生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
10時5分です。
「くらしきらり解説」きょうはイスラエル・パレスチナ若者の対話合宿というテーマです。
紛争が続く中東のイスラエルとパレスチナから大学生や高校生を日本に招き、合宿生活を通じて相互理解を図るプログラムが相次いで行われました。
担当は出川展恒解説委員です。
出川さん、日本でこういう合宿があるんですね。
出川⇒はい、日本のいくつかの民間団体が10年以上続けています。
中東和平がうまくいかない現状に心を痛めて現地の若者たちに交流の場を与えようという思いが背景にあります。
先月、2つのプログラムが行われました。
プログラムは2つあるんですね。
はい。
1つは日本・イスラエル・パレスチナ学生会議が主催した大学生対象のもの、もう1つはNPO法人ピース・フィールド・ジャパンが主催した高校生対象のものです。
いずれもイスラエルとパレスチナの若者たちと日本の学生たちが一緒に合宿生活を送って対話と相互理解を図るのが目的です。
ことしは、たまたまパレスチナ暫定自治区のガザ地区で激しい戦闘が続く真っ最中と重なってしまいました。
本当に、つい先日までガザ地区では激しい戦闘が続いていましたからね。
はい。
イスラエル軍とイスラム組織ハマスの間で激しい戦闘が50日間も続きました。
パレスチナ側は2100人以上が亡くなりイスラエル側も兵士を中心に70人が犠牲になりました。
双方の参加者が、日本に来ること自体危ぶまれたんです。
イスラエルとパレスチナの若者たち、こういう状況でふだんなかなか会話する機会や交流する機会はないですよね。
実は顔を合わせることさえほとんどありません。
イスラエルとパレスチナ暫定自治区は2つあります。
壁やフェンスで分離されています。
黄色がパレスチナで分離されているんですね。
はい。
イスラエルの若者は、高校卒業しますと男女すべてが兵役に就きます。
これに対しパレスチナの若者は子どものころからイスラエルによる占領に抵抗するよう教えられます。
互いに相手のことを深く考えることはありません。
参加者たちは、遠く離れた日本に来て、初めて相手とことばをかわすのです。
実際プログラムは、どのように行われたんでしょうか?日本・イスラエル・パレスチナ学生会議のプログラムはイスラエル人とパレスチナ人合わせて10人の大学生が原爆の日を迎えた広島で対話を重ねました。
テーマは、異なる民族の問題。
難民や武力行使の問題などあえて微妙な政治問題にも踏み込んでとことん議論しました。
しかし、冒頭からガザ地区の戦闘を巡って非難の応酬になってしまいました。
参加者が相手の発言に怒って、席を立つということもありました。
やはり大変ですね。
両者の溝を埋めるきっかけになったのは8月6日の原爆の日。
一緒に被爆者の語り部の話を聞いたことです。
私たちは原爆を投下したアメリカへの復しゅうの気持ちは捨てました、という語り部のことばに双方とも、とても驚かされた様子でした。
また、危険な場面に遭遇した体験や親しい人を失った体験などを各人が打ち明けて相手の苦しみも理解していきました。
この議論によって参加者たちは何か結論を導き出せたのでしょうか。
そう簡単に結論というものは出てきません。
イスラエルとパレスチナ人が平和共存していくためには互いに妥協していくことが必要だという点ではおおむね一致しました。
しかしガザで起きている戦闘をどうやって終わらせるのか。
そしてパレスチナ問題を最終的にどう解決するのかといった具体的な問題になりますとほとんど意見は一致しませんでした。
それでも半月以上一緒に生活していく中で食事やことばなど互いの文化の共通点に気付くことも多かったのです。
相手を同じ1人の人間として見るようになっていきました。
そうなんですね。
締めくくりに東京で公開シンポジウムを開いて参加者が成果を発表しました。
同じ人間である相手を知るというのはまず大きな大きな一歩ですよね。
もうひとつ高校生のプログラムも行われたということですよね。
はい。
ピース・フィールド・ジャパンのプログラムにはイスラエルとパレスチナの女子高校生4人ずつが参加しました。
日本の学生と支援スタッフが加わり山梨県の小菅村でサマーキャンプを行いました。
たいへんデリケートな時期なのでビデオによる撮影は見合わせてほしいということでした。
写真でお伝えしますと、山登り、川下り、農作業村の人たちの指導で草履やそばを作る。
草履やそばを作っていますね。
そしてホームステイがありました。
自然に親しみながら相手を知り仲よくなるのが目標で政治問題は、話題にしないことを全員が確認してコミュニケーションはすべて英語で行いました。
この合宿に参加した高校生たちに何か変化はありましたか。
初めはなかなか打ち解けなかったのですが一緒に作業する中で相談し合うようになって助け合いの気持ちも生まれました。
イスラエル人もパレスチナ人も相手も自分と同じようなことで悩む高校生だということが分かったと話していました。
すべての日程が終わってお別れの会になりますと全員が別れを惜しんでこのように抱き合って涙を流す姿もありました。
こんなに仲よくなれたんですね。
2つのプログラムはどちらも無事終了したということですか?はい。
全員無事帰国して、半月以上がたつんですが参加者から感想がメールで寄せられてきました。
イスラエル側の参加者の感想です。
一方、パレスチナの参加者からはこのような意見がありました。
こうした内容なんですね。
遠い日本だからこ、そこれだけの交流ができたんですね。
現地でまた再び学生たちが会うということはありますか。
残念ながら、直接会うということはほとんどありません。
メールやフェイスブックで連絡を取り合っているということです。
このプログラムを企画実行した日本の大学生たちにとっても多くのことを学ぶ非常に貴重な体験となりました。
事務局長で国際基督教大学2年生の木内萌乃さんはガザ地区の戦闘があったので苦労しましたが対話の場を提供できて本当によかった。
参加した人たちが将来和平のリーダーになってくれればうれしいです。
このように語っていました。
取材を通して、出川さんはどのようなことを感じましたか。
非常に難しいプログラムです。
さまざまなトラブルと背中合わせですので綿密な計画作りとケアが必要です。
ことしはガザ地区の戦闘の真っ最中でしたから実現したこと自体が驚きです。
たった2週間の共同生活では相手を深く理解することはできません。
それでも同じ人間どうしだということを発見して対話することが大切だという思いを共有できたことは次の世代に和平への希望を託す非常に貴重な取り組みだと感じました。
出川展恒解説委員でした。
次回は室山哲也解説委員と共にお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
2014/09/17(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「イスラエル・パレスチナ 若者の対話合宿」[字]
NHK解説委員…出川展恒,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…出川展恒,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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