誕生して60年。
スヌーピーは世界中で愛されているビーグル犬。
ちょっと風変わりだけど実はハートウオーミング。
その大好物はチョコチップクッキーです。
どうして好きなの?どんな味?どんな時に食べるの?今日はスヌーピーのチョコチップクッキーの秘密に迫りましょう
(クラクション)
(かまど)光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末えいが暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
「グレーテルのかまど」にようこそ。
うれしい時悲しい時もうひとふんばりしたい時一口頬張ると何だか元気が湧いてくるのがスイーツ。
その一つ一つに思いがけない誕生のドラマやその味を愛してやまなかった人々の物語が秘められています。
そんな不思議なスイーツの物語を我が家のかまどで最高においしく焼き上げましょう。
こよいひもとくお菓子は「スヌーピーのチョコチップクッキー」。
クッキーは小麦粉やバター砂糖などを混ぜてさっくりと焼いたお菓子。
イギリスではビスケット。
アメリカでは「小さなケーキ」クッキーと呼ぶようになりました。
形を楽しんだりおしゃれに飾ったりどう作るかは工夫次第。
まずお薦めなのは初心者にも作れるチョコチップクッキーです。
…ってちょっと待って〜!いつになったらスヌーピーが出てくるのよう?だからこれからって時に…。
ん?すみません。
これは我が家の居候のかまどです。
い…居候ってなんて事を!?しかもなんてトーンで…。
私はねグレーテルとあんたの祖先を危機一髪のところで救った掛けがえのないかまどなのよ!聞いてんの?あら?グレーテルったら今日も残業なの?じゃあクッキーでも焼いとく?スヌーピーにそう語らせたのはこの人。
作者チャールズ・M・シュルツさん。
他ならぬシュルツさんの好物でした。
彼が描くクッキーの作品は陽気で幸せ。
サンフランシスコ近郊の町サンタ・ローザ。
シュルツさんはこの小さな町で毎日毎日新聞漫画「ピーナッツ」を描き続けました。
一度も連載を欠かした事がないのがご自慢。
そして毎日欠かさなかった事がもう一つ。
仕事場近くのこのカフェのチョコチップクッキーです。
漫画を描き上げた午後にやって来ては毎日1枚と決めていました。
カフェは今でもシュルツさんの友達のたまり場です。
シュルツさんが愛したクッキーの作り手がこの人ヘレンさん。
スヌーピーのクッキー作品の多くはこの味の印象から生まれました。
チョコチップクッキーは元気が出る味。
そんなクッキーに寄せる信頼を1コマで描いた作品があります。
落ち込んで相談するサリー。
我らがスヌーピーのアドバイスは?人生の悩みを吹き飛ばす魔法のお菓子。
シュルツさんのクッキーはどんな魔法の味がしたのでしょう?それはまた後ほど。
「自分のクッキーの焼き方を覚えろ」。
OK!やってやろうじゃないですか。
目指すのは…シュルツさんが毎日食べていたクッキーのレシピをヘレンさんに教えてもらいました。
その第1関門は…材料は前もって全部量っておきますよ。
でねヘレンさんはねおいしいクッキーの一番の秘けつは「分量の配分と計量だ!」って言い切ってるんだって。
これだ。
まさに。
スヌーピーが言ってた自分流のクッキーを焼くのもまずは計量なの。
計量が基本の基本なのよ。
OK。
じゃあちょっと触ってみる。
ああ柔らかい。
溶いて…。
OK!じゃこれを…。
そうそういい感じじゃない?あ〜きれい!きれい!なんかその下歩きたい。
アッハッハッハ!フワフワだ。
アメリカでクッキーといえばかわいい女の人を意味するほど女の子のマストアイテム。
例えば1992年大統領選挙の年ファーストレディー候補のクッキーレシピ対決が話題を呼びました。
きっかけはビル・クリントン夫人ヒラリーのこんな発言。
主婦たちは大反発。
なぜなら手作りクッキーはアメリカの良妻賢母の象徴だったからです。
雑誌読者の人気投票に向けてなんと2人とも自慢のチョコチップクッキーのレシピで勝負。
結果は?ヒラリーの勝利。
クッキー焼かせても一番を証明しました。
チョコチップクッキーはアメリカの母の味であり続けてきました。
チョコチップクッキーはシュルツさんにとっても母の味だったのでしょうか?内気で引っ込み思案だった子供時代愛犬のスパイクだけが親しい友人でした。
一番の理解者はお母さんのディナさん。
漫画家になる夢を励ましよくお菓子を焼いてくれました。
しかし高校生になった頃ディナさんが末期がんに侵されている事が分かります。
太平洋戦争が始まった翌年シュルツさんは二十歳で徴兵されます。
その入隊から僅か数日後お母さんは帰らぬ人となったのです。
当時戦場の僅かな楽しみはCメールと呼ばれたお母さんや恋人からの手紙。
手作りのクッキーが添えられている事からそう名付けられました。
兵士たちはクッキーを分け合い母や恋人の自慢をし合ったのです。
仲間たちのクッキーをシュルツさんはどんな気持ちで味わったのでしょう?シュルツさんのチョコチップクッキー。
それは甘さの中にもほろ苦い憧れの愛情の味でもありました。
ねえヘンゼルにとってさあお母さんの味ってな〜に?お母さんの味?ハンバーグかなあ。
あいいね。
和風の。
和風の?おいしかった?おいしかった。
ライトブラウンシュガー。
味にコクが出てね焼き上がりがしっとりするの。
わあもうすごいいい香り。
あきた?混ぜてみて。
それぐらい。
3〜4回よ。
それぐらいそれぐらいいい感じ。
混ぜて。
でしっかり混ぜたと。
よいしょ!うわ…。
じゃ粉入れるわよ。
ここがクッキー作り最大の技。
そのポイントは?ドカンとね。
よっ!うん。
そうそう。
「切り混ぜ」っていってね洋菓子の基本中の基本のテクニック。
切って混ぜて切って混ぜて。
あ切って…。
早っ!フフフフ…そんな感じ。
思い詰めてしつこく混ぜちゃ駄目なのよ。
粘りけが出てね固いどんよりとした焼き具合になっちゃうの。
あんまり混ぜすぎちゃうと。
あっOKじゃない?これ。
うん。
じゃ入れます。
よっ!これ多くないか?それでいいのよ。
これも切り混ぜ?うん。
切って混ぜて…混ぜて。
そう。
でもこれ多分粉けなくなってきたな。
出来上がりました!OK!おいしいクッキーのポイントは?80年代に入るとスヌーピーのチョコチップクッキーは大活躍を始めます。
クッキーが話したり歌ったり歩いたりともう好き放題。
一体何があったのでしょう?1981年シュルツさんは重い心臓病である事が分かります。
毎日の連載には決して穴をあけないように3か月分の原稿を描きためてから入院。
シュルツさんは死を覚悟して大手術に臨みました。
手術は成功!退院する前に頼まれて壁一面にスヌーピーを描きました。
「今ではこうして壁の前に自分の足で立ってまた絵を描いているのです。
やはり漫画を描く事が自分の天職だったのだと知ってこの上ない喜びを感じました」。
妻のジーニーさんシュルツさんをずっと支えてきました。
漫画を描ける喜びをかみしめるシュルツさん。
作品には前にも増して笑いとファンタジーがあふれるようになりました。
チョコチップクッキーは真夜中にも登場するようになります。
始まりはいつもこれ。
(ドアをたたく音)
(ドアが開く音)
(ドアをたたく音)
(ドアが開く音)真夜中に目を覚ますスヌーピー。
シュルツさんは「人生の悩みは大げさでなく穏やかに描くべきだ」と言います。
つらい気持ちの子供たちにスヌーピーはそっとクッキーのひと言を語り続けます。
スヌーピーのチョコチップクッキーは読む人々の心もそっと励ます魔法のお菓子です。
たくさんの人を元気にできるクッキーか。
なんか完成楽しみになってきたね。
ね〜。
よいしょ!入れま〜す。
時々ちょっとのぞいて焼け具合を確かめてみてね。
じゃもうスタートしちゃうね。
OK!スタート!よ〜し。
では焼き上がるまで少し休憩で〜す。
ちょっと一息ティーブレーク!チョコチップクッキーのふるさとはアメリカ東部マサチューセッツ。
地味な宿屋トール・ハウスのキッチンで1933年に生まれました。
ある日おかみさんのルースさんはお客に出すチョコレートクッキーを焼こうとしていました。
忙しくてチョコを溶かすのが面倒だった彼女。
刻んだだけのチョコを加えます。
どうせ焼けば溶けると思ったのね。
焼き上がりは大失敗。
チョコは粒のまま残ってしまったの。
ところがトロ〜ンと溶けたチョコレートがいけるのよ〜。
評判を聞きつけたチョコの会社は手間いらずのチョコチップを製品化して売り出します。
ちゃ〜んとルースさんのレシピを載せてね。
一人のおばさんの失敗が世界中の人を幸せにするお菓子を作り出すなんて何か人生ちょっといい事あるかも!おお〜円い!お待たせしました!「スヌーピーのチョコチップクッキー」の完成です。
あったかくていい香り〜。
それにしても焼いたわね〜ヘンゼル。
焼いたねこれは。
焼いた。
焼いた。
何枚焼くつもりよ?
(チャイム)あっグレーテルよ〜。
姉ちゃんおかえり。
お疲れさま!今日はスヌーピーのチョコチップクッキーだよ。
スヌーピーのお話はついに最終回を迎えます。
そこにはシュルツさんからのお別れと感謝の言葉がつづられていました。
「幸せな事に私は50年近くチャーリー・ブラウンとその仲間たちを描き続けてきました。
チャーリー・ブラウンスヌーピーライナスルーシー私はいつまでも忘れません」。
この最終回が新聞に載ったのはシュルツさんが亡くなった翌日でした。
連載を欠かしたくなかったシュルツさんは死が近づく前に作品を描きためなんとそのストックが尽きる前日に息を引き取ったのです。
シュルツさんが最後に描きためた原稿の中にクッキーのお話がありました。
そこには感謝の言葉が何度もつづられています。
シュルツさんは小さな町で毎日漫画を描きながらそれが人々を笑顔にする事を心から楽しんでいました。
人生を乗り越えるためのシュルツさんのクッキー。
それは毎日描き続けた作品だったのかもしれません。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?スヌーピーのチョコチップクッキーにあんなすてきなストーリーがあるとは思いませんでした。
スヌーピーはかわいいだけの普通のワンちゃんじゃなかったんですね。
シュルツさんの言う自分のクッキーの焼き方。
僕にとってのクッキーまだ見つけられてないのかもしれません。
ですが必ず見つけたいと思います!それではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ちょっと失礼して…。
ちょちょちょちょっとヘンゼル!それいくつめ?う〜んおいしい!ちょっと聞いてヘンゼル。
スヌーピーはねクッキー中毒でお医者様にかかった事あんのよ。
うそ〜。
欲しい?障害者のための情報バラエティー…2014/09/17(水) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど「スヌーピーの“チョコチップクッキー”」[字][デ][再]
もう一度見たい!アンコールシリーズ、今回はあのスヌーピーの大好物、チョコチップクッキーの物語!なんで好きなの?どんな味?秘密のお話満載!簡単・本格レシピも必見!
詳細情報
番組内容
スヌーピーいわく「人生にチョコチップクッキーに勝るものがあるなんて考えられないよ!」。チョコチップクッキーは、作者シュルツ氏の好物。若くして最愛の母を亡くしたシュルツ氏は、USAの「母の味」をどんな気持ちでかみ締めたのか。1980年代、クッキーが作品の中で大活躍を始める背景は?シュルツ氏が「世界一」と評したレシピも体験。チョコチップクッキーに込められた温かい気持ちに迫る。【出演】瀬戸康史
出演者
【出演】瀬戸康史,ジーニー・シュルツ,【語り】キムラ緑子,柴田秀勝,平岡映美
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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