若者たち2014 #10 2014.09.17

(旭)ゆっくりゆっくり。
ハハハ。
(暁・多香子)じゃんけんぽい。
あっち向いてほい。
じゃんけんぽい。
あっち向いてほい。
やった。
(多香子)ちょっと!
(陽)そんなわけねえから。
俺が保証する。
(旦)「来ないんじゃねえの」
(陽)ちょっと待て。
何でなまっちゃうんだよ?知らねえって。
お前東北の人。

(旭)さみしくないな。
友達いっぱいで。
(一同)ははーっ。
(旦)ジャーン。

(ひかり)いっぱい出たね。
ねえ。
(旭)おめでとう!ハハハ!
(暁)何だよ!急に。
(旭)お祝いだよお祝い。
(旦)高卒認定の合格祝いはこの前やったじゃん。
(陽)そうだよ。
やったやった。
(旭)違うよ違うよ。
(旭)俺の愛娘あかりちゃんの退院祝いだよ。
(陽)退院決まったの?
(梓)違う違う。
今日病院に呼び出されてるだけ。
(陽)はっ?
(旭)NICUからGCUに移ったろ?そろそろな退院の話が出てもおかしくねえんだよ。
そこに新城さんの呼び出しとかきたらこりゃ間違いねえだろ。
だっ。
(暁)ああ!
(陽)だったら姉ちゃんが事前に教えてくれるはずでしょ。
(旭)お前はホントにバカだね。
(陽)何だよ?
(旭)守秘義務ってやつだよ。
あいつもホントは俺に言いたくてしょうがなかったんじゃねえか。
ほら。
最近俺の前だと妙にそわそわしてたろ?今日もほら。
早く家出ちまったし。
(暁)それは単にお前を生理的に受け付けてないだけだろ。
何で25年も一緒にいてさいまさら拒否られなきゃいけないんですか。
まあいいや。
とにかくな今日はお祝いだからみんな早く帰ってこいよ。
今夜は。
今夜はおすしです。
(旦)マジで!?
(陽)すし!?
(旦)やった!イェーイ!
(陽)イェーイ!
(暁)何なんだよ!まだ何も決まってねえじゃねえかよ。
こういうのはよ理屈じゃねえんだよ!
(新城)あかりちゃんのABR検査を行ったその結果…。
(旭)退院だろ?退院。
なっ?いつなんだよ?
(梓)焦んないの。
先生の話聞こっ。
(旭)ああ。
ごめんごめん。
じゃあどうぞ。
(新城)検査の結果聴覚に反応が見られなかった。
(旭)えっ。
どういうことだよ?
(新城)現時点で耳が聞こえていない可能性がある。
もちろんこれからちゃんと聞こえるようになることだってある。
ただ難聴や障がいが残る可能性も否定できない。
定期的に検査をしていきましょう。
(旭)障がい。
あかりの耳が…。
(旭)あかり。
俺たちの声は届いてなかったのか。

(暁)あれ?アサ兄たちは?
(旦)それがまだなんだよ。
早く来ねえかな?すし。
(陽)遅いな。
すし。
(暁)お前ら何やってんだよ?
(陽)すしといえば赤だし…。

(戸の開く音)
(陽・旦)すし。
すし。
すし…。
(旦)何だよ。
姉ちゃんかよ。
(ひかり)何?アサ兄何やってんだよ?
(ひかり)まだ帰ってないの?
(暁)うん。

(梓)ここで杉浦選手に仕事紹介してもらってあかりを産む決心がついたんだよね。
(旭)あれは奇跡だったよな。
(梓)また起きるかな?奇跡。
(旭)起きるよ絶対。
あかりの耳はきっとよくなる。
(梓)うん。
(陽)耳が聞こえるようになる見込みって?
(ひかり)今の段階ではまだ何とも言えない。
(旦)いや。
回復するよ。
そう願おうよ。
(ひかり)私もそう信じてるよ。
でもね…。
(暁)そんなんどっちでもいいだろ。
(陽)サト兄!なっちまったもんはしょうがねえだろ。
まだ100%決まったわけじゃないんだからそんなふうに言わないでよ。
(暁)俺たちが落ち込んでもあかりの耳が聞こえるようになるわけじゃねえんだぞ。
そりゃそうだけど。

(戸の開く音)・
(旭)ただいま。
悪い悪い。
いいすし選んでたら遅くなっちまって。
もう話したのか?
(ひかり)うん。
まあそういうわけだ。
ほら。
そんな暗い顔すんなよ。
はい。
すしです。
(旦)飯田寿司じゃねえか。
(旭)食べよう食べよう。
あれ?梓。
梓もこっちで食べよう。
(暁)ああ。
旦旦。
赤汁持ってこい。
(陽)まだ汁しか作ってないから具ちゃんと入れてな。
1回あっためな。
お前好きなもんだけ食うなよ。
(暁)俺はマグロだけしか食わねえ。
(新城)失礼します。
(内海)聞きましたよ。
清羽医科大学の教授の話。
(新城)まだ決まったわけじゃないよ。
(内海)決まったも同然ですよ。
義理のお父さんの推薦なんですから。
(内海)先生。
すいませんでした。
(新城)どうした?
(内海)写真の件です。
僕が奥さんに。
(新城)終わった話だよ。
気にすんな。
(内海)いや。
でも…。
(新城)そんなに責任感じてんなら今日から俺の下につけ。
(内海)えっ?
(新城)早く一人前になって楽させてくれよ。
(内海)はい。
ありがとうございます。
(チャイム)
(陽)お前よくこんなとこで勉強できるな?
(旦)うん。
家よりいいよ。
大学の空気も味わえるし。
(陽)お前その格好じゃだってお前押し入れと変わんねえだろ。

(ドアの開く音)
(旦)落ち着く。
(陽)学校は?
(香澄)早退した。
(陽)何で?
(香澄)これ机ん中入ってて。
(陽)えっ?
(香澄)誰かにバレた。
(香澄)もう終わりだよ。
(旭)あのう。
(男性)はい。
来月娘が退院するんでもう少し休みを頂きたいんですけど。
(男性)これ以上休まれるのはちょっと。
杉浦選手の紹介ですからできる限りのことはしたいんですけど。
分かりました。
すいません。
(男性)お願いします。
(バイブレーターの音)何だ?どうした?梓さん。
今日病院に来ないの?いや。
けさ一緒に出たけど。
来てないんだよね。
ほら。
搾乳のこととかあるからさ。
携帯にも連絡したんだけどつながんなくて。
何だよ!2人とも葬式帰りみたいな顔しやがって。
(陽)彼女の画像のことが高校の誰かに知られたらしい。
(暁)えっ?それってまずいんじゃねえの?
(陽)学校側にバレたら即退学。
(旦)俺のせいだ。
(暁)で彼女は?
(陽)稽古場には顔出したけどかなり参ってた。
たぶん怖いんだと思う。

(戸の開く音)梓は?
(暁)いや。
いねえよ。
病院じゃないの?
(暁)どうかしたのか?
(旭)ああ駄目だ。
つながんねえ。
(暁)何かあったのか?
(旭)何でもない。
ちょっと行ってくるわ。
(陽)何かあったのかな?
(暁)人のことより自分の心配しろよ。
バーカ。
(旭)あっ。
あのう佐藤ですけど。
梓ってそっちの方に行ってますか?ああ。
(梓)ごめんね。
病院に行こうと思って電車に乗ったんだけど何かもう…。
(梓)糸が切れちゃって。
(梓)GCUに行けば何とかなる。
(梓)もうすぐ退院できる。
ずっとそう思ってやってきたのに。
(旭)けどさ受け入れるしかないだろ。
(梓)分かってる。
頭では分かってるの。
でも心がついてかない。
病院に行きたいのに足が動かない。
(梓)ごめんなさい。
ホントにごめんなさい。
(京子)旭さん。
(旭)はい。
(京子)しばらくこの子預かってもいいかしら?
(旭)えっ?
(京子)お願いします。
(旭)あっ。
どうした?
(新城)入れよ。
梓はぎりぎりのところで闘ってたんだな。
(新城)リスクの高い乳児を見守り続けるのはホントに大変なことだ。
何かの折に限界に達して自分自身を見失うことは誰にでもある。
(旭)うん。
気付いてやれなかった。
情けねえ。
(新城)そう思うなら彼女を支えてやれ。
そのためにはまずお前が覚悟しないとな。
障がい児を育てるってことをか?
(新城)違う。
命と向き合う覚悟だ。
(新城)体重が少ない。
耳が聞こえない。
そういう目の前の現実に惑わされずに命そのものを見詰めるんだ。
そうすれば偏見や同情に心が動かされることもない。
命そのもの。
(新城)はい。
(旭)ああ。
(新城)そう難しく考えんな。
昔ろう学校で音楽教えてたんだ。
週1回ボランティアで。
(旭)えっ?音楽を?耳が聞こえないのに?だからそれが偏見ってやつだよ。
(旭)あっ。
もちろんうまく歌えるわけじゃない。
でもみんないい顔すんだよ。
そこには障がい者も健常者もない。

(演奏)確かに教えてたんだよな。

(演奏)何でやめたんだっけ?ちょっと表行こうか?
(梓)ごめんね。
迷惑掛けて。
家事とか大丈夫?
(ひかり)うちのことは心配しないで。
もともと当番制でやってたんだし。
ひっどい親。
障がいって聞いてからね無意識のうちに症状の重い子を探してるの。
その子を見てうちの子はまだましだって。
最低でしょ?あかりの耳が聞こえないのも体重が少ないのも体が弱いのも全部私のせい。
それは違うよ。
ありがとう。
でもね自分を責めてた方が気が楽になる。
あかりちゃんのアルバム。
(旭)お聞きになってるかもしれませんが辞めることになりました。
すいません。
せっかく紹介してもらったのに。
痛っ!?
(杉浦)お前ならどこでもできるよ。
頑張れよ!
(旭)はい。
(旭)お世話になりました。
(多香子)お兄さんも大変だね。
(暁)いいんだよ。
何も言ってこねえんだから。
これで弟たちのトラブルまで知ったらどうなんのかね?
(多香子)弟たちに何かあったの?
(暁)うん?
(暁)三男と四男の愛憎劇。
まっ一から話すと長いんだよ。
(多香子)何?
(暁)いいよいいよ。
(多香子)気になるじゃん。
あっ。
いいやいいや。
(多香子)何?何?何?気になるじゃん。
(暁)いや。
いいいい。
(旦)ごちそうさま。
(旭)おい。
食べた食器ぐらい自分で片付けろ。
(旭)お前も脱いだもんぐらいちゃんと洗濯機に入れろ。
(陽)何だよ。
どうしたんだよ?
(旭)どうもこうもねえよ。
もうすぐあかりが退院するんだぞ。
自分のことぐらい自分でできるようにしろ。
梓さんがいねえからって俺らに当たんなよ。
当たってねえよ!
(旦)当たってんだろ!・
(戸の開く音)
(陽)おかえり。
(暁)あれ?今日後楽園の警備じゃねえの?
(陽)んっ!?そうだよ。
何でいんの?仕事は辞めた。
(旦・陽)えっ?はっ?あかりが退院したら誰かがそばにいねえと駄目だろ。
梓一人に任せるわけにはいかねえし。
仕事もこれ以上休めねえからよ。
(暁)だから辞めたのか?
(旦)どうすんだよ?貯金ねえんだろ?
(旭)心配すんなよ。
しばらくは日雇いで何とかすっから。
(陽)日雇いっていったってそんな簡単にはいかねえだろ。
しょうがねえだろ!しょうがねえんだよ。
お前らにはさ。
お前らには迷惑掛けねえからよ。
何だよそれ?表出ろ。
(旭)はっ?何でだよ?
(暁)いいから来いよ。
(旭)何でだよ?
(暁)いいから来いっつってんだよ。
(旭)うるせえな!お前はよ。
(暁)いいから来いって。
(旭)何でだよ!うっ!?
(陽)俺たちじゃ頼りないっていうのか?
(旭)はっ?
(陽)「力になれないのか?」って聞いてんだよ。
アサ兄は困ってるきょうだい助けることもできねえような弟を育てたのか?
(陽)アサ兄。
俺に言ったじゃねえかよ。
前に進めないのを周りのせいにするんじゃねえ。
逃げてんじゃねえって。
それ今でも言えんのかよ?
(旦)そうだよ。
そうだよ!つらくても苦しくても希望があるなんて言えない。
でもそばにはいてやれるって!アサ兄はきょうだい全員で痛みを分かち合おうって言ってくれたじゃねえかよ!俺にも分けてくれよ!
(暁)俺たちにもっと頼れよ。
(暁)一人で全部しょい込みやがって。
いいことだけじゃなくて全てを共有すんのが家族なんだろ?あかりだって俺たちの家族じゃねえかよ。
あかりのことは俺たちに任せろ。
だからお前は仕事を探せ。
いいな?何だよ?お前らよ。
何泣いてんだよ?
(旭)泣いてねえよ。
バカ野郎。
(陽・旦)泣いてるよ。
パパが。
(旭)けどありがとな。
そういうのは仕事を見つけてから言えよ。
バーカ。
(陽)そうだ。
バーカ!
(旦)バーカ!
(旭)うっせえんだ!バカ!
(旦)痛っ!?
(陽)サト兄。
飯は?まだ泣いてるよ。
(笑い声)
(旭)泣いてねえっつってんだよ。
(陽)泣いてる。
それ泣いてる。
(旭)泣いてねえ!バカ野郎。
(陽)まだ泣いてんの。
(ひかり)おいしい。
まだ飲む人?
(ひかり)清羽医科大学へ行くんですか?
(新城)内海か?
(ひかり)教授の道を断れば向こうのお父さんの顔に泥を塗ることになる。
もし断ってここに残ったら…。
(新城)居場所はないだろうな。
(ひかり)迷ってるんですか?もしかして…。
(新城)昨日旭と話してて思い出したんだよ。
昔の青臭かったころの自分を。
(旦)ホントにサト兄で大丈夫?
(陽)頼むから暴力だけはやめてくれよ。
(暁)心配すんな。
彼女と話すんのは俺じゃねえよ。

(ドアの開閉音)
(香澄)あっ。
えっと。
陽と旦の2番目の兄の彼女。
ややこしいか。
画像流されちゃったんでしょ?であんたは何を怖がってんの?
(香澄)えっ。
世界中の人間に自分の裸を見られてそんなの耐えられますか?
(多香子)でも女優なんでしょ?
(香澄)そういう問題じゃないんです。
あのう。
高校も退学させられるかもしれないし…。
(多香子)どのみち演劇やってることがバレても退学になるんでしょ?だったら自分から辞めちゃえば?私も同じような目に遭ったの。
(多香子)私の場合はネットに流されたんじゃなくてネットに流すぞって脅されて妊娠させられた口だけど。
今思えば私も悪かった。
あんたはどう?自分に落ち度はなかった?出たものは消せない。
ならそれを受け入れて前に進むしかないんじゃないかな?
(多香子)まあ要するにあんたが何を求めてるかでしょ。
しょせん人間なんて誰にどう思われてるか分からないんだし。
本当の自分を知ってる人が一人でもいればそれで十分なんじゃないかな?私はそんなふうに思えない。
いいんじゃない?ただそういう考えもあるってこと。
そういうこと。

(多香子)よかったのかな?
(暁)うーん。
うん。
ありがとう。
(多香子)まあ私の方がすっきりしちゃったかな?
(多香子)えっ?
(旭)お願いします。
もう一度ここで働かせてください。
(佐渡)俺が雇うと思うか?俺に跳び蹴りしたお前を。
雇わないと思います。
(佐渡)紹介した面接すっぽかしたお前を。
(旭)雇わないと思います。
(佐渡)だったら何で来たんだよ?
(旭)自分が一番やりたいところで働こうと決めたんで。
(佐渡)お前がそれほどこの仕事好きだったとはな。
(旭)自分も辞めてから分かりました。
この仕事が俺にとって誇りだったんだって。
(佐渡)駄目だな。
駄目だ。
分かりました。
お時間取らせてすいませんでした。
(佐渡)その服じゃ駄目だっつってんだよ。
変わったんだよ。
作業着。
おい誰か。
Mサイズ持ってこい。
(従業員)M?
(佐渡)悪運強いなお前。
ちょうど先月西島が辞めたんで経験者探してるとこだったんだよ。
まあ貸した30万も返してもらわなきゃなんねえし。
(従業員)M。
(佐渡)サンキューサンキュー。
しっかり働いてくれよ。
(旭)社長。
ありがとうございます。
(一同)やった!おかえり!おかえりおかえり。
着て。
着て。
あんたの息子いい顔になったよ。
(旭)あかり。
あかり。
父ちゃん。
仕事決まったぞ。
ああ。
父ちゃん。
仕事。
決まったぞ。
決まった!・
(ひかり)アサ兄。
(旭)おう。
(ひかり)仕事決まったの?そしてサワタリ。
(旭)サワタリ。
(ひかり)はい。
新城先生が渡してくれって。
(旭)うん?おたのしみ会。
(ひかり)新城先生ね10年ぶりにろう学校のボランティアやるんだって。
アサ兄にも来てほしいって。
誘ってみたら?梓さんも。
(旭)痛っ。
痛てて。
幸せになれるかどうかじゃねえ。
親が幸せにしてやるんだろ。
ああ。
(ひかり)だろ?ああ!
(ひかり)しっかりしろよ。
大黒柱。
(旭)うるせえんだよお前。
(ひかり)帰るよ。
(ひかり)たまにはいいじゃないか。
(旭)気持ち悪いな。
ホントに。

(言い合う声)・
(言い合う声)
(旭)ただいま。
(ひかり)ただいま。

(言い合う声)
(旭)おい。
おい。
おい!
(陽・旦)おかえり。
おかえり…。
(旭)何?何やってんだよ?
(暁)見りゃ分かんだろ。
手話だ手話。
(ひかり)あっ。
(旭)おいおい。
何でだよ?取りあえず俺たちにできることからやってくしかねえだろってすげえカッコつけて言おうと思ったらこいつらも同じこと考えてやがった。
(旦・陽)イェーイ。
(ひかり)私も。
(陽・旦)ヘイヘイヘイ。
(暁)何だよ?金無いのに一人1冊なんてよ。
(ひかり)お前が金一番無いだろ。
(暁)じゃああれは?あれあれあれ。
パチンコやりたい。
(旦)それは合ってる。
(陽)パチンコやりたいは合ってる。
(暁)じゃあこれは?パイオツかいでー。
(陽)パイオツかいでー!
(ひかり)いらないでしょ絶対。
じゃあひかりは?
(旦・陽)パイオツない!
(ひかり)ああー!
(陽)決まってんじゃん。
そうだよな。
そうだよな。
(ひかり)アサ兄も一緒にやろうよ。
おう。
(陽)じゃあ旦は?旦。
旦。
(旦)ただし。
(ひかり)じゃあねえ。
アサ兄にほらほら。
成果を。
成果を。
(一同)お疲れさまでした…。
(ひかり)アサ兄。
アサ兄。
(旭)うん?
(ひかり)仕事決まっておめでとう。
(一同)イェーイ!
(京子)会いに行ってくれば?
(梓)自信ない。
(京子)自信なんてなくていいのよ。
子供があなたを親にしてくれるんだから。
迷ったりつらいことがあったら助けてもらいなさい。
旭さんに。
そのために親は2人いるんだよ。
(メールの着信音)
(旭)ちゃんと飯食ってんのか?
(梓)うん。
(旭)俺なりに色々考えたんだ。
必ず奇跡は起きるって言ったけどあかりを授かった。
それが俺たちの奇跡だったんだよ。
ほら。
お前も言ってたじゃねえか。
生きるってそれだけで特別なことなんだって。
耳が聞こえなくたってあかりはあかりだろ。
(梓)あかりは大切なことをたくさん教えてくれた。
なのに私はあかりを苦しめてる。
あの子の世界をどんどん狭めてる。
(旭)そんなことはねえよ。
うん?俺はあいつがこれから歩んでく世界を悲しいとは思わないぞ。
だってそうだろ?あかりには俺たちみんながいるじゃねえか。
俺たちが笑ってればきっとあかりも笑ってくれる。
俺たちが前を向いてればきっとあかりも前を向ける。
俺たちが幸せならきっとあかりも幸せを感じてくれる。
俺はそう信じてる。
ほら。
(旭)新城さんがくれたんだ。
一緒に行ってみよう。
(一同)1・2・3・4・5・6・7・8。
(女性)では始めましょう。
(2人)『世界がひとつになるまで』をみんなで歌います。
皆さんも一緒に歌ってください。
(女性)せーの。

(演奏)
(女性)せーの。
(一同)・「まぶしい陽ざしが君の名前を呼ぶ」・「おんなじ気持ちで空が見えるよ」・「つらいときひとりきりで涙をこらえないで」・「世界がひとつになるまでずっと手をつないでいよう」・「あたたかいほほえみでもうすぐ」・「夢がほんとうになるから」
(一同)・「はじめて出逢ったあの日あの場所から」・「いろんな未来が歩きはじめた」・「なぜみんなこの地球に生まれてきたのだろう」・「世界がひとつになるまでずっと手をつないでいよう」・「思い出のまぶしさに負けない」・「とても素敵な夢がある」
(新城)《命そのものを見詰めるんだ》《命と向き合う覚悟だ》
(新城)《子供が生まれたとき体中の細胞が沸き立つような喜びを感じなかったか?》《心から彼女の誕生を祝福したいと思わなかったか?》
(新城)《それが全てじゃないのか?》
(ひかり)《幸せになれるかどうかじゃねえ》《親が幸せにしてやるんだろ。
だろ?》
(一同)・「世界がひとつになるまで」・「ずっと手をつないでいよう」・「ときめきは宝物いつでも愛が明日を守るから」・「愛が明日を守るから」
(旭)あかりの顔見に行くか?
(梓)うん。
私たちが笑っていればきっと笑ってくれるよね?
(旭)ああ。

(ノック)おおー。
どうした?
(一同)イェーイ!
(暁)今のはしょうがねえだろ。
くそ!
(暁)お前のせいでな…。
(多香子)見つかっちゃったの。
(暁)うん?何が?ここの土地の買い手が見つかっちゃったの。
2014/09/17(水) 22:00〜22:54
関西テレビ1
若者たち2014 #10[字]

「支えあう」
旭と梓は新城に病院へ呼ばれた。あかりの退院の話だと喜ぶ2人だったが、精密検査の結果を聞き…。不器用でも懸命に支え合う姿に心が震える第10話!

詳細情報
番組内容
 旭(妻夫木聡)は、ひかり(満島ひかり)や梓(蒼井優)が見守る中、容態の安定したあかりを抱き上げて男泣きする。
 1カ月後、佐藤家のリビングで旭がはしゃいでいた。そろそろあかりの退院が決まる頃だが、そこへ新城(吉岡秀隆)から呼び出しがあったため、これは間違いない、と言うのだ。暁(瑛太)らはいぶかしがるが、旭は聞く耳を持たない。
 その後、梓とともに病院を訪ねた旭に、新城はあかりの精密検査の結果を
番組内容2
伝える。
 夕方、陽(柄本佑)と旦(野村周平)は、旭が寿司を買って帰ってくるのを待っていたが、帰宅したのはひかりだった。ひかりは、兄弟たちにあかりの検査結果について話した。そこへ、寿司を手にした旭と梓が帰ってくる。
 そんな頃、新城に、ある大学病院の教授職への推薦話が舞い込む。上司からそれを伝えられた新城は、少し考えさせてほしいと頼む。
 同じ頃、意を決して学校へやってきた香澄(橋本愛)は、
番組内容3
同級生に声を掛けられる。明るいその態度に安堵(あんど)したのもつかの間、香澄の机のなかから裸の画像のコピーが出てくる。
 一方、仕事場にいた旭にひかりから電話がかかってくる。搾乳に来るはずの梓が病院に来ていないという。それを聞いた旭は…。
出演者
佐藤旭: 妻夫木聡 
佐藤暁: 瑛太 
佐藤ひかり: 満島ひかり 
佐藤陽: 柄本佑 
佐藤旦: 野村周平 

澤辺梓: 蒼井優 
屋代多香子: 長澤まさみ 
永原香澄: 橋本愛 

新城正臣: 吉岡秀隆
スタッフ
【原案】
山内久 
森川時久 

【脚本】
武藤将吾 

【音楽】
荻野清子 

【主題歌】
「若者たち」森山直太朗(ユニバーサルミュージック) 

【プロデュース】
石井浩二 

【演出】
杉田成道 
中江功 
並木道子 

【制作】
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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