昨年彗星のごとく現れたアメリカ人シンガークリス・ハート。
今J−POPをカバーする彼の歌声が多くの日本人の心を捉えています。
デビューから僅か半年で「紅白歌合戦」に初出場。
一気にその歌声が知られるようになりました。
アメリカで生まれJ−POPとは無縁の家庭で育ったクリス。
彼の運命を変えたのはKiroroの「未来へ」でした。
「もっと日本の音楽が聴きたい」。
13歳で日本へ留学。
親友との掛けがえのない日々がクリスの進む道を決めました。
そして日本で歌手になる事を目指し奮闘を続けます。
2年前日本のテレビに出演して注目を集めこれがきっかけで歌手デビュー。
夢をかなえました。
「SONGS」今夜はクリスの第二の故郷茨城県を訪ね彼の歌がなぜ日本人の心に響くのかその秘密に迫ります。
まずはクリスが初めて出会った日本のメロディーKiroroの「未来へ」。
クリスが初めて日本を訪れたのは13歳の時。
交換留学制度で2週間茨城県の新治村に滞在しました。
(クリス)毎日散歩したくなるね。
少年クリスの心を最初に捉えたのは日本の自然の美しさでした。
もうあのころに戻りました。
初めてこんな感じで自然の音が何だろうねセミの音とか鳥の鳴き声とか風とか水の音とか全部すごく自然でもうずっとここに住みたいなと思った。
1984年クリスはアメリカ・サンフランシスコで生まれました。
2歳の時両親が離婚。
母親は仕事に追われ1人で過ごす時間が多い少年時代でした。
寂しさを抱えていたクリスの心に響いたのはケーブルテレビの日本の音楽番組で流れていたKiroroの曲「未来へ」でした。
日本の音楽はやっぱりメロディーもきれいですし言葉もきれいで…「日本に行って日本の歌をもっと聴きたい」。
クリスの願いは13歳の時交換留学で実現します。
そうこの辺だ。
今回クリスはホームステイをしていた家を訪ねました。
おじゃまします。
すいません。
おじゃまします。
おかえり。
出迎えてくれたのは中島優さん。
年齢の近かった2人はいつも一緒に過ごしていました。
中島家は当時優さんのおじいさんを中心とした3世代5人家族。
そこには昔ながらの家族団らんの風景がありました。
優君は隣かなそしておじいさんがあそこ。
お父さんお母さん…お母さんはよくキッチンにいていろいろなものを出してもらって。
運び終わって全員で「いただきます」して。
食べた事ないものをいろいろ紹介してくれて。
「これ食べろ」「あれ食べろ」納豆出されてわ〜って。
「食べな」みたいなおじいさんにね。
そうそう。
楽しくこの部屋でみんなで食べて…あの時食べられなかった納豆を克服してみようよ。
いや〜いいね。
納豆食べたい!出た〜!納豆です。
あのころ全然食べなかったっけ?そうだね1回も食べてないね。
いただきます!ピザ出したりスクランブルエッグ作ったりハンバーグ出したりとか。
慣れてる味とかね。
徐々にクリスこれも食べられるんだこれも食べられるんだってうちのおじいちゃんが「食べろ食べろ」って何でも勧めてたから。
ずっとしゃべりながらだったかなにぎやかな感じでね。
そうそう。
「今日は何した?明日は何する?これ食べろそれ食べろ」ってごめんねうるさくてね。
いえいえ楽しかったすごく。
すごい楽しかった。
何か温かい感じだった。
でもねクリス。
もう静かになっちゃったんだ家も。
うちのおじいちゃんも6年前に亡くなっちゃって。
静かになってももう少しねみんなで会ってまたあのころみたいに楽しくしたいなと思う。
ほんとにあれがあるからこそ日本の生活頭の中にイメージできた。
温かく接してくれたおじいさんに自分が歌手になれた事を報告します。
留学していた頃はまだ日本語がほとんど話せなかったクリス。
2人をつないだのは音楽でした。
一番よかったのはうちらと同じ年だったっけ。
そうだね。
そうそうそう。
中学生の時中学生だもんねSPEED。
懐かしい!懐かしいよね。
これこれこれ。
え〜懐かしい。
…ねえ。
そんな感じだった。
そうだ!音楽を通じて心を通わせていった中学時代の2人。
自分たちの将来についても語り合いました。
寝る前とかに2人でいろんな話して「大きくなったら何になりたい?」って「音楽の仕事がしたい。
歌手になりたい」っていう話はその当時から聞いてました俺は。
俺も「俺は学校の先生になりたいんだ」ってね。
そうそう。
じゃあお互い頑張ろうっていう話してたんだけど。
この日クリスは中島さんの誘いを受けて幼稚園の参観会を訪ねました。
中島さんは今この幼稚園で体育の先生をしています。
園児たちもクリスの曲を演奏して歓迎してくれました。
すごい!すごい!
(拍手)お疲れさまです。
本当にすばらしいです。
僕はもともとアメリカ出身でアメリカから来て日本で僕の曲を演奏して頂いて本当に感動しました。
歌をプレゼントしたいなと思います。
(拍手)僕は茨城まで来てホームステイもできてそれがきっかけで日本の事が好きになっていつか日本に住みたいなと思いました。
そこから一生懸命に頑張って日本語の勉強も頑張って日本の音楽の活動とかいろいろな事も頑張ってやっと日本に住めるようになりました。
茨城は僕のホームだなと思いますのでこの曲を歌いたいなと思います。
聴いて下さい「home」。
ありがとうございます。
(拍手)ありがとうございました。
茨城での留学を経験した事でクリスは日本で歌手になりたいという夢を膨らませていきます。
アメリカでは日本語を勉強しながらバンド活動を続けます。
日本のレコード会社に何度もデモテープを送りましたが反応はありませんでした。
そして24歳の時…東京で就いた仕事は自動販売機の営業。
実はこの経験が日本の歌への理解を深める事になりました。
当時クリスが日本語の歌詞ならではの深さを感じた曲それは小田和正の「たしかなこと」です。
・「君にまだ言葉にして伝えてないことがあるんだ」そういうところも何か日本人っぽいなと思った。
毎日毎日愛してるよとか大好きだよって言うより行動で見せてあげたいところがあってほんとに特別な時にはっきり言うというところがあってそれはなかなかアメリカにはないかなと思う。
どんな曲でも「Iloveyou」とか「Youaremygirl」とかそういう言葉を普通に言ってるから逆にそっちの方が軽くなるかなと思う。
やっぱり日本の歌詞の方が深くてもっと深い気持ちを伝えてるかなと思った。
クリスは日本で働きながらJ−POPをカバーしインターネットの動画サイトへ投稿を始めます。
この動画がきっかけでシンガーだった瞳さんと出会い結婚。
2人で精力的に音楽活動を続けます。
そして2年前テレビ番組に出演。
心に響く歌声と評判を呼びました。
2013年ついに憧れの地日本で念願の歌手デビューを果たします。
その後もJ−POPの名曲をカバーしこれまでに発表したアルバムは70万枚の大ヒットとなりました。
日本の心を深く理解する事でクリスの歌は今私たちに改めて日本のすばらしさを伝えてくれています。
少年時代に出会った日本そして大事な友人。
そこから生まれた多くの人との絆が今のクリスの歌を作り上げてきました。
全ての出会いに感謝を込めて。
今のクリスの思いを表現する曲です。
中島みゆきの「糸」。
2014/10/03(金) 02:20〜02:52
NHK総合1・神戸
SONGS「クリス・ハート〜日本の心を歌いたい〜」[字][再]
「日本のポップス」を歌うクリス・ハート。なぜ日本人の心をとらえるのか?今回、中学時代に初めて日本でホームステイをした茨城を訪ね、日本への思いと歌の魅力に迫る。
詳細情報
番組内容
「日本のポップス」をカバーして注目を集めたクリス・ハート。なぜ彼の歌が、日本人の心をとらえているのか?そこには、彼の日本へ愛する思いがあった。番組では、中学時代に初めて日本でホームステイをした茨城を訪ね、当時お世話になった人々と出会い、日本への思いを語る。そして、現地で、「恩返し」として、日本でのブレイクのきっかけとなった木山裕策の「home」を披露する。
出演者
【出演】クリス・ハート
ジャンル :
音楽 – 国内ロック・ポップス
音楽 – 海外ロック・ポップス
音楽 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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