人生の楽園 2014.10.04

今週は何かいい事ありましたか?私ね思うんですよ。
ここは熊本県阿蘇市。
巨大なカルデラの中にたくさんの人が暮らしている世界でも珍しい場所です。
この阿蘇の山々で脈々と守られてきた自然環境と農業は去年世界農業遺産に登録されました。
このダイナミックな阿蘇の地に生まれ育ち野菜作りに勤しんでいるご夫婦が今日ご紹介する主人公です。
よっ!はい大きいやつが採れました。
アハハハ!なんですか?このでかいのは。
ほう〜ハハハ!ご紹介しましょう。
こちらが今日の主人公今日はお酢の物にしたいから1本あると十分かもしれない。
アハハ!ですって。
あ〜!こちらが妻の美佐子さん66歳です。
美佐子さんそれは?
(美佐子さん)黒っぽいでしょ。
ああ…。
お客さん用のものですけど。
あっお客さん用に採ってるんですね。
お二人は他にもピーマンにトマトゴーヤナスなどたくさんの野菜を育てています。
実は菅さんご夫婦はこの採れたて野菜を使って自宅でお店をしています。
乃保留さんちょっとご案内頂けますか?これあの…岩から染み出てます。
山水ですね。
おお山水!阿蘇一帯は「九州の水がめ」とも称されます。
雨水が阿蘇の山々に染み込み浄化されあちこちから良質な水がこんこんと湧き出ています。
そしてせせらぎが心地いい庭にあるのが…。
いやあご夫婦で営む農家レストランと農家民宿なんですね。
どんぐりの森に立っているので森の駅どんぐりと名付けました。
あっお客さんでしょうか?桃ちゃん。
はい農家レストランのお客様です。
1日1組限定で完全予約制。
築130年の籾蔵を乃保留さん自らの手で改装しました。
(安武さん)こんにちは。
(乃保留さん)いつもお世話になります。
常連さんが初めてのお客様を連れてきてくれました。
(乃保留さん)米俵このぐらいありますもんね。
担げて出られないような間口にしてある。
初めて聞きました。
ああ昔の籾蔵を素敵にリフォームしたんですね。
やりますね乃保留さん。
こちらが厨房です。
妻美佐子さんが料理長。
採りたて野菜をコース料理に仕立てます。
あっあの紫色の甘唐辛子。
あっホントだ。
炒めたら緑になりましたね!さらに自家製のゴーヤやピーマンを入れて炒めます。
味付けも自家製のお味噌。
豆から栽培して作っています。
(美佐子さん)お味噌がこの焼けた匂いもいいでしょ。
そして配膳担当は乃保留さんです。
なかなか様になってます。
こちらが食堂なんですね。
オシャレで開放的な空間です。
窓の外には阿蘇の山々!アハハいいですね!コースでお出しする料理は全部で15品2500円です。
う〜ん!たくさんの品数を少しずつ召し上がって頂きます。
なるほど。
こちらは郷土料理のだんご汁。
ごぼうなど自家製野菜から出るだしともっちりとした米粉のだんごが絶品です。
いやいいですね。
どれ食べようって悩みますよねいっぱい。
ねえ。
(安武さん)うん美味しいです。
なんか野菜の味がはっきりわかる感じですね。
すぐ来たくなるんですよね。
ああ…ハハハハ!いやなかなかの評判じゃないですか乃保留さん。
ん?配膳の途中でしょ?なんで座り込んじゃうのかな?
(岩本さん)そうなんですか?ご婦人方とお喋りしてるとなんか楽しくなっちゃったのかな?呼ばないと来ない。
お父さーん!ああ乃保留さんいつもお客さんと話し込んじゃうんだ。
しかも今日は女性ですからね。
なおさら嬉しいんでしょうこの野郎!この!何を言うんですか。
ハハッやった図星なんだ。
いらん事言わんでもいらん事ばっかり…!アハハハ!いやいや冗談冗談ですよ。
でも実は乃保留さん並々ならぬ思いでこの店を始めました。
阿蘇市の山あい尾籠集落の農家に生まれ育った乃保留さん。
米農家を継ぎましたが33歳の時大怪我をして農作業が出来なくなり転職。
自動車販売店に勤めました。
看護師をしていた美佐子さんとは45歳の時に結婚。
当時は仕事一筋の猛烈営業マンでした。
(美佐子さん)本当ですよ。
とことんまでやります。
(美佐子さん)スッポンのね…スッポンの菅って言われて…。
スッポンの菅っていうあだ名。
スッポンはくっついたら離さないでしょ。
気がつけばトップセールスマンになっていました。
そして営業で町中を回るうちにある事に気がついたんです。
(乃保留さん)非常に空き家が多いし都会とかあるいは大企業とかに全部出てってしまって…。
乃保留さんは仕事の傍ら地域おこしの会を立ち上げ地元の活性化に情熱を傾け始めます。
そして定年後は集落に人を呼ぶため自宅の古い蔵を自らの手で見違えるように改装。
農家レストランをオープンさせました。
お金はかかりましたね。
手持ちは全部使いました。
その後これまた手作りですごい出来なんですが後ほどじっくりとご紹介しましょうね。
というわけで本日はふるさとを愛するお父さんが妻と始めた農家レストランと民宿のお話。
町おこしのためとあらばとことんやり抜く。
人呼んでスッポンの菅。
妻よ!ついてこ〜い!今日の舞台はカルデラの中に人が暮らす熊本県阿蘇市です。
こちらは2000年以上の歴史を持つと伝えられる由緒ある阿蘇神社です。
う〜ん。
その門から真横に伸びる参道は全国的にも珍しい横参道です。
ああなるほどね。
普通参道っていえば門から縦に伸びてますよね。
ああ確かに珍しいですね。
その門前町にやってきたのが今日の主人公…。
ああどうも!すいません。
今日はありがとうございます。
乃保留さんこちらどなたですか?
(乃保留さん)同級生で桑島くんです。
桑島元博さんは門前町商店街の会長。
町おこし仲間です。
ほう。
13年前までは人も通らなかったんですよ。
全くゼロ。
20年ほど前はシャッター通りと化していた門前町商店街。
町おこしの活動をしていた乃保留さんがアドバイザーとなり元気を取り戻しました。
いやあすごいですね。
どうやったんだろ?
(乃保留さん)山桜。
さらに店ごとに木の看板を作り設置しました。
はあ〜。
まだまだありますよ。
この…水が成功したんです。
家庭の台所の水をここに持ってきている…湧き水。
これがわが町の宝なんです。
でそういうのをちゃんとアドバイスしてくれたのが菅くんですよ。
いやあさすがスッポンの菅ですね〜。
門前町の皆さんが力を入れたのが湧き水を通りに引き込んだ水基作り。
全部で36基作られ観光客に人気となりました。
なるほど。
こちらは門前町商店街の副会長が営む雑貨カフェ。
宮本一良さんも町おこしに情熱を傾けてきた仲間です。
その思いは今も続いています。
お客さんに喜んでもらえる商品作り町づくり。
ヘヘヘヘヘ…。
楽しみながら町おこしをする。
これが乃保留さんのモットー。
妻の美佐子さんは近所にお出かけです。
車で5分ほどの場所にあるのが…。
お母さん。
何しよっと?
(ミカさん)草取りです。
草取りよん?
(ミカさん)はい。
こちらは美佐子さんのご実家の畑。
お母さんのミカさん92歳です。
現役で農作業されています。
いやあお母さんお元気ですね。
棒で…よいしょ。
(2人の笑い声)はじめまして。
はじめまして。
お世話になります。
似てますか?いやあ似てます。
あっそうですか。
ええ。
目が細いところがね。
ヘヘヘヘヘ…。
自宅では育てていない野菜をよく頂きに来るんです。
(美佐子さん)ほらちょうどいいよ。
おお〜きれいなトウモロコシじゃないですか。
こっちはなんだろう?あっ土の中に生えてんのかな?
(美佐子さん)これがミョウガです。
おおミョウガ!大きいでしょ?ええ。
ミョウガや秋ナスなどたくさんの野菜を頂きました。
さらにもうひとつあります。
白菜?えっどこに?え?え?白菜の苗です。
ああ。
種をまき苗を作ってくれています。
いやあありがたいですねえお母さん。
ハハハハッ!乃保留さんと美佐子さんの心強いサポーターはお母さんだけじゃありません。
こちら坂梨哲朗さんは阿蘇特産の美味しいお米を作って2人を応援してくれてます。
乃保留さん今度は自宅で何かを始めましたね。
ガスバーナー。
何するんだろう?桃ちゃん知ってる?お店の看板作りです。
ああそうなんだ。
乃保留さんは古い建物を改装する時木の表面を焼いて古さを出す事を思いついたそうです。
仕上げは金属ブラシで焦げた部分をこすります。
ヘヘヘヘッ。
いやあさすが九州男児豪快です。
看板の文字も豪華にもう下書きもせずにねえ書いてますもん。
早速看板設置だもん。
いいですね。
いやあこんな看板手軽に作っちゃうとはすごいですね。
アンティークなこの色合いに味わいのある文字がいい感じです。
宿泊のお客様熊本市からお越しの徳永さんご一家です。
はい。
お世話になります。
ありがとうございます。
(美佐子さん)よろしく〜。
タッチあ〜よかった。
いいとこですね静かで。
あー子供たちは湧き水見つけましたね。
子供は水遊び大好きだもんね。
(一枝さん)素敵な雰囲気だね。
さあお宿にご案内ですね。
ここにお泊まり頂きます。
2階に。
宿の中にも湧き水があるんです。
ねえ風情あるこの建物。
昔はなんだったかというと…。
(乃保留さん)築130年ぐらいになってますもんね。
豚もおったんです。
ねえここはもともと家畜小屋だったんですね。
それをお二人が2年かけてコツコツと改装しました。
いやあ〜…素敵ですね。
2階が宿泊部屋になってるんですね。
ちょっとこう休憩するとこで。
乃保留さんいわく洋風のアクセントを加えるのがオシャレのコツ。
ここにはお金をかけたそうです。
ハハハッなるほど。
でこちらが寝室ですね。
(香織さん)ここもあるの?1階にも客室があります。
お〜!そして部屋の脇にある扉の先に乃保留さん自慢のものがあります。
え?自慢のもの?なんですか?なんですか?
(乃保留さん)どうぞ。
(香織さん)なんだろう?ここは。
えっ何?
(香織さん)えっすごーい!見せてください。
早く見せてくださいな。
おっおっおっお風呂だ!広い!すげえ!肌スベスベになりそうなんだけど。
(香織さん)嬉しい!お湯は山の湧き水。
乃保留さんが自分で石積みをして作りました。
お風呂も?お父さんが?すごいね。
ほら。
すごいセンスがいいです。
いやわたくしもそう思います。
湯加減もホントちょうどいい感じなんですね。
どうですか?ひとっ風呂いきますか?いかがですか?気持ちいいね。
気持ちいい。
孫と入るとなかなかいい気分です。
さあここから菅さんご夫婦忙しくなります。
厨房で美佐子さんが作っているのは熊本名物辛子レンコンです。
おお。
茹でたレンコンに辛子粉を混ぜた自家製味噌を押し付けながら詰めていきます。
はい。
(美佐子さん)ほらきれいに穴が詰まってしまうでしょう。
このちっこい穴もちゃんと入らないと。
クチナシの実で鮮やかな黄色に色づけした衣をつけて揚げていきます。
なるほど。
美佐子さんがお母さんから受け継いだレシピです。
火を通し冷ましてから切ると…。
目にも美しい辛子レンコンの出来上がり。
続いては坂梨さんが作ったお米を酢飯にして使います。
おー酢飯という事はお寿司でしょうかね。
はい美佐子さんの実家で採ったミョウガを甘酢漬けにしてのせます。
あーミョウガ寿司!これは絶対うまかよ。
じゃああの…今日は徳永さんホント遠いところからありがとうございます。
ごゆっくりですね明日までお過ごしください。
ありがとうございます。
わあ〜美味しそう。
野菜が主役のコース料理全16品です。
いやあ豪華です。
ねえ。
前菜には秋ナスの田楽にピリリと辛い味自慢の辛子レンコン。
ええええ。
サトイモ饅頭のあんかけはやさしい味。
いいですね。
シイタケやゼンマイなどをだしで煮たお煮しめ。
ん〜!そしてたっぷり野菜と鶏肉で作るのっぺい汁は郷土料理です。
なるほど。
さっぱり味のミョウガ寿司これはいくらでも食べられそうですもんね。
いただきます。
あーお父さん辛子レンコンからいきました!うんこれ美味しいですね。
はあこちらはミョウガ寿司ですね。
お口いっぱい頬張って。
美味しいですか?ハハハ。
(一枝さん)私たちお米には特にねうるさいんだけど。
本当美味しい。
すごく美味しい。
お芋がですね…。
あっいたんだ乃保留さん。
まだ全部の料理出し終わってないんですよ。
えっお父さん…乃保留さん?あっビールも飲んじゃってんだ。
ビールも飲んじゃってる!怒ってるよ…。
お父さん!はいはい。
早く行った方がいいですよ。
あ〜あ怒られた怒られた。
ああ反省の色なしだ。
でもこのあとお客さんがお二人を席に呼んでくださいました。
いやあありがたいですね。
労いのビール頂きます。
アハハいいですね。
仕事を終えてお客さんと一期一会の宴です。
色んなところからいらっしゃるお客さんたちとの交流。
乃保留さんと美佐子さんが一番楽しみにしてる時間です。
(鳥のさえずり)翌朝乃保留さんはお客さんと畑へ向かいました。
おお採れた!大きいね。
よかったね。
よいしょ!おお…。
採れたじょ!エヘヘ採れたじょ!さあじいじは何を採るのかな?ごぼうですね。
ああごぼうだ。
初めて採りました。
収獲がたくさんある時はお客さんにもお分けします。
(美佐子さん)持てるかな?「ありがとう」は?ありがとうございました。
(美佐子さん)ありがとうございました。
しっかり遊べましたか?自然の中で楽しめてすごいいい宿でした。
お水が豊富で…子供が大好きな場所だね。
ありがとうございました。
乃保留さんいつも熱い握手をしてお客様をお見送りします。
じゃあまたお越しください。
ありがとうございました。
ねえ。
ねえ。
また来ようね。
パパとね。
また来てくださいね。
乃保留さん美佐子さんお客様お帰りになりましたね。
ハハハハ…うわ〜んってなる。
いやあ毎回なんですか。
でもこんな出会いがあるなんて本当に素敵な事だと思いますよ。
火の国阿蘇ん人たちはこげん温かいとね。
大好きったい!この日河原に尾籠集落の男衆の姿がありました。
夏に伸びた川沿いの草を刈るために皆さん集まりました。
(草を刈る音)魚釣りも集まる。
人が来れば町も元気になるでしょ。
西田さん。
はい。
皆さんは草刈りだけでなく河原一帯に四季折々の花を咲かせています。
ほう…。
まもなくコスモスが満開になります。
おおすごいな!見事だなこれ。
地元の方々が18年前から続けてきた活動です。
へえ〜。
いやあ素晴らしい団結じゃないですか。
作業が終わった後は恒例のお疲れさん会ですもんね。
ありがとうございました。
乾杯!乾杯!乃保留さんのモットー。
汗を流し知恵を出したら酒を飲む。
飲まんと町おこしが出来ない。
そうですよ。
ハハハだよね。
74歳の乃保留さん。
これからの目標はなんでしょう?ほうほうなんと120歳!そう。
今100歳は当たり前ですよ。
それからどう努力するか。
いやあ本気じゃないですか。
あと50年ありますよ。
そうです。
ほら1人出てきたよ。
ハハハ。
50年の長期計画。
スケールでかいです。
菅乃保留74歳。
皆様のご支援を受けまだまだ色んな事をやって参ります。
サラリーマン時代から20年。
大好きなふるさとを元気にしたい一心で町おこし活動を続けてきた乃保留さん。
最近では尾籠集落の何気ない風景に光を当てその風景を名物としてたくさんの人に見てもらおうと活動を進めています。
常に前を向き立ち止まる事がない乃保留さんです。
いつも支えてくれる妻美佐子さんと一緒にこれからも目標に向かって進んでいってください。
食らいついたら離れない。
スッポンの菅120歳まで頑張るたい!はい楽園通信です。
桃ちゃん阿蘇のよかとこ紹介してよかよ。
は〜いよかよ。
よかよ。
地元の観光情報は阿蘇市観光協会まで。
カルデラの大地が織りなす絶景歴史ある阿蘇神社や門前町など見どころがいっぱいです。
ほんによかとこばい!そして菅さんご夫婦が営む森の駅どんぐり。
丸ごと一軒貸し切りの農家民宿もレストランも1日1組限定。
新鮮野菜のコース料理が楽しめます。
これがうまかよ!次回は神奈川県厚木市が舞台。
自宅の1階を改装してパン屋さんを開いたご夫婦のお話です。
自分で育てた新鮮野菜を使ってます。
2014/10/04(土) 18:00〜18:30
ABCテレビ1
人生の楽園[字]

『故郷自慢!森の食堂 泉の宿』 大好きな故郷の阿蘇を盛り上げようと、妻が作る野菜中心のコース料理が自慢の「農家レストラン」と「農家民宿」を始めた男性を紹介。

詳細情報
◇番組内容
楽園の舞台は雄大な阿蘇の山々を望む熊本県阿蘇市。自動車のトップセールスマンだった主人公は、50代を迎えたころ、地域が衰退していることを実感。様々な地域おこし活動を始めた。さらに自宅敷地の古い米蔵を自分の手でお洒落なレストランに改装し、古い家畜小屋をセンスの良い宿泊施設に作り変え、農家レストランと農家民宿を始めた。料理が得意な妻が作った、野菜中心のコース料理が評判を呼び、全国から客が訪れている。
◇出演者
【楽園の案内人】西田敏行、菊池桃子
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/rakuen/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
福祉 – 高齢者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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