(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお伝えします。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
「漢方もっと知りたい」をお送りしていきます。
最近は医療機関受診しますと漢方薬も出されるという事が増えてきましたよね。
そうですね。
私も使ってます。
そうですよね。
いわゆる西洋薬と一緒に漢方薬を出されるという事が増えてきましたね。
今週は漢方をどんな時に使われるのかまた漢方薬というのはどのようなものなのかなど漢方をもっと知りたい方のための情報をお届けしていきたいと思います。
早速今日のテーマはこちらです。
それでは今日もお迎えしている専門家をご紹介致します。
お迎え致しましたのは…和漢診療科で漢方薬を使っての診療をされまた漢方薬の効果についても研究を続けていらっしゃいます。
今日はよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
今も申し上げましたけれども漢方薬もどうぞって事で処方される事が本当に増えてきたような印象がありますね。
はい。
確かに以前に比べますと非常に増えてきているのではないかと思いますね。
もちろんもともとの病気や症状によって異なりますが漢方治療で効果が見込める事も多数あると思いますね。
そこで今日は漢方薬についてよくある疑問にお答えしていきます。
こちらご覧下さい。
「知っておきたい漢方のこと」。
疑問は6つですね。
さあ順にいきましょうね。
まずは漢方薬とはそもそもどういう薬の事なんでしょうか?堅苦しい話にはなりますが漢方薬とは漢方医学で用いられる漢方処方とそれを構成する生薬という事が言えると思いますね。
処方と生薬という言葉が出ましたね。
まず漢方処方というのはどういう事ですか?これはですね漢方医学において伝統的に用いられてきた原則的には複数の生薬が組み合わさったお薬だという事が言えると思います。
生薬がいろいろ組み合わさったものという事ですよね。
そのとおりですね。
さあそれではその生薬天然素材のもののようでございますがどのようなものが組み合わされていくのか一例を具体的に見ていきましょう。
久田さん。
はい。
ではこちらに代表的な漢方薬の一つ葛根湯の生薬を用意しました。
このように葛根湯は全部で7つの生薬から出来ています。
では1つずつ見ていきましょう。
まずこちらですが葛の根を乾燥させた葛根。
そして棗の実を乾燥させた大棗。
更に支那麻黄の茎を乾燥させた麻黄。
甘草の根などを乾燥させた甘草。
そしてこちら肉桂の樹皮を乾燥させた桂皮。
芍薬の根を乾燥させた芍薬。
生姜を乾燥させた生姜です。
これら7つの生薬を細かく刻んで決められた割合で配合するとこちらのような葛根湯となります。
葛根湯はこのように葛根一つではなく複数の生薬が組み合わされて出来ているんです。
はい。
組み合わせであるという事がよく分かりましたね。
さあそれでは次にまいりましょう。
西洋医学との違いは何ですかという事ですがどうでしょう?はい。
端的に申しますと西洋医学は科学的。
漢方医学は経験的と言ってよいのではないかと思います。
西洋医学の方は疾患あるいは病名を診断した上で臨床試験や作用機序などの根拠エビデンスという言い方をしますがそれに基づいた治療を行う事を基本としておりますね。
それに対して漢方医学の方は証という言い方をしておりますが漢方医学独特の見方による状態を診断してそれに基づいて治療を行うという事になります。
独特の状態とおっしゃいましたこの証ってキーワードでございますね。
ここを少し説明して頂きましょう。
この証とは漢方医学の治療の指針にもなるというものなのですが西洋医学でいうところの病名や診断名に相当するというふうにお考え頂ければ分かりやすいのではないかと思いますがこれを診断するには漢方医学独特の診察を行いまして個々の患者さんの証を診断して治療に当たるという事になります。
そして漢方医学における証の診断の過程におきまして漢方医学では心と体の状態を同時にですねしかも自然な形で診察できるような仕組みが出来上がっているというふうに言えると思いますね。
そして西洋医学と漢方医学の薬の違いというのはどういう事なんでしょうか?これとこれ。
西洋医学で用いるいわゆる西洋薬の方から説明しますと原則的には西洋薬は合成薬物で単一成分の事が多いと思います。
一方漢方薬の方は天然薬物を用いておりましてそれも複数組み合わさったものを用いておりますのでいろんな成分が混ざった複合成分から成り立っているという事が言えると思いますね。
このような違いがある西洋医学と漢方医学ですけれどもこの診療の現場ではどのように使い分けられているんですか?もちろん日本のような先進国では西洋医学が医療の主役を担っておりますね。
例えばがんあるいは細菌による感染症などこれらは西洋医学的な治療が明らかに有効ですのでそのような場合は西洋医学の方が優先されて当然だと思いますしよい事だと思う訳ですが一方で西洋医学だけでは全て対応解決できないというのも事実ではないかと思われますね。
その不十分な点を補うという視点で漢方医学が果たす役割は決して小さいものではないというふうに思う訳です。
なるほど。
さあお話を進めましょう。
「もっと知りたい」。
ではどんな時に漢方は使っていくのかという事ですね。
どうでしょう?はい。
まず第1に挙げたいのは…例えば冷え症や虚弱体質疲れがとれないといったような症状でお悩みの方はたくさんいらっしゃると思うんですがそのような方が一般の医療機関を受診しますといろんな検査を致しますが特定の病気が診断されるという事はまあかえってあまりないのではないかと思うんですね。
どこも悪くないですよって言われるんですよね。
そのような場合は治療法がないという事になってしまいますね。
ドクターの方から心配な病気はないから大丈夫と説明されますと一応安心はできるんですけども症状の方は一向によくならないという事がよくあると思うんですね。
そのような場合でも漢方に詳しい先生に受診して診察して頂きますとよい漢方薬を処方してもらえるという事があると思うんですね。
そして「西洋薬の副作用がある場合」というのもあるんですね。
そうですね。
例えばですねがんの患者さんで抗がん剤の治療を受けておられるとしますね。
そうしますと副作用によって例えば末梢神経障害が生じまして手足のしびれや痛みなどに悩まされてあるいは抗がん剤によって食欲がなくなって体力もなくなって大事な抗がん剤の治療を続けられないという方も現実いらっしゃると思うんですがそのような時に漢方薬を併用しますと抗がん剤の副作用を軽くしてその治療を全うできるという事もあると思うんですね。
現実にございますね。
もう使えないという状態ではなく状態がよくなるので抗がん剤を予定どおり使う事ができる事も可能になると。
症状も緩和されるという事ですね。
さあそして最後の行にありますこれは不思議な言葉ですね。
「未病を治す」とありますがどういう事でしょう?難しい言葉なんですがこれは昔から漢方医学で言っている言葉でありまして病気が発症しないようにあるいはたとえ病気を持っている持病をお持ちの方でもそれが余病といいますか併発した病気を更に生じないようにする事が大事だという…。
今日的に言いますと西洋医学の予防医学に近い考え方かもしれませんが昔からこのような考えを漢方では重要視してるという事なんですね。
なるほどね。
さあそれでは次にまいりましょう。
4つ目の項目。
「どこでもらえるの?」とありますが漢方薬を使いたい場合どういう所に相談すればいいかと。
まずいわゆる持病があって掛かりつけのお医者さんがいらっしゃる方はまずその先生にご相談されるのがいいと思います。
そしてその先生が漢方にあまり詳しくない場合は漢方の専門医の先生をご紹介して下さる事もあるかもしれませんね。
そのようなケースではなくてまた特に掛かりつけ医のいらっしゃらないような方で漢方の専門の先生をお探しの場合はですね日本東洋医学会のホームページの方を見て頂いて漢方の専門医を検索できるようになっておりますのでお近くの専門医を探してみるというのもよい方法ではないかと思います。
なるほど。
健康保険は適用されるんですか?はい。
現在約150種類の漢方処方が健康保険適用となっておりますね。
ただしまあ漢方診療を行っている医療機関の中では自費診療の所もありますので受診する前にですねそれを確認して問い合わせておいた方がよろしいかと思います。
漢方の専門医を受診した場合薬はどのように決まっていくのかどう診断がついていくんでしょうか?これはですね漢方独特の診察法を行う事になりますがそれはここに出ましたが四診という言い方を致しますが望診聞診問診切診といったようなこの4つから成りますので四診という言い方をしますがこれを用いて診察を行いますね。
例えて言いますと望診というのは視覚から得る情報目で見る情報なんですが患者さんの顔色や皮膚の状態はどうかそれから特に舌をよく診まして舌の状態はどうかなどから情報を得るという事になります。
聞診ですがこれは例えばせきをしている呼吸器の患者さんですとせきの状態ですね。
せきにも強い弱いがあります。
それから患者さんの体臭とか排せつ物のにおいなどから情報を得るという事もあります。
それから問診はですね西洋医学でも自覚症状や病歴は聞きます。
それは漢方でも同じなんですが漢方の場合はですね自覚症状を特に細かく聞きましてそれが治療に結び付きますのでより細かく聞くというのが特徴ですね。
それから最後の切診ですがこれは触るという意味でして患者さんの体を触って情報を得るやり方なんですが特に脈診腹診といいまして脈とおなかの状態は漢方独特の診察法があります。
なるほど。
では疑問に戻って5つ目ですね。
副作用という事ですが漢方は副作用が少ないというイメージありますよね。
はい。
一般論としては全般的に西洋薬に比べて少ないと言ってよいかと思うんですがやはり漢方薬もお薬ではありますので副作用がないと言い切るのはできないと思うんです。
代表的な副作用と致しましては甘草という生薬による副作用がありましてこれはむくみや血圧の上昇などが見られまして血液検査をしますとカリウムという電解質が低下しております。
そのまま服用を継続しますと心臓に重大な悪影響を及ぼす事もあります。
その他これはまれなんですが漢方薬による肝機能障害やあるいは間質性肺炎といった副作用が見られる事も報告されております。
やはり医師の処方によって使っていった方がいいと…。
そう思いますね。
さあそれでは最後に「のみ方は?」とありますがこれはどうでしょうか?剤形という言い方を致しますが大きく分けて2種類ございますね。
一般の医師に広く利用されているものは医療用漢方製剤いわゆるエキス剤といわれるものでこれは製薬メーカーで特殊な技法で顆粒状あるいは細粒状に作って患者さんの方はお湯に溶かしてのまれるのが一番いいと思うんですがそのほか専門の漢方医にかかりますと煎じ薬というもので治療して頂ける事もあります。
これらは例えていいますとコーヒーですね。
煮立てますと本格的なコーヒーとインスタントコーヒーのようなイメージ違いがありますのでそのようにお考え頂ければよろしいのではないかと思います。
つらい症状がしかし長引く場合はやはり漢方薬を試してみるという事を考えてもいいかもしれませんね。
全てのケースとは言えませんが漢方薬で症状が緩和するという事も多々ありますのでお悩みの方は試してみられるのもよろしいのではないかと思います。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2014/10/04(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「漢方 もっと知りたい どんなときに有効?」[解][字]
中国から伝わり、日本で独自に発展した伝統医学である「漢方」。最近では、医療機関で漢方薬が処方されるケースも増えてきた。知っておきたい漢方の基本をお伝えする。
詳細情報
番組内容
中国から伝わり、日本で独自に発展した伝統医学である「漢方」。最近では、医療機関で漢方薬が処方されるケースも増えてきた。エビデンスを重視する西洋医学に対し、漢方では長年の英知や実績に基づく治療を行うなどの違いがある。西洋医学ではよい治療法が見つからない場合や西洋薬の副作用がある場合などは、漢方で症状が緩和することもある。「漢方薬とは?」「どんなときに使うの?」など知っておきたい漢方の基本を伝える。
出演者
【講師】富山大学大学院教授…嶋田豊,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
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