連続テレビ小説 花子とアン(148)「どんな朝でも美しい」 2014.09.18

(小泉)こちらは?
(花子)「ANNEofGREENGABLES」。
直訳すると「緑の切り妻屋根のアン」です。
(梶原)誰の作品?カナダのルーシー・モード・モンゴメリです。
ルーシー・モード・モンゴリ?モンゴメリ。
私はその作家の作品は読んだ事はないが村岡先生が薦めるんだ。
きっと面白いに違いないよ。
主人公の少女が欠点だらけなんですけどとても魅力的でものすごく面白いんですよ。
社長と相談してみます。
はい。
よろしくお願いします。
花子が空襲の中命懸けで守り翻訳した物語がいよいよ出版されるのでしょうか。
・「これからはじまる」・「あなたの物語」・「ずっと長く道は続くよ」・「虹色の雨降り注げば」・「空は高鳴る」・「眩しい笑顔の奥に」・「悲しい音がする」・「寄りそって今があって」・「こんなにも愛おしい」・「手を繋げば温かいこと」・「嫌いになれば一人になってくこと」・「ひとつひとつがあなたになる」・「道は続くよ」ごめんくださ〜い。
村岡花子先生!小鳩書房の小泉です。
どうぞ。
先日お預かりした原稿なんですが…。
あっいかがでしたか?「アンクル・トムズ・ケビン」は是非出版させて頂きたいと思います。
「ANNEofGREENGABLES」は?僕はすごく面白いと思いました。
主人公の女の子が本当に魅力的で。
でも…。
今回は見送らせて下さい。
ルーシー・モード・モンゴメリという作家は日本では知名度もありませんし出しても厳しいだろうと社長の判断で…。
そうですか…。
弊社もまだ冒険できる状況ではなくて…。
本当に申し訳ありません。
いえしかたのない事ですから。
では組み版が出来ましたらまたお持ちします。
はい。
よろしくお願い致します。
(ため息)
(英治)駄目だったのか。
ええ…。
スコット先生との約束を果たせると思ったんだけど…。
がっかりする事はないよ。
もう戦争は終わったんだ。
これからいくらでも出版する機会は来るさ。
英治さん…。
あれだけの空襲をくぐり抜けてきたんだ。
花子さんの思いを乗せてこのアンの物語が必ず日本中の少女たちの手に届く日が来るさ。
そうね。
私諦めないわ。
うん。
・僕が。
あっお願いします。
花子さん。
JOAKの黒沢さんから。
黒沢さんから?ええ…。
せっかくのお話なんですけれど少し考えさせて下さい。
はい。
申し訳ありません。
はい…。
ごきげんよう。
どうしたの?ああ…またラジオに出てくれないかって。
そう…。
もう戦争のニュースは読まなくていいんだ。
出てみれば?回想
(蓮子)あなたが純平を戦地へ送ったのよ。
あなた…ラジオで日本中の子どもたちに語りかけてたじゃない。
「お国のために命をささげなさい」と。
純平を返してちょうだい!やっぱりできないわ。
花子さん…。
こんなに?助かるわ。
(かよ)私闇市でお店をやろうと思うの。
自分の店が焼けてしまった時何もする気が起きなかったけど戦争で何もかもなくしたのは自分だけじゃないって思ったら力が湧いてきた。
(もも)かよ姉やんはすごいね。
うん。
かよは私たち兄妹の中で一番たくましいわね。
(戸が開く音)
(醍醐)ごきげんよう。
はなさん。
皆さん。
醍醐さん…。
心配してたのよ!はなさん。
吉太郎さんはこちらにいらしてない?兄がどうかしたの?私…吉太郎さんと偶然闇市でお会いしたの。
その時にふと思ったの。
ひょっとしたら吉太郎さんは命を絶つおつもりなんじゃないかって…。
(もも)兄やんが…。
吉太郎さんまるでどこかへ行ってしまわれるような事をおっしゃっていて…。
お別れしたあと気になって捜し回ったの。
心当たりの所は全部捜したわ。
でも見つけられなくて…。
私のただの思い過ごしならいいんだけれど…。
(もも)おとうもおかあも兄やんの事随分心配してた。
おとう言ってたの。
世の中がこうなった以上憲兵はひどい事になるって…。
戦争に負けた事は兄やんにとって耐えられない事だったと思うよ。
今まで信じてきたものがすっかり崩れてしまったんだから。
兄やんすごく生真面目だから変な事考えないといいけど…。
その後も吉太郎の行方は一向に分かりませんでした。

(朝市)あっはなけ?朝市だ!朝市…どうしたの?大変じゃん。
吉平おじさんが倒れただ。
てっ…。
・心臓が弱っててかなり危ねえ状態だってお医者さんが。
(直子)おじぃやん大丈夫かな。
(美里)お母様。
おじい様に早く元気になってって伝えて。
ええ。
お義兄さんにも知らせないと。
とにかく捜してみるよ。
お願いします。
それじゃあ行ってきます。
直子。
いい子にしてるんだよ。
うん。
行ってきます。
(汽笛)ただいま!おとう!大丈夫?
(吉平)はな!もも!かよ!よく帰ってきたじゃん。
おとう起きてて平気なの?おお平気も平気。
このとおりピンピンしてらあ。
ハハッちょっこしクラッとなっただけじゃんけ。
な〜んだ…よかった。
心配して飛んできたのに。
(リン)本当に人騒がせじゃんね。
ああすまんすまん。
ふんだけんど東京からすっ飛んで帰ってきてくれるなんていい娘たちじゃんね〜!ハハハハほりゃあ俺の娘たちだからな。
(笑い声)
(朝市)ほれじゃおらたちはこれで。
おかあ帰ろう。
(ふじ)お騒がせして悪かったじゃんね。
ううん。
婿殿の人騒がせはいつものこんじゃん!まあ自分が年寄りだっちゅう事を忘れんで無理ょうしんこんずら。
おじさんくれぐれもお大事に。
おお悪かったじゃんな朝市。
いえ。
(小声で)はなちっと。
おじさん元気そうにしてるけんど…。
うん…。
お医者さんもくれぐれも無理させんようにって言ってたから。
何かあったらいつでも呼んでくりょう。
ありがとう朝市。
ほれじゃあ。
おかあ帰ろう。
(リン)ああ…ふんじゃあ。
こんなぜいたくな食事本当に久しぶりさあ。
吉太郎はどうしてるずらか…。
おまんらとこにゃあ連絡あったけ?はなどうかしただけ?兄やんきっと元気にやってるさ。
さあ冷めちもうから食べよう。
おとう。
てっ!ラジオがある。
(吉平の笑い声)
(吉平)ほりゃあラジオくれえあるさ。
おかあが大好きな歌謡曲を聴かしてやらっかと思って。
本当はおとうが欲しくて買ってきただよ。
はながまたラジオに出るじゃねえかって。
(吉平)はなラジオにいつ出るだ?
(かよ)お姉やんまたラジオ局から頼まれてるだよ。
(吉平)てっ!ほりゃあ楽しみじゃんねえ。
へえ〜。
(吉平とふじの笑い声)
(吉平)いつ出るだ?何の話ょうするだ?
(戸をたたく音)
(吉平)ん?
(ふじ)は〜い。
どちらさんですか?てっ…。
あ…兄やん。
兄やん…みんな心配してたんですよ。
ごきげんよう。
さようなら。
2014/09/18(木) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 花子とアン(148)「どんな朝でも美しい」[解][字][デ][再]

若い編集者・小泉(白石隼也)に『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の翻訳原稿を手渡した花子(吉高由里子)だが、出版社側から「日本では知名度が低い」と言われ…

詳細情報
番組内容
若い編集者・小泉(白石隼也)に、『アンクル・トムズ・ケビン』のほかに『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の翻訳原稿を手渡した花子(吉高由里子)。だが出版社から、日本では知名度が低いという理由で、『アン〜』の出版は断られてしまう。残念がる花子だが、英治(鈴木亮平)に励まされ、思いを新たにする。そんな折り、JOAKの黒沢(木村彰吾)から電話が入る。久しぶりにラジオに出演して欲しいとの依頼だった…
出演者
【出演】吉高由里子,高梨臨,伊原剛志,室井滋,賀来賢人,黒木華,窪田正孝,鈴木亮平,藤本隆宏,土屋太鳳,白石隼也,【語り】美輪明宏
原作・脚本
【原案】村岡恵理,【脚本】中園ミホ
音楽
【音楽】梶浦由記

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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