「GAIA」…それは息づく大きな生命体。
混沌の時代にも希望を見いだし再生を果たして未来へ向かう。
そこにきっと夜明けがやってくる。
インドネシアの首都・ジャカルタから車で3時間のバンドン。
その郊外にある国立パジャジャラン大学。
4年生のクラスを覗いてみると…。
なにやら日本語が聞こえてきます。
いいかい忘れちゃいけないよ。
インド人のばあさんは…。
流暢な日本語で朗読しているのは芥川龍之介の短編小説。
実はこの大学日本語学科がありその規模はインドネシア最大。
こちらは日本語漬けの毎日を送るウィディアさん。
卒業後はどうするのか聞いてみると…。
学部長も日本語を習得した優秀な学生をなんとか日本で就職させたいと思っていました。
しかしなかなかルートがないといいます。
大学に1人の日本人がやってきました。
会場に足を踏み入れると…。
200人以上の学生が拍手喝采で出迎えます。
いったい何が始まるのか?皆さんこんにちは。
(一同)こんにちは。
日経HRという企業に人材を紹介する会社の社員です。
インドネシアにある現地法人ではなくなんと日本の本社で働くチャンスがあるというのです。
その話に集まった学生たちの顔が輝きだしました。
あのウィディアさんにとっても願ってもないチャンスです。
学生にとってもメリットの大きい企画。
いったいどんな狙いがあるのか?今アジアで始まったグローバル人材の争奪戦。
その知られざる舞台裏を追いました。
アジアの学生が挑む大面接会。
日本企業に入れるのか。
明暗を分けた理由とは。
海外進出を加速する人気外食チェーン。
目をつけたのは意外な国の人材だった。
優秀な外国人学生を獲得せよ。
新たな試みが動きだした。
今回番組では東証一部上場企業およそ200社に海外に住む外国人学生の採用についてアンケートをとりました。
その結果外国人大学生の新卒採用を積極的に行いたいと答えた企業は117社。
全体の約55%にものぼりました。
しかしその一方で現在外国人大学生の新卒者を満足に採用できているかという質問に対してはできていると答えた企業は全体の約20%にとどまりました。
満足に採用ができていない主な理由としては採用ルートの開拓が十分でない。
採用意欲はあるが採用基準にあった学生に出会えない。
…という声がありました。
もう一つこちらのグラフをご覧ください。
これは世界で日本語を学んでいる人の数です。
過去30年でその数は30倍にも増えています。
これは日本の企業に就職したい海外の学生の数が増えていることも一因のようです。
こうしたデータを見てみると日本企業で働きたいと思っている外国人学生と採用したいと思っている日本企業がうまくマッチングできていないということがわかります。
『ガイアの夜明け』今回は日本の企業が今後のグローバル展開に向けてどうやって外国人学生を獲得するのか。
新たな取り組みを追いました。
急成長を続けるそこに経済・貿易を専門とするベトナムの一流大学ハノイ貿易大学があります。
この大学で経済を専攻しているアインさんの夢は…。
アインさん日本語の成績もトップクラス。
先生たちからの評価も高い優秀な学生です。
アインさんは1年間そして今は日本の企業に勤めたいと考えていました。
私のお父さんと私の甥です。
自宅に案内してくれました。
どうぞ。
貿易業を営む父親。
そして元銀行員の母親。
両親にとってアインさんは自慢の娘です。
そのアインさんある仕組みを使って日本に就職したいと考えていました。
ここにその仕組みを作った会社が。
企業の人材採用をサポートする日経HR。
社員はおよそ50人。
インドネシアの大学を回っていた石渡さん。
アジアの学生を日本に招き日本企業と面接を行う準備に追われていました。
仕組みはこうです。
日経HRがアジア各国から日本企業に就職したい学生を募り日本語能力や学力を調べます。
それをもとに企業が面接したい学生を選抜。
渡航費用などを企業が負担して日本へ招き面接を行うのです。
いわば学生と企業を結びつける新しい試みなのです。
今年は去年に続いて2回目。
石渡さんたちがアジアの8カ国を回りトップクラスの学生を集めました。
2000人を超す応募からよりすぐりの103人がもうすぐ東京にやってきます。
ここはインドネシアの地方都市バンドン。
国内最高を誇る工業大学電機学科の実験室で卒業研究を行っているのが彼もまた日経HRが主催する企業との面接に選ばれた優秀な学生です。
経済発展と引き換えに今インドネシアで問題となっている交通渋滞や環境汚染。
それを解決できる仕事に就きたいとディカスさんは考えていました。
日本の企業と面接するためにアジア各国から学生がやってきました。
ベトナムからはあのアインさん。
インドネシアのディカスさんの姿も。
この日アジア8か国から総勢103人の学生たちがやってきたのです。
これから1週間自らの将来を決める大事な面接と向き合います。
期間中学生は同じ宿舎に寝泊まりします。
その夜インドネシアの学生10人が集まって勉強していました。
手にしていたのは日本企業への面接対策本。
更にこんなことも。
本日はよろしくお願いします。
ネットで日本式の面接を研究しています。
一方アインさんも学校や家族の期待に応えるために準備に余念がありません。
日本語で想定される面接の受け答えをおさらいしていました。
来日3日目いよいよ本番です。
スーツを着込んだ学生たちがやってきました。
この大ホールが待機場所。
これから3日間朝から夕方まで面接が続くことになります。
面接は企業側からの指名制。
多くの学生は平均4〜5社の面接ですが…。
この中国人学生なんと10社から指名が入っていました。
3か国語が完璧に話せるそうです。
面接が始まりました。
学生は面接の時間に合わせてそれぞれの企業の部屋へ。
扉の前で名前が呼ばれるのを待ちます。
SGホールディングス佐川急便の中核会社です。
そこにアインさんの姿が。
今までの成果がここで問われます。
失礼します。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
どうぞ。
日経プログラムに参加して…。
アインさんこの日は合わせて4社の面接を受けます。
今回参加した日本企業は22社。
商社金融物流やメーカーなど一流企業ばかりです。
なぜこの面接会に参加したのでしょうか。
そういう意味からすると一方インドネシアのディカスさん。
本日3社目の面接を待っていました。
ここはヤマハ発動機の面接会場。
ディカスさんが入社したい会社の1つです。
こんにちは。
日本語を学び始めて1年足らず。
面接が進むその裏で早くも結果が出始めていました。
多くのマッチングを成立させるため重要な仕事を任されていました。
合否を表すマルバツの他に保留を示す三角があります。
1次面接を通過させるか企業が判断しかねている学生が多く出ていたのです。
翁さんが動きます。
各企業の人事担当者を訪れ迷っているならもう一度面接したほうがよいとアドバイスして回ります。
2次面接に進む学生が追加されたのです。
その夜宿舎のロビーに学生たちが集められました。
今から合否が出てる明日の面接のやつを配りたいと思います。
2902。
各自に配るプリントには1次面接の結果が書き込まれています。
4578!OKアインさん。
アインさんはどうなのか?これです。
4社受けたうち合格したのは1社だけ。
彼女には厳しい結果でした。
はい。
一方インドネシアのディカスさんは…。
5社のうち4社の面接を突破していました。
翌日面接2日目。
アインさんに残された面接は1社のみ。
でも実はその会社が第一志望でした。
ジェイックというコンサルティング会社です。
アインさんは国際的なコンサルタントを目指しているのです。
お疲れさまこんにちは。
なんと2日目にして社長面接。
早めに内定を出して優秀な学生を囲い込もうという企業も出てきたのです。
一方ディカスさんは面接官はスクーター開発の責任者。
インドネシアに工場を持つヤマハ。
ディカスさんに興味を持っているようです。
ディカスさん専門用語も交えながら次々と答えていきます。
面接2日目の夜。
最終面接に進める学生が続々判明し始めました。
ディカスさんは…。
ヤマハを含め3社の最終面接に進みました。
そしてこの日社長面接を受けたアインさん。
4997です。
その結果は…。
アジアトップクラスの大学生103名と日本企業との就職面接会。
2日目の結果が出ました。
あのベトナムの秀才アインさん。
第一志望のコンサルティング会社で社長面接を受けたのですがなかなか結果を見せてくれません。
不合格だったのです。
その会社は中国人男性1人に内定を出していました。
その結果に…。
まぁなんかあの…。
ショックで言葉が出ません。
この面接会を仕掛けた日経HR。
去年は27の内定が出ましたが今年の目標はそれ以上。
最終面接を前に不安な学生が翁さんのもとに。
集中だよもうあとは。
リラックスして…。
ありがとうございます。
ギリギリまでアドバイスを送ります。
面接3日目最終日。
この日まで残っている学生はおよそ50人。
半分にまで減りました。
インドネシアのディカスさんは面接を重ねるうちにヤマハを第一志望に決めました。
お願いします。
その最終面接。
室内の撮影はできませんでした。
最終面接が終わると次々と結果が。
ガッツポーズする学生こちらの学生は
(拍手)この女性は佐川急便グループに内定です。
ディカスさん結果は…。
ありがとうございました。
見事内定。
ありがとうございました。
おめでとうございます。
これが内定通知書。
初任給や雇用形態なども書いてありました。
日本語はまだまだでも高い専門技術を学んできたディカスさんをヤマハは評価したそうです。
企業の間でも激しい人材獲得競争が繰り広げられた今年。
内定の数は去年の27件から45件へと大幅に増えました。
おめでとう!っていう企業さんの声がいちばん多かったです。
日経HRも新たな仕組みに手応えを感じていました。
翌日東京・浅草に外国人学生たちの姿が。
ディカスさんはインドネシアチームの写真係。
そしてベトナムのアインさんの姿も。
アインさんまた日本での就職にチャレンジしたいと言います。
人材獲得の新たな取り組み。
ますます需要が増えそうです。
一方こちらは海外展開を進めるあのラーメンチェーン。
目をつけたのは意外な国の人材でした。
おはよう。
社長おはようございます。
早速だが会議を始めるか。
はい!これまで我が社は上海ソウル台北バンコクと海外に出店してきて業績も好調だ。
世界的な和食ブームに乗ってアジアで更に店舗を増やしていくぞ。
はい…。
国際ビジネス都市のシンガポールへの進出は欠かせない。
世界第4位の人口で市場として期待できるインドネシアも外せないぞ。
あとはベトナムとカンボジアだ。
いやぁ…。
アジアの国々の街角にうちの店。
ハハッ夢が広がるなぁ。
しかしまったくうらやましいよ。
今の若い社員はこの先いくらでも海外で活躍できるんだからな。
あっ人事部長。
はい。
それで…。
海外の赴任を希望する者は何人くらいいた?それが…実はまだゼロです。
ゼロ?はい…。
いやあの…今の若い社員たちは海外に行きたがらないんですよ。
ほぅ…。
ゼロ?じゃどうすんだこの計画は…。
世界屈指の経済大国この街で行列ができる人気の日本食店があります。
博多一風堂。
福岡で30年前に創業した日本でも人気のラーメンチェーン。
2008年からは海外にも進出しその一風堂が今海外出店のスピードを一気に加速させていました。
一風堂は世界戦略の拠点となるオフィスをここシンガポールに構えています。
まもなく日本と海外の店舗数が逆転すると見ていました。
…というところをしっかりやっていきたいなと思ってます。
これは各国の責任者とのテレビ会議。
河原さんはここシンガポールから陣頭指揮をとっています。
日本の外食がこぞって海外へ進出するなか日本人の人材は奪い合いです。
そこで目をつけたのが外国人でした。
7月一風堂発祥の地福岡。
河原さんの命を受け動き出した男がいました。
やってきたのは以前からつきあいのあるこんにちは。
こんにちはどうも。
実は原さん学校と提携し優秀な留学生を真っ先に紹介してもらうという新しい仕組みを作ろうとしていました。
今飲食店でも経験のある…。
すると学校から一風堂に興味を持っているという留学生15人が紹介されました。
そのうちのほとんどがネパール人です。
なかには学内最高の評価を得ている学生もいました。
数日後…。
ここは福岡市内で一風堂が経営する居酒屋。
原さんの姿がありました。
そこへ…。
ナマステ!
(一同)ナマステ。
この日原さんは福岡外語専門学校から紹介されたネパール人留学生12人を招いたのです。
乾杯!
(一同)乾杯!まずは飲み会をかねて直接学生たちとふれあい適性を見ようというのです。
同席したのは福岡市内で一風堂の店舗を預かるベテラン店長や本部のスタッフ。
現場の意見も人材を見極める判断基準にしたいと考えていました。
3ヵ国語?その語学力の高さに思わず驚くスタッフ。
集まってくれた学生のなかに原さんがひときわ気になる若者がいました。
学校が最高の評価をつけている僕たち?僕たちはね…今?今…。
ルドラさん積極的に質問をしていました。
交流会は2時間で終了。
学生を帰したあと原さんは店長を集めて感想を聞いてみることに。
すると意外な反応が返ってきたのです。
海外展開を加速させるラーメンチェーン一風堂。
ネパール人の留学生から優秀な人材を獲得しよう…。
そう考えた一風堂の原さん。
留学生たちとの交流会のあと店長たちに意見を出してもらいました。
間違いなく。
採用に前向きな意見がある一方で…。
安易に外国人を幹部候補として受け入れることに懸念の声も。
スタッフの意見は大きく割れました。
原さんこのあとどうするのでしょうか?数日後交流会に参加していたあのルドラさんを訪ねてみました。
ルドラさんはネパールで名門の大学を卒業。
5年前に来日し現在は福岡市内で1人暮らし。
今では日本語を完璧に使いこなします。
あれは誰?ルドラさんは半年前に結婚していました。
奥さんは現在故郷の村で暮らしているそうです。
ルドラさんは一風堂への就職を真剣に考え始めていました。
もし一風堂に入社できれば安定した収入が得られるので妻を日本に呼んで一緒に暮らすことができます。
それが今ルドラさんが叶えたい夢です。
原さんが博多駅ビルの中にある店舗にやってきました。
ここは福岡に9店舗あるなかでも最も客の入りが多い店。
中を覗く原さん。
すると忙しく働くルドラさんの姿が。
原さんはまずはアルバイトとしてルドラさんを採用してみることにしたのです。
はい。
流暢な日本語で注文を受けます。
カタで。
はい。
はいよ。
はいよ。
OK。
お願いします。
はいよ。
閉店後。
ルドラさん1人でトイレ掃除をしています。
自ら買って出た仕事でした。
自信あるんだ。
この日原さんは急いでいました。
すみませんお待たせしました。
待ち合わせしていたのは…。
彼らを引き連れ原さんが店の中へ。
学生たちが店のユニフォームに着替え始めました。
そのまま厨房に入りラーメンを作り始めます。
実は原さん営業時間中にわざわざ店を閉めて留学生にラーメン作りを体験してもらおうと考えたのです。
背脂っていって豚の背中のところの脂を砕いたものが入っています。
これは豚骨スープの飲み比べ。
背脂ありと背脂なしで比べてみます。
あ〜こんなのがね。
うんなるほどね。
最後は自分で作ったラーメンを味わいます。
その味は?3時間にわたる楽しい体験に留学生たちの反応は?大学と提携することで実現できた初の試み。
さまざまな方法で優秀な人材をとりにいきます。
スーツ姿のネパール人留学生ルドラさんです。
この日人生に大きな転機が訪れていました。
やってきたのはネパール人留学生のルドラさん。
アルバイトとして働き始めて2週間経っていました。
グローバル人材の採用を任された原さんが待っていました。
そして…。
原さんルドラさんの採用を考え始めていました。
一風堂が世界で成功するために原さんはこれからも外国人の人材を探し続けます。
日本企業にとって海外進出はこの先更に欠かせないものとなっていくでしょう。
そのためには当然海外で活躍できる人材が一層必要となってきます。
その一方で日本の企業で働きたいと思う外国人学生も増えているということが今回わかりました。
今足りないのはその両方を出会わせる仕組み。
日本企業の生き残りのためにもそんな仕組み作りがますます必要となっていくでしょう。
2014/09/16(火) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
ガイアの夜明け【ようこそ!ニッポン企業へ〜アジアからグローバル人材獲得】[字]
世界で400万人が日本語勉強中!日本語を学んでも日本企業に就職するルートがない!?▽アジアの大学生VS日本企業、大面接会の裏側▽海外出店のカギはネパールからの留学生!?
詳細情報
番組内容
アジアの大学で日本語を学ぶ学生は増え、日本企業で働きたいという学生も増えているという。しかし、現実には日本企業に就職する学生は少ない。そのチャンスがなかなかないからだ。一方、日本企業もアジアから優秀な大学生を現地から採用したいと思っているが、その有効な手段もなく、ミスマッチが起きていた。そこで、その両者をつなごうと動き出した人材サービスの会社があった。
番組内容続き
また、アジアに続々と出店を続ける外食チェーンが、海外進出の人材として日本語学校に通うネパールからの留学生に目をつけた。
新たな時代に入ったグローバル人材獲得戦争の裏側を取材した。
出演者
【案内人】江口洋介
【ナレーター】杉本哲太
音楽
【音楽】
新井誠志
【テーマ曲】
◆オープニング曲
「鼓動〜ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)
◆エンディング曲
「夜空の花」(作曲/新井誠志)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウイリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ
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◆公式Twitter
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ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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