(テーマ音楽)山奥の岩壁に刻まれた果てしない数の石像。
600年にわたって彫り続けられてきました。
重慶市大足区。
大足とは水や作物が大いに足る地という意味です。
8世紀から13世紀まで四川の中心的な街でした。
大足のそこかしこの山に5万体を超える石仏が刻まれています。
高さ7mの華厳三聖像。
大足石刻は唐代から南宋末期にわたって彫られました。
最も大きい全長31mの釈涅槃像。
頭から腰までしかなく仏の果てしない大きさを想像させます。
大足石刻最大の石の洞窟円覚洞です。
岩壁をくりぬいて深さ12mの洞窟を造り16体の仏像を彫りました。
巧みに外の光を取り込み中央の観音像が浮かび上がる工夫が凝らされています。
世界遺産大足石刻で最も古い仏像がそろっている北山。
地元の人々は屋根や風よけを作り仏像の保存に努めてきました。
この日月観音は大足石刻の最高傑作と呼ばれています。
12世紀に造られたものですがほとんど損傷がありません。
大足石刻が生まれたきっかけは8世紀中国北部で起きた大規模な内戦でした。
北部から数万の難民が豊かな大足の地に逃れてきます。
難民たちは内戦でちりぢりになった家族を案じ彫刻家に頼んで仏像を彫りました。
大足石刻は庶民の切なる思いから生まれたのです。
北山の石仏に魅せられ今も仏像を彫り続けている人がいます。
姜暁進さん。
気鋭の若手彫刻家です。
北山の麓の村で生まれ育った姜さん。
子どもの頃ここは大好きな遊び場でした。
仏像を見続けているうちにいつしか大足石刻を超える作品を彫ってみたいと思うようになりました。
大足石刻は仏教以外の教えを取り入れながら時代を乗り越えてきました。
南宋の時代に造られた病気の親の面倒を見る大仏様。
親孝行といえば庶民の間で信じられていた儒教の教えです。
大足石刻は庶民の願いや祈りとともに600年にわたって彫り続けられてきたのです。
2014/09/17(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「大足石刻〜中国〜」[字]
庶民の心 5万体の石仏 ▽文化遺産 ▽唐から南宋の時代、600年かけて山の岩壁に彫られた5万体以上の石仏。庶民がつくり出した奇跡の造形に迫る。
詳細情報
番組内容
「大足石刻」は、1999年に文化遺産登録。中国内陸部、四川盆地にある重慶市大足区。大足とは“水や作物が大きく足る地”という意味で、かつて四川地域の中心的な街だった。唐代から南宋にかけて600年にわたり、大足の山々の岩壁に彫られた石仏の数は、5万体以上に上る。全長31メートルの「釈迦涅槃(ねはん)像」や、岩壁をくりぬいた洞窟に16体の石仏を彫った「円覚洞」など、庶民の手による仏像の数々を紹介する。
出演者
【語り】松平定知
音楽
【音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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