(すっちー・ナレーション)
今週の「よしもと新喜劇」は旅館を舞台に金融屋の内場に謎の人物末成が不思議な呪文をかけ大変なことに
ほかにもさまざまなキャラクターが登場し舞台を盛り上げます。
それでは「よしもと新喜劇」始まります!
(場内手拍子)
(太田)ええ景色やなぁ。
(まりこ)うわ〜。
ねえ。
なかなかいい景色の所やね。
ほんまやな。
ここに旅行に来てほんまによかったな。
あれ?そんなことよりあの二人どこ行ったん?うん。
ほんまや遅いよね。
なあ。
・
(音羽)ごめんごめん!ごめ〜ん!ごめんよ!
(太田)おいおいおいおい。
(ぢゃいこ)はぁはぁ…。
(太田)ちょっと待って。
「はぁはぁ」言うてるけど二人ともどこ行ってたん?綾子ちゃんが駅のトイレからなかなか出てこぉへんかったんや。
(太田)えっおなかでも壊したん?ううん。
お尻が便器に挟まって抜けへんかったの。
(太田)ええっ!?はまってたん?
(音羽)うん。
まあいつものことやもんな?
(太田)いつものことなの?そやねん。
(太田)気ぃつけや。
そんなことより今日泊まる旅館ここやから早速チェックインしよか。
(音羽)そうしよそうしよ。
(太田)すみませ〜ん!・
(安尾)は〜い!いらっしゃいませ。
ようこそいらっしゃいました。
どうもです。
(太田)いえいえ。
私ここの旅館の従業員で安尾といいますか?
(太田)いやいや聞かれても。
「安尾といいますか?」って「か」いらないでしょ。
「か」いらない?皆さんはご予約のお客様です。
そこは聞いてくださいよ「ご予約のお客様ですか?」って。
(安尾)ご予約のお客様ですか?
(太田)はい。
4名で予約してる太田です。
あら〜彼女かわいいですか?
(太田)いや聞くな!どういうことですか。
そうでもないなと思って。
(太田)なんてこと言うんですか。
(安尾)ブサイクやないですか。
(太田)はっきり言うた。
ちょっと!カバカバ。
(太田)カバ!?カバってどういうことですか!?
(まりこ)そうよ失礼よ。
綾子ちゃんのどこをどう見たらカバに見えんのよ。
どう見たって豚でしょ!
(ぢゃいこ)ちょっと!豚ってどういうことよ!?フォローしてあげたつもりやけど。
フォローになってないでしょ。
えっ?私のこと豚って言うんやったらまりちゃんなんてゴリラやないの。
(まりこ)あっ!いや何突いてくれてんのよ!しかもゴリラって何よ!
(ぢゃいこ)ゴリラでしょ!
(音羽)ちょっと…。
(まりこ)ゴリラちゃうわよ…。
んん〜。
(安尾)ゴリラになってますよちょっと!えっ?
(太田)あの…すみませんうちの彼女興奮するとゴリラに変身する体質なんですよ。
(安尾)どんな体質なんですか。
(太田)ちょっと…まりこちゃん。
どこ見てんの?あっうんこした。
投げるなちょっと!もうまりこちゃん恥ずかしい。
お尻かくなもう。
パンパンパン
(手をたたく音)
(太田)まりこちゃん元に戻って。
(安尾)人類の進化みたいになってますよ。
(太田)すみません。
(まりこ)何よ…。
もう〜あなた何させんのよ!
(安尾)勝手にやったんですよ。
ケンカの原因はなんですか?
(太田)いやあなたですよ。
あなたが怒らしてるんですよ。
おたくさっきから何なんですか?次男ですけど。
いやそういうことじゃないです。
「次男です」いうても痔じゃないですよ。
悪いのは「腸なんです」。
ややこしいなおい。
「次男」とか「腸なん」…。
もういいですわ。
あなたじゃ話になりませんから。
ほかに誰かおらんのかほんま。
(安尾)いますけども。
(太田)誰か誰か〜!・
(烏川)は〜い。
はいはい。
はい。
どうされました?
(太田)「どうされました?」じゃないですよ。
おたく従業員にどういう教育してるんですか?あの人がね彼女のことカバとか言うんですよ。
(烏川)カバ!?何も間違ったことは言ってませんが…。
(太田)あなたも!?あなたも失礼なこと言うんですか?当旅館のウエルカムジョークでございます。
(太田)いやうれしくないわ。
もうキャンセルしようぜこの旅館。
(烏川)いや少々お待ちください。
お食事の際何か一品サービスさしていただきますので。
(太田)それならいいですけど気ぃつけてくださいよ。
(烏川)申し訳ございません。
ではお部屋の方に。
(ぢゃいこ)ちょっと待ってください。
私おなかすいたしここでラーメン食べたい。
(音羽)そうしようか。
(烏川)うちが経営してるんで出来上がりましたらお部屋まで運びますんで。
お〜いお客さん到着されたよ。
・
(靖子)は〜い!
(烏川)では中の方へ。
(太田)ありがとうございます。
行こう行こう。
(音羽)楽しみやな。
(烏川)どうぞごゆっくり。
じゃあゆっくりさしてもらおう。
(烏川)お前とちゃう。
お前何してんねん。
お前なここへ来て3日目や。
なっ?3日間でどんだけ失敗した?次失敗したらクビにするぞ。
すんませんでした。
(烏川)お前はすんな。
何してんねんお前。
ラーメン作るの手伝え。
・
(あき恵)あんた〜!あんた!ほんまにもうどこ行ったんやろな?ほんまあの亭主はまったくもう…。
耕ちゃん信ちゃん。
ちょっとうちのとこの人知らん?
(烏川)池やんやったらまだ見てないけど。
(安尾)僕も見てないですよ。
(あき恵)ちょっと目を離した隙にうろちょろうろちょろ出ていくのよ。
まったく何考えてんのあのしょうもない亭主は!
(烏川)まあ…怒らんと。
(あき恵)腹立つのよ!もう…。
(場内拍手)
(池乃)・さよなら涙くん
(あき恵)えらいご機嫌さんやね。
(池乃)・また逢う日まで
(あき恵)何歌っとんねん。
(池乃)えっ?さよならくん。
(あき恵)「さよならくん」ちゃう。
何してんねん?えっ!?ちょっと人が目ぇ離した隙にうろちょろ出ていって!またパチンコ行ってたんやろ!?大当たりでございます。
(あき恵)何を言うてんのよ。
ほんま負けてばっかりいてんのに何考えてんのよ!すみませんすみません。
あの…勝ったり負けたりです。
勝ったり負けたり?はい。
店が勝ったり私が負けたり。
それ負けっぱなしや!あほちゃうか?ほんまに。
「負けっぱなしや!」って…あかんって。
言いたくもなるやろ!だから…。
いっこも仕事せぇへんやないか!だからねもったいないのよね。
(あき恵)何が!?きれいな人がそんな怖い顔して怒ったりしたら合わんのよ。
ねっ?美しい人はやっぱり常に笑顔をね。
そう?
(池乃)ほほ笑み。
あんた本気でそういうふうに思ってんの?当たり前やないかそんなもん。
そういうすてきな言葉を発するときはちゃんと顔を見て言ってちょうだい。
だからお前はきれいやで。
(あき恵)違う。
ちゃんと顔を見て。
きれいやで。
いやだから目線が違うでしょ。
私を見なさい。
おかしいでしょ。
違うとこ見てるじゃない。
私を見なさい。
目を合わせなさい。
きれいもう!きれいきれい。
(あき恵)なんで泣く必要あるの!
(池乃)もう「きれい」にしとこ。
(あき恵)何が「きれいにしとこ」やほんま。
もういい。
だんごの仕込みがあんねんからはよおいで。
ちょっと待てお前。
なっ?見てはんねん。
男の体面というもんがあんねん。
(あき恵)何言うてんねん。
えっ?亭主やいうこと忘れんな!亭主らしいこともせぇへんのに何を言うてんねん!よっしゃ。
ほんなら亭主らしいことやったろか?おう。
やってみぃや。
後悔するな!ああ〜!
(烏川)やられとるがな。
ありがとうございました。
(烏川)なんや?それ。
(あき恵)ついてこい!
(池乃)はい。
(烏川)手と足一緒やで。
ケンカしなやもう。
・
(靖子)あなた〜。
あなた。
(烏川)靖子。
(靖子)お客さんのラーメンまだかしら?
(烏川)ごめん。
今作ってるとこや。
(安尾)もうすぐ出来ます。
あっ姉ちゃん。
(靖子)展義。
(展義)姉ちゃんすまんけどな3万ほど金貸してくれや。
(靖子)またなの?こないだ5万貸したでしょ。
(展義)ええやんか。
(靖子)本当に毎日ぷらぷらして。
どうせまた競馬で負けたんでしょ。
ちょっと待ってくれや。
なんや?俺が毎日ぷらぷらして競馬に負けたってか。
なんで分かったんや?
(烏川)なんやそれ!認めたんや。
(展義)そのとおりや。
頼むわ冷たいこと言わんと…。
なっ?たった一人の弟やんか。
あきません。
頼むわきれいなお姉ちゃん。
分かったわ。
(烏川)いやこらこらこら!そんなすぐおだてに乗ってどうすんねんな。
(靖子)だめです。
(展義)お義兄さんお願いします。
(烏川)あかん。
(展義)お願い格好いい義兄さん。
3万か?
(安尾)大将も!だめですよキムタク。
持っていけ。
いやあかんあかんあかん。
あほかお前は。
(展義)頼むわ。
(烏川)あのなうちは今内場金融からの借金もあってそんな余裕なんかないねん。
(靖子)ねっ帰んなさい。
分かった。
3万が無理なら5万でええから。
(烏川)増えてるやないか。
(展義)こんだけ言うてもあかんか。
(烏川)あかん。
もうええわ!ええか?こうなったら死んだるからな!
(烏川)こらこら。
まっすぐ行ったら踏切があります。
(烏川)いらんこと言うなお前は。
大丈夫かな?
(靖子)大丈夫よ。
どうせ口先だけやからね。
(烏川)まあそれだったらええけど。
(靖子)自分の弟なのに情けないわもう。
でもね大将。
さっき内場金融から借金がある言うてましたけどあの有名な悪徳金融会社でしょ?なんでも骨の髄まで吸い取られるってうわさですよ。
なんでそんなとこから借金したんすか?連帯保証人になってしもうてなその人が失踪してしもうたから借金がうちへ回ってきたんや。
大学の先輩やってんけどなあのとききっちり断るべきやったな。
なるほどねぇ。
それで大将は金正恩そっくりなんですね。
なんの話やお前。
俺の会話の中に金正恩出てきた?バスケット好きですもんね。
興味ない。
返す当てとかあるんですか?まあ今んとこは大丈夫や。
(靖子)あっそうや。
そろそろ内場金融の人が来る頃じゃない?
(烏川)そうやな。
(靖子)例のこと安尾さんに話しとかんと。
(安尾)例のこと?
(烏川)実はな…。
すみません。
ラーメンまだですかね?
(靖子)すみません!
(烏川)すぐにすぐに…。
(音羽)お願いします。
(烏川)安尾中でな続きを話するからお前運ぶの手伝え。
はいはいはい。
ちゃっちゃと運べよ。
(烏川)いやお前が運ぶねん。
おいこら!おい!何してんのお前。
ああ〜。
おい中田どこや?兄貴待ってください。
おっとっとっ…。
危なぁ〜。
もうちょっとでこけるとこだったわ。
こけとったがな今思いっ切り。
何しょうもないこと言っとんねん。
でどこや?
(中田)この店です。
(けんじ)社長お呼びせぇ。
(中田)へい。
社長社長!
(けんじ)いやなんで2個してはんの?しゃ…社長?なんのために?
(内場)いやこれ2個いっぺんに買うたんや。
(けんじ)はあ。
でどっちはめようかな思うて…どっちもはめたいしと思って。
(けんじ)いやいやだからって2個はおかしいでしょ。
いやもう我慢できんかったんや。
(けんじ)日分けてください。
分かった分かった。
どこや?
(けんじ)これが池乃の店です。
ああ〜よし。
呼べ。
(けんじ)へい。
池乃いてるか〜?・
(池乃)はいは〜い。
どちらさまですか?うそつけこらぁおい。
急におかしいやろこらおっさん。
こっち来い。
いやなんちゅう顔してんねんほんまに。
こっち来いこら。
(池乃)よう見えんのでございます。
(けんじ)さっきまで開いとったやないか目も。
あんたらおかしいわ。
はっ?ここへ来ないという約束でしょ。
何を言うとんねん。
あのねうちの嫁はんにねあんたたちに借金してることがバレたらどえらいことになるんですよ。
帰ってください。
ねっ。
そんなん言うてる場合かおい。
池乃はんもうね返済期日はとうに過ぎてまんねんで。
今日こそ返してもらいまっせ。
いや〜もうちょっと…。
待たれへんな。
ほなその嫁はん俺らの知ってるいかがわしい店でちょっと働いてもらおうか。
嫁はんはちょっと…。
しゃあないやないか。
かわいい嫁はんに働いてもらわな金返してもらわれへんねんからな。
けど…。
嫁はん出せ!
(あき恵)もうあんたまたうろうろしてるん!?これが嫁はんか?
(池乃)そう。
(中田・けんじ・内場)ブッサイクやな〜!せやから顔見られんの嫌やったんや。
ちょっと待ておい。
ほな嫁はん店で働かされるのが嫌とかじゃないの?そんなんかまいまへん。
いや嫁はんを見られるのが嫌なん?それがもう死ぬよりつらい。
はははっ。
(あき恵)あんたどういうこっちゃ。
何を考えてんの!一体誰や!?この人ら。
内場金融の内場っちゅう者ですわ。
(あき恵)えっ?ご主人がねお金借りて返しはりませんねん。
ほんで取り立てに来ましてんや。
あんたって人は何を考えてんのよ!そんなことはどうでもよろしいわ。
さあ返してもらいまひょか30万。
(あき恵)えっ?
(池乃)ちょっと待っておくんなはれ。
借りたん3万でっせ。
僅か1か月足らずで30万ってそれむちゃくちゃでっせ。
やかましいわい!それ承知で借りたんちゃうんかい。
返してもらうで。
(池乃)あき恵出してくれ。
(あき恵)嫌!本人もこう言うとりますから。
本人お前やないか。
ひと事みたいに…。
よう言うなぁおい。
ないんやったらしゃあないな。
事務所へ連れていけ。
(中田・けんじ)へい。
行くぞ。
嫁はん連れていくなよ!どういうことやの!
(けんじ)近づくな。
どっか行け。
おい行くど。
(池乃)嫌や!動けへんぞここを。
(けんじ)ほう〜。
よいしょ。
(あき恵)ちょ…ちょっと待って。
分かりました分かりました。
お金払いますからうちのとこの人連れていくのやめてちょうだい!なんやあるんやないですか。
(池乃)すんまへん。
あんねやったらすっと出してくれたらええのに。
これ仕入れのために残してた大切なお金なんよ。
(池乃)すまん。
(あき恵)ほんまにもう!30万あります。
そうでっか。
おおきにおおきに。
おい借用書。
(けんじ)へい。
ほなこれや。
また金に困ったらいつでも来なはれや。
はい。
(あき恵)何が「はい」や。
何をハイカラに返事してんねんあんたは。
もうあかん!帰ってお仕置きや。
ああ〜堪忍や堪忍!物置に入れんのやめて。
(あき恵)そんなとこ入れへんわ。
牛乳瓶の中に入れたんねん。
ああ〜!おいおい…いっぺん見てみたいな。
(けんじ)ほんまですね。
いや〜ここはオッケーやとして次は花月旅館やな。
ちょっと行ってこい。
(中田)へい。
おい誰かいてるか?・
(烏川)は〜い。
(中田)おい。
(烏川)あっ内場さんどうも。
あっ烏川さん。
はい。
今日は返してもらえまんねやろな?はい。
少々お待ちください。
姉ちゃん内場金融さん来はった。
・
(靖子)は〜い!はいはい。
あらまあ内場さん。
靖子ちゃ〜ん!
(靖子)ふふふっ。
こんにちは。
こんにちは〜。
あの〜内場さん。
ほんとに申し訳ないんですけど…。
何〜?今月うち売り上げが少なくて…。
あれ〜?それでちょっと返済の方が厳しいんですよ。
厳しいの〜?それで今月2万じゃだめでしょうか?もう〜靖子さんのお願いやったら聞かなしゃあないな。
もう1000円でよかったのに。
(けんじ)あきませんあきません。
ほんとに内場さんって優しくてすてきな方ですよね。
あぁ〜んすてきやって!
(けんじ)喜び過ぎでしょ社長。
大将大将。
聞いてたとおりあの社長靖子さんにべたぼれですね。
せやろ?そやから俺ら夫婦じゃなくて姉弟やいうことにしといてくれよ。
(安尾)分かりました。
靖子さん。
今夜食事でもいかがですかね?ああ〜今夜はちょっと…。
あっ急すぎましたね。
ええ。
明日の夜はいかがですかね?明日もちょっと…。
じゃああさって。
あさってもちょっと…。
じゃあしあさっては?しあさってもちょっと…。
いつだったら空いてるんですかね?50年後。
死んでまうわ。
50年後は自信ないですちょっと…。
あの〜ひょっとして一緒に食事に行くの嫌なんですか?はい。
「はい」!?「はい」!?
(烏川)そんなわけないでしょ!社長に誘われてうれしいに決まってますやん。
そうですよねぇ奥さん。
(烏川)おいおいおい!「奥さん」!?「奥さん」!?
(烏川)いえいえ。
「奥の人3点やな」って。
誰が3点やねん。
点あるだけええやないか。
(中田)どういう意味です?それ。
(靖子)今月はちょっと時間がないのでまたよろしくお願いします。
ほな楽しみにしてます。
姉ちゃんやっぱり金貸してくれ。
お義兄さんも頼むわ。
俺姉ちゃん夫婦しか頼る人おれへんねん。
姉ちゃん夫婦とか言うたら靖子さんがほんまは大将と結婚してるのに社長の前だけ独身のふりしてるのバレるでしょ!靖子さん結婚してんのかい!?ほらバレた〜!お前が言うたんや!おいなんや?どういうことや?だましとったんかい今まで。
姉弟言うとったんちゃうんか?夫婦かい!?
(靖子)すみません!なんじゃ!?ええかげんにせぇよ!よう見たら大したことないやんこの女な!しょうもない!結構ええ年いっとるぞこれ。
(けんじ)ええ年ですか?そうや。
30代…30代は違う。
40オーバーぐらいやなこれは。
なんやうそつき女!お前みたいな女いらんわ!こっちから願い下げや!ぶくぶくぶくぶく肥えやがって。
へその位置分かるし唇とんがってどっから見ても金正恩やんけ!それ俺やないですか!俺です。
もうどっちでもええわ。
夫婦やろ。
ああ〜ほなもうな待ってられへんわ。
今日こそ200万耳そろえて返してもらおうか。
(烏川)200万ってそんなん急に無理ですよ。
やかましいわこらお前。
お前が連帯保証人になるから悪いんやろがい!ないのか?ないんやったらしゃあないな。
金めのもん持ってこい。
(けんじ)どこにあんねや?
(烏川)ちょっと待ってください3点さん。
(中田)誰が3点さんや。
(展義)ちょっとちょっと…。
金めのもんって鍋とかやかんやめてください。
意味ちゃうわあほ。
ちゃっちゃとせぇよ〜!人のことだましやがって…。
ごめんやしておくれやしてごめんやっしぃ〜!あかん…。
ああ〜おなかがすいた…。
あかん…あぁ〜。
あっ…もしもし。
えらいすんませんちょっと起こしてくれませんか?自分で起きたらええやないか。
いやもうあんた…力がのうて起きることができへんのですわ。
お願いしますちょっと助けてください。
もう〜。
(由美)あぁ…えらいすんません。
ありがとうございます。
ちょっと待ってちょっと待って。
危なっ!何すんねんお前!ちぇっ。
「ちぇっ」!?「ちぇっ」やあれへんがな!チュウしようとしたやろお前。
はい。
「はい」やあれへんよ。
あらっおたく内場金融の社長さん違いますか?おうそうや。
よかった。
私ねお金がなくてここ数日ご飯もなんにも食べてやしませんねん。
お願いですからお金貸していただけませんか?あんた働いてへんねやろ?返す当てのないやつに貸すわけにいかんな。
えっそんなこと言わんと…。
お金を貸してくれたらそれ相当のあなたにとって値打ちのあるもんを差し上げます。
俺にとって値打ちのあるもん?それなんや?私の体です。
いらんわあほ!担保にどうですか?いらんいらんそんなもん!湯たんぽにもならんわほんま。
湯たんぽ…。
おもしろいことおっしゃいます。
「おもしろいこと」やあらへんがな。
(由美)いいお仕事しますよ。
知らんそんなん!そんなん知らん。
危なっ!
(由美)おっと。
ちょっと…。
もうええ…。
ええから!危ない…。
(場内笑い)来んなって!来んな来んな。
ううぅ〜〜!
(由美)ああ〜!あっあっあっ…。
はい!てやっ!ううぅ〜〜!あっあっあっ…あぁ〜…。
(2人)うわぁ〜!乗らしなさんなあんた。
やってる場合か。
お願いですからお金貸しておくんなはれ。
しつこいなぁもう向こう行け。
ちょっと…痛っ。
ちょっと…あ痛っ。
そうでっか。
こんだけ頼んでも貸さんっちゅうんですか。
貸さんよ。
この…この罰当たりが!なんや?なんとでも言え。
ええか?これからおまはんの身がたくさんの不幸に見舞われる。
分かってるか?何を言うとんねん。
ええかげんなこと言うな!身をもって体験したらよろしいわ。
ええか?ラッハ〜ン。
意味分かれへん。
なんやねん?ラッハ〜ンって。
なんや?えらい曇ってきたな。
なんや?ゴロゴロゴロ…
(雷鳴)雷や。
ビリッ…
(雷が落ちた音)あっ!うっ…。
あっあぁ…。
さてどの辺りに捨てようかな?誰をやねん。
誰を捨てるつもりやほんまに。
起きとったんかい。
起きてるわよ!あんたがうろちょろせんようにへばりついてんねやないの。
大丈夫や大丈夫。
ちょっと…ちょっと待て誰か寝てはる。
(あき恵)寝てんの違うでしょ。
これ倒れてるんでしょ。
ちょっと!おたく大丈夫!?しっかりしてちょうだい!どうしたの?うわぁ〜〜!!気ぃ悪いわ。
なあ?うわぁ〜!!あぁ…。
あぁ〜…。
(あき恵)嫁や!
(池乃)あぁ…。
(あき恵)まだやっとんのかい。
(池乃)とりあえず気つけのお酒。
(あき恵)はよ持っといで。
・
(けんじ)これもろうていくぞ。
・
(靖子)待ってください!
(けんじ)ちょっと社長どうしたんすか!?お前何したんやこれ!
(あき恵)私何もしてないわよ。
倒れてたから介抱してたんやない。
(けんじ)社長大丈夫ですか!?あっ…。
(池乃)あの〜気つけのお酒を。
ああおおきに。
すんまへん。
(池乃)あっこれ酢や。
ぶぅ〜〜!びっくりした。
まともやないのちょっと!何してくれんねんほんまにもう。
(けんじ)社長。
どうしはったんですか?いやなんか変なばあさん来てな「ラッハ〜ン」いうて。
(けんじ)「ラッハ〜ン」?雷が鳴って俺雷に打たれたんや。
(けんじ)はあ?で倒れとったんや。
(けんじ)雷の音聞こえてません。
(中田)そうですよ。
それに雷に打たれてそんな平気なわけないでしょ。
それもそうやな。
今日はちょっとなんか体調おかしいわ。
引き揚げるぞ。
・
(オクレ)ちょっと待った。
誰や?こんにちは〜…。
なんや?
(オクレ)ふふふふふっ。
あの…何病棟の方ですか?あほ。
病人と違う。
抜け出してきたんちゃうのか?
(オクレ)お前内場勝則やな?おうそうや。
なんや呼び捨てに。
あんたにはな貸す金はないぞ。
(オクレ)お金借りに来たんと違うわ。
なんでやねん。
見るからに10日ほど飯食うてへんやろ。
ははっ。
ちゃんと2日前食べましたわ。
毎日食べぇや。
お金がないも〜ん。
ふふふっ。
(けんじ)えっ?余裕あるやないか。
(オクレ)わしを誰やと思うとんねん。
誰や?大阪府警の刑事の岡田や。
年金手帳や!1回2回3回…そない見んでも。
(オクレ)間違うたんじゃ。
大阪府警の刑事の岡田や。
同じく大阪府警のいちじまだ!
(いちじまだいきのモノマネ)刑事が…。
(けんじ)まねしなくていい!普通に。
刑事がなんの用やねん。
(オクレ)お前に逮捕状が出てんねや。
はあ!?
(いちじま)内場勝則貸金業法違反出資法違反の容疑で逮捕する!
(オクレ)おい逮捕や。
くっそ〜捕まってたまるか。
あっ裸の女。
(オクレ)えっどこに?こら!
(いちじま)待て!・うわっ!ちょっと…。
(オクレ)逃げるなこらぁ。
放せやしつこい。
放せ!あっ裸の女。
(オクレ)わあ〜!
(いちじま)待て!・痛い…。
(オクレ)ふふふっ逃げるな。
あっ裸の女。
(オクレ)いやぁ〜…。
(いちじま)待て!
(烏川)はあ?・
(オクレ)ふふふふっ。
くっそ〜。
(オクレ)刑事さんすみませんでした。
なんでやねん。
あほ〜。
あんたや。
(池乃)ほう〜太平洋戦争勃発。
(烏川)いつのやこれ!うそつけうそを。
書いてへんやろ?そんなことも昔読んだことがあるなと思ってな。
(安尾・靖子)えっ?
(安尾)「読んだことある」…。
(池乃)いや聞いたことが…あっおいおいおい!「闇金業者摘発される」。
へえ〜捕まったんやなかわいそうに。
そういうたら内場金融の社長どないしとんの?うわさではねなんとか執行猶予は付いたらしいけど多額の罰金を払わされて株で大損して脱税がバレて会社倒産して自己破産して3か月前から失踪中らしいですよ。
(池乃)踏んだり蹴ったりやな。
まあそやけどいうても自業自得やからな。
まあざまぁみぃという感じやな。
(安尾・池乃)ははははっ。
にゃははははっ!
(烏川)なんやそれ。
笑い過ぎやぞそれ。
(靖子)そうですよ。
いくら悪いやつでも人の不幸を笑うもんじゃないですよ。
あっねえそれはそうとうちの借金どうなったんやろ?ああ〜それはまあ内場金融が廃業になった時点でチャラちゃうか?
(靖子)それだったらいいけどね。
・
(井上)待て〜!
(烏川)ん?なんや?・
(井上)待て!こら待て!
(烏川)えっ?捕まえて。
(烏川)捕まえんの?あれ?
(池乃)内場金融の社長や。
(烏川)ちょっと井上さん。
この人何したん?なんかしよったんや。
(烏川)「なんかしよったんや」?「なんかしよった」で捕まえへんやろ。
何したん?追ってるうちになんで追ってんのか分からんようになってしもうた。
はあ!?なんやったかいな思うてな。
捕まえようがあれへんがな。
ちょっと待ってな。
あれ?あれ?ちょっと…あれ?なんで追っかけたんやろなこれ。
あそこであれああなって…。
うんうんうん。
ほんで…おおっ。
ああ…ああ〜!ははははっ。
あっちゃうわちゃうわ。
(烏川)ちゃうんかい。
えっ?あら?あかんあかんあかん。
あかん頭ん中真っ白なってきたわ。
うわ〜はははっ。
こら傑作じゃ。
ははははっ。
あぁ〜あ…あぁ〜。
寝んな。
バシン
(井上)さんずの川や〜。
(烏川)渡ったらあかん。
死んでまうよ。
(池乃)向こうの方が遠浅や。
(烏川)こらこらこら!死んでまう言うてんのに。
ようショック与えてくれた。
ありがとう。
いや〜こいつなうちの店のパン盗んで逃げよったんや。
(烏川)パン?おい人聞き悪いな。
誰が盗んだんや。
証拠あんのかい!
(井上)なんで逃げたんや?追いかけてきたから逃げただけやないかい。
(井上)盗ったに間違いないわい。
どこにあんねん!ほんなら調べたらええやないかい。
ポケットなんか穴開いとんねん。
隠すとこあれへんねやこれ。
あれへんやん。
ほらないない。
ないやないかい。
(井上)あっちょっと待て。
ズボンのな左の後ろのポケット。
ここか?
(井上)そこやろ。
ここにあるっちゅうんやな?パン。
(井上)そこにあるやろ?ここに隠してある言うねんな?ここやな?どうしても?どうしても。
変えんねやったら今やで。
(井上)変えへん。
ファイナルアンサー?ファイナルアンサー。
正解!
(烏川)なんやねん!
(井上)やっぱり盗ってたやないか。
警察へ言うてくれ警察へ。
警察だけは堪忍しておくんなはれすんまへん。
(井上)何言うてんねんパン1個でもな泥棒は泥棒やぞ。
分かってますすみません。
(靖子)井上さん待ってください。
パンのお金私が払いますから許してあげてください。
(井上)そらどなたからお金もろうても一緒やけどね。
(靖子)おいくらですか?
(井上)200円。
(靖子)200円ね。
いや…あんたあの〜。
(井上)おいお前靖子ちゃんに感謝せぇよ。
ほんまにろくでもないやっちゃわこいつはほんまにもう〜。
あっそうや大事なこと言うの忘れとったわ。
ふふっ。
おじゃましまんにゃわ〜。
(烏川)今頃かいな!帰る?どうもこんにちハァ!
(烏川)なんやねん。
「こんにちは」ですよ。
(由美)分かってますがな。
あっ!あんた!
(由美)はっ?あんた…やっと見つけたあんたのせいやろ!これ…こんな目に遭うたんやぞ。
元に戻せ元に。
(烏川)なんやねん?いきなり。
いや〜あの魔女がな変な呪文唱えて…ほんで雷落としてほんで俺受けた…ほんで捕まってほんならパン盗ってさんずの川や言うて…。
(烏川)最後あの人の話やがな。
訳分からんがな。
(池乃)あんた意味分からんよ言うてること。
この人はねうちの真面目な店員さんやから。
はい。
どうもはじめまして。
末成由美と申します。
あんた店員かい。
(由美)おたくさんは?えっ俺のことほんまに知らんの?
(由美)はい初対面ですけど。
ええ〜!
(烏川)この人内場金融の内場さんっていうんやけど会社倒産してしもうたんや。
(由美)あらまあお気の毒に。
はぁ〜…すまんかったな。
勘違いやったわ。
(由美)いやいやいいんですよ。
旦那さん両替してきました。
お金奥さんに渡しときますわ。
ああ〜ご苦労さん。
あっじゃあ失礼します。
(烏川)いやケツケツ!ケツケツ!
(池乃)ほなわしも店帰るわ。
(烏川)うん。
(池乃)あっあんたもう〜そんなパン盗むやなんてそんなチンケなことしたらあかん。
これからはやっぱり振り込め詐欺。
なっ?
(烏川)余計あかんがな!何を言うてんねんほんまに。
ご迷惑かけました。
すんまへん。
(靖子)はい。
ほな。
はぁ…。
(安尾)あれ?ちょっと…危ない危ないちょっとちょっと…。
(烏川)おいよけるな。
お前何しに前へ出たんや?
(靖子)ちょっと大丈夫ですか?大丈夫?しっかりして。
あっ大丈夫…大丈夫です。
グゥ〜〜
(おなかの音)
(靖子)おなかがすいてるんですね。
あっそこ座ってください。
ねっ?いやいいですいいです…。
(靖子)あなたなんか作ったげて。
(烏川)ああ〜分かった。
じゃあ今からラーメン作るからちょっと待って。
いや…ああ〜いやそんな申し訳ないです。
お待たせしました。
(安尾・内場)早っ!早っ!
(烏川)うちは早い早い早いです。
(安尾)早いだけじゃないですか。
いやあの〜よろしいんか?
(烏川)ええ。
おたくら俺のこと恨んでんのちゃいまんの?
(靖子)そりゃあ前の話でしょう?目の前で困ってはるのにほっとけませんよ。
どうぞ食べてください。
ねっ。
うっ…うう…。
何を笑うてはるんですか?泣いとんねん。
泣いとんねん。
おもしろいとこないやろ?
(安尾)泣いてはる…。
こんな親切にしてもろうたん久しぶりですわ。
みんなね倒産してから手のひら返したみたいに冷たくなって社員までおらんようになって誰も俺の味方なんかいてへん…。
(靖子)泣くのは後にして。
ラーメンのびますから。
ねっ食べてください。
じゃあ遠慮なく頂きます。
ありがとうございます。
こんなあったかいもん久しぶりですわ。
ああ〜。
うん。
おぇっ!
(烏川)えっ?ちょっとあんた…。
うう〜!!
(烏川)かきこむからそういうことなんねんもう〜。
内場さん。
ちょっとお水お水…。
(安尾)ちょっと…。
うう〜!おぇっ!
(烏川)大丈夫かいな?あかん…。
(安尾)どうしましょ…。
うぇっ!うわ〜〜!うまい!!
(烏川)うまいんかい!ええっ?しばらくここで雇ってもらえませんかね?いや厚かましい願いやと思いますけど自分の食べた分だけでも働いて返したいんです。
なんでもします。
(安尾)まず風呂掃除からや。
(烏川)お前が言うな。
大将ありがとうございます。
(烏川)いや違うよ。
大将俺やから。
あっ大将お願いします。
(烏川)いや〜でもなぁ…。
ええやないの。
ほら今日は団体さんも入ってるし手伝ってもらいましょうよ。
ねえあなた。
そうしましょうあなた。
(烏川)いや誰やねん。
女将さん。
(烏川)いや違うってだから。
こっちやから。
こっち…ああ〜女将さん。
(烏川)もう〜分かった。
じゃあ働いてもらおか。
ありがとうございます。
頑張って働きます。
お金もなさそうやししっかり働いてくれたら時給も出すから。
いやっお金なんかいらないです。
あの〜働けたらいいんです。
そういうわけにはいかんがな。
大金は払われへんで。
そんないくらでもいいんですよ。
金額やないんです働きたいんですよ。
時給600円。
ちぇっ!
(烏川)おい待てお前!今「ちぇっ!」言うたやろ。
「やっちぇ」ってこう…。
(烏川)なんや?「やっちぇ」って。
「やった」の最上級で「やっちぇ」っと。
(烏川)そんなん聞いたことないわ。
いやありがとうございます。
光栄でございます。
あの〜接客の経験とかあります?学生時代からアルバイトとかいろいろやってましたから接客は任してください。
はい。
その格好はちょっとあれやね。
あっそうですね。
(烏川)中にエプロンあるから上着脱いで…。
分かりました!じゃああの…。
(烏川)それ着けて。
すみません。
(安尾・烏川)いらっしゃいませ。
(啓之)いけます?
(安尾・烏川)どうぞどうぞ。
あの〜大将。
早速私が接客を…。
(烏川)ああ〜じゃあ頼むわ。
いらっしゃいませ。
いや〜爽やかですね。
(啓之)ああ〜そうですか?モデルさんですか?いやいや違いますけど。
ええ〜!?びっくりしたモデルさんかなと思った。
雑誌とか載ってません?
(啓之)いや載ってないですけどね。
格好いいな〜。
モテるでしょ?
(啓之)いやそんなことないです。
モテるでしょ女の人ほっとかないですよ。
(啓之)そうですか?いや〜さらさらヘアーやし。
いや癖毛ですけどね僕。
えっそうですか?格好いい髪型じゃないですか。
(啓之)あっそうですか?ええ。
くっきりとした二重まぶたで。
いや…一重なんですけど僕。
こんな顔に生まれたかったなぁ。
(啓之)あっそうですか?格好よすぎますよ。
(啓之)いやうれしいなぁ。
ありがとうございます。
じゃああの〜何しましょか?
(啓之)じゃあ塩ラーメン下さい。
塩ラーメン…はいお一つ。
あっちょっと待ってください。
やっぱり味噌にしよっかな。
味噌ですかやっぱりねあったまりますからね味噌はね。
(啓之)醤油も捨てがたいしなぁ。
醤油は基本ですからね。
(啓之)チャーシューメンもおいしそうやな。
醤油にチャーシューバッと入れましょうか?でもネギラーメンもええなぁ。
ネギもおいしいですね食感が。
(啓之)やっぱり味噌かな。
味噌はね捨てがたい。
(啓之)う〜んでも醤油やな。
醤油もおいしいですから。
(啓之)やっぱりチャーシュー…。
はよせぇやお前。
(啓之)痛ぁ〜!!はよ決めろあれしよこれしよ言いやがって。
お前優柔不断や。
そやから女にモテへんねん。
なんやと?おい。
絶対モテへんわ。
おもんないやろお前は。
なんやねんその言い方!でこ狭っ!
(啓之)やかましいわおい!でこ狭っ!でこ狭くないわ別に。
でこ狭いわ!このぐらいあれば普通4本ぐらいで汗拭くねん汗かいたら。
お前2本で拭けるわ。
拭けるかそんなもん。
拭けるわ2本で十分や。
拭けへんわそんなん。
2本でいけるいける…。
拭けへん拭けへん。
拭いてみぃ拭いてみぃ。
はい拭けた。
やかましいわおい!腹立つお前それが客に対する態度か!?それが従業員に対する態度か!?まねして言うなほんま。
まねして言うなお前は。
腹立つなぁ。
もう帰るわ!帰れお前は。
二度と来るかあほ!二度と来るなブサイク!お前女にモテへんやろぼけ!あんた接客やったことないな。
(烏川)こっちのセリフや!
(あき恵)ふ〜んそう。
いや〜でもまさかねあの内場さんが耕ちゃんのとこの旅館で働きはじめるやなんてねぇ。
(靖子)まあねぇ最初は慣れへん仕事で失敗も多かったんですけどね。
でもまあ今では真面目に働いてくれて結構頼りになるんですよ。
(あき恵)そう。
そうですよ僕の3倍働きますよ。
(烏川)お前が言うな!お前のことや。
もっと働けお前。
・大将!大将。
(烏川)ああ〜おかえり。
遅くなりましたすみません。
あの〜夜の食材買っときました。
(烏川)あっご苦労さん。
あっそれからトイレの電球がちょっと切れかけてたんで予備買うときました。
気ぃ利くねぇ。
いえいえ…。
あっ靖子さんあの〜たんすの引き出し開けたらパンツ破れてたんで買うときました。
(烏川)おい待てお前!ボロボロやったんで。
(烏川)ボロボロ…。
お前…なんや?これ。
あの〜同じやつがあったんで。
(烏川)うそつけ!お前。
それ破れてたらもうひもしか残ってないですけど。
あのなぁ嫁のたんすを勝手に開けるな。
いやあの〜タオルをしまおうと思って間違ったんです。
ほんまか?お前。
(あき恵)もう〜耕ちゃんそんなやいやいやいやい言うたげなさんな。
確かにちょっとやり過ぎのとこはあるけどみんなのためによかれと思ってやってる気遣いやないの。
ねえ?ああ〜ほんまほんま。
いやいやほんとに感心やね。
あなたここへ来てからもう人間的にひと回りもふた回りも大きくなったな。
いやいやそんなもう〜。
(池乃)いやいやいやいやもう教えることは何もない。
すぐに香港へ行け。
香港へ行って鉄道会社のヨウという男に会うんじゃ。
何かが開ける。
会うてなんて言うたらええんですか?よう!シャレかいな。
シャレやないですか。
(あき恵)しょうもないこと言うな。
じゃますんで〜。
邪魔すんねやったら帰って。
はいよ〜。
ってなんでや?こらおい!用があるから来とんねん。
(安尾)「ヨウ」?鉄道会社の方?
(けんじ)いや違うわ!
(烏川)ヨウさん…。
(けんじ)誰や?それ。
(烏川)あっいやすみません。
あっ清水に中田やないか。
(けんじ)あら社長今ここで働いてるんすか?ああ〜いやまあ…。
(けんじ)あの内場金融の社長が今は旅館の従業員とはこらええなぁ。
(2人)ははははっ。
(靖子)ちょっと別に笑うことと違うでしょう。
何しに来たのよ!
(けんじ)あんたらに用があって来たんじゃい。
(烏川)えっ?実はなあんたの借金がうちの吉本金融に債権譲渡されてな。
そやからその借金を取り立てに来たっちゅうわけや。
(烏川)ちょっと待ってくれよ。
内場金融が廃業になった時点でチャラちゃうんか?
(けんじ)そんなわけないやろ!吉本金融のお前らがなんで取り立てんねん?俺らはな吉本金融に再就職したんや。
そういうこっちゃ。
そやから借金の300万耳そろえて返してもらおか。
(烏川)待ってくれよ。
借金200万だったやろ。
(けんじ)借金に利息が付くのは当然やろ。
はよ払えやこらぁ!
(烏川)そんないきなり来て300万なんかあるかいな。
(けんじ)払われへん言うんかい。
(烏川)無理ですよ。
(けんじ)しゃあない。
おい中田。
払いたくなるようにしたれや。
へい。
おい払わんかったら痛い目みるぞ。
(烏川)勘弁してくださいよ。
俺はこう見えても空手の達人や。
(烏川)えっ?必殺の後ろ回し蹴り受けてみぃ!おりゃ!びびったやろ。
今度はほんまに当てるで。
しかも連続じゃ!おりゃ!おりゃ!おりゃ!なんやもうふらふらやないかい。
(烏川)あんたやそれ!あんたでしょうが。
(中田)んん…。
やるだけのことはやりました。
どこがやあほお前は!ふざけやがって。
下がっとれほんま!さっさと金を払え言うとんねん!おおっ!?
(安尾)待たんかいこらぁ!
(けんじ)なんじゃい!?あとで掛け直す。
(けんじ)電話かいこらぁおい!ちょっとこらぁおい!お前ようこの状況で電話出れたな?ブルブルブルってなって…。
(けんじ)我慢せぇよこの状況やねんから。
スマホにしたいんですけど。
(けんじ)いや知らん!携帯ショップ行ってこい。
ええから金払え言うとんねんこらぁ!
(池乃)おい。
それぐらいにしとけ。
(あき恵)ちょっとあんたやめとき。
(けんじ)なんじゃ?おっさん。
(池乃)心配すんな大丈夫や。
なっ。
おとなしくしてるうちに黙って帰った方がお前らのためや。
(けんじ)偉そうに言うなこらぁ。
(池乃)やんのか?
(けんじ)やったろうやないかい。
(池乃)もったいないなぁ。
ええ味してる若い衆もろともいてまうぞ。
(けんじ)できるもんならやってみろや。
こう見えても若い頃は手が付けられんほどのワルでな。
(けんじ)えっ?
(池乃)人間も3人ほどあの世へ送っとる。
(けんじ)お前3人も殺したんか?みんな病気で死によった。
(けんじ)なんやそれおい!お前それ単に葬式で見送っただけやろ!ノー。
お通夜で送った。
(けんじ)どっちゃでもええ細かいとこは。
(池乃)俺のパンチは強烈やで。
(けんじ)やってみろやこらぁ。
おっ?こいよこらぁ。
おりゃ!こっちかい。
こらぁほんまに!だまされる思うたんかこらぁおっさん。
しょうもないこと言いやがって。
かかってこいこらぁほんま!
(池乃)もう一軒飲みに行こう。
(烏川)なんで酔っ払うねん!何してんねん。
(けんじ)なんやこのおっさん。
ちょっと待ってくれ。
今旅館でお世話になっとんねや。
俺の顔に免じてもうちょっとだけ待ってくれへんかな?知るかいそんなもん。
もう社長でもなんでもないあんたの言うことなんか聞くわけないやろがい。
だいたい金貸したやつから根こそぎ取れいうて俺らに教えたんあんたやど!そういうことや。
今までさんざん安い給料でこき使いやがって。
誰がお前の言うことなんか聞くかい!そこをなんとか今日だけでも…。
(けんじ)ええから邪魔すんな。
引っ込んどれおらぁおい!
(中田)おらぁ!
(安尾)おらぁおらぁおらぁ!
(池乃)おい!
(安尾)すみません!えっ?なんで!?安い給料でこき使われたから。
それ旅館やんか!知らんよ。
ここに30万あります。
今日はこれで帰ってください。
(けんじ)あほかお前。
こんな金で帰れるわけないやろが。
金が払われへんねやったらなそこにおるお前の嫁連れてこか。
(烏川)嫁は勘弁してください!
(けんじ)ほな旅館の権利書出せ。
(烏川)それは…。
ええから出せ言うとんねん。
(靖子)あっあっ…。
これで横っ腹突き刺すど!おおっ!?
(烏川)分かった。
靖子。
(安尾)待ってください。
権利書はここです。
(烏川)なんでやねん!なんでお前が持ってんねん?いざとなったらこれ売ったろかなと思って。
(烏川)あほかお前。
(けんじ)よっしゃ。
権利書もろうていこか。
行こか。
ちょっと待ってくれ。
権利書だけは返してくれ。
それなかったら商売できひん…。
邪魔をするな!グサッ!
(ナイフで刺す音)
(靖子・あき恵)きゃあ〜!
(安尾)内場さん!
(靖子)内場さん!
(けんじ)刺すつもりなかったんや。
(中田)兄貴やばいですよ逃げましょ。
あっ…ああ〜!
(あき恵)内場さん。
(靖子)救急車…救急車呼んで!
(池乃)内場さん!
(あき恵・靖子)内場さん!死んだんか?
(あき恵)何言うてんのあんた。
のんきなこと言うてる場合違うやろ!ん…あぁ…。
(靖子)息があるわ。
大丈夫よ。
内場さんしっかりして。
あぁ…はぁ…。
皆さんすんませんでした。
俺はあんたらと出会うてほんま幸せでした。
あぁ…。
俺ね金さえあったらなんでもできるこの世で金がいちばんやと思ってましたんや。
けど靖子さんらと会うて金よりもっともっと大事なもんがあるっちゅうのを教えてもらいました。
それだけでも感謝です。
ありがとうございました…。
うぅ…。
(靖子)ちょっと…。
(池乃)内場さん…。
(靖子)内場さん!
(あき恵・池乃・安尾)内場さん!救急車すぐ来るって…。
内場さんは?
(靖子)あっ…。
(烏川)そんなあほな…。
あっあの…。
(烏川)生きてるやん。
えっ?えっ?いや心残りが一つあって。
うん。
田舎のおふくろに親孝行の一つもできんかって悪かったと…謝ってたとそう伝えといてください。
(靖子)分かったわ。
ありがとう…。
うっ…うぅ…。
(靖子)あっ…。
内場さん!
(あき恵・池乃・安尾)内場さん!あっあの〜あれ…あっあれいいです。
(烏川)えっ?えっ?
(靖子)内場さ〜ん!
(あき恵・池乃・安尾)内場さん!
(あき恵)あぁ…。
私たちのためにほんとにごめんなさい。
お願いもう一度生き返って。
(池乃)ああ〜!
(あき恵)ううぅ…。
(由美)勝則さあ起きなさい。
えい!えっなんや?あれ?俺死んでたんちゃうん?あれ?
(由美)さあこちらにいらっしゃい。
なんじゃ?ありゃ。
本気かいな?あっあんた!おいあんた一体何者やねん?ふふふふっ…はっひっふっへっほっ!なんやおい。
はい?私の正体は何を隠そうこれです。
一緒やないか。
めくれてへんやん。
私の正体は天使なのです。
天使!?はい。
あんた…なんでまた天使が?あなたにお金を借りて苦しんでいる人たちを見て天界からあなたを懲らしめに来たのです。
そやな…。
金金金って金の亡者になって自分勝手なことばっかりして最後は人に刺されて死ぬのは当然やな。
いやけど俺こうやって動いてんねんけど今これどういう状況や?現世では時間が止まってるんです。
時間が止まってる?ほら見なさい。
動かないでしょ?止まってんの?
(由美)そうです。
何をしても動きません。
えっ?
(由美)なぜなら私は天使だからです。
えっ天使だから?
(由美)あっ臭っ!臭っ!なんですか?この足の裏の臭い。
(あき恵)ふふっ。
(由美)う〜わっ。
臭いは止まれへんの?
(由美)臭いは止められません。
(由美)あら?大人か子供かどっちかしら?いやあの〜おっさんです。
(由美)おっさん!?はい。
(由美)まあ〜楽ちんな体勢で止まってるわね。
いや私のために泣きじゃくってくれたんです。
(由美)こんなんして泣きます?おっさんが。
(由美)私はあなたに罰を与えるために来たんですがあなたは最後に人助けをいたしました。
だからご褒美に天国に連れていきましょう。
こんな俺でも天国行けんの?はい。
ご褒美くれんねやったらそのご褒美違うことに使ってもらえませんかね?違うこととは?あの…靖子さんらの借金チャラにしてもらうわけにはいきませんかね?本気で言ってるんですか?はい。
そうすればあなたは地獄へ行くことになりますがそれでもよろしいんですか?はい。
いいです。
まあほんとにあなたって人は人が変わりましたね。
じゃあ願い事かなえていただけるんですか?もちろんあかん。
あかんのかいおい。
「ええ」っていう流れでしょ。
最後にチャンスをあげましょう。
チャンス?あなたをもう一度生き返らせましょう。
なぜならば彼らのあの涙…涙してくれたそのおかげです。
あなたもう一度生き返りなさい。
はい。
そしてそのあとはあなたの力でなんとかしなさい。
分かりました。
いいですか。
では…。
ん?時間を戻しましょう。
これテレビのリモコンやね。
天国にもこういうものはあるんです。
それでは時間よ少しだけ戻りなさい。
インガスンガスン。
えい!ピッ
(リモコン操作音)そんなんで戻んねや。
あっ動いた。
あっ!ああ戻ってきた。
あのシーンや。
あんたすごいやん!あのシーンやほらほらこれ…。
これ誰やねん!あれ知らんぞ!たまには間違いもあるんです。
えっ?ピッ
(由美)さあ勝則元に戻りなさい。
これ刺される前ですね?そうです。
あとはあなたの力で頑張りなさい。
分かりました。
ありがとう…。
では再生。
ピッ
(由美)ん〜へっへっへっ…。
ほな旅館の権利書出せや。
それは…。
ええから出せや。
これで横っ腹突き刺すど!おおっ!?
(烏川)分かった。
靖子。
(靖子)うん。
(安尾)待ってください。
権利書はここです。
(烏川)なんでやねん!なんでお前が持ってんねん?
(安尾)これで人生やり直そうと…。
(烏川)あほかお前。
お前さっき言うたこととちゃうやないか。
おかしいぞおい。
おかしくないか?
(けんじ)よっしゃ。
権利書もろうていこ。
行こか。
おい権利書返してくれ。
なっ?邪魔すんな。
それなかったら商売できひん…。
邪魔をすんな!おお〜!
(靖子・あき恵)きゃあ〜!
(安尾)内場さん!
(靖子)内場さん!
(けんじ)ああっ…。
あっ…。
分かってたわ。
これかましたんじゃあほ。
お前らのやることは分かっとるわ。
(けんじ)ああっ!おらっ。
(けんじ)あっ…。
よっしゃおい。
権利書返してもらおか。
借用書出せ。
(けんじ)これや。
おお元金30万やな。
30万でええな。
(けんじ)えっそれは…。
なんや?
(けんじ)分かりました…。
よっしゃ。
大将30万ありましたよね?これ30万…確かに。
これで完済やな。
もう二度と顔出すなよ。
帰れ。
(けんじ)行くぞ。
(中田)へい。
(靖子)内場さんほんとに助かりました。
ありがとうございました。
(烏川)ありがとうございます。
いやどうってことないですよ。
(烏川)お前とちゃう。
いや礼を言うのはこっちです。
こうやって生き返ったんもおたくらのおかげなんで。
(烏川)「生き返った」?あっいやいやあの…。
今生きていられるのも皆さんのおかげなんですから。
(烏川)大げさな。
いや野たれ死にしかけたんですから。
ほんとに恩返しするのは当たり前なんです。
こちらこそありがとうございました。
(池乃)ご立派。
謙虚やねどこまでも。
いやいやまだ足らんぐらいです。
いやいや…。
それにしてもよかった。
すべて解決。
もうこれはめでたいね。
黙ってられへん。
今晩は俺のおごりや。
北新地の一流のクラブで飲めや歌えの大騒ぎや。
(あき恵)何を格好のいいこと言うてんのよお金もあれへんのに。
(池乃)何言うとんねん。
金ならここにあるわい。
どや?
(烏川)うちのやこれ!
(池乃)取れるもんなら取ってみぃ。
(烏川)泣くなもう。
2014/09/18(木) 09:55〜10:50
MBS毎日放送
よしもと新喜劇[再][字]【人生がときめく型破りの魔法!?▽内場勝則 ほか】
「人生がときめく型破りの魔法!?」▽今回の座長は内場勝則。ある老婆との出会いが金融会社社長の内場の人生を大きく変える!
詳細情報
お知らせ
この番組は2013年3月23日に放送されたものです。
番組内容
金融会社社長の内場はある日お金を貸してほしいという婆さん(末成)に出会う。
しかし、内場は末成にお金を貸さず冷たくあしらってしまった。このことがキッカケで内場の人生が大きく変わる!?
出演者
内場勝則 烏川耕一 高橋靖子 森田展義 安尾信乃助 清水けんじ 中田はじめ 浅香あき恵 清水啓之 Mr.オクレ いちじまだいき 井上竜夫 太田芳伸 森田まりこ ぢゃいこ 音羽一憲 末成由美 池乃めだか ほか
ジャンル :
劇場/公演 – その他
バラエティ – お笑い・コメディ
福祉 – 文字(字幕)
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