(3人)こんにちは。
「化学基礎」始まります。
リホです。
ナオです。
カナです。
最近化学の実験が楽しみになってきました。
今日はどんな実験があるんでしょうか。
私は色が変わる実験が好きかな。
黄色や青色や紫色になったらきれいで楽しい。
楽しいよね色が変わると。
そこで今日は最初からちょっとした実験をしてみます。
えっ何?何でしょうか。
フラスコにはアンモニアの気体が入っています。
このフラスコの中に注射器で水を少し入れます。
入りました。
そして少し振りますね。
そしてフラスコをセットしていきます。
こちらのビーカーには水が入っています。
コックをひねるとどうなるでしょう。
どうなるの?やってみますね。
はい。
すごい噴水だ。
勢いよくフラスコの中に水が上がりました。
これは今日のテーマと深い関係があるんですよ。
今日のテーマは…学んでいくと水がどうして上がるのか分かってくるんですね。
はい分かります。
まずはカードね。
はい。
ジャン!なかよしってどういう事でしょうか。
分子には仲がいいとか悪いとかがあるんですか?そうです。
その辺りが今日のポイントです。
楽しみだね。
うん。
ではケミストリーの世界に入りましょう。
は〜い。
は〜い。
ねえ私たちはなかよしだよね。
うんもっちろん。
最初のコーナーは「電気陰性度」です。
何だか初めて聞く言葉だけどどんなお話なの?今まで化学結合については学んできたよね。
ちょっと復習しましょうか。
…がありました。
そうですね。
はい。
共有電子対を作って分子になるんですよね。
それです。
今日はこの化学結合の中の共有結合のお話です。
そうですか。
頑張ります。
まず電気陰性度とは何かを知るために2人にお芝居をしてもらいます。
はい。
題して…は〜い塩素で〜す。
水素で〜す。
塩素のリホちゃんと水素のナオちゃんです。
2人は100円ずつ出し合ってこのお皿に載せます。
100円出して下さい。
(2人)は〜い。
塩素のリホちゃんも100円水素のナオちゃんも100円。
じゃあこのお皿を持って下さい。
(2人)は〜い。
100円は不対電子のつもりです。
このように結合して2人は塩化水素になっています。
このお皿の上に載った100円2枚が共有電子対だとします。
原子が結合する時にお互いの電子を共有するんでしたよね。
そうです。
その…どういう事ですか?つまりもしリホちゃんがそのお皿を引っ張る力が強かったら?おっと。
こうなります。
そうですね。
じゃあナオちゃんが強く引くと?おお…。
こうなります。
はいそうです。
このポイントは…へえ〜。
塩化水素の場合は私とナオちゃんでどっちが強いの?リホちゃんの塩素が強いんです。
じゃあこんな感じ?おっと。
そうですね。
お皿を引っ張る強さが大きいって事?そういう事です。
この電気陰性度は原子によって決まっているんです。
へえ〜。
どうだった?体を使ったからよく分かりました。
電子を引っ張る力が違うんですね。
そうです。
まとめておくと同じ原子同士では共有電子対は真ん中にありますね。
つまり私が2人だったりナオちゃんが2人だったりしたら真ん中っていう事ですね。
そう。
それが電気陰性度が違う原子だと共有電子対がどちらかの原子の方に偏ってしまうんです。
分かりました。
では今度は電気陰性度を周期表に当てはめて数値で見ていきましょう。
はい。
緑の非金属元素を見て下さい。
え〜っとこの表で見ると電気陰性度が大きいのはFフッ素。
O酸素。
N窒素。
で窒素とCl塩素は同じくらいですね。
そうです。
左上のHの水素は小さいね。
周期表上では希ガスを除いて右上の…なるほど。
塩化水素は塩素と水素だから2つはだいぶ電気陰性度に差があるんですね。
そうです。
このようにそれぞれの原子の電子陰性度が決まってるんです。
分かりました。
このコーナーのケミカルポイント!今度は「結合の極性」です。
ここでは電気陰性度が違うと原子の結合がどうなるのかを考えます。
はい。
塩素原子と水素原子では塩素原子の方が電気陰性度が大きかったですね。
はい。
電気陰性度が大きい原子の方に共有電子対が引きつけられていましたね。
するとどうなるでしょう。
引きつけられるとどうなるの?電気陰性度が違うと電荷が偏るんです。
電荷って電気を持つって事だよね。
電気陰性度の差が大きいと偏る電荷も大きくなるんです。
塩素と水素では…。
電気陰性度の大きい塩素の方に共有電子対が偏り塩素原子は僅かに負の電荷を帯びます。
「ちょっとマイナス」。
じゃあ水素原子は?水素原子は僅かに正の電荷を帯びます。
「ちょっとプラス」。
この事を結合に極性があるといいます。
「結合に極性がある」ですね。
そうです。
ではここで結合の極性について分子模型で考えてみましょう。
これは分子の模型です。
これを2つのグループに分けてみましょう。
うん?どうやって分けるの?ポイントは分子の形です。
水素分子塩素分子など同じ原子同士では電気陰性度が同じなので結合の極性はありません。
無極性分子か…。
最初は簡単でしたね。
今度は結合の極性がある異なった原子でできた分子を見てみます。
ここにある分子は違う原子の組み合わせでできているから全部極性がある分子って事ですか?ちょっと違うのね。
もう少し考えてみようね。
結合に極性があって分子全体でも電荷の偏りのある分子塩化水素水やアンモニア酢酸などは極性分子です。
それに対し結合の極性があっても二酸化炭素メタンなどは分子全体の電荷の偏りは分子の形で打ち消されてしまうので無極性分子です。
例えば二酸化炭素は直線の形をした分子です。
真ん中の炭素原子を酸素原子が両方から引っ張り合うので結局共有電子対はどちらにも偏らない。
つまり電荷の偏りがない無極性分子です。
なるほど。
結合の極性があっても分子の形によっては無極性分子になるものもあるんですね。
確かにバランスが取れているよね。
うん。
ではまとめましょう。
そして同じ原子でできた水素や塩素のような分子は結合に極性がない無極性分子です。
「無極性分子」ですね。
はい。
そして電気陰性度の違う原子が結びついた場合水やアンモニアなどは極性がある極性分子です。
でも二酸化炭素など分子の形で結合の極性が打ち消されて無極性分子になる事もあるんです。
分子にもいろいろあるんですね。
このコーナーのケミカルポイント!最後は「極性分子と無極性分子」です。
極性分子と無極性分子の特徴をもう少し見てみましょう。
まずこんな実験をしてみました。
まず…ヨウ素はヘキサンによく溶けます。
次に…ヨウ素は水には溶けにくいです。
ヘキサンと水はどうでしょう。
ヨウ素の溶けた…ヘキサンは水に溶けません。
一般に…へえ〜。
極性分子と無極性分子の性質を簡単に知る事ができるんだね。
水は極性分子ですね。
だから…ほかにも極性分子の特徴を見る事ができる実験があります。
それが最初に見たあの実験です。
あっ噴水の実験だ。
そう。
この中に入っているのはアンモニアでした。
そしてその中に水を少し入れましたね。
アンモニアも水も極性分子ですね。
それと何か関係があるんですか?そうです。
極性分子は水によく溶けるという性質を利用しているんです。
ちょっとだけ入れた水にアンモニアが溶けるの?そう。
フラスコの中に水を入れると…溶けた分だけ気体の量が減るでしょ。
それで中の圧力が下がったんです。
そっか。
中の圧力が下がったから水を吸い上げたんですね。
そう。
極性分子って面白い性質があるんですね。
極性分子の事もう少し知りたいね。
こんにちは。
こんにちは。
先生極性分子って面白いんですね。
そうですね。
分子には無極性分子と極性分子があって水は代表的な極性分子なんですよ。
水にはどんな特徴があるんですか?水はこのような折れ線型の分子で極性分子の中でも特に極性が大きい物質なんです。
それは酸素のためですか?そうなんですね。
酸素原子は電気陰性度が大きいので僅かに負の電荷を帯びています。
そして電気陰性度の小さい水素原子は僅かに正の電荷を帯びています。
そうすると水素原子はほかの分子の酸素原子との間に引力を生じます。
このように水素を仲立ちとして分子間で生じた引力の事を水素結合といいます。
水素結合ですか。
はい。
水素結合は酸素原子だけではなくて窒素など電気陰性度の大きい原子と水素が結びついた時にもできます。
アンモニアの分子同士も水素結合しているんですよ。
水もアンモニアも極性がとっても大きい分子っていう事ですね。
そうなんです。
大きいと何が起こるんですか?この図で言うと水の分子の酸素原子と隣の水の分子の水素原子の結びつける力が大きくてどんどん分子がつながったような形になります。
1つの大きな分子みたいですね。
そのとおりなんです。
水はHOという小さい分子でありながら大きな分子のような性質を持つんですよ。
では水素結合のために起こる水の異常な性質を見てみましょう。
はい。
液体の…この中にそれぞれの固体を入れてみます。
どうなるでしょう。
氷が水に浮く事は知っているんですけど…。
どうなりましたか?水以外は沈んでしまいましたね。
固体が液体より重くなったって事でしょうか。
そうですね。
考えてみると液体が固体になるとぎゅっと詰まって密度は大きくなるのが普通ですね。
そうですね。
つまりその物質の固体はその物質の液体に沈むんです。
つまりこの実験で分かるのは氷が水に浮いているのは実は例外的だっていう事なんですね。
そうなんです。
氷は水素結合のために隙間の大きい規則正しい形に分子が並んで固体になるんです。
そのために…だから氷は水に浮くんです。
隙間がいっぱいあるから水に浮くんですね。
そのとおりです。
氷が水に浮くという一見当たり前の事もなぜかを考えるとそこには化学の不思議があるんですね。
分かりました。
今日は…ママに缶はつぶして捨てなさいって言われたのに…あなたのお悩みを化学を使って解決します。
そしてアルミ缶の中に沸騰したお湯を少し入れます。
ふたを閉めて10秒ほどたったらアルミ缶を水で冷やしましょう。
お〜缶がつぶれた!やった〜!これでママに怒られなくて済むよ。
缶の中の…缶の中の圧力が大気圧に比べて下がるので缶がつぶれるんです。
(一同)みんなもおうちでやってみよう。
今日はいっぱい勉強した感じがするね。
(ナオ)うん。
こんなふうに氷が水に浮くのも不思議な事だったなんて面白いね。
うん。
水に溶けやすいものと溶けにくいものがあるのも化学だったんだね。
そうだね。
2人とも分子の極性は覚えておこうね。
(2人)は〜い。
極性分子同士はなかよし。
無極性分子同士もなかよし。
合ってる?合ってるよ。
やった〜。
じゃあ頂きましょう。
2014/09/17(水) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 化学基礎「分子の極性〜なかよしな分子たち〜」[字]
化学基礎は平成24年度から新たに設けられた科目で、中学校から高校への橋渡しの役目をする内容です。基礎をしっかり学んで、本格的な化学の学習に役立ててください。
詳細情報
番組内容
元素の種類により、原子間の共有電子対を引きつける強さである電気陰性度が異なる。電気陰性度の大きい原子と小さい原子が結合すると、大きい原子に共有電子対が引きつけられ、電荷の偏りを生じる。これを結合の極性という。分子全体でも極性、電荷の偏りのある分子を極性分子、分子全体に電荷の偏りがない分子を無極性分子という。分子の極性は物質の性質に大きく影響する。
出演者
【解説】東京都立西高等学校教諭…吉本千秋,【出演】高田里穂,吉田奈央,横畠加奈子,【語り】伊倉一恵
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格
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