちゃん見かけませんでしたか?いや見かけないですけどね…。
(良江)そうですか…。
どこ行っちゃったの?どこ行っちゃったんだろう…。
(急ブレーキの音)えっ?八重さんの娘じゃない!?ええ。
殺された田宮信一の妻和枝さんが蔵原八重さんの一人娘だったんです。
じゃああのご夫婦は?花村道夫は以前蔵原家に出入りしていた植木職人の息子で子供のころからよく親父に連れられて遊びに来てたらしいんです。
だから死んだ和枝さんとは仲がよかったそうです。
そう…。
だから良江さんは八重さんのこと「あの人」って言ってたのね。
でもどうして八重さんはあんなに良江さんのことを自分の娘だと思い込んでるのかしら?ボケが進んでるんじゃないですかね?でも…。
蔵原さん何してるの?こんなところで…。
かわいそうにね…。
蔵原さん…。
まだ若そうなのにね…。
本当かわいそう…。
(すすり泣き)あら?あなたどうしてここに?帰りましょう。
大丈夫ですか?はぁ…。
アルバム…。
蔵原さん見てもいいですか?どこ行ってたの?ダメじゃないか。
出かけるなら出かけるって言っておいてくれなきゃ。
家族はいつも一緒にいなきゃ。
(良江)ごめんね。
さあ疲れたでしょ?少し休みましょ。
(八重)もうどこへも行かないでよ。
母さんを一人にしないでよ。
母さんが悪かった。
謝るから…。
あのお話が…。
(携帯電話)もしもし?もしもし?これを落とされた方ですか?こちら横浜みなと消防署ですが…。
もしもし?どうしました?いやこの携帯がそこに落ちてた。
(内藤)えぇ!?搬送した患者さん物かな…。
(内藤)隊長…。
この救急車はあの乗っ取り以来詳しい点検の必要があるんで使ってません。
えっ?
(内藤)もしかしてそれ…。
あの犯人の田宮信一の物じゃ…。
この中で俺らともみ合いになったときに落としたのかも…。
そうですよきっと!
(長谷川)誰かこれ…。
誰かが今これにかけてきた。
警察に…!
(長谷川)あぁ…。
勘当?
(道夫)八重さんは早くに夫を亡くして一人娘の和枝さんを本当に大切に育てていました。
でも和枝さんにはそれが徐々に負担に思えるようになっていたみたいで…。
20歳を過ぎたころ…。
今から17年前ですか。
急にあの男の人と結婚したいって言い出して…。
田宮信一ですね?
(道夫)はい。
突然のことで八重さん猛反対しまして…。
(八重)和枝行かないで!お願い!お願い待って!和枝…!
(道夫)結局田宮信一と駆け落ちをしてしまったんです。
(道夫)八重さんはそのあと怒りの矛先を田宮信一に向けてこの蔵原の財産をあの田宮なんかには絶対に渡さないと和枝さんを勘当してしまいまして…。
(道夫)以来まったく縁を切っていたんです。
ヘタに財産なんかあるとこだわらなくてもいいことにこだわるようになるんですね。
(道夫)八重さんのご主人が紡績業で大成功を収めるまではつつましい生活だったみたいですが。
早くにご主人を亡くされて今あるものを守るしかなかったのね八重さん…。
でもここに来てやっぱり寂しかったんですね。
昔世話になったよしみで妻と二人で時々身の回りの世話をしに来てたんですけどそのうち八重さん良江のことを娘さんの和枝さんだと思い込むようになって…。
私たちはあなた方をだますつもりなんかなかったんですけど…。
良江も八重さんのことを本当のお母さんのように思って世話をしてきたのでつい言いそびれてしまいました。
啓一くん…。
啓一くんどうしてここに…。
実は捜査線上にもう一人何者かの存在が浮かび上がったんです。
田宮信一が遺体で発見された資材置き場周辺を詳しく訊き込みしたところ田宮信一と見られる男が誰かと激しく口論しもみ合っていたというんです。
じゃあ田宮信一が二度目に刺されたのはそのとき…。
その可能性はあります。
田宮信一と争っていた男って…。
息子の啓一だと私は思っています。
えぇ!?啓一くんが?・
(パトカーのサイレン)救急車の中に残されていた田宮信一の携帯電話の発信記録を調べたら最後にかけた先は息子の啓一の携帯だったそうです。
捜査本部は啓一の身柄を拘束して話を訊くために全力で捜してるそうです。
でもどうして父親を殺そうとしたんですか?田宮信一は母親を殺したのは息子の啓一だと思い今までかばってきた。
だけど息子を自首させようとあの場所に呼び出した。
しかしそこで親子の争いとなり息子がナイフで父親を刺してしまった。
まあ殺意はなかったにせよ傷を負った父親を放置してしまったんではないでしょうか?信じられないそんなこと…。
捜査本部も同じ考えだと思います。
啓一くん…。
(パトカーのサイレン)ちくしょう…!ちくしょう…。
(パトカーのサイレン)
(アナウンス)「救助。
第一出動。
港区坂見台2丁目13番」「蓬莱ビル。
少年が投身の恐れ。
13分」もしかして少年って啓一くんでは?謹慎を解いてください。
行かせてください。
わかった。
ありがとうございます!啓一くんは!上にいると思うが姿が確認できない。
おい裏見て来い。
はい。
啓一くん…。
啓一くんしっかり。
わかる?啓一くん!啓一くん!心肺停止…。
心肺停止!早く!内藤交代!
(内藤)はい。
(内藤)1・2・3・4・56・7・8・9・10…。
(携帯電話)はいよ…。
飛び降り?CPAか?OK…状態を報告しろ。
頭部変形なし。
顔面擦過傷あり。
右側胸部皮下気腫あり。
腹部外傷なし。
右手首に変形が目視できます。
1・2・3・4・56・7・8・9・1011・12・13・14・15。
(長谷川)心マ中断。
換気確認。
右。
(長谷川)よし。
左。
(長谷川)よし左右良好。
1・2・3・4・56・7・8・9・1011・12・13…。
(内藤)波形変化あり。
心マ中断。
効果確認。
よし。
とうこつで充実しています。
搬送手伝ってください!
(長谷川)血圧92の68脈拍125。
サチュレーション98。
しっかり…。
頑張って啓一くん。
(救急車のサイレン)バイタルは?血圧92の68脈拍125。
自発呼吸は戻ってます。
OK!右側胸部に皮下気腫。
肋骨と右手首が骨折の可能性があります。
オーライ。
急げ!
(看護師)はい!準備はいいな!
(一同)はい!何なの…誰よ…。
どう?危険な状態です。
そうか…。
あのちょっとお話したいことがあるんです。
自殺じゃない!?見たんです。
何を?誰かが屋上にいた啓一くんの背中を…。
押したのか?はい。
押した奴は…?それが何か棒のような物で…。
男か女かは?わかりません。
どうなってるんだ。
誰かが啓一くんを狙ってたってことか?とにかく署に戻ります。
本当に見間違いじゃないんですね?はい。
OK何とか持ちこたえたよ。
よかった…。
現在訊き込みは続けていますが牧田さん以外まだ目撃者は出ていません。
そうですか…。
(良江)目撃者って?私見たんです。
啓一くんが何者かに背中を押されて…。
自殺をしようとしてたんではないんですか?何で自殺だと?いや実は最近和枝さん…。
(道夫)失業してろくに働かない信一さんに愛想をつかして蔵原の家に戻ろうとしていたらしいんです。
ただ八重さん…。
和枝さんが戻るための条件として出したのが信一さんと別れるのは当然のこと信一さんの血を引く啓一くんとも縁を切って来いと…。
そんな…。
とにかく蔵原の家系を守る一心で生きてきたような人ですから…。
じゃあ私たちはこれで…。
八重さんのことも心配ですから。
失礼します。
どうかしましたか?えっ?あのとき田宮信一が逃げる前に言った言葉が今になってどうしても気になって…。
刑事さん信じてくれよ。
女房を殺した真犯人は俺が捕まえて警察に突き出してやる。
父親があんな言い方するでしょうか?えっ?いくらいさかいの絶えなかった親子だったとしても父親が16歳の息子を「捕まえて警察に突き出してやる」なんて言い方するんでしょうか?今は氷のように冷えきった親子関係が引き起こす事件が多いですからね…。
とりあえず失礼します。
高沢さん!はい。
お願いがあります。
どうなの?あとは本人の生きる意志にかかってる。
あっ…。
僕が…僕が母さんを殺したんだ。
わかった…。
わかったから今は何も言うな。
生きることだけ考えろ。
お母さん。
お母さん…。
お母さん私がいるから安心して。
ねっ?やっぱりこのお洋服よく似合うね…。
お茶入れるね。
・
(ノック)どうぞ。
(良江)ああどうも。
お母さんの様子心配だからって。
大丈夫そうですね。
すぐすみますから下で待ってていただけますか?お紅茶入れますから。
はい。
ああ…。
啓一くんもう大丈夫だろうって。
意識はまだ混濁してるけど一般病棟に移してもいいだろうって。
そうよかった。
よかった…。
お待たせしました。
花村さん!啓一くん昨夜のうちに意識を取り戻したの。
啓一くんあなたを屋上から突き落としたのはこの人ね?全部聞いたわ。
啓一くんずっと知ってたの。
あなたの夫の道夫さんが和枝さんに言い寄っていたこと。
ずっと好きでした。
(和枝)道夫さん…。
あんなひどい旦那とやっと別れられるんだったら…。
俺も女房と別れて君と一緒になりたい。
和枝さんは夫婦仲が悪くなり蔵原の家に戻ろうとしていた。
あなたと道夫さんはそれを利用しようと考えた。
あなたたち夫婦は離婚してますね?しかも偽装離婚。
(道夫)きっと幸せにしてみせます。
自分と結婚して幸せになろうと迫った。
昔植木職人として蔵原家に出入りしていたころから和枝さんは道夫さんに好意は持っていたんでしょう。
正直気持ちが揺れたかもしれません。
自分たちが蔵原の家に入るためには手段を選ばなかった。
あなたたちの園芸店はすでにつぶれていてきっと経済的に逼迫していたはず。
なのにあなたの身につけていた服はいつも上品で高級な物ばかりだった。
蔵原家でアルバムを見てわかった。
あなたの着ていた服は全部和枝さんが残していった物だった。
あなたはそれを勝手に持ち出して身につけ痴呆の始まった八重さんの常にそばにいた。
はいお母さん。
お待たせしました。
和枝さんに戻ってきてほしいと願っていた八重さんはやがてあなたのことを和枝さんと重ね合わせるようになり…。
やがてはあなたのことを本当の娘だと思うようになっていった。
ううんあなたが計画的にそう仕向けていったの。
(道夫)良江!もうおしまいだ。
もうやめにしよう。
(良江)あなた…。
無理だったんだ。
最初からこんなこと…。
何が無理よ…。
あなたは和枝さんを本気にさせるためだから離婚届を出してくれと…。
本気になってしまったのはあなたのほうよ!あなたは私を本当に捨てて和枝さんと…。
和枝さんは…結局俺の気持ちには応えなかったよ。
そんなこと嘘よ!本当だ。
ごめんなさい…。
さっき田宮から就職先が決まりそうだって連絡があったの。
また頑張るって…。
私やっぱり主人を信じてみたい。
啓一のことも主人と二人でもう少し頑張って乗り切ってみたい。
だって啓一は私と主人の大事な息子なんだもん。
だから…。
ごめんなさい。
気持ちには応えられない。
(道夫)そう…。
母ももう歳でしょ?だからみんなで蔵原家に暮らしたいってそう母に頼んでみるつもり。
主人も啓一のために頑張るからって…。
(すすり泣き)そのことを知らなかったあんたは嫉妬のあまり逆上してバットで和枝さんを殺した。
(啓一)違う!バットで母さんを殴ったのは僕だよ…。
父さん以外の男と会ったりしてたから…。
うぉー!啓一やめて!お願いだからやめなさい!離せよ!うぉー!啓一くんあなたが金属バットでお母さんを殴ったのは1回だけ…ね?うん…。
お母さんの傷は腕の骨折と頭部。
お母さんは啓一くんに殴られたときにはまだ死んでなかったんだ。
致命傷は2回目の傷。
頭部の陥没だ。
啓一…勘違いしないで。
私はお父さんとは…。
(良江)あの人自分が蔵原に帰るつもりになって…。
八重さんの口座を調べたのよ。
(和枝)これどういうことなの?1年に渡って貯金が引き出されてるじゃないよ。
(良江)ごめんなさい和枝さん。
うちの店がどうしても行き詰まって…。
いつか返すつもりでした!痴呆気味の母に取り入って世話をすると見せかけて!もう母には近づかないでください。
自分は長い間お母さんのこと放っておいて…。
今になってそんな…。
虫がいいわよ!道夫さんとグルで私をのけ者にする気なんでしょ?私はだまされない!私はあなたを取られたくなかったの。
和枝さんが殺されたあと信一さんから何度も電話がありました。
お前だな?和枝を殺したのは…。
和枝に聞いてるんだよ。
お前が和枝に近づいて来たことも…。
金をだまし取っていたことも!私はその電話を受けたときもしかしたら良江がやってしまったんではないかと思いました。
そうか…。
田宮信一は和枝さんを殺したのはあんただと思い込んでいた。
そして啓一くんが和枝さんの殺害現場を目撃したんだと思った。
だとしたら…。
(高沢)啓一くんが危険だと思い…。
(高沢)田宮信一は啓一くんの携帯に電話をかけ暗くなってからあの資材置き場で待ち合わせすることにした。
あの場所は子供のころの啓一くんとよくキャッチボールをして遊んだ場所だった。
田宮信一は父親として啓一くんを守ろうとしたんだ。
おぉストライク!速い球ね。
よぉ!おぉいい球投げるな!じゃあちゃんと取ってね。
お前だろう?女房を殺したのはお前だろう!違うんだ信一さん。
(信一)嘘つけ!僕じゃない。
信一さん…。
話を聞いてください!うるさい!あぁ…。
(道夫)殺すつもりなんかありませんでした。
良江…もうおしまいだ。
一緒に警察に行こう。
私を捨てようとしたくせに…。
(道夫)それは違う!私はあなたとの生活を守りたい一心で!良江!良江!良江…。
今までのこと全部…全部何だったのよ!良江!救急車呼んで!抜かないで。
もしもし!救急車をお願いします。
緊張性気胸…。
高沢さん手伝って!ナイフを押さえて。
体通してこっち…。
もしもし!緊張性気胸か。
到着まで何とかもたせろ!やってます。
ネクタイ外して!ナイフの固定が十分じゃないの。
センターが近い。
運べないのか?今動かしたらおしまいよ!上げて。
下ろして。
CPAに移行しました。
固定とCPR同時進行しろ。
あなたも手伝って!あんたの女房が死にかけてるのよ!?一人だけ地獄に送るつもりなの?続けて。
止めて。
続けて。
良江…。
牧田さん信じてやってください。
こいつは最初は何の見返りも考えずに八重さんの面倒をみてたんです。
どいて!こいつね…こいつ早くにお母さん亡くしてて…。
八重さんのこと本当のお母さんみたいだって本当にうれしそうに…。
俺が仕事で失敗して…。
黙って!
(道夫)こいつこんなことしなくてすんだんだ…。
(道夫)良江…。
今目の前にある命を助けるの!僕のために父さんと母さんは…。
あなたのご両親はいろいろ迷いもしたし苦しみもした。
でも最後の最後にはやっぱりあなたと…。
そして家族みんなで暮らす家庭を守ろうとしたの。
それを守ろうとして命を落としてしまった。
でもあなたはこれから先決して自分を責めないで。
親が命をかけて子供を守ろうとするのは当然のこと。
親に感謝はして。
でも絶対に自分を責めないで。
君はあんなところから落ちたのに生き残ったんだ。
みんな生きていれば心の傷なんて1つや2つじゃない。
でも生きていけるんだよ。
生き残ったんだからあとはもう生きるしかないって。
生きて…。
(啓一)ありがとう。
助けてくれてありがとう。
高沢さん今度の事件はすべて警察…。
わかってます。
すべて我々の捜査ミスから信一さんの命まで…。
啓一くんに謝りに来ました。
それにしてもあなたの命に対する執念に敬服しました。
さぁ何かおいしい物食べに行こう!そうなんだけどさ…。
悪いな。
急患が入っちゃったんだ。
急患!?じゃあ行くから。
じゃあ最寄の駅まで…。
じゃあね。
ちょっと!バカ者ー!最低…!2014/09/18(木) 13:05〜14:56
ABCテレビ1
救命士・牧田さおり[再][字]
緊急出動!救急車ジャック発生、救助した犯人はなぜ殺されたか?死体にカギ型の傷
詳細情報
◇出演者
浅野温子、宇崎竜童、若林志穂、遠藤憲一、中原ひとみ
、石丸謙二郎、根岸季衣 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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