戦後最悪となった火山災害。
あの日からきょうで1週間。
黙とう。
各地で犠牲者に黙とうがささげられました。
台風の接近を前に続いた、懸命の捜索。
新たに見つかった4人のうち1人の死亡が確認され、これで死亡したのは48人になりました。
こんばんは。
ニュース7です。
まずは台風です。
大型で非常に強い台風18号は、沖縄県の大東島地方を暴風域に巻き込みながら北上しています。
あさってにかけて、西日本や東日本に近づく見込みで、気象庁は、暴風や高波に警戒するよう呼びかけています。
では、台風の暴風域に入っている、沖縄県の南大東島から中継です。
沖縄県の南大東島です。
この時間、台風が最も接近していると見られ、雨と風、共に激しくなっています。
風はごーという大きな音を立てて吹きつけ、横殴りの雨がたたきつけるように降っています。
道路には折れた木の枝などが散乱しています。
南大東村と北大東村によりますと、午後6時の時点で、合わせて15人が、村の福祉施設などに、自主的に避難しているということです。
大東島地方は、あすの明け方まで猛烈な風が吹く見込みで、役場では防災無線などで警戒を呼びかけています。
気象庁の発表によりますと、台風18号は、午後7時には、沖縄県の南大東島の海上を、1時間に10キロの速さで、北北西へ進んでいると見られます。
中心の気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルです。
気象庁は夕方、会見を行い、警戒を呼びかけました。
台風への備えも。
全国有数のマグロ漁の基地、宮崎県日南市の港では、漁業者が岸壁から離れた位置に、船をロープで固定していました。
鹿児島県徳之島町は、早めの避難を呼びかけるため、町内全域の1万1514人に避難準備情報を出しました。
去年10月の台風で、大規模な土砂災害が発生し、大きな被害が出た伊豆大島の大島町では、対策会議を開き、身体の不自由な人の避難を、早めに行っていくことなどを確認しました。
今後の見通しです。
あすからあさってにかけては、西日本から東日本の太平洋側を中心に、非常に激しい雨が降り、局地的に猛烈な雨が降るおそれがあります。
あすの夕方までに降る雨の量はいずれも多い所で、九州南部で250ミリ、東海で180ミリなどと予想されています。
さらに、あすの夕方からあさっての夕方にかけての雨量はいずれも多い所で、東海で400ミリから600ミリ、近畿で300ミリから500ミリ、四国で300ミリから400ミリ、関東甲信と北陸で、200ミリから300ミリなどと予想されています。
大雨と暴風に特に警戒が必要な時間帯の目安です。
大雨では、大東島地方を含む沖縄地方で今夜遅くにかけて、九州南部・奄美地方で、あすの未明から夜にかけて、四国と近畿では、あすの昼ごろから、あさっての昼ごろにかけて、東海ではあすの昼ごろから、あさっての夕方にかけて、関東甲信ではあさっての未明から夜にかけて、東北ではあさっての昼ごろから夕方にかけてです。
暴風は大東島地方を含む沖縄地方で、あすの朝にかけて、九州南部・奄美地方では、あすの未明からあさっての朝にかけて、四国と近畿では、あすの夕方から、あさっての昼ごろにかけて、東海では、あさっての未明から夕方にかけて、関東甲信と東北では、あさっての朝から夜にかけてです。
気象庁は、暴風や高波、土砂災害や低い土地の浸水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの突風、それに高潮にも十分注意するよう呼びかけています。
では台風18号の進路や大雨の見通しについて、気象情報担当の岡村さんです。
まずは現在の台風の位置と勢力からです。
現在、大東島地方に最も接近しているものと見られます。
九州南部や南西諸島が強風域に入っていまして、中心気圧は935ヘクトパスカルと、日本付近に近づくものとしては、非常に強い勢力を保っています。
今後の進路ですが、あすにかけて、九州へと北上します。
その後は次第に進路を東へと変える見込みです。
その際に、上空の風の流れに乗るために、速度を一気に速めます。
このため、勢力があまり衰えることなく、東日本へとやって来る予想です。
つまり風があまり弱まらないということなんですね。
中心付近の最大風速が50メートルとなっていますが、24時間後のあすは45メートルと、ほとんど変わりません。
今回の台風は大雨、暴風、ともに警戒が必要です。
雨の見通しを見ていきます。
台風のほかに、前線が南海上に停滞していまして、夜にかけて北上してくる予想となっています。
台風周辺の湿った空気も流れ込みまして、あすは東海地方から九州の太平洋側を中心に、非常に激しい雨となりそうです。
雨の降る時間帯などを見ていきます。
午前0時ごろ、日付が変わるころは、南西諸島や種子島・屋久島地方など、台風周辺の活発な雨雲がかかりそうです。
また日中にかけては、前線が北上しまして、東日本でも広い範囲で雨となり、御嶽山周辺でも活発な雨雲がかかりそうです。
また夜にかけては、台風本体の雨雲が、九州南部にかかりそうです。
九州南部は非常に激しい雷雨となるでしょう。
また、この大雨があさって月曜日にかけて予想されます。
あさって月曜日の天気図を見ますと、台風の中心は東海付近、そして前線も停滞します。
関東など、首都圏で通勤・通学の時間帯に、大雨となるおそれが出てきました。
交通機関などに影響するおそれもありますから、予定を調整するなどして、台風に備えるようにしてください。
その台風の状況を見ながらの捜索となっています。
御嶽山ではきょう、新たに4人が心肺停止の状態で見つかり、このうち1人の死亡が確認されました。
これで亡くなった人は、48人になりました。
戦後最悪の火山災害となった今回の噴火。
発生からきょうで1週間です。
天候が悪くなる前に、行方不明の人の捜索を急ぎたい。
警察、自衛隊、消防はきょう、およそ1000人態勢で捜索に当たりました。
捜索隊をヘリコプターで山頂付近に直接運ぶことも再び行われました。
隊員は金属探知機を持って乗り込みます。
火山灰に覆われる山肌。
きのうまでの雨で、状況は悪化していました。
雨を含んだ火山灰で、地面がぬかるんでいました。
1時間で500メートル程度しか進めない場所もあったということです。
山頂とふもとを往復するヘリコプターにも、泥がついていました。
水を含んだ火山灰です。
非常にねばねばしていて、粘土のようです。
足元が悪い中、登山道から離れた場所でも、懸命の捜索が続きました。
黙とう。
昼前、1週間前に噴火が起きた時刻を迎えます。
犠牲者に黙とうがささげられました。
行方が分からなくなっている、静岡県袋井市の会社員、袴田祐示さん。
今回が初めての登山でした。
岐阜市の武口求さんは、会社の同僚と御嶽山に登っていて、連絡が取れなくなっています。
きょうの捜索で、新たに4人が心肺停止の状態で見つかりました。
4人は、ふもとに搬送されました。
捜索から戻ってきた隊員たちです。
足元は泥だらけでした。
きょう見つかった4人のうち、1人の死亡が確認され、これで今回の噴火で亡くなった人は、48人になりました。
気象台によりますと、御嶽山の周辺では、早ければあすの朝から雨が降りだし、あさってには台風18号が近づくと予想されています。
あすの捜索は、台風の状況を見ながら判断することにしています。
御嶽山の噴火で、これまでに48人の死亡が確認されています。
10歳から70歳まで、さまざまな方が犠牲になりました。
親子で亡くなった人がいます。
夫婦で巻き込まれた人もいます。
おしどり夫婦だったといいます。
会社の仲間で訪れていた人たちもいます。
家族の食事を作って出かけたまま帰らなかった人。
母親に、ごめんね、ありがとうと、最後に伝えて亡くなった人もいます。
紅葉が美しいシーズン、しかも天気のよい土曜日のちょうどお昼時。
楽しいはずの登山が、一転して悲しい結末となりました。
何?
あっ、噴火した!噴火、噴火!
えっ?
逃げるよ、早くこっち来いよ。
中、入れ!
入れ!入れ!わー、落ちてきた、落ちてきた。
やばいね、これ。
下がる?もっと。
避難小屋まで行こうか。
避難小屋行こう、みんな。
移動しましょう!
次々と立ち上る噴煙。
火山灰に覆われ、景色は一変しました。
救助、捜索活動は困難を極めました。
火山灰、火山ガス、さらに雨が活動を阻みます。
下山指示です。
今回の噴火では、ほとんどの人が、噴石で犠牲になりました。
さらに、そのおよそ半数が、いくつもの噴石が直撃し、亡くなったと見られます。
亡くなった人に、きょうも家族や友人が別れを告げました。
大学院生の森侑司さん。
友人2人と御嶽山に登り、犠牲になりました。
優しい表情の写真。
丹羽玲子さんです。
葬儀にはおよそ150人が参列しました。
夫の隆文さんの姿もありました。
夫婦で山に登り、噴火に巻き込まれました。
隆文さんは妻、玲子さんへの思いを、追悼文につづりました。
守らなければと、とっさに体を覆いましたが、無情にも石は妻を襲いました。
けがをして苦しみながらも、最後まで、お父さん、大丈夫と、私の心配ばかりしていたことを、これから先も忘れはしません。
あの日から1週間。
噴火の実態の分析も進んでいます。
火山灰がどのくらい、そして、どこに降ったのか。
東京大学地震研究所の前野深助教などの研究グループが、上空から撮影した写真を分析して、調べました。
その結果、火口から北東の方角に、だ円状に20キロ余りにわたって降り積もり、このうちおよそ80%が、火口や山頂周辺に集中していると見られることが分かりました。
厚さは山頂の周辺では25センチから40センチ。
そして噴火から数十分の間に降り積もったと見られ、大量の火山灰が降ったことで視界が利かなくなり、被害の拡大につながった可能性があると指摘しています。
火山列島の日本。
御嶽山の噴火を受けて、各地で登山者の安全を守る対策が進められています。
3年前に新燃岳が噴火した霧島連山。
霧島市は、噴火のおそれなどがある場合に、避難を呼びかける大型のサイレンを5か所に設置。
登山口には、コンクリート製の避難ごうも3か所、整備しています。
今後、山頂に近い所に新たに避難ごうを設置することなどを検討しています。
新潟県の糸魚川市と妙高市にまたがる新潟焼山。
消防職員が登山口にある避難シェルターにヘルメット10個を配備し、入山する際は、ヘルメットの持参を呼びかける貼り紙を張り出しました。
富士山のふもと、河口湖の湖畔にあるホテルです。
テスト、テスト、大丈夫ですね。
宿泊客の避難誘導の際に使う、ハンドマイクの電池が切れていないかや、事務所に保管している防災用の燃料に火がつくかどうかなど、防災用品の保管状況をチェックしました。
現在も噴火が続いている御嶽山。
山はどういう状況なのか。
東京大学名誉教授で、火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は。
気象庁の噴火警戒レベルが、平常を示すレベル1のまま、噴火が起きたことについては。
登山者などへの情報提供の在り方も検討する必要があると指摘します。
また、活火山に近づくときの注意点については。
次です。
テニスのジャパンオープン。
2年ぶりの優勝を狙う錦織圭選手。
きょうの準決勝は接戦でした。
世界ランキング7位の錦織。
第1セット。
相手は62位ですが、攻撃的なストロークで苦しめられ、今大会、初めてセットを奪われます。
第2セットは錦織の持ち味が上回りました。
1ゲームも落とさず、セットを奪い返します。
最終の第3セットはタイブレークに。
粘る相手に対し、錦織はギアをもう1つ上げました。
世界7位の真骨頂を発揮します。
接戦を制した錦織。
あす、2年ぶりの優勝と、ツアー大会2連勝を目指します。
プロ野球はデーゲーム1試合、ナイトゲーム1試合です。
セ・リーグ優勝の巨人は、本拠地、東京ドームでのレギュラーシーズン最終戦。
村田の3ランホームランなどで勝ちました。
ニュースを続けます。
北朝鮮のキム・ジョンウン第1書記の側近で、朝鮮人民軍のファン・ビョンソ総政治局長らがインチョンアジア大会の閉会式に合わせて、韓国を訪問。
韓国大統領府のキム・グァンジン国家安保室長と会談しました。
韓国統一省によりますと、会談で北朝鮮側は、韓国政府が提案してきた南北の高官会談に、今月末から来月初めにかけて応じると表明したということです。
南北関係の改善につながるか注目されます。
温暖化の影響と見られています。
およそ3万5000頭のセイウチが、アメリカ・アラスカ州の海岸に上陸しました。
通常、数千頭の群れを作り、北極海など、寒い海の流氷や海岸に生息しますが、アメリカ海洋大気局によりますと、流氷がとけてなくなるなどして、住む場所を失ったセイウチが集まったのではないかということです。
昨夜、熊本市の慈恵病院が設置している、いわゆる赤ちゃんポストで、赤ちゃんの遺体が見つかった事件。
警察は、熊本県山鹿市の無職、山下舞子容疑者を、死体遺棄の疑いで逮捕しました。
調べに対して、数日前に自宅で出産した子どもが死亡し、自宅に置いたままにしておけないと思ったなどと、容疑を認めているということで、警察は詳しいいきさつを調べています。
4年ぶりの稲刈りです。
東京電力福島第一原発の事故で、すべての住民が避難している福島県浪江町で、試験的に栽培されたコメの稲刈りが始まりました。
浪江町での稲刈りは、原発事故のあと、初めてです。
収穫されたコメは、放射性物質の全袋検査を行い、安全性が確認された場合、関係者に配られるということです。
気象情報は再び岡村さんです。
大型で非常に強い台風18号ですが、現在、大東島地方などが、活発な雨雲に覆われています。
大雨や暴風に警戒が必要ですね。
そうですね。
今回のこの台風、大雨、暴風に加えて、高波や高潮にも厳重な警戒が必要です。
まずは進路を見ていきます。
このあと、本州付近を沿うように進む予想なんですね。
このために、広い範囲で大雨が予想されます。
さらに進路を東寄りに変えてからは急激に速度が速まりますので、一気に風が強まりそうです。
それに伴って、海上では波が高くなりそうです。
波の予想を見ていきますと、あすの夜にかけて、西日本の太平洋側などで、9メートル以上の猛烈なしけが予想されています。
また東日本の太平洋側などでも、3メートル以上の波の高い状態、続きそうなんですね。
また現在は、大潮の時期に当たります。
太平洋側沿岸部では、潮位が高くなっていますので、高波や高潮にも厳重に警戒をしてください。
では、あすの予報を見ていきます。
お伝えしていますように、大型で非常に強い台風18号は、沖縄県の大東島地方を暴風域に巻き込みながら、北上しています。
2014/10/04(土) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]
▽御嶽山噴火から1週間 ▽台風18号接近・影響は 【キャスター】守本奈実,【サブキャスター】瀧川剛史,【気象キャスター】岡村真美子
詳細情報
出演者
【キャスター】守本奈実,【サブキャスター】瀧川剛史,【気象キャスター】岡村真美子
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ニュース/報道 – 定時・総合
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