午後のサスペンス「神楽坂署 生活安全課2 花街欲望の殺意」 2014.10.03

(戸川六輔)待て〜!〜おい!コラァ〜!〜おい!
(高岡英治)待て!おい待てこの野郎!コラ!ロク!回り込め!了解!〜ロク!おう!〜
(池田)くそ〜…!〜被疑者確保15時37分!証拠品押収!ゴホッ…。
乾燥大麻だな!こんなものお前高校生にまで売りやがって!ゴホッ!あぁもう駄目だ…。
私たち生活安全課は最も地域に密着した刑事だ。
殺人や強盗などの凶悪犯罪は扱わず家出人捜索や違法風俗営業の摘発そして少年犯罪を担当している。
特に未成年に蔓延する薬物事犯は絶対に許せない犯罪だ。
一般市民の安全を守る…それが私たち生活安全課の使命なのだ
そろそろ行くか。
あぁ。
英治も歳とったなぁ。
ロクお前だって…。
ハハ…何言ってんだわかってねえな。
俺だったらあと30分は走れるぜ。
(咳込む声)どうした?あれ…。
あぁ?え?〜あぁ!し…死んでるよな?し…死んでるよ。
110番!警察呼ばなきゃ警察!ちょっ…。
警察って俺たち警察だろ?そうだけど殺人事件は捜査課じゃないか捜査課!あ…そうか。

(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)〜
(中村)第1発見者はお前たちだって?あぁ。
向こうのビルの屋上で被疑者確保したときにその窓から様子が見えたんだ。
(中村)なるほど。
屋上からじゃないとこの部屋は見えないな。
死因は出血死だな…。
部屋は荒らされてないから物取りの犯行じゃない。
悪いな戸川。
そういうことは俺たちに任せてくれ。
殺人事件は俺たち捜査課強行班の…。
おいちょっとあんたなんだ!おい勝手に現場へ…!
(本庁刑事)警視庁捜査一課相原警視です。
本庁の警視?失礼しました。
(2人)警視?
(相原)この事件の指揮をとるように命じられました。
現在までに判明していることを説明してください。
はい…被害者は帝国証券社長宮嶋秀夫。
死因は鋭利な刃物で刺されたことによる出血死。
凶器は発見されておりません。
詳しい死亡推定時刻は司法解剖を待たなければなりませんがおそらく…。
硬直の程度から見て死後17時間くらい。
犯行時刻は昨日の午後11時頃。
はぁ鑑識もそのように…。
あら?なんだこれ?
(報道陣)こっちだ…!
(男性)帝国証券の宮嶋社長が殺されたそうですね!?
(女性)やはり金銭関係のトラブルですか?
(男性)犯人の目星は!?いや俺たち…いや私たちあの刑事っつっても生活安全課ですから…。
そう…殺人事件とかそういうのじゃなくて街の安全を守るといいますか市民に密着した事件を担当しておりましてですね…。
なんだ殺人事件とは無関係か…。
ザコ事件の刑事かよ!関係ねえのかよ〜。
ザ…ザコ事件っつった!?お前。
ザコ事件って今…!んだよ〜やっぱり刑事の花形は捜査課だな。
高岡。
戸川。
帰りました。
(横山)「帰りました」じゃないよ!お前ら被疑者確保のとき現場雑居ビルのドア蹴破ったらしいな!〜あれは被疑者が蹴破ったんで俺たちは…。
言い訳するな。
はい。
ビルの持ち主から苦情があった。
始末書提出!始末書?当然だ。
わかりました〜。
はい。
〜備えあれば…。
憂いなし。
〜いつでも始末書の準備はできてま〜す。
神楽坂警察署生活安全課班長高岡英治。
同じく副班長戸川六輔。
始末書を…。
(2人)提出します。

(足音)〜
(パトカーのサイレン)被害者の名が広く知られていることから本件はマスコミに注目されています。
しかし被害者が何者であれ全力を尽くして犯人を検挙することが私たちの使命です。
初動捜査に全力を注いでください。
(一同)はい!いいですね?
(中村)ハァ…はい。
ヘッヘッヘ…大変だぞ中村たち。
え?あのお嬢様に説教くらってるよ。
あのときの女警視かよ?あれがねぇ結構なやり手らしくてねぇ。
ゆくゆくは女性初の本部長だって噂が…。
うわぁっ!〜
(永江)高岡さん!
(永江)戸川さん事件です!大変だ。
失礼します。
〜自転車…。
…泥棒ですか?現場は3丁目マンション駐輪場。
ガイシャは鈴木達也11歳。
11歳?職業小学生。
フッ…そりゃそうでしょう。
なに!?あ…すみません。
ガイシャからの通報によると犯人は同じクラスの男子ではないかと疑っている。
ってことは「クラスメートの仕業」?
(横山)そういうことだ。
なんだか嫌な事件だなぁ。
事件に嫌も好きもあるか!はい。
少年犯罪は生活安全課の担当だ!さっさと現場へ行って話聞いてこい!は〜い。
はい。
ほら急がんか!ここに君の自転車が置いてあったんだよね?
(達也)バイク!え?自転車じゃなくてマウンテンバイク。
そこらへんの自転車と一緒にしないでよ。
15万するんだから。
15万!?自転車がか?バイク!バイク。
で鍵はちゃんとかけてあったんだよね?もちろんだよ!チェーン式の鍵をちゃんとかけてあった。
チェーンを切断したってことか…。
笹原を調べてよ。
きっと犯人は笹原なんだから。
その子同じクラスの友達?笹原和人…あいつマウンテンバイク買ってもらえないから仲間に入れなくてそれで僕のバイクを…。
証拠もなしに友達を疑うようなこと言っちゃ駄目だよ。
あぁ。
でも友達が見たんだ。
昨日笹原の奴持ってないはずの赤いマウンテンバイクに乗っていたって。
それは目撃者がいるってことでしょ?
(達也)疑う理由があるんだからちゃんと調べてよね。
刑事さんたちのお給料は僕たちの税金から出てるんでしょう。
ハハッあのさぁお前税金払ってんの?払ってるよ。
消費税。
(2人)失礼しました。
ホント近頃のガキはかわいげねえよなぁ。
あぁ。
自転車じゃなくてバイクだってさハハハ…。
俺たちの頃はさぁ自転車買ってもらうのにどれだけ苦労したか…。
親の自転車借りて練習したなぁ。
あぁこれこれ…!ほらほらちっちゃかったからさここに尻届かないんだよな〜。
でここに足入れてなんだ…三角乗りか!それがまたすぐ転ぶんだぁ。
だろ?
(男性)コラァ〜!コラァ!うちの自転車なにすんだ!
(2人)すみません…。
コラァ!すみません!まったく…。
アイタタ…。
そういえばお前ガキの頃自転車に乗ってて三年坂から落ちたことあったよなぁ。
アハハ…あのとき死ぬかと思ったよ俺。
おまけに頭すっちゃってさ。
あれから禿げちゃったと思うんだよなぁ。
ハハハ…!思えば長いつきあいだよなぁ。
あっあったあれだな。
(浩子)和人。
達也君の家から電話があったわ。
達也君の自転車盗んだって本当なの?
(和人)違うよ!何が違うの!?母さんはどんなに貧乏したって人様のものに手を出すような子に育てたつもりはない。
答えなさい!和人!
(泣き声)申し訳ありません。
警察にまでお世話かけて…。
いえいえ。
(浩子)ずっと自転車を買ってほしいって言われていたんです。
クラスの男の子たちの間でマウンテンバイクがはやってて…。
持ってないと仲間に入れないからって。
でも…うちにそんな余裕ありませんでした。
夫が蒸発してしまって…。
蒸発?20年勤めた会社をリストラされてそれから…。
20年も勤めて?はい。
新しく会社を買収した社長が大きなリストラをしたんです。
(浩子)成績の悪い社員は全員解雇されました。
気の弱い人だからあたしや和人に会わせる顔がないと思ったんでしょうね。
先月仕事を探すって出ていったままどこにいるんだか…。

(浩子)お恥ずかしい話ですが家賃の滞納も続いて大家さんから出ていくように言われてるんです。
あの子にも人並みのことをしてやれないで…。
だから…あの子が友達の自転車を盗んだのは親の責任なんです。
まだ和人君が盗んだって決まったわけじゃありません。
お母さんが信じてあげなくてどうするんですか。
誰に疑われるより母親に疑われることがいちばんつらいはずです。
お母さんだけは和人君を信じてあげてください。
いいのかよ?あんなこと言っちゃって。
なにが?信じてあげろっていうのはいいけどさ状況的にはかなり不利だぞ。
だって盗まれた自転車に乗ってるとこ見られてるんだろう?だけどお前あの場面で母親に「息子が疑わしい」って言えるか?女が泣いてるんだよ?慰めるのが男だろう。
ハハッお前さぁ後先考えて慰めろよ〜。
女だとす〜ぐいい顔しちゃうんだもんなぁ。
(クラクション)
(中村)2人で仲よくお散歩ですか。
生活安全課…暇でうらやましいなぁ。
なんだと〜!中村の野郎…。
あれ?〜あの女またお前見てたぞ。
まいったな…。
何が?惚れられちゃったのかなぁ。
一生言ってろ。
(瀬川)社長を恨んでいた人間ですか?はい。
そりゃまぁあの若さで莫大な資産を築いた人間ですからね。
(瀬川)マスコミが報じるように株式の取得に対して強い非難もありました。
(瀬川)乗っ取りだとかなんだとかね。
(瀬川)まあ資本主義というのは強い者がすべてを取る社会です。
そして宮嶋は勝ち続けた。
彼を恨んでいる人間は山ほどいますよ。
プライベートはいかがでした?女性関係などは?
(瀬川)正式に離婚はしていませんが奥さんやお子さんとは別居しています。
それはもうお調べでしょう。
はい。
お伺いしたいのはその他の女性関係です。
瀬川さんならご存じでしょう?神楽坂に染香という芸者がいます。
最近はその芸者に夢中になっていました。
あのマンションも染香と会うために借りた部屋ですから。
(中村)これが染香です。
(中村)本名は前園郁子といい吉楽という置屋に所属してます。
この郁子に宮嶋はかなり入れあげてゆくゆくは店を持たせるという約束をしていたようです。
(森)班長!おう!前園郁子は行方不明になってます。
(中村)なに!?自宅はもぬけの殻で職場にも連絡せずに姿を消しています。
いつからだ?宮嶋殺しの翌日からです。
〜ただいま。
(洋子)おかえり。
ほらチーズケーキ買ってきたぞ。
洋子の好きな駅前のケーキ屋の。
(洋子)ありがとう!あれまだ夕飯食べてなかったの?
(洋子)食べた。
あっ…。
えっ何それ?これは明日のお弁当。
弁当?パパも外食ばかりだと栄養偏っちゃうでしょ。
えっ!?パパにか!あっ…うん。
あっそうか…。
そうか俺にか…。
お茶?コーヒー?ケーキだからコーヒーかな。
オッケー。
学校どうだ?彼氏…できたのか?なにそれ!できたら家連れてこいよ。
怒るくせに!怒らないよ。
これでもものわかりのいいパパなんだから。
ホントに?本当だよ。
〜浩子:どんなに貧乏したって人様の物に手を出すような子に育てたつもりはない!答えなさい!和人!〜ごめんね和人…。

(足音)〜「今日もカップラーメン明日もカップラーメン」「これじゃ年がら年中カップラーメン」…か?よっかわいいね!若いのにフケイとはこれいかに!?なんつってははっ…なんつって!〜英治!…どうした?花粉症か?できたぞ。
あれっ!?お前今日弁当なの?洋子の手作り。
洋子ちゃんの?立派だな…。
ハートから食べちゃおう。
日々成長するんだ…あっ。
…なんだよ?娘の愛情を他人に分けられるか。
おうおう君は今日もカップラーメン?独り者は悲しいねえ。
自分だってしょっちゅう食ってるじゃねえかよ!ハート…。
あっそうだ。
例のさ…証券会社の社長殺し。
中村たちが愛人だった女を追ってる。
なんか事件の翌日から行方不明らしいよ。
あっそう…。
あっそうってお前…。
興味ないのかよ?俺たち第一発見者だぞあの事件の。
だってこれ俺たちのヤマじゃねえもん。
…そうだよな。
俺たちは自転車泥棒だもんな。
「大スキ」ってとこから食べちゃおうっかな。
どっからでもいいから食えよ!〜
(永江)班長!事件です。
今度はなんだ?またマウンテンバイクが盗まれました。
これはもう…謎のマウンテンバイク連続盗難事件ですよ!大事件です!班長!班長いくぞ!ああ…。
永江!そこの弁当大切に現状維持せよ!!あ…はい。
よしっ!〜小森慎吾君。
(小森)はい。
神楽坂高校だって?はい。
そうか…うちの娘と同じだ。
そうなんですか?勉強できるんだな。
はい。
はいかよ…。
ここです。
間違いなくこの場所に置いてあった?はい。
ちゃんとチェーンキーをかけて置いておきました。
それを切断して持っていったのか…。
前と同じ手口だな。
ああ…。
それってさ高価なマウンテンバイクだったの?ほら8万円とか10万円とかする…。
いえそんな高い物じゃありません。
あっそうだ…そういえば変に思っていたんです。
変って?そこにもマウンテンバイクあるでしょう。
(小森)あれ外国製の20万円はするバイクです。
なんでこっちじゃなくて俺の安物のほうを盗んだのかな…って。
じゃあ盗まれた君のバイクとこのバイクとの違いはなんだと思う?色ですかね…俺のバイクは赤でした。
前に盗まれた自転車も赤だったよな。
ああ…。
どういうことだ?犯人は赤い自転車ばかり狙って盗んでいるってことになる。
(小森)あと特徴は後輪に2人乗り用のステップを付けてます。
彼女を乗せて下校したりするから。
おう青春してるね!いえ…。
で…彼女ってどんな子?同じクラスの子です。
何年?1年。
ほお1年。
はい。
うちの娘も1年だ。
そうですか。
何組?C組です。
えっC組!?うちの娘もC組だよ。
高岡って子いるだろう?えっ!じゃあ…刑事さん洋子のお父さん?洋子…?〜お前まさか…後ろに乗せてる彼女って…。
洋子なのか!はい!ふざけるな!2人乗りは道交法違反だぞ!!すみませんお父さん!おいやめろよ英治!お父さん!?お前にお父さんって呼ばれる筋合いないんだ!英治やめろっておい!お前今度洋子乗せたら道交法違反で逮捕してやるからな!それはお前交通課の仕事だよ!交通課に転属してやる!お前ホント大人げねえな。
洋子を返せ!おいっ!返せよ俺のバイク。
盗ってない!僕じゃない!
(少年)嘘つくなよ。
(少年)乗ってるの見たんだぞ!盗ってない!
(少年)何やってんだよ!!
(少年たち)おらてめえよ!
(和人)痛い…やめてよ!!おいこら!何やってんだ!!やめろ!
(少年たち)やべえ逃げろ!盗まれたバイクのことを調べてるんだけどさ。
さっきの言葉信じていいんだよな。
ほらあいつらに言ってたろ?盗んでないって…。
あの言葉本当だよな。
本当だよ。
僕達也君のバイクなんか盗んでない。
君が赤いマウンテンバイクに乗ってるのを見たっていう友達がいたけどそのバイクはどうしたの?言えないか?パパが…。
パパ?パパが持ってたんだ。
〜パパ!パパ!
(笹原)和人…。
パパ!どこにいたの?帰ってくるの?帰ってこないの?
(笹原)ああ…もう少ししたらな。
もう少しって?ママ…元気か?あんまり元気じゃない…。
パパは?んっ?おうまあまあだな。
パパなもう少ししたら仕事に戻れるんだ。
そしたらまた一緒に暮らせる?ああ!あっ…ちょっと乗ってみるか?いいの?ああ。
やった!〜パパ!〜
(和人)パパ!〜パパ!本当だよ!本当に僕達也君のバイクなんか盗んでない!わかったよ。
でもどうしてそのことをママに話さなかったんだ?パパと約束したから…。
ママが心配するからパパと会ったことは内緒にするって…。
本当だよ!わかったよ。
俺は君を信じるから。
俺もだ。
和人君は絶対に嘘なんかついてません。
でなきゃあんなにまっすぐ僕や友達の顔を見られません。
私…母親失格ですね。
私が…あの子を真っ先に信じてあげなきゃいけないのに。
苦しいことを全部一人で背負い込むことはありませんよ。
いつでも署に相談に来てください。
おい…口説いてんのかよ!?それ。
どこ行くんだよ?ちょっと待てよ俺のこと忘れてるのかよおい!なにやってんだ?あいつ。
(足音)〜あの笹原和人って子は絶対に犯人じゃありませんよ!
(横山)それはわかったが父親はどうなんだ?父親っていいますと?その子の父親はどうして自転車を押していたんだ?
(永江)班長!おう。
またやられました!今度は地下駐輪場とバス停に停めてあった自転車合計3台が盗まれました。
〜それってまさか全部が…。
赤いマウンテンバイクです。
いったいどういうことだ?このままじゃ神楽坂から赤い自転車が全部なくなっちまうぞ!
(郁子)離してよ!殺害された社長の愛人確保したぞ。
ほう。
私何もしてません!宮嶋さんを殺してなんていません!はい話はあとでゆっくりね。
(相原)待ってください!取り調べは私がやります。
〜事件のあった時間に同じマンションの住民があなたがマンションから出てくるのを目撃しています。
かなり慌てていたみたいですね。
それをどう説明します?黙っていては自分が不利になるだけでしょう?黙秘ですか?本庁の警視が自分で取り調べなんて聞いたことないぜ。
だけどたいしたもんだよ。
アメとムチちゃんと使い分けてる。
よくキャリアにあんな女がいたな。
(郁子)たしかに部屋には行きました…。
あの夜…ケータイに今から来てくれって…社長からメールが入ったから…。
〜あたし…。
〜秀ちゃん…?いるんでしょう?キャーッ!〜本当なんです!私…あの人を殺してなんていません!それならどうしてすぐに警察に通報しなかったんだ!口を出さないでください!はっ?…申し訳ありません。
彼との関係は秘密だったし…。
もしかしたら私が疑われるかもしれないと思うと怖くなって…。
そんな言い訳はな…!あっ…。
うわ…怒られた!宮嶋さんと一緒にいて何か気づいたことはありますか?最近様子が変だったとか。
精神的にすごく不安定になっていて…。
不安定…?はい…仕事の上でトラブルがあったみたいです。
政治家に裏切られた…って。
政治家?進藤正直という代議士です。
未公開株まで渡したのに思ったように動いてくれないって…。
進藤…。
〜相原と申します。
(瑞枝)警視庁捜査一課…。
そのお歳で警視ですか?…どうぞ。
先生はただ今幹事長と会談中ですのでお話は私が代わってお伺いします。
こちらへ…。
亡くなった宮嶋社長の件ですとか。
はい。
進藤先生は亡くなった宮嶋社長とご懇意にされていたと伺っています。
…お座りください。
まあ…特に親しいということではありませんよ。
後援会には入っていただいておりましたけれども…。
(相原)ある企業の未公開株が宮嶋社長の帝国証券を通じて進藤先生に流れていたという情報があります。
…いいえ知りませんね。
けれど進藤先生が約束どおり政界工作をしてくれなかったので2人の間にトラブルが起こっていた。
まさかとは思いますが宮嶋社長が殺された件で先生をお疑いというわけではありませんよね。
トラブルが事実ならば動機は存在することになります。
宮嶋社長が殺されたのはいつでしたか?18日の午後11時頃です。
18日でしたら…先生は九州で講演をなさっておりました。
その日は福岡泊まりで私も同行しております。
福岡?ええ…。
ここにそのときの記事があります。
この写真はそのとき福岡のホテルで撮ったものです。
〜はい相原です。
…はい伺います。
相原警視です。
(奈津美)どうぞ。
理事官がお待ちかねです。
(相原)お呼びだと伺いました。
(杉浦)進藤代議士の事務所へ行ったそうだね。
はい。
(杉浦)目的は?任意の事情聴取です。
代議士をかね?何か問題が?あるに決まってるだろう!どうしてそんな勝手なまねをした!捜査の現場責任者は私です。
私が必要だと判断しました。
もう少し大人の判断をしてほしかったね。
波風を立てるなということですか?自分のキャリアをもっと大切にしろ!そう言ってるんだ。
これからは注意してくれ。
行っていい。
あのお嬢様上から相当叱られたらしいよ。
中村の野郎さざまあみろって顔してやがったよ。
ロク…。
まぁさいくら警視っていったってさ現場のことは俺たち叩き上げが…いってえなおい。
うお〜っ!高岡さん。
えっ?どうして自分のことをご存じなんですか?ごぶさたしてます。
失礼ですが…どちらで?相原梓です。
…相原?相原耕作の娘です。
おおっ!すみません気がつかなくて…。
もう20年ですから…。
そうか…。
もうそんなになりますか…。
どうもありがとうございました。
(耕作)おばあちゃんも気をつけてね。
相原さん。
パトロールいってきます。
おう!頼んだぞ。
おい川崎。
(川崎)はい。
いこう。
(耕作)気をつけてな。
(久保田)すみません。
(久保田)神楽坂中央病院ってどう行けばいいんですか?あぁ…ちょっとありますよ。
地図を見たほうが早いな。
はい。
現在地がここですから神楽坂中央病院はこの信号を右に曲がって…。

(久保田)よこせ!拳銃をよこせよ!!〜
(久保田)よこせよ!!
(悲鳴)男は拳銃を奪って銀行を襲うつもりだと供述した。
相原巡査部長は最後まで拳銃を守り抜いて息絶えた…。
〜相原さんが犠牲になったのは自分の責任です。
あのとき自分が交番にいれば…。
パトロールは大切な仕事です。
高岡さんには何の責任もありません。
あのときはわからなかった…。
殺されるくらいなら拳銃なんか奪われてもいいのに…。
そう思いました…。
でも…今は父を誇りに思ってます。
あのとき拳銃が奪われていたらもっと多くの犠牲が出たかもしれない…。
高岡さんもお嬢さんと2人暮らしなんですってね。
はい。
〜おにぎりを…。
おにぎり…?毎日作ってくれたんです。
母が亡くなってからずっと…私のお弁当を作ってくれて…。
不格好なおにぎりで形も大きさも全部ばらばらで…。
ある日友達に笑われて…もう作らないでって父に言ったんです。
お昼は学校の近くでパンを買うからお父さんのおにぎりはもういらないって…。

(相原)父は…とても寂しそうでした。
それでもいつものように私を笑顔で送り出してくれて…。
その日に刺されました。
〜その日に…。
〜英治。
またやられたぞ。
ずいぶん手慣れてんなぁ。
これだけこなしゃうまくもなるだろ。
…ちょっと待って。
ストップして。
〜笹原壮夫43歳。
無職。
あの子の父親です。
じゃあやっぱり子供を乗せたっていうのも盗んだ自転車か。
はい。
(中村)おい戸川。
やっと容疑者特定か?ほぅ…笹原壮夫ね。
相変わらず優秀だね。
自転車泥棒1匹に何日かかってるんだよおい。
…あれ?おい。
おかしいな今日は。
あぁ〜ったく!なんて嫌な結末なんだ。
あの子に何て伝えればいいんだよ。
だがどうしてこう何台も盗むんだ?子供を乗せるだけなら1台でいいだろうに。
それなんですよ。
何か理由があるはずです。
そうでなきゃ赤いマウンテンバイクばかり連続して盗むなんて考えられません。
理由ってどんな?それはまだ…。
ホントに自転車が目的なのかなぁ?どういうことだよ?ずっと考えてたんだけどやっぱり自転車ばっかり盗むっていうのは変なんだよ。
だから自転車そのものじゃなくて自転車の中に何か大切なものを隠してるとか…。
自転車のどこに隠すんだよ?タイヤの中か?フレームの中か?そんなとこに隠せるようなものは…。
せいぜい空気か粉くらい…。
…粉?〜うわっ!乾燥大麻だな!?赤い自転車?何のことですか?とぼけるんじゃないよ。
神楽坂で赤い自転車ばかり盗まれてる事件のことだよ。
まぁ俺の名推理によればこの事件の真相はずばり乾燥大麻の密輸だ。
タイヤのチューブに隠して持ち込んだんだろ!?どうだ!何を言ってるんですか。
そんな足のつくようなことしませんよ。
第一手間もかかるし自転車に隠すなんて聞いたこともない。
なに!?ロク…俺もその推理にはちょっと無理があると思うぞ。
(池田)でしょ?何年刑事やってるんですか?こちら。
なんだとこの野郎!
(斎藤)副班長!!せっかく今かっこよかったのに俺!!馬鹿野郎!馬鹿〜!!〜
(サイレン)
(森)間違いありません帝国証券の瀬川副社長です。
(中村)どういうことだ?
(森)私には…。
(中村)死亡推定時刻は?
(森)鑑識の話だと死後9時間くらいですから昨夜の9時半ということです。
(花島)警部!
(花島)凶器が発見されました。
(花島)刃の形状は宮嶋秀夫殺しに使われた凶器と同一です。
宮嶋と同型の血痕が付着していますから前の事件と同じものと思われます。
なんだって…?つまり社長と副社長が同じ凶器で殺された?はい。
〜あぁっ…!〜うっ!!〜
(森)同一犯人ということでしょうか?だとしたら前園郁子はシロです。

(森)現在も留置中ですから。
そんなことはわかってるよ!〜おい…土曜日からあの映画やるな。
前から洋子が好きだって言ってたアメリカの俳優の…。
たまには一緒に映画観にいかないか?なぁ洋子…いつまで怒ってんだよ?慎吾になんて言ったの?呶鳴るなんて最低!いや…でもさやっぱり自転車の二人乗りは道交法違反だからやっぱ警察官としては見過ごせなくて…。
なにがものわかりのいい父親よ!?「彼氏ができたら連れてこい」なんて言ってホント最低!でも洋子だって「そんな彼氏いない」とかって言ってたじゃん…。
あっ今日はパパの好きな竜田揚げとマカロニサラダ…。
気にしないでこれ慎吾のだから。
でもこの弁当箱このあいだパパにって…。
あのときはパパがケーキ買ってきてくれたから成り行き上そうなったの!成り行きって…。
あの「大スキ」ってのは彼のこと!?〜「大スキ」か…。
〜あの芸者釈放されたな。
あぁ。
どうやら宮嶋殺しと昨日の瀬川殺しは同一犯らしい。
同一犯?それでか。
捜査課は大騒ぎだ。
なにせ捜査中に2人目の犠牲者が出たんだからな。
なんだよ人の部屋に勝手に!笹原壮夫の資料を渡してくれ。
ええっ!?
(中村)お前たちが追いかけてる自転車泥棒だよ。
今まで集めた資料全部引き渡してくれ。
何言ってんだよ!笹原のヤマは俺たちがやってんだよ!笹原の身柄は俺たちが押さえる。
お前たちには手を引いてもらうぞ。
どういうことだよ?奴はな俺たちが追ってる連続殺人事件の重要参考人だ。
なんだって!?笹原壮夫は帝国証券に20年勤めていた。
まぁ出来の悪い営業マンでな。
宮嶋が社長になって真っ先に首を切られた。
そんなことでまさか…。
そのリストラを宣告したのが直属の上司で副社長まで出世した瀬川だった。
お願いします!どんな形でもいいんです。
もう少しだけ会社にいさせてください!お願いします!!
(中村)笹原は瀬川に頼み込んだがスズメの涙ほどの退職金で追い出された。
笹原は宮嶋と瀬川に強い恨みをもってるんだ。
悪いな。
連続殺人と自転車泥棒じゃ事件の大きさが違うんでな…お前たちは手を引いてくれ。
おい勝手なこと言うなよ!笹原は俺たちのマトだぞ!…ちきしょう!俺たちがずっと追ってきたヤマに手突っ込まれて平気なのかよ!?気持はわかるけど今もめるのはまずいだろう。
くそ…!
(銃声)ちきしょう中村の奴…。
(銃声)
(銃声)やっぱ日本の警察にピストルあんまり必要ないもんなぁ。
アメリカじゃねえもんな。
(銃声)何か?お前さぁ…うちの署に向いてねえな。
どうしてですか?神楽坂署にドンパチは必要ねえんだよ。
もっと危ない警察署にいけよ。
横浜港署とか西部署とか。
ここには向いてねえんだよ。
ホントだよ。
(瑞枝)あなたは!今日はなんの用でしょうか?お話なら済んだはずですけど。
(相原)昨夜帝国証券の瀬川副社長が殺されました。
ええっ!?宮嶋社長に続いて今度は副社長です。
でもそれが私どもと何か関係があるんでしょうか?
(瑞枝)こういうやり方は失礼だとは思いませんか?
(相原)真実を探るのが警察の仕事ですから。
(瑞枝)宮嶋社長の事件のあった日先生と私は九州におりました。
それは以前お話したはずですよね?18日でしたら先生は九州で講演をなさっておりました。
その日は福岡泊まりで私も同行しております。
(瑞枝)この写真はそのとき福岡のホテルで撮ったものです…昨夜はいかがでした?昨夜の9時半頃。
事情聴取でしたら正式な手続きをとってからにしてください。
先生は警察庁の上層部に親しい方もいらっしゃいます。
あまり出過ぎた真似をすると…あなたの将来に関わりますよ。

(横山)捜査課の連中が笹原から手を引けと言ってきたぞ。
そんな話撥ねつけてくれましたよね?課長!署長から頭下げられた。
今回の連続殺人事件はうちの署の看板がかかった大事件だ。
課長!
(横山)今度ばかりは耐えて捜査課に笹原の資料を渡してくれ。
本気で言ってるんですか?そりゃ殺人事件は大きなヤマだってことはわかってます。
だけど俺たち生活安全課には市民を守る責任があります。
神楽坂の町や町の人たちと直接肌を合わせてるのは俺たちじゃないですか!しかし殺人事件と自転車泥棒じゃ…。
自転車ひとつ守れないで市民の生活が守れますか!?今度の事件は犯人だと疑われた子供の一生がかかってるんです!今回だけは…いくら命令でも従えません!従えないって高岡…!
(永江)高岡さん!捜査課の連中が殺人事件を追うのはかまいません。
俺たちも俺たちで自転車泥棒を追わせてもらいます。
〜始末書先に出しときます!〜2人揃って強情な奴らだ…。
警察…?
(森)はい。
ちょっとお聞きしたいことがあるんですがよろしいですか?わかりました…どうぞ。
あいつら笹原がコロシのホシだと決めつけてやがる。
だけどさ連続殺人の犯人が途中で自転車を盗み回るなんてありえるか?それなんだよな…。
自転車を盗んでいたのは間違いなく笹原だった。
だけどコロシのホシがそんな馬鹿なことするか?
(永江)班長!なんだお前よくここがわかったな。
課長が「たぶんここにいるだろう」って。
あぁこれ課長からです。
おぅ。
勘のいいおやじだな。
どうした?また赤いマウンテンバイクが盗まれました。
また?しかも今度の被害者誰だと思います?前園郁子です。
前園って中村たちが最初に捕まえた…!宮嶋の愛人の芸者です。
(長唄)〜あっここだ。
(長唄)〜あるところにはあるよなぁちきしょう。
こんなところで芸者遊びだもんなぁ。
そういう客がいるから神楽坂は粋なんだよ。
(郁子)ごめんなさい待たせちゃって…。
やっぱりそういう格好すると色っぽいな。
忙しいみたいね。
神楽坂のお客さんは粋だから「出所祝いだ」なんてあちこちで呼んでくれるの。
なるほど。
あたしもお座敷に出てると嫌なこと全部忘れられるから。
自転車を盗まれたそうですね?マウンテンバイク。
そうなの!あれがないと困るのよ。
あたしの足なんだから。
盗まれた場所はスーパーの駐輪場だよね?そう。
どうしてそこに停めたの?だって死体を見たあとに家になんか帰れないじゃない?警察がいて捕まっちゃうと思うもの。
えっ…ちょっと待って。
じゃ君が駐輪場に自転車を停めたのは宮嶋社長が殺された夜ってこと?
(郁子)そう。
つまり宮嶋社長のマンションには自転車で行った?そうよ。
(郁子)あの夜も…。
〜キャ〜!!
(郁子)まさかあんなことになってるなんて思わなくて…。
(郁子)自分が疑われると思ったから家には帰れなかった。
(郁子)だからスーパーの駐輪場に停めてそれで横浜の友達の家に泊めてもらったの。
じゃあ自転車が盗まれてることに気づいたのは?警察から釈放されたあと…。
あぁ…また嫌なこと思い出しちゃった。
あの中村って刑事最低ね。
そうなのよね…ホントに中村って最低なのよね。
ねっ英治。
〜どうした?おい!あっどうも…。
〜ちょっと何なんだよどうしたんだよ?つながってきたろう?バラバラだったもんが全部1つにつながってきた。
宮嶋社長が殺された現場に赤いマウンテンバイクで駆けつけた女がいた。
そしてその翌日からこの神楽坂の街で赤いマウンテンバイクばかりが盗まれた。
連続殺人事件と自転車泥棒はつながってんだよ。
だとしたらなぜ何台も赤い自転車が盗まれるんだ?いや笹原はいったい何のために赤い自転車ばかり盗み続けてるんだ?〜
(浩子)はいお待たせ。
(和人)ママは?うんママはさっき食べたからお腹いっぱい!!でも…。
いいの!たくさん食べなさい。
うん!ここが前園郁子が自転車を盗まれた現場だ。
(林田)刑事さん!お待たせしました。
本部の了解がとれましたのでビデオテープをご覧ください。
すみませんねお忙しいのに…。
いえどうぞ。
あっちょっと止めてください。
(林田)はい。
どうした?これ見てくれ。
笹原がこの自転車を盗んだのは昨夜9時25分。
9時25分。
瀬川が殺されたのも昨夜だ。
死亡推定時刻は9時半。
同じ時間に自転車を盗んでるなら瀬川を殺すことはできない。
あぁ。
犯人は笹原じゃない。
おう!〜
(杉浦)私の忠告を聞いてくれなかったようだな。
進藤代議士から強い抗議があった。
(相原)進藤には殺人教唆の疑いがあります。
言葉を慎みなさい。
宮嶋が大金を注ぎ込んだ政界工作が失敗して進藤と宮嶋の仲は決裂しています。
宮嶋はそのことをマスコミにばらすかもしれなかった。
進藤には宮嶋の口を封じる必要があったんです。
しかし進藤代議士にはアリバイがあるんだろう?たとえ自分で手をくださなくても邪魔な人間を消す手段を権力者はもっています。
言葉を慎めと言ってるだろう!権力のある人間だからといって疑いもかけなければ警察に正義はなくなります!もっと大人だと思っていたよ。
君には今度の事件から外れてもらう。
これは私のヤマです!ヤマなんて言葉は君には似合わない!!地べたを這いずり回ってる所轄の兵隊が使う言葉だ。
理事官!これは命令だ!!君はもう今度の事件とは何の関係もない!!その命令には従うことができません。
何だと!?すべての責任は私がとります。
これは私のヤマですから!!〜耕作:わっしょい!
(梓)わっしょい!!
(耕作)わっしょい!
(梓)わっしょい!!
(耕作)わっしょい!!
(梓)わっしょい!これお父さんの!これあたしの!!ありがとう。
お父さんが作ったんだからおいしいからね。
うん。
はいいただきます!いただきます!!ハハハ…おぉおいしい!!
(笑い声)〜お父さん!お父さん!!
(泣き声)〜《絶対に許さない》相原警視が外れたってホントか?
(中村)あぁ。
上からの命令だってさ。
おてんばなお嬢さんがいなくなって助かったぞ。
俺たちが笹原を追いかけてるのに一人だけ勝手な真似しやがって。
まったく…。
キャリアのスタンドプレーにつきあわされちゃ俺たちまで火傷しちまうよ。
殺しのホシは笹原じゃねえぞ。
(中村)なんだって!?大火傷しないように教えといてやる。
どういうことだ?おい!どういうことだ!?どうだった?相原警視が捜査から外されたよ。
えぇ?課長は?
(永江)病院行きました。
高岡さんと戸川さんのせいで胃が痛むって…。
大事なときにいなくなるんだよなぁ。
(三池)伝言メモが机の上に置いてあります。
これか?なんか見づらいな。
(三池)老眼ですか?あのね…青い紙に青いペンで書いてあるから!!
(三池)そのほうがオシャレですから!久美ちゃん警察にオシャレはいらないでしょ!!メモ用紙は白!
(三池)はいはい。
「はい」は1回でしょ!!「署長の許可は取った。
全力をあげて自転車泥棒を検挙せよ!!」か…。
なんだよあの親父もいいとこあるじゃねえかよ!!ちょっと見せてくれ。
〜おい!そこまで感動するほどのこっちゃないだろう。
わかったよ。
何が?青いメモに青いペンだよ。
読みづらいだろう?保護色ってやつだな。
赤い自転車には…赤い何かが…。
えっ?〜ここにいらっしゃると思いました。
(相原)高岡さん…。
今日は相原さんの命日ですから。
覚えていてくださったんですか。
〜父は最期まで巡査部長でした。
久保田:うわぁ〜!
(耕作)うぅっ…うっ!
(相原)殉職してやっと警部になった。
(相原)二階級特進です。
〜私は国家試験に合格して警察大学校を卒業した瞬間に警部でした。
でも私は警察官として父の足もとにも及びません。
父は最期の瞬間まで正義を貫こうとしました。
命懸けで町の人を守り抜こうとした。
あなただって同じじゃないですか。
〜必死に自分の信じた正義を貫こうとしてる。
〜自転車泥棒と連続殺人事件はやはり関連がありました。
え?赤い自転車ばかり盗まれていたから…。
犯人の狙いは自転車だとばかり思っていた。
けれど自転車以外に本当に欲しいものがあったんです。
(相原)どういうことですか?人を刺したあと残るものは何ですか?
(相原)人を刺したあと…。
血ですか?そうです。
血のついた赤い指紋です。
指紋…。
宮嶋社長を殺した犯人は前園郁子をおびき寄せて犯人に仕立て上げようとした。
〜そのときまだ犯人は…犯行現場にいたんでしょう。
(チャイム)郁子:あたし…〜郁子:キャーッ!!〜だが逃げ去るときに大きな失敗をしたんだ。

(衝撃音)転んだ拍子に自転車に指紋を残してしまった。
〜じゃあ笹原が盗んでいたのは…。
赤い自転車じゃなくて自転車に残った犯人の指紋だよ。
もちろん笹原本人は知らないだろう。
殺人事件の証拠隠滅とわかれば手を貸したりはしない。
じゃその犯人ていうのは…。
和人君が言ったこと覚えてないか?笹原:パパな…もう少ししたら仕事に戻れるんだ。
(和人)そしたらまた一緒に暮らせる?あぁ!仕事に戻れる?そうだ…。
笹原は仕事に戻れると言った。
つまり帝国証券に戻れるっていう意味だ。
そんな約束ができるのは首を切った張本人の瀬川!〜宮嶋:うっ…。
あぁ…っ。
〜宮嶋を殺して前園郁子の犯行に見せかけたのは瀬川だ。
郁子:キャーッ!!〜その後瀬川は自分の指紋を取り戻すために笹原に赤い自転車を盗ませた。
どこにあるかわからなかったから神楽坂にある赤い自転車を手当たり次第に…。
だがその瀬川も殺された。
いちばん上にいる奴がトカゲのしっぽを切ったんだ。
別の人間に手を汚させてな。
笹原さんが危ないわ!今の彼は犯人にとって邪魔なだけの存在です。

(無線音)
(永江)はい生活安全課!高岡だ!大量の自転車を隠せそうな場所を探してくれ。
帝国証券に関連する施設だ。
了解です。

(永江)ありました!帝国証券が持ってる子会社の倉庫です。
場所は?浜崎第三埠頭です!〜
(汽笛)
(足音)
(瑞枝)いろいろとご苦労さまでした。
(瑞枝)あなたは2人も人を殺してしまった。
(瑞枝)宮嶋社長と瀬川副社長です。
いくらリストラされて恨みがあるとはいえ自分が犯した罪は自分で償わなければなりません。
〜罪を償うために自ら命を絶った。
誰もが納得する筋書きですね。
手足のロープとガムテープはあとでちゃんと解いておきますから…。
〜やめろ!神楽坂署だ!生活安全課だけどな。
(瑞枝)来ないで!進藤は自分じゃ手を汚さない。
いちばん卑劣な人殺しよ!宮嶋が邪魔になったから後釜に据えるという約束で瀬川を利用した。
そうだろう?瑞枝:進藤は宮嶋さんには大変失望しました。
政界工作というのは時間のかかるものなんです。
すぐに成果が出なかったからといって裏切ったなどとは言われたくありませんわ。
(瀬川)はい。
(瑞枝)進藤には新しいパートナーが必要なんです。
宮嶋社長に代わって帝国証券を背負ってくれる人間がです。
進藤は恩を忘れない人間ですよ。
わかりました〜
(瑞枝)けれど瀬川さんは大きなミスをしたわ。
自転車に残した血のついた指紋のことか?えぇ。
瀬川:ももうおしまいです。
指紋が見つかれば私の犯行だとバレてしまう…。
お願いです!
(瑞枝)瀬川さんは自首すると言ってきた。
でもそんなことされたら進藤は破滅してしまうだから…!瀬川:うっ…!
(川に落ちる音)〜
(相原)進藤は次から次に邪魔な人間を切っていく。
次はあなたが消されたかもしれないのよ!そのときはそのときよ。
進藤の夢のためなら黙って殺されるわ。
なるほどそういう関係か…。
あなたたちには何もわかってない!
(瑞枝)国を動かすということがどういうことなのか…!あの人にはこの国を動かす力と理想があるのよ!人殺しに動かされてたまるかよ!!もう終わったんだ。
今さら犠牲者を増やすことはないだろう。
〜死なせてください!バカヤロウ!
(瑞枝の泣き声)大丈夫か?
(笹原)自転車泥棒だって言われたんです。
ただの自転車泥棒だからって…!笹原:自転車ですか?
(瀬川)あぁ。
神楽坂にある赤い自転車だ。
ですがどうしてそんなものを?
(瀬川)会社の機密書類がね…ちょっとした手違いで赤い自転車のフレームに紛れ込んだんだ。
会社に戻りたくないのか?たかが自転車泥棒だ!バレたって罰金程度の罪だろう。
しかし…。
とりあえず30万円ある。
もう一度女房や子供と一緒に暮らしたいだろう?〜自転車泥棒だって立派な犯罪なんだ。
何より…和人君が悲しむだろう。
(笹原の泣き声)ロク…。
(笹原の泣き声)〜あとは…あなたの仕事です。
いちばんのクズに…ワッパかけてください。
〜パパ…。
和人…。
〜和人!パパ…。
ごめんな…。
パパ!
(2人の泣き声)ごめんな。
(和人)パパ!〜お前が呼んだんだろ?ちきしょう…泣けるなぁ。
(進藤)殺人教唆なんてのはいったいどういうことかね?ハハ…私は何も指示した覚えはないよ。
(進藤)そりゃ宮嶋が邪魔だと言ったことは確かにあるかもしれん。
だが殺せなどと言った覚えは一度もないよ。
私の秘書が馬鹿なことをしたのは確かに残念だ。
だが殺人教唆なんていう言いがかりは…。
黙れよジジイ!〜殺人教唆というのは状況証拠の積み重ねで証明できるんです。
2件目の殺人が起きるまであなたは彼女を放っておいた。
暗黙の了解が成立したことになるんですよ。
あんまり世の中なめないでください。
一生出られない鉄格子にぶち込んでやるからな。
〜ホントにいろいろお世話になりました。
向こうに着いたら連絡しますから…。
盛岡でしたっけ?実家は。
はい。
きっとうまくやれますよ。
今度は3人一緒なんだし…。
はい…じゃ失礼します。
刑事さん!ありがとう!〜〜
(相原)ありがとうございましたつきあってくださって。
いえ。
じゃあ事件も解決したことだしパ〜ッとやるか!おっ!いいですね!芸者でもあげてブア〜ッと派手にいくか!女性と一緒に芸者はまずいだろう?ここは思いっきり派手に…。
何だよ?思いっきり派手におにぎりパーティーでもやりますか?なんじゃそりゃ。
いいですねおにぎりパーティー!おにぎりパーティーってみんなでおにぎり握って…。
おにぎりパーティーね!何を考えてるんだよ!こいつわかってませんから。
おにぎりパーティー聞いたことねえぞ。
2014/10/03(金) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
午後のサスペンス「神楽坂署 生活安全課2 花街欲望の殺意」[字]

花街に舞う欲と絆…。次々に消える「赤い自転車」の謎…。

詳細情報
番組内容
神楽坂署生活安全課の英治と六輔は犯人を追走中、マンションの一室で血まみれの刺殺体を発見。被害者は帝国証券の社長・宮嶋秀夫だった。一方、赤いマウンテンバイクを狙う盗難事件が続出。目撃者の情報から小学生の笹原和人が疑われるが、和人は帝国証券をリストラされ失踪した父・壮夫に借りたと証言。盗難犯人は壮夫だった。壮夫の犯行動機は?さらに帝国証券の副社長・瀬川も宮嶋と同じ方法で殺害され、壮夫に容疑が掛かる。
出演者
高岡英治…舘ひろし
戸川六輔…モト冬樹
相原梓…戸田菜穂
本木瑞枝…大島さと子
横山正義…清水章吾
永江昇一郎…金児憲史
三池久美子…絵川舞子
中村隆夫…誠直也
森有造…千田考康
笹原壮夫…飯田基祐  ほか
原作脚本
【脚本】安井国穂
監督・演出
【監督】津崎敏喜

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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