南の海上で急速に発達した台風18号。
来週月曜日にかけて、日本列島に近づく見込みです。
こんばんは。
ニュース7です。
47人が死亡した御嶽山の噴火は、発生からあすで1週間になります。
長野県はきょう、行方が分からない登山者が、現時点で16人いることを明らかにしました。
きょうの捜索は、天候の悪化で中止されましたが、警察や自衛隊などは、範囲を広げて、あす以降、再開したいとしています。
昨夜から断続的に雨が降った御嶽山の周辺。
頂上付近は雲に覆われ、ふもとから見ることはできませんでした。
きょうの捜索は行われませんでした。
47人が死亡し、戦後最悪の火山災害となった噴火からあすで1週間。
危ない、そっち、荷物、持つ。
噴火が起きたのは、紅葉シーズンの土曜日、昼どきでした。
小屋に、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり。
うわ、危ない!
こちらは噴火の15分前に撮影された写真です。
ぎっしりと並んだように立っている人たち。
噴火直前、大勢の人たちが山頂にいました。
噴火の1分後、午前11時53分に、山頂の神社のそばで撮影された写真です。
青空とは対照的な、真っ黒な噴煙が立ち上りました。
長野県はきょう、今も行方が分からない登山者の数を発表しました。
登山届けなどのほか、一緒に登っていた人や、家族からの聞き取りなどをもとに、総合的に判断したということです。
家族などへの取材から、行方が分からなくなっている人たちの一人、愛知県春日井市の河合芳夫さんです。
父親の正敏さんです。
噴火のあと、何度も携帯電話を鳴らし続けました。
芳夫さんは、専門学校時代の同級生と3人で登山に出かけましたが、2人の同級生は死亡が確認されています。
山梨県甲斐市の猪岡哲也さんと、妻の洋海さんです。
夫婦で山に登り、噴火に巻き込まれたと見られています。
洋海さんはきのう死亡が確認され、哲也さんの行方は今も分かっていません。
太鼓を演奏する哲也さんです。
耳が聞こえない2人は、聴覚に障害がある人たちなどで作る、和太鼓のグループで出会いました。
2人の友人で、子育てなどの相談を受けていた、手話通訳士の女性です。
愛知大学の1年生、野村亮太さん。
父親によりますと、親戚と一緒に御嶽山に登山していて、行方が分からなくなっているということです。
真面目で家族を思いやる、優しい性格だったということです。
警察や自衛隊などは、あす以降、登山道から離れた斜面などにも範囲を広げ、捜索を再開したいとしています。
噴火の犠牲になった人たち。
別れの時が訪れています。
金沢大学の元教授、車古正樹さん。
葬儀には100人以上が参列しました。
車古さんは情報システムなどが専門で、5年前に定年退職しました。
御嶽山では、夫婦で噴火に巻き込まれ、妻もけがを負いました。
御嶽山の山頂でガッツポーズを見せる男性。
亡くなった川崎市の会社員、高橋秀臣さんです。
噴火の数分前に撮影されたと見られています。
スマートフォンに残されていた写真を、遺族の了解を得て、友人がインターネット上に公開しました。
遺族は、幸い、きれいな写真が残っていたので、皆さんの記憶の中に残してほしいと話していたということです。
友人は、こんなことばを添えました。
最後の贈り物、ヒデちゃん、ありがとう!
あの日、およそ100枚もの写真を撮影していた人がいます。
長野県池田町の会社員、野口泉水さんです。
野口さん最後の写真です。
写真は遺品のカメラに残されていました。
腕時計は噴火のあと、午後0時20分で止まっていました。
御嶽山周辺では今後、台風も心配です。
あさって以降、台風18号周辺の湿った空気が流れ込んで、雨が強まるおそれがあります。
今後、大雨となって、こちらの山頂付近に積もった火山灰が流れ出す、土石流が起きた場合、影響が及ぶ範囲を国土交通省が公表しました。
この赤く示した3つの川の流域に、厚さ1センチ以上の土石流が及ぶということです。
このうち、湯川の流域を見てみますと、ロープウェーの駅なども含まれています。
住宅や集落への影響はほとんどないということですが、地元では念のため、備えを進めています。
火山灰で泥のように濁った水。
そして雨。
濁沢川で、土石流の発生を感知するセンサーの取り付けなどが進んでいます。
流域の王滝村の滝越地区で、村が住民説明会を開きました。
土石流が起きれば、村の中心部との間をつなぐ橋が流され、孤立するおそれがあるとして、この地区については、大雨注意報が発表された時点で、避難勧告を出すことを説明しました。
木曽町も、川沿いの6つの地区について、大雨警報が出された時点で、避難勧告を出すということです。
雨の観測態勢も強化されました。
土石流などへの対策を検討するうえで、きめ細かい雨量のデータが必要となるため、王滝村に臨時の雨量計が設置されました。
御嶽山の周辺では、あさって以降、台風18号の影響で、雨が強まるおそれがあります。
あす夕方からあさっての夕方にかけての24時間に降る雨の量は、多い所で50ミリから100ミリと予想されています。
国土交通省や気象庁は、ふもとの集落に影響が及ぶような土石流が発生する可能性は低いと見ていますが、火山灰が多い地域の沢沿いなどでは、土石流や川の増水などに念のため注意するよう呼びかけています。
その台風18号。
大型で非常に強い勢力で、日本の南の海上を北上していて、あす、沖縄県の大東島地方に接近すると予想されています。
そして、あさってから来週月曜日にかけては、西日本や東日本に近づく見込みで、早めの対策が必要です。
台風が近づいている沖縄県南大東島の午後5時ごろの様子です。
高い波が激しい音を立てて打ち寄せました。
大型で非常に強い台風18号。
中心の気圧は935ヘクトパスカル、最大瞬間風速は70メートルで、あすには大東島地方に接近すると予想されています。
その後、進路を東寄りに変え、あさってから来週月曜日の6日にかけては、暴風域を伴ったまま、西日本や東日本に近づく見込みです。
この台風18号。
おとといからきのうまでの24時間に、中心気圧が40ヘクトパスカルも下がり、急激に発達しました。
大きな被害をもたらす強力な台風に特有の急速強化と呼ばれる現象です。
急速強化が起きた理由。
台風のメカニズムに詳しい、名古屋大学の坪木和久教授は、海水の温度が要因だと指摘します。
気象庁の観測では、台風18号は、海面の水温が30度近くある海域を通り、急速に発達しました。
通常は、台風が近づくと、風で海水がかき混ぜられて、水温が下がるため、発達しにくくなります。
しかし坪木教授は、今回は海面から深い所も水温が高かったため、海水がかき混ぜられても水温があまり下がらず、台風の発達が続いたとしています。
その上で、坪木教授は海の状態から見て、台風は勢力をあまり弱めずに日本列島に近づくおそれがあるとしています。
大きな被害をもたらす特徴を備えた台風18号。
大東島地方では、あすにかけて、最大瞬間風速が65メートルに達する見込みです。
また台風本体の雨雲がかかって、非常に激しい雨が降るおそれがあり、あす夕方までに降る雨の量は、多い所で200ミリと予想されています。
気象庁は、暴風や高波に警戒するとともに、土砂災害などにも十分注意するよう呼びかけています。
そして西日本や東日本では、台風から離れていても、湿った空気が流れ込んで、発達した雨雲がかかる見込みです。
あすの夕方からあさって夕方にかけて降る雨の量は、いずれも多い所で、九州南部で200ミリから300ミリ、九州南部を除く西日本と東日本、それに沖縄地方で、100ミリから200ミリと予想されています。
気象庁は今後の情報に注意し、早めに対策を取るよう呼びかけています。
では台風18号の進路や特徴について、気象情報担当の寺川さんです。
台風18号は、大型で非常に強い勢力です。
今回、台風が近づく前から、大雨となるおそれがあります。
まず進路です。
このあとも非常に強い勢力を保ちながら、日曜日には九州の南に進む予想です。
本州に最も接近するのは、6日月曜日となりそうです。
では警戒するポイントです。
日曜日には、沖縄や奄美に台風が近づく予想です。
このため沖縄や奄美では、雨や風が強まって、大荒れの天気となりそうです。
また台風から離れている西日本や東日本でも、日曜日、大雨に警戒が必要となります。
本州の南岸には前線が延びる予想です。
この前線は、台風の北上とともにゆっくりと北上する見込みですから、日曜日は後半になればなるほど、本州付近、広い範囲で大雨となるおそれがあります。
そして月曜日以降、台風は急速にスピードを上げて、本州付近に接近する見込みです。
急激に雨や風が強まるという点に警戒が必要です。
月曜日は台風本体の雨雲がかかって、さらに大雨となるおそれがあります。
また今回、強い勢力で近づくというのが特徴です。
太平洋側で高潮が発生するおそれもあります。
あす土曜日のうちに、早めに台風の備えをしてください。
また南の海上に目を向けますと、台風18号のさらに南に、熱帯低気圧があります。
これは今後、台風に発達をして北上してきそうです。
10月はまだまだ台風シーズンです。
過去にも台風による大きな被害が10月に出ています。
この先しばらく、台風への警戒が必要となります。
次は、西アフリカで患者が増え続けているエボラ出血熱。
感染や感染の疑いで死亡した人は、3300人を超えました。
その西アフリカから、アメリカに入国した男性が、エボラ出血熱を発症。
アメリカ国内で動揺が広がっています。
エボラ出血熱の感染が広がっている西アフリカ。
2日にはリベリアで取材に当たっていたアメリカ人のカメラマンの感染が確認されました。
さらにアメリカでは、今週、初めて国内で感染が確認されました。
エボラ出血熱を発症した男性は、先月20日に、リベリアからアメリカに入国し、その後、体調を崩しました。
現在、南部テキサス州ダラスの病院で隔離され、治療を受けています。
エボラ出血熱を発症した男性が滞在していた集合住宅の前です。
ご覧のように、多くのメディアが集まっています。
男性が滞在していた先で行われた消毒作業。
アメリカのCDC・疾病対策センターは、男性が発症してから隔離されるまでに接触した可能性がある人は、およそ100人に上ることを明らかにしました。
男性の滞在先の親族4人は、外出を禁止する措置が取られています。
周辺住民の間には、不安が広がっています。
接触した可能性がある親族の子どもが通う学校では、2日の出席率がふだんに比べておよそ1割下がったということです。
こうした中、ダラスの当局は。
市民に電話の自動音声でメッセージを送るなど、対応に追われていて、エボラ出血熱を巡って、動揺が広がっています。
一方、日本ではきょう、自民党の厚生労働部会で、国内で感染の疑いのある患者が出た場合に備えて、体制を強化する感染症法の改正案が了承されました。
改正案では、エボラ出血熱などの危険性が高い感染症に感染した疑いがある場合に、都道府県は患者や医療機関の同意がなくても、検査に必要な血液などを採取できるとしています。
政府はこの改正案を今の臨時国会に提出し、成立を図る方針です。
アベノミクスを巡り、論戦です。
物価の変動分を考慮した実質賃金は下がっているという批判に対し、安倍総理大臣は、物価に合わせて実質賃金が上昇していくよう取り組んでいく考えを強調しました。
衆議院予算委員会できょうから始まった基本的質疑。
経済、集団的自衛権、女性の活躍などがテーマとなりました。
一方、安倍総理大臣は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡って、謝罪と反省を示した河野官房長官談話に関連して、次のように述べました。
ニュースを続けます。
生命保険協会に加盟する生命保険会社42社は、御嶽山の噴火で死亡したり、けがをしたりした人たちの契約について、保険金などを全額支払うことになりました。
協会によりますと、噴火などの災害の際には、全額が支払われない場合があることが約款に盛り込まれているということですが、今回の噴火では、加盟する全社が、全額を支払うことにしたということです。
経済産業省によりますと、円安で原材料などの調達コストが増加する中、下請けの中小企業が、コストの増加分を価格に転嫁しようとしても、取り引き先から拒否されるケースが相次いでいるということです。
このため政府は、経団連など合わせて745の経済団体や業界団体に対し、転嫁を認めるよう、大臣名の文書で要請することになりました。
経済産業省は今後、公正取引委員会と連携し、親会社と下請けの企業の間で、設定される価格が適正かどうか、調べるとしています。
農林水産省は、今月の野菜の卸売価格について、見通しを発表しました。
キャベツとトマトは夏の日照不足の影響が続いているため、今月前半には平年より20%以上高くなる見込みだとしています。
また、なすは今月後半に値上がりが見込まれるとしています。
一方で、出荷量が増えるとして、ジャガイモやねぎは平年より値下がりするほか、高値傾向が続いていたレタスや白菜は、生産が回復し、平年並みの水準に戻るとしています。
テニスのジャパンオープン。
この大会、2年ぶりの優勝を狙う、世界ランキング7位の錦織圭選手が、準々決勝に臨みました。
錦織、先週からの連戦の中、順当に勝ち上がってきました。
第1セットを取り、第2セット。
相手のよいサーブをなんとか切り抜けようと、リターンエース。
最初のゲームをブレークし、主導権を握ります。
自分のサーブでも集中。
ここぞの場面では、鋭いショットを決めます。
それでも連戦で、でん部に痛みが出て、マッサージを受ける場面も。
錦織は2年ぶりのベスト4。
万全ではない体調は、たくましくなった精神力でカバーしています。
気象情報は再び、寺川さんです。
あすは南西諸島で、台風18号の影響、出てきそうですが、この週末の天気はどうなりそうでしょうか?
あすはまだ、西日本や東日本はこの高気圧の圏内となって、晴れる所が多くなりそうです。
北日本は日本海側を中心に低気圧の影響を受けて雨となりそうです。
では台風18号の情報を見ていきます。
現在、大東島地方は強風域に入っていまして、大東島地方はあす以降、猛烈な風が吹きそうです。
今後の進路です。
このあとも非常に強い勢力を保ちながら、日曜日にかけて、沖縄や奄美に近づきそうです。
沖縄や奄美では日曜日にかけて、雨や風が強まって、大荒れの天気となりそうです。
海上は大しけとなりそうです。
そして本州付近に最も接近するのは、6日月曜日ごろとなりそうです。
本州付近に近づくタイミングで、急速にスピードを上げてきそうですから、急激に風が強まったり、また雨が強まったりということが予想されますので、月曜日にかけては、特に警戒が必要となりそうです。
また高潮にも警戒をしてください。
では、あすの全国の天気です。
あす、東北の南部から九州にかけては晴れる所が多いでしょう。
北海道や東北の日本海側を中心に雨で、気温も少し下がりそうです。
続いて3時間ごとの天気です。
札幌は断続的に雨で、気温は16度までしか上がらないでしょう。
東京はきょうの最高気温30度近くまで上がりましたが、あすは26度と、過ごしやすい気温となりそうです。
続いて名古屋から那覇です。
那覇は夕方から雨で、次第に風も強まってきそうです。
そのほかの地域、あすはまだ晴れる所が多いですから、あすのうちに台風への備えをしてください。
では週間天気です。
2014/10/03(金) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]
▽まだ16人の不明者が… ▽台風18号・最新情報 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美
詳細情報
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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美
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